「──────削除」
瀕死の連合軍の兵士に止めを刺そうとしていたアルビアン軍の兵士が、いきなり、胸を押さえながら倒れた。
「──────削除」
ドラゴンにまたがり、連合軍の兵士と空中で魔法のぶつけ合いをしていたアルビアン軍の兵士が、急にぐったりとして動かなくなった。
「──────削除」
地上で前線の指揮を執っていたアルビオン軍の部隊長の一人であろう男が、突然、杖を握りながら地面に前のめりになり、ぴくりともしなくなった。
「次、あれ! 次、あれ! 次! 次! 次!」
「削除! 削除! 削除! 削除! 削除! 削除!」
「削除! 削除! 削除! 削除! 削除! 削除!」
ルイズは己の使い魔とともに、ドラゴンに乗って戦場の上を飛び回っていた。
ときに上空数百メイルで行われている空中戦の合間を縫いながら旋回し、ときに地上スレスレまで低空飛行を行い、まさに縦横無尽であった。
使い魔は黒いノートを片手にルイズに指示された方向を凝視したのち、そのノートにひたすらペンを走らせていた。
一方、ルイズは時々飛んでくるアイスやファイアなどの魔法を、自分の爆発魔法で相殺していった。
ときに上空数百メイルで行われている空中戦の合間を縫いながら旋回し、ときに地上スレスレまで低空飛行を行い、まさに縦横無尽であった。
使い魔は黒いノートを片手にルイズに指示された方向を凝視したのち、そのノートにひたすらペンを走らせていた。
一方、ルイズは時々飛んでくるアイスやファイアなどの魔法を、自分の爆発魔法で相殺していった。
「魅上、次はあれ──」
「久しぶりだな、ルイズ」
「久しぶりだな、ルイズ」
ルイズは、連合軍の兵士が一塊りになっている所に向けて呪文の詠唱を始めたアルビオン軍の兵士に目星をつけた。
そして、使い魔に指示を出そうとしていた矢先、ルイズたちの前に、グリフォンと風竜に乗った羽帽子と口髭が凛々しい長髪の男が現れた。
そして、使い魔に指示を出そうとしていた矢先、ルイズたちの前に、グリフォンと風竜に乗った羽帽子と口髭が凛々しい長髪の男が現れた。
「ワルド様! いえ、ワルド!!」
「こんなところで再会するとはな」
「こんなところで再会するとはな」
その男は、風系統のスクウェアメイジで、トリステイン王国に三つある魔法衛士隊の1つ「グリフォン隊」の隊長であるワルドであった。
ルイズの許婚でもあった。しかし、少し前にアルビオンでルイズと結婚式を挙げていた最中、ルイズに拒絶され、逆上。
殺害を試みたものの、その場にいたウェールズ王子の活躍により失敗に終わった。以来、姿をくらましていた。
ルイズの許婚でもあった。しかし、少し前にアルビオンでルイズと結婚式を挙げていた最中、ルイズに拒絶され、逆上。
殺害を試みたものの、その場にいたウェールズ王子の活躍により失敗に終わった。以来、姿をくらましていた。
「魅上、目の前の男よ!」
「ルイズ! 仰せの通りに!」
「ルイズ! 仰せの通りに!」
ルイズの言葉に呼応し使い魔はそう叫び、ワルドを一瞥したあと、手持ちの黒いノートに
〈 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド 〉
と、書き込んだ。
〈 ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルド 〉
と、書き込んだ。
「なんだい? その平民の使い魔が何かしてくれるっていうのかい?」
「ええ、そうよ」
「ええ、そうよ」
ワルドは、何故ルイズがまるで己の勝利が確定しているかのようにそう言ったのか理解できなかった。
平民の使い魔が、貴族にかなうものか。はったりに決まってる────
少し動揺しながらも、しばらく考え込んだのち、そう結論付けた。
平民の使い魔が、貴族にかなうものか。はったりに決まってる────
少し動揺しながらも、しばらく考え込んだのち、そう結論付けた。
「ふん、杖もなしにか。仮に何か特別な能力を持っていようとも……もう遅い! ルイズ、これで君とはお別れだ!」
ワルドはそう宣言し杖をルイズたちに向け、ルイズたちを葬り去るため呪文の詠唱に入った。
このときワルドは、自分が考え込んでいる間、ルイズたちが杖も構えず何かを喋っていたことには気づけなかった。
このときワルドは、自分が考え込んでいる間、ルイズたちが杖も構えず何かを喋っていたことには気づけなかった。
「ワルドの名前を書いてから何秒たった?」
「…………35 36 37 38」
「…………35 36 37 38」
「39」
「ワルド、私の勝ちよ!」
「ワルド、私の勝ちよ!」
「40!」
ルイズの使い魔がそう叫ぶと、ワルドは詠唱を完了することができなくなった。
なぜなら、ワルドの心臓は止まってしまったからだ。
なぜなら、ワルドの心臓は止まってしまったからだ。
「うぐっ……な、ぜ……だ…………」
ワルドは、そう呟き、絶命した。
『DEATH NOTE』より「魅上照」を召喚