紺野「やっぱりというか、なんというか……」 設楽「あのへんはカップルばかりだったな。」 ○○「わたしたち、お邪魔だったかな。」 設楽「おまえは邪魔じゃない。」 紺野「邪魔だったのは……」 設楽「………………」 紺野「………………」 ○○「???」
紺野「今日は散歩日和だったな。」 ○○「海、きれいでしたね。」 紺野「うん。あの辺りは夜もいいらしいよ。」 設楽「あんなとこ、夜に行くもんじゃないぞ。」 紺野「まぁ、今はね。そのうち。」 設楽「へぇ、誰とだよ?」 紺野「もちろん……」 ○○「?」
○○「2人は、今日見た中で、何が一番好きですか?」」 設楽「俺はジンベイザメかな。サメのくせにマヌケな顔してて。」 紺野「僕は、イワシの群れかな。あれだけの数が一斉に動く様は思った以上に大迫力だったよ。」 設楽「おまえは、クラゲだろ。口開けて見てたし。」 ○○「そ、そうだったかな……」 紺野「タツノオトシゴじゃないのか?ガラスに張り付いてただろ。」 ○○「うーん……」 ○○(うぅ、2人ともよく見てるなぁ……)
紺野「水族館もいいけど、スキューバの資格を取って本物の海にもぐってみたいな。」 ○○「わぁ、いいですね。」 紺野「だろ?いつか、一緒に……」 設楽「なんだよそれ。どっちが本命だ?」 紺野「……どちらかというと、海じゃないほう。」 ○○「ん?」
設楽「夜の海ってのもいいかもしれないな。」 ○○「羽ヶ崎海岸のあたりは真っ暗ですよ?」 設楽「それがいい……いや、海沿いの道は街灯があるし。」 紺野「海が暗い分、星がよく見えるかもしれないな。」 ○○「ふふ、それはロマンチックかも。」 設楽「だろ? そうなんだよ。」 紺野「2人なら、の話だろ?」 設楽「そうなんだよ……」
紺野「あまり海には入らなかったな。」 ○○「海岸を散歩するのも楽しかったですよ?」 設楽「人さえ多くなければな。」 紺野「2人だったらもっとよかったんだけど。」 設楽「それは俺のセリフだ。」
設楽「冬の海なんか歩いて楽しかったか?」 ○○「楽しかったですよ?」 設楽「ふうん……まぁ、それならいいけど。」 紺野「へぇ、設楽の言葉とは思えないな。寒いって文句言いそうなのに。」 設楽「楽しいって言ってる奴がいるからいい。」 ○○「設楽先輩……」
紺野「いいよな、冬の海って。」 ○○「冬は冬の顔がありますもんね。」 設楽「冬の海なんて最悪だ。」 紺野「僕はもう少しいたかったけど……」 設楽「冗談じゃない。」 紺野「先に帰ればよかったのに。2人でのんびりするから。」 ○○「もう、紺野先輩……」 設楽「……もっと冗談じゃない。」
紺野「本物の空はさすがにプラネタリウムのようにはいかないな……」 ○○「海が近いから、見えるほうだとは思いますけど……」 設楽「山のほうがよく見える。いつか、見に行こう。」 紺野「海のほうがいいよ。ロマンチックで。」 設楽「何しに行くんだよ。」 紺野「設楽こそ。」 ○○(どっちも行ってみたいな……)
紺野「プラネタリウムに行くと、本物の星空が見たくなるな。」 ○○「ここからじゃあまり見えませんね。」 設楽「山の上にでも行かないとな。」 紺野「夜に山まで行ったら帰るのなんて深夜だしな。下手したら朝方……」 ○○「うーん……それはダメかも。」 紺野「うん。だから、いつか行けるような日が来たら、一緒に行こう。」 設楽「……朝帰りの予約とは大胆な奴。」 紺野「そ、そういう言い方やめろ。」 ○○「………………」
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