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バトルロワイヤル開始 ◆DzuK1MKXmE



──遥か彼方で鐘が鳴っていた。


それは日常が終わりを告げる音だった。

幾千年もの年月を経て、闇の深遠で眠っていた絶望の城が、長きに渡る眠りからいま目覚めようとしていた。

それは白亜の大宮殿にして魔の居城。或いは絶対的な力と権力の象徴でもあり、ソレは見るもの全てを圧倒させる何かを内包していた。

神聖なる大宮殿の奥深く、謁見の間にて一人の男が頭を抱えながらも目を覚ます。

「ここは…いったい何処なんだ?」

男は未だはっきりとしない意識のままに、自分の置かれた状況を理解するべく周囲を見渡してみると、そこには大人から年端のいかぬ子供まで、男女を問わず多種多様で様々な服装をした者達の姿が視界に飛び込んでくる。

──状況が理解出来ない、と思っているのはその男だけではないようだ。よく見ればすぐに分かる事だが其処に居る者は皆、その男と同じように戸惑いと困惑の表情を浮かべていた。

広間全体に重く静かな男の声が響き渡った。

「皆の者よ、静粛に──」

いつの間に現れたのか、前方に見える玉座の脇には黒い道化師と白い外套を纏った二人の男が立っていた。

「此処は大魔王バーン様の御前である」

外套の男が発した名に後方の少年が拳を握り締めながら驚愕の声をあげる。

「大魔王バーン…じゃあここは…」
「おおっと。ダイ君、今は動かない方が君の身のためだよ?」
「一体何を企んでいるんだキルバーン!!」

ダイと呼ばれた少年が剣の柄を素早く?み、黒い道化師へ一気に距離を駆け寄ろうとした。
が、しかし、その動きは玉座と広間を隔てる透明な障壁によって阻まれてしまう。

「くっ、こんなもの」
「やめろ、ダイ。今は落ち着いて状況を確認するのが先だろう」
「ヒュンケル、だけどあいつは…!!」

両手に構えた剣を全力で振るってみても壁には傷一つさえ付かずにいた。

「まったく、ダイ君はせっかちだねえ。そんな態度じゃあ君を見せしめにしちゃうよ?」
「…キルバーン」
「はは、冗談だよ。彼がこのゲームの中でどうするのかは僕らやバーン様にとっても一番の見ものだからね。ここで殺しはしないよ」

黒い道化師がくつくつと笑う。

「さて、このままじゃあ他の皆様方が状況を理解出来ないだろうから、
 僕らの自己紹介を含めて、皆がどうして此処に集められたのかを話そうじゃないか。
 まず僕の名前はキルバーン、そっちの無口なのがミストバーン。
 僕らのことは大魔王バーン様の側近とでも覚えてくれればいいさ。
 そしてここからが本題、さっきもいったけれどこれから君たちにはあるゲームをしてもらう。
 なあに、ルールはいたって簡単さ」

黒い道化師の仮面がよりいっそうの笑みを浮かべ──。

「君たちにはこれから殺し合いをしてもらう」

その言葉に広間からは反発の声があがる。



「なっ…ふざけるな!!」
「どうして私たちがそんな事をしないといけないんだ!!」

広間からは多くの反発の声があがるが、理由もわからずに突然殺し合いをしろと言われては当然の反応だろう。
しかし彼らの声をキルバーンは一蹴した。

「ふふっ、君たちは自分の首にある物に気付いていないのかな?」

そう、ここに集められた者達の首には一人の例外も無く見慣れぬ金属製の首輪が嵌められていた。

「何だこれは?」
「いつの間に…」

「それは君たちの力を制限する枷さ、もちろんそれだけじゃあない。
 折角の楽しいゲームなのに随分と不満の声が多いようだから、
 皆にはこの首輪がどういった物なのかを教えてあげよう」

不意に、キルバーンが片手をあげると同時に参加者の中にた金髪ロールの奇抜な髪型をした男が空中へと浮かびあがり。

次の瞬間。

ボンッ、という爆発音と共に鮮血が飛び散った。

「ア…アバン先生!!」

空中から力無く落下した男の体が広間の中央に叩き付けられて血の海を作る。
その体に少年が駆けより、青年が少年の肩を?む。

「やめろ、俺たちまで二の舞になるぞ!!」
「でもッ!!」

首輪の爆発により物言わぬ死体となった男の姿にキルバーンは満足する。

「という訳さ、わかってもらえたかい?」

今の男が殺されたのは、逆らおうとしても無駄だと知らしめる為の見せしめだったのだろう。
眼前の男の死に様と己の首にある冷たい感触を確かめた者達はもう何も言えなかった。

「ふふっ、理解が早くて助かるよ。それじゃあそろそろ僕の方からこのゲームの、
 そうだね便宜上《バトルロワイヤル》とでも名付けようか。
 本格的な説明をさせてもらうから聞き逃しの無いようにしてくれるかい」



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 《バトルロワイヤルの基本ルール》


  • バトルロワイヤルの参加人数は42人+10人の計52人で行う。
  • 参加者は最初に特設会場へとランダムで転送される、その際に基本支給品一式+ランダム支給品(武器+その他アイテム1~2)が支給される。
  • 基本支給品の内容は以下の通りである(一日分の水、一日分の食料、地図、コンパス、筆記用具、参加者名簿)
  • 参加者名簿の記載は当初42人の名前が載っており、開始から6時間後に追加の参加者の名前が自動で浮かびあがる。
  • 首輪の爆発は必ず死ぬ。首輪によって個々人毎に制限が掛かる(次点参照)
  • 魔法、闘気、法術、変身、やそれに順ずる特殊能力はその全てに一定の制限が掛かる(能力、威力の低下や体力が大きい等)
  • 6時間毎に3箇所の進入禁止エリアが追加される。禁止エリアに進入すると30秒後に首輪が爆発する。
  • バトルロワイヤル開始から6時間毎に放送間の死者と禁止エリアの発表をする(聞き逃しに注意)


  • 参加者は最後の一人が決まるまで殺し合いをする。


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ルールの説明を一通り終えたキルバーンは皆が理解した事を再度確認すると満足気に笑う。

「僕からの説明はこれで終わりさ。あとは皆を特設会場に移動させるだけなんだけど…。
 最後に大魔王バーン様から君たちへの激励があるみたいだね。
 よろしくお願いしますよ、バーン様」

キルバーンの言葉が終わり、玉座のヴェールが微かに揺れて、皆がそちらを注視する。


「余が──大魔王バーンである」


玉座から伝わる声が圧倒的な威圧感を伴い謁見の間をを揺るがす。


「此処に集う幾多の世界の強者達に問おう。
 お前達は己の力が何処まで通じるのかを知りたくはないか?
 真に世界の最強たる者は誰なのか?それを確かめて見たいとは思わぬか?」

ここに来て急に発せられたバーンの意外な問い掛けに反応する者が複数居た。

「本来このような無用な殺し合いは望まぬ処だが…、この剣が世のどこまで通じる物なのか…」

歴戦の兵法者や戦士達の眼光が最強たる者の言葉を聞き輝きを増していく。


「ふふふ、此処に来てその威勢はさすがよな、トゥバン・サノオ。
 まあそうは言っても、お前達もただ殺し合いをしろと言われても張り合いがでないだろう。
 そこでだ、この殺し合いの優勝者には魔界の神である余がありとあらゆる願いを叶えると約束しよう。
 例えば地上の全てが欲しい、でも誰かを生き返らせたい、でも何でも構わぬぞ」

再び参加者達の間で最初とは違うどよめきが起きる。もしも本当に願いが叶うのなら、と──。

「ああ、忘れておった。無論、余の命が欲しい、でもよいぞ。
 優勝者がそれを望むのならば余はその者と対等の勝負をすると約束する。
 余からはお前達に伝える事はそれだけだ。では諸君らの健闘を期待しよう」

その言葉を最後にバーンの影が王座から消えて、参加者達の転送が始まる。


─遥か彼方で鐘が鳴っていた。

それは凄惨な殺し合いの始まりを告げる音だった。


大魔宮殿バーンパレスは静かに天空への飛翔を始めていた。

バトルロワイヤル、スタート。

【アバン先生@ダイの大冒険 死亡】

主催
【大魔王バーン@ダイの大冒険】
【キルバーン@ダイの大冒険】
【ミストバーン@ダイの大冒険】