デュエルアカデミア、昼休みの風景。
教室には女生徒たちが溢れ、班を作ってお弁当を食べている。
「ねぇ、『学園の七不思議』って知ってる?」
そんな話題が出てきたのは、二年のとあるクラスでのこと。
「え、なにそれ?」
「えー、知らないの?いまとっても流行ってるのに」
「へー、そうなんだ。ちょっと教えてよ」
「えーとね…じゃあこんなのはどうかしら?」
そう言って彼女は語り始めた…。
校庭に、昔の校長先生の銅像があるのは知ってる?
あれは6代前の校長の功績を称えて作られたものらしいんだけど…そんなことはいいわ。
あの銅像にはね、『深夜二時に、校庭にある校長の銅像に悪戯をすると、銅像が動き出す』っていう噂があったの。
…知らなかった?結構有名なんだよ?・・・続けるね。
昔この学園でね、これを実行した女生徒がいたの。
名前は分からないけど…ここでは仮にAさんとしておくわ。
Aさんはね、ちょっとした好奇心からこの噂を実行したんだけど…その好奇心がいけなかったの。
噂の通り、Aさんは深夜二時に校庭に行って、校長の銅像に悪戯をしたの。
落ちてた木の棒で叩いたり、蹴ったり、砂をかけたり…色々なことをしたわ。
結局、10分間叩き続けたのに、なにも起きない…当然といえば当然なんだけどね。
なにも起きないことに興醒めしたAさんは、その場を立ち去ろうと銅像に背を向けたわ。
…そのときね、どすん!と音がしたの。
その音に驚いたAさんは、恐る恐る後ろを振り向いたの。
そこには…
大きな鉄の棒を持った校長の像が立っていました。
「そ…それで、どうなったの?」
恐るおそる訪ねる。
「Aさんは翌日、死体になって発見されたわ」
「し、死体…」
「死因は撲殺、大きな堅いなにかで何度も殴られた後、硫酸をかけられていたそうよ」
「り、硫酸!?」
「そう、校長の銅像は木の棒で叩いて砂をかけたAさんに復讐をしたのよ」
「・・・・・」
こ、この学園にそんな恐ろしい怪談があるだなんて、知らなかった。
「これは怪談の一つなんだけど、また今度他の怪談を教えてあげようか?」
彼女がそんなことを聞いてくる。
私は…もう知りたくないと思う一方…知りたいと思う自分がいるのも事実だった。
…なんだかんだいって私は興味が湧いているのだ。滑稽だな、と思った。
「うん…今度お願いね」
そう答えた。
…いま思えば、これが元凶だったのかもしれない。
- え?何これ続きもんなのw -- adaman (2011-04-29 16:49:07)