1回目

紺野「ちょ……ちょっと休憩!」
〇〇「えっ? あ、はい」
紺野「………………」
〇〇「紺野先輩?」
紺野「……もう大丈夫」
〇〇「あの……もしかしてイヤでしたか?」
紺野「えっ?」
〇〇「スキンシップとかそういうの……」
紺野「ああ、いや! そうじゃない。そうじゃないんだけど……」
紺野「スキンシップは、言葉以外でコミュニケーションのとれる方法のひとつだ」
紺野「だから……その。君は、僕にこうすることで何か伝えたいことでも?」
〇〇「いえ、そういうわけじゃ……ごめんなさい」
紺野「ごめん! べつに責めてるわけじゃないから」
紺野「ハァ……少し頭が冷えてきた。帰ろう。」
〇〇(紺野先輩?)

2回目

紺野「ごめん、ストップ!」
〇〇「あっ、はい!」
紺野「……やっぱりダメだ」
〇〇「すみません、わたしまた」
紺野「ち、違うんだ! 嫌だって意味じゃなくて、嫌じゃないっていう意味で――」
〇〇「えっ?」
紺野「あぁ……何を言ってるんだ、僕は。君に触られると頭が混乱する」
紺野「止めさせたのは君を拒絶しているわけじゃない」
紺野「“ストップ”は僕自身に言い聞かせてるんだ」
〇〇「紺野先輩自身?」
紺野「……はは。そのキョトンとした顔を見たらクールダウンしたよ。ごめん、なんでもないから」
紺野「さ、帰ろう。家までもう少しだ」
〇〇(紺野先輩……?)

3回目

紺野「ハァ……」
〇〇「あの……紺野先輩?」
紺野「行動が度を超してるぞ? 自覚はある?」
〇〇「ご、ごめんなさい……」
紺野「怒ってるわけじゃない。……でも」
紺野「女の子からこういうことをすると、勘違いする男がいる。君が相手をどう思っているか関係無くね?」
〇〇「すみません……」
紺野「謝らないでくれ。……僕は心配なんだ」
〇〇「紺野先輩……」
紺野「そんな悲しい顔しないで。急に強く言って、ごめん」
紺野「……これで少し、僕の勘違いしそうな感情も落ち着いた」
〇〇「えっ?」
紺野「君の大胆過ぎる行動は、気の弱い男を狂わせるから気をつけて?」
紺野「さ、もう行こう。気を無事に家まで送り届けなきゃね」
〇〇(紺野先輩……)

4回目

紺野「……ハァ」
〇〇「あっ、またわたし……」
紺野「降参。どうしたらいい?」
〇〇「えっ?」
紺野「君が今、僕に求めていることはない?」
〇〇「紺野先輩、あの……」
紺野「言って。今の僕なら何でも聞けるかもしれない。」
〇〇「……どんなことでも、できる気がする」
紺野「すみません、わたし――」
〇〇「…………」
紺野「もう一回降参。ごめん、困らせて」
〇〇「だけど、君がそうさせてるんだ。僕は――強くない」
紺野「こうして会話することで沸き上がる黒い感情を紛らわせてる」
紺野「……ここまでにしよう。今、これ以上のことは言えないし、したくない」
紺野「それじゃ、おやすみ」
〇〇(紺野先輩……)

5回目

紺野「……待って。ちょっと聞いていいかな」
〇〇「あっ、はい」
紺野「今の状況は分かってる?」
〇〇「えっ?」
紺野「言い方を変えるよ。僕の今の気持ちは分かってる?」
〇〇「あっ! あの、ごめんなさい……」
紺野「謝らないで。君が僕にしていることを、僕が君にしてあげればいい?」
紺野「これが今、僕が最初に君に出してあげられる答え。……そのあとに続く答えもすぐに出せるよ」
〇〇「紺野先輩、あの……」
紺野「僕はオーケーだ。君が、求めるなら」
〇〇「わたし……」
紺野「言ったよね。僕は強くない。だから、いつ壊れるか分からない」
紺野「……でも、今日は帰るよ。君との関係は壊したくないから」
紺野「……怖がらせて、ごめん。おやすみ」
〇〇「おやすみなさい……」

6回目

紺野「〇〇さん」
〇〇「はい?」
紺野「…………」
〇〇「あの、紺野先輩、どうしたんですか?」
紺野「どうしたんですか、じゃない。どうにかなりそうなんだ」
紺野「駄目だな。少し離れたほうがいい」
紺野「……これでいい。これでお別れの挨拶をしよう」
〇〇「…………」
紺野「………………」
〇〇「紺野先輩……」
紺野「ハァ……無理か」
紺野「僕はもう、君から逃れられない」
紺野「この状態が辛い半面、居心地が良いって気もしてる。壊れちゃったんだ、僕は」
〇〇「えっ!?」
紺野「いいよ、もう。きっとこれが僕にとって今、一番幸せな状態なんだ」
紺野「……うん、そう思えたら妙に落ち着いた」
紺野「それじゃまたね。おやすみ、〇〇さん」
〇〇(紺野先輩……)



寸止め会話

  • 「こんなに意識してるのって、僕の方だけ?」
 「そうかもしれません」
 「そうか。やられっぱなしだな」
 「そんなことないです……」
 「そうか……じゃあ、お互いさまってことで」

  • 「君はこうゆうのが好きなの? その、僕にベタベタと……」
 「まだまだ序の口です」
 「降参! 今でも顔から火が出そうなんだ。これ以上は勘弁してくれ」
 「嫌なら止めます」
 「嫌じゃないよ、恥ずかしいんだ。僕、すぐ顔に出るだろ?」

  • 「そんなに見られると、緊張するんだけど?」
 「見るのやめます」
 「そっか……じゃあこっちから見るのは、なし?」
 「……だめですか?」
 「ううん。ただこの状態で、僕が君を見たら、お互い見つめあっちゃうだろ」

  • 「そんなにイタズラして、仕返しされるとは思わない?」
 「望むところです」
 「本気なのか冗談なのか……やれやれ」
 「しないですよね」
 「……うん、しない。もちろん……しない」

  • 「離したくない。――って言ったらどうする?」
 「嬉しいです」
 「できないのがわかってて言ってたら、残酷だな。それでも嬉しいけど」
 「ダメです」
 「冗談だよ。もう少し一緒にいたいとは思ってるけど」

  • 「君は本当に無邪気に笑うな」
 「あまり見ないでください」
 「照れちゃった? そうじゃなきゃ不公平だよ、僕だってこんなに……」
 「そうですか?」
 「ああ、すごく楽しそうで……イタズラを止めにくい」

  • 「あのさ……こうゆうのって、君にとっては普通のこと?」
 「もちろん普通です」
 「本音を言えば、全部独り占めしたい。ダメかな?」
 「こんなの特別です」
 「からかってるわけじゃないよな。素直に喜んでもいい?」

  • 「まったく……これ以上はダメだよ」
 「はぁい……」
 「そんな残念な顔されると、どうしたらいいか……」
 「ダメですか?」
 「ごめん、イヤなわけじゃないんだ。……わかるだろ?」

  • 「もしかして眼鏡を外そうとしてる?」
 「バレちゃった」
 「こら、ダメだよ。君の顔が見えなくなるし」
 「それは勘違いです」
 「じゃあ単に顔にイタズラしてただけ? ほどほどにすること」

  • 「まさか、まだ近づこうとしてる?」
 「ま、まさか……」
 「こら。こっちはもう限界なんだからな?」
 「まさか!」
 「そうか……まあ、そうだよな?」



更新日時:2018/10/19 15:43:51
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最終更新:2018年10月19日 15:43