■スパンゲンヘルム

  • Ⅱ 頭の形に合わせて作り防御効率を向上させた兜。
  • トルコ発祥の初期の帽子状ヘルメット。砲弾型で頭部をすっぽり覆う。鎖帷子のフードの上から付けるのが普通。
  • 初期中世(だいたい6〜11世紀)起源的にはスキタイあたりからロシア・ウクライナを経由して西欧に伝わったともいわれる。時代的にも民族大移動の時期と重なる。スパンゲンヘルムという名前自体は特定の時代・地域に結びついたものではなく、構造による分類名である。兜の鉢の頭頂から六方に鉄板の「筋」が伸びているという特徴を持つ。この筋をドイツ語でスパンゲンという。まず外枠(=スパンゲン)を作り、そこに分割された鉢用の板金を留める。まだ一枚の鉄板を加工して頭部の鉢を形成するのは技術的に困難だったので、このような様式が特に中世初期に広く用いられた。その後、長い間このスタイルの兜は欧州中で用いられることになる。
  • 10世紀頃のノルウェーにおけるヴァイキングヘルムもその一種といえる。太い眼鏡状の目庇(まびさし:目を守る装備)が付いていたりするが、鉢の構造的には同様である。
  • 珍しいものではスウェーデンで発見された7世紀頃のものと思われる「ヴァルスヤーデヘルム 第六墓型」がある。やはり目庇が付いているが外枠であるスパンゲンが細かく複雑に交差し、そこに留めるはずの鉢用の板金が施されていない。形は違うが、どこかスピードサイクリングのヘルメットを連想させるものがある。はたしてこれが完成形だったのか、それとも製作途上のものだったのかは分からない。
コメント: