責任の所在


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(暫定版)

当該事故の責任を誰が取るのか、どのように取るのかは未だ判明しないが、ここでは幾つかの知見を紹介する。


環境への影響がどれほどになるか。被害総額、対策費用総額が幾らになるのかも、現時点では不明である。暫定的な情報として、5月上旬時点で一日辺りの対策費用は600万ドル。総額費用の見込み値の一つとして、ワーストケースで125億ドル(1兆2000億円)という数値が出歩いている。

6月3日現在、クレディ・スイス・グループは、もしも流出が8月まで続いた場合の石油除去の総費用は150から230億ドルとみている。(損害賠償は140億ドルと見ているが、油濁法によると損害賠償については7500万ドルが上限とされている。今回の事故を受けて上限を100億ドルにまで引き上げる見込みであるが、罪刑法定主義の原則からみて、今回の事故にこの金額が適用される見込みはほぼ無い)


油濁法1990
ご参考程度に。


 以下は5月4日のモルガンスタンレーのレポートより抜粋。部分部分に、WIKI作成者による解説や補足を追加。原文は、末尾のリンクからご参照されたし。

モルガンスタンレーは、Operator(BP)と、その他のリース契約者(つまりAnadarko、三井石油開発)が、油の流出に伴う損害、そして潜在的な損害への大部分の賠償責任を負うであろう、と結論づけた。


(解説。石油契約の国際的な常識を考えれば、妥当な結論となる。オペレーターと、その共同事業者であるパートナーは、リース契約によって取得した鉱区内で起こった石油開発に関わるトラブルに対して責任を負わなければならない。この場合、費用負担、賠償負担は権益比率(BP 65%, Anadarko 25%, Mitsui 10%)に順ずるのが一般的である。)

BOPの建造者であるCameron International, 掘削泥水のハンドリングを行っていたM I Swacoが法的責任を負わされることはない。


(解説。このBOPは10年前にTranseoceanに購入されたもの、今までの井戸では機能していた(はずである)。BOPの機能テストと定期メンテナンスの現在の責任者は、Transoceanである。泥水についてみてみると、事故時の状況から、ライザー内の泥水の置き換えは予定通りのものである。つまり、M I Swacoの過失は、現時点では考えられない。なお、原文中ではM I SwacoではなくSmith Internationalと記載されているが、これは恐らく間違いである。M I SwacoはSchlumberger(40%)とSmith International(60%)の合弁会社である)

リグの所有者にして掘削作業の実施者であるTransoceanの潜在的責任は比較的小さく、これは保険適用の範囲内


(解説。原則的に、掘削作業中の監督責任は、Companyにある。それはつまり、OperatorであるBPと、そのパートナーである(Anadarko、三井石油開発)。しかし、私見ではあるが、非常事態下でBOPが機能していないことについては、Transoceanの責任は決して小さくはないと思われる。もしも、BPのオペレーションに問題がなかったにも関わらずパイプの切断が出来なかった場合、トランスオーシャンはBOPの管理・テスト責任を負う可能性がある)

セメント作業の実施者であるHalliburtonは、責任を負うことは無さそうだ。Companyは、セメントジョブの不備を指摘しているが、その不備を実証する事は極めて難しい。


(解説。Wiki作成者は、このモルガンスタンレーのコメントには異を唱える。最大の責任者がCompanyである事は間違いないが、セメントジョブの不備はこの事故の根本的、かつ最大の原因の一つである可能性が高い。少なくとも、現場でのセメントに関するテスト結果に対して、適切な助言をBPに行う道義的な責任がある)

業界全体への影響については、石油開発に使う設備の開発メーカーと、それを合わせた海洋掘削技術を所持する会社にとっては、長期的にはポジティブなものとなる


(解説。今回の事故により、メキシコ湾での石油開発におけるレギュレーションが変更される可能性が高い。開発会社は、中古品を使うことができなくなるので、メーカーには利益になるであろう、というコメントかと思われる)

海上交通面では、一種の混雑・渋滞状態を引き起こすのではないか。


(以上、まとめ部分のみを意訳)


上記に記載されていないアメリカ政府内務省MMS(Minerals Management Service)の責任について

 一定の責任がある。石油開発の監督責任を担当する行政部署は、新規開発計画に対して事前に評価する義務がある。

 (解説 この開発計画・掘削計画において、BPはMMSに開発計画書を提出しており、掘削作業自体はこの手順に沿って行われていたものと思われるからである。
 問題の一つとして言及されているBOPの音響式作動システムについての規制であるが、本事故では結果的にフェイルセーフ式の自動起動型の遮断装置(シェアラム)さえも機能していない事から、流出や噴出の防止に直接的に寄与をした可能性は低いと見られる)

上記に記載されていない、リグ建造者である現代重工業の責任について

 責任の順序としては、BOPの製造元であるCameron,泥水のハンドリングを行っていたM I SWACOよりも下位、関連企業中で最下位に位置すると考えられる。
 (解説 理由としては、(1)事故の原因である「暴噴」の技術的原因に関与していない (2)原油とガスの暴噴量は大量であったという証言があり、リグ側の防爆設計の許容範囲を超えていた可能性が高い(3)当該リグの引渡しは2001年に済んでおり、防爆機能の維持・点検の義務はTransocean社にある。(4)大部分の乗員が避難を終える程度には船体が浮遊状態を維持しており、構造上の欠陥を示す情報は現在のところ上がって来てはいない、という事が上げられる。

 事故状況を考えると、もっとも類似したケースは英国でのPiper Alpha爆発事故であろう。この事故において生産施設の建造者が法的・賠償責任を問われたかについては未確認であるが、施設製造者の責任を理解する判例として有用と考えられる。

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