世界観

長編シリーズと水曜ワイドシリーズの関係性

MOBIEの作品群の中で特に大きなシリーズとして「長編シリーズ」「水曜ワイドシリーズ」が挙げられるが、このうち水曜ワイドシリーズは「現実世界」を描いた作品という扱いであり、長編シリーズは創作物、いわば劇中劇である。
そのため水曜ワイドシリーズの登場人物の中には、長編シリーズの登場人物を演じているという設定である者もいる。
ただし、現実であるはずの水曜ワイドシリーズ内で死亡した外道Taxi氏の演じる橋之巻末太郎がその後も登場し続けている他、水曜ワイドシリーズの登場人物名が役者名そのままで統一されているのかと思えばそうとも限らず、長編シリーズの役者名が水曜ワイドシリーズの登場人物名にはなっていないなど、様々な謎が残されている。



長編シリーズの世界観

概ね我々の世界と変わらないが、一部の大きく異なる点、独自の要素について以下に記す。


地理


長編シリーズ世界では、20世紀中頃の大戦中に大多喜寅信の一撃で日本列島が太平洋の中心付近へ移動し、同様にメキシコがアメリカ大陸から切り離され日本の関東地区に激突し一体化している。
そのため、作中で強調されてはいないが我々の世界の日本よりも平均気温は高いものと考えられる。ただし、雪は普通に降っている。
この移動の関係で長編シリーズ世界の日本は我々の世界の日本よりもアジアから遠く、より孤立した島国になっており、代わりに唯一の陸続きの隣国であるメキシコとのつながりが強いようである。それはメキシコ国内にも日本語の看板が見られることや、日本で井戸端会議をするメキシコ人が頻繁に登場することからも伺える。
陸続きであるためかメキシコとの国境に特に出入国手続き等は必要ないようだが、代わりに「刑法の壁」と呼ばれるバリアのようなものが張られており、日本の警察官の攻撃はこの壁によって弾かれ、メキシコ国内の犯罪者には到達しない。



種族


長編シリーズ世界では、通常の「人間」に加えて、異種族の「外道」「超人」が存在する。


外道

「外道」とは不老不死の生命体であり、それを明朗に表す例として「銃が効かない」ことが劇中ではよく描かれている。
外道は生来の先天的な外道と、人間から外道に生まれ変わる後天的な外道がいることが確認されており、前者の中には人工的に造られた者も存在する。また、外道から人間に生まれ変わったとされる例もあり、相互に転身が可能な模様である。
外道の肉体は不死であるだけでなく身体能力的にも人間に比べてはるかに優れており、強い個体はビル程度ならいとも簡単に破壊してしまう。それに加えて「手にした武器をデタラメにする力」を有しており、ただの軍刀から炎を発したり、わずか一振りで大陸移動を発生させることすらある。
これらの能力により、外道は高い戦闘能力を持っていることがほとんどであるが、個人差が大きく、最強クラスの外道は一撃で街一つ壊滅させるが、最弱クラスの外道は蚊にすら敗北する。
なお、これらの能力のうち、不老不死以外については自身が外道であることを自覚しなければ発動しない。
また、外道の多くは好戦的な性格であり、理由も無く暴力を振るう例が多々見受けられる。その暴れ方は単細胞的で、生来の外道には知略をめぐらせたり回りくどい破壊活動を行うものは珍しく、そういったことをするのは主に人間から転身したの者である傾向が強いらしい。
ただし、たとえ後天的外道であっても、この外道らしい性格は外道になることで強まるようで、本来厳しくも優しい性格であった大多喜寅信は自身が外道であると自覚したと同時に精神を蝕まれ「心も外道に堕ちる」寸前まで行ってしまった他、外道らしからぬ人間染みた悪行を行っていたカニコ・クロヒョップを特定する際、サンタクルス・ライバックは「“最近”、人間から外道になった奴を知らないか」と時期を限定して尋ねていた。強い意志を持って心を保たなければ、徐々に人間だった時の心は失われていくのだろう。


超人

「超人」も外道並のきわめて高い身体能力を持っているが、ただ人間の身体能力等が著しく強化されただけという程度のものではなく、棒を数万キロメートルの長さまで自在に伸縮させる等、超常的な能力を有している例が明らかになっている。
が、どういった特徴があるのか、どういった定義で超人にカテゴライズされるのかははっきりしておらず、現状では、人間の領域をはるかに超えた外道ではないもの、を暫定的に超人と呼んでおくしかなさそうである。


神?

これらの他、「神」を自称する存在と、それに近い能力を有する登場人物が幾人か登場するが、この分類の存在は明言はされていない。


人間

余談だが、ただの人間でも我々の世界の人間とは比べ物にならないほど身体能力や耐久力は高く、宇宙空間程度であれば生身で行って大気圏突入しても気絶で済む。心頭滅却すれば火もまた涼しじゃーっ!!!



外道対策


外道という我々の世界には無い脅威に対抗するため、長編シリーズ世界には独特の外道対策組織やシステムが存在する。


西武警察

凶暴な上に不老不死である「外道」という存在に対抗するため、大多喜寅信によって人々の保護と外道の駆除を目的とした「外道対策特別署」、通称「西武警察」が組織され、日夜対策にあたっている。西武署とも言う。現在の署長も大多喜が勤める。
銃の効かない外道を相手にする署員達は拳銃以外の武器を携帯することが許可されており、その武器は刀から衛星兵器まで様々である。また、外道にも効く例外的な威力を持った銃を携帯している刑事もいる。
毒をもって毒を制すと言うべきか、署長である大多喜自身が実は外道であることに象徴されるように、署員も一筋縄ではいかない者……ぶっちゃけてしまえば基地外や社会不適合者が多く、民間人を撃ちたがるトリガーハッピーや、人類未踏レベルのエンゲル係数と体脂肪率を誇りそうなアニオタなど、おそらくは戦闘能力だけを重視されて登用されたどうしようもない面々で構成されており、常識人は貴重である。また、彼らを採用せざるをえなかった背景には、146%という高過ぎる殉職率からくる慢性的な人材不足もあると思われる。
西武警察の署員は基本的に私服警官である。これは身分を明かさないことで外道の警戒心を刺激せずに近づくことが目的と見られ、顔が良く知られている鷹勇二はさらに帽子で顔を隠して捜査を行っている。
有事の時以外は、担当地域のパトロールを主な任務としている刑事もいる。先述の通り性格に難がある者が多いので、内勤には向かないのだろう。
専門は外道対策であるが、外道に関する事件以外でも、普通の警察官と同じように通常の暴行や公務執行妨害の取り締まりは可能である。


外道予報

劇中でははっきりとは描かれてはいないが、「外道予報」なるニュースが流されているという設定が監督構想にはあるそうで、特に要注意とされる外道の動向を知らせることで避難を可能にし、人的被害を抑えているらしい。
大物の外道が頻繁にニュースになっていることは、『D2』などの劇中のニュース映像からも確認できる。


ヒーロー協会

公の組織である西武警察とは別に、民間にも「ヒーロー協会」と呼ばれる組織があり、都内だけで1000人を超えるというヒーロー達が独自に街の平和を守っている。
劇中には「南関東ヒーロー連合」と「南関東ヒーロー連盟」が登場しており、これらの各地区のヒーロー組織を総括しているのがヒーロー協会であると思われる。
ヒーローとしての活動そのものは非営利の善意による戦いや救助活動であるが、ヒーローの中にはその知名度によってテレビ番組を組まれたり、タイアップ商品の発売、CMへの出演などで収入を得て、ヒーローを職業としている者もいる。各ヒーロー連盟や連盟に所属している場合、スポンサー収入はこの組織にも入ってくるようで、組織運営はこの資金によって行われている。


南関東ヒーロー連盟

坂崎ヒデアキが会長を務めるヒーロー協会の組織。南関東と冠されてはいるが、南関東のヒーロー組織はここひとつではなく、先述の通り同じく南関東を名乗る「南関東ヒーロー連合」が別に存在する。この連合との仲は非常に悪く、混同されるのをひどく嫌っている。
劇中に登場するヒーローでは二郎仮面こと米俵スグルとbladeこと影山剣が所属していたが、影山に対して過去の功績から除名を見送るべきか、それとも近年の凶行から除名すべきかの議論が起こり、結果として癒着から影山擁護を行っていた元会長を下し、坂崎が新会長となって除名を決定した。
なお、劇中では自分たちのことを「南関東ヒーロー連合」と言ってしまっている台詞が何箇所もあるが、実はこれは本来の脚本では「南関東ヒーロー連合」が正しいからである。
ヒーロー協会の人々』は生放送かつぶっつけ本番で上演された作品であるが、一番最初の台詞において元会長役の外道taxi監督が「ヒーロー連合」という台詞を「ヒーロー連盟」としょっぱなから言い間違ってしまったのだ。不幸中の幸い、それがこの単語の初登場だったので、咄嗟に監督は機転を利かせ、この一連の台詞をすべて逆に読み替えて「ヒーロー連合がヒーロー連盟と間違えられて嫌がる」から「ヒーロー連盟がヒーロー連合に間違えられて嫌がる」に変更し、見事その場を乗り切ったのだが、間隔が開いてから再び登場した「ヒーロー連合」という単語は、「連盟」に読み替えるのを忘れて台本どおり読んでしまい、結果ちぐはぐとなってしまった次第である。さて、どっちを正式名称にするべきか……。



治安・悪の組織


外道の存在が作用しているのか、長編シリーズ世界の日本は我々の世界の日本に比べると全国的に治安が悪く、特に東京の「アパッチ地区(通称アパッチ村)」は世紀末な様相の代表として頻繁に例に挙げられている。
組織面でも、後述するような危険な団体が多数存在し、このため普通の警察も我々の世界より厳しいらしく、凶悪犯に対しては容赦なく射殺の可能性も宣言して投降を呼びかけている。


巨大犯罪結社 黒服組織

黒服首領率いる、劇中ではおそらく最も規模の大きい悪の組織。トップメンバーと呼ばれるAからYまでの25のアルファベットをコードネームにもつ幹部達(うち4人は特に優れた戦闘能力と権力を持ち、通称「Big4」)と、幻とされる26人目の大幹部Zetaらを筆頭に、相当な数の構成員が所属している。全員が黒いスーツを着用していることが特徴である。
武器の密輸・密売・密造をはじめとし、闇カジノ、株売買、臓器売買、紙幣偽造、暗殺・殺人。そして違法成分たっぷり配合の非合法エナジードリンク「Black Men In」の販売流通など、価値の暴落した麻薬(80年代に睡眠によって合法かつ健康的に“ハイ”になれる「スリーピングバー」と呼ばれる施設が流行したため、リスクのある麻薬はその価値を失った)取引以外の一通りの悪事はこなす。
暗号を用いるなど秘匿性の高い組織であるためか、裏切り者、離脱者には容赦が無く、かつて用心棒などの形で在籍していた串田龍巳ハシコフ・ロジンスキーに対しては、抹殺するべく組織の総力を挙げて刺客を差し向けている。
また、本編中では「ある組織」としか言及されていないが、公式ホームページによってハシコフ・Rもかつてこの組織の一員であり、しかもナンバーワンだった(黒服首領より上の立場という話ではなく、文脈からすると戦闘力のことだと思われる)ことが明らかになっている。


広域ギャング集団 大仏軍団

大仏仮面を首領とする組織。表向きは 「統一仏学会」という宗教団体であり、街角で勧誘活動を行っている。
特に金儲けやテロといった活動を組織的に行っている描写は無く、犯罪といえば部下が私怨で殺人を行っている程度なので組織の目的はいまいち不明であるが、ギャング集団と呼ばれている以上はやはり組織的になんらかの犯罪を働いているのだろう。ちなみにギャングは集団を表す語なのでギャング集団では重複である。
余談だが、大仏仮面は西武警察からは首領ではなく「組長」と呼ばれており、さらに公式ホームページでは「小悪党集団 大仏軍団 頭領」と紹介されていた。もっとも、大仏仮面は過去にいくつも所属組織を潰されてきた過去があるため、後者についてはその過去組織の名称と肩書きとも考えられる。


麦踏会

かつて隆盛を誇った広島やくざの組。『広島義兄弟』の時点ではロベルト・ヨーンを組長とし、その義弟ジャック・ワイルドだけが組員というたった二人の組織だった。
しかし、地道な資金集め等の活動を積み重ね、『ウクライナ領日本』の時点では1万人の構成員を抱えるまでに復興に成功している。


環境保護団体

ゴルフ場開発等に反対運動を行っている団体。我々の世界のアレやコレよりさらに過激派であり、殺人すらも厭わず市民から怖れられている。
武装を施した装甲車による突撃が主な抗議方法である。


恐るべき悪の組織

バックベアードを首領とし、部下はレオン・G・マクイーンピーターの2名だけという、低迷していた時期の麦踏会を除けば劇中では最も規模の小さい悪の組織。
アジトもアパートの一室というささやかなものだったが、ピーターのとある失敗による資金繰りの悪化に伴いそれすら追い出され、引っ越した先も爆発に見舞われたため、公園のベンチ等で活動していることがほとんどである。
バックベアードがかつて所属していた組織の首領から受け継いだ悪の流儀により、風が吹けば桶屋が儲かる的な、非常に遠まわしかつ、直接手を下す部分においては深刻な被害を出さない「悪過ぎない」作戦ばかり実行するため、その組織名に反しあまり社会の脅威にはなっておらず、失敗も多い。
部下は給料制であり、成果が上がらなければ度々解雇をちらつかせて危機感をあおる。その反面、失敗に関してはアジトを失うほどの大損害が発生してもゲンコツひとつで済まされたり、首相の誕生日がお祝いされたりと、いわゆるアットホームな職場である。