■シャスク


  • Ⅲ 鍔を持たない攻撃的な片手剣。空き×1
  • 切っ先近くだけ諸刃造りとなっており斬ることにも突くことにも長けている。
  • シャンクス!!
  • 全長80~100cm程度、うち柄が10cm程度、身幅3~4cm。重量0.9~1.1kg程度。 17世紀~現代にかけて、東ヨーロッパにおけるカフカース(カフカス・コーカサス)地方のチェルケス人、アディゲ人、グルジア人、チェチェン人、オセット人、コサック人、ロシア人などが用いてきた剣。伝統的なカフカースの短剣から発展したもので、名はアディゲ語(西チェルケス語)で“長いナイフ”を意味する「サシュコー」に由来するとされる。本来は「シャシュカ」であるが、日本ではシャスクと表記されることが多い。カフカース・サーベルとも呼称される。片刃で反りの小さな幅広の刀身に擬似刃状の切先も備えており、斬撃にも刺突攻撃に適している。儀礼用として用いられたと見られるものは刀身に装飾目的の彫刻が施されており、柄や鞘の金具部分にも装飾が施されている。これらの品は工芸品としても高い価値を持つ。しかし標準的なシャスクは刀やサーベルとは異なり製造が簡単だった。貧しいカフカース地方の人々にとっては、これが不可欠な要件だった。
  • おおむね中近東(ペルシャ)の「シャムシール」やインドの「タルワール」に似た形をしているが、鍔や護拳はなく、日本刀の短刀に多く見られる匕首(合口)拵えのように、鞘の鯉口(鞘の刀身を差し込む部分)が直接、柄と合致する構造となっている。また、柄が非常に短い。片手で持つことが前提とされているサーベル類の中でも特に短い物が多く、片拳分の長さしかないものがほとんどである。柄頭が大きく張っていて、鳥の頭に見立てた造りのものが多くある。欧州やイスラム諸国で一般的に見られる片刃の曲刀類と比較すると総じて太身であり、切っ先も大きい。側面に樋(ひ・剣の刀身にそって細長く彫られた溝。「血流し」ともいう)を掻いているものが多く見られる。年代が古いものほど刀身の反りが大きく細身になる傾向があるが、必ずしもその限りではないものもある。作られたり用いられたのがロシア及びカフカースの南方地域になるほど反りが大きく、細身のものが多い。これはシャスクの発祥と伝来に関連していると考えられている。
  • もとはコーカサス地方のチェルケス高地人固有の剣だが、カフカース山脈の麓に定住して国境警備隊として仕えたロシア系コサック人は、この高地の武器が持つ利点に注目した。チェルケス人は彼らにとって最大の敵であったものの、コサック人は大きなパパーハ帽など、チェルケス人の軍服や武器の数多くの基本的な要素を取り入れていた。コサック人はまた、彼らが好んで持つ剣やチェルケス人が視覚的効果のためにそれを振り回す芸のほか、ジギトフカと呼ばれる乗馬芸も取り入れたが、コサック人はこの芸を事実上お家芸も言えるスポーツに発展させた。
  • 18世紀から行なわれたロシア帝国の南下政策によるカフカースの植民地化により、ロシア軍に借用された。ロシア人も、採用したこの武器にさらなる手を加えた。1838年に、バクラノフ・シャスクという改良されたバージョンがコサック隊に支給された。伝説的なコサック将軍でチェルケス人とチェチェン人を悩ました大敵、ヤコフ・バクラノフにちなんで名付けられたこの武器は、シャスクとサーベルを融合させたものだった。刃に婉曲があり重心がずれているため、この武器を思いっきり振れば一撃で敵の首を切り落とすことが可能である。シャスクは、ロシア軍のいたる所に配属されたコサック人の間で瞬く間に普及した。19世紀半ばまでには、多くの部隊がすでにこれを携行しており、19世紀後半になると、騎兵の主な武装品としてサーベルに取って代わっていた。
  • 銃火器の時代になると、軽騎兵用のサーベルと胸甲騎兵の剣は姿を消し、大きな弧状の刃をした武器は無用の長物と化した。一方、コンパクトなシャスクは、近接格闘ではリボルバーよりも適している場合が多かった。竜騎兵(16世紀後半を起源とする。当初は馬に乗って戦場を移動する乗馬歩兵であったが、やがて騎乗兵として火器を主装備に運用されるようになった)が「1881年式竜騎兵サーベル」として導入したが、これは刀身を始めとした全体の形状こそほぼコサックの用いたシャスクと同じであるものの、通常のサーベルと同じように「護拳」と呼ばれる柄を囲む大型の鍔がついている。1917年の革命後、シャスクは赤軍の主な刃器となり、第二次世界大戦中もソ連騎兵部隊では依然として使用されていた。シャスクは1949年まではソ連の将軍用標準礼装の標準装備品であった。また、1968年以降は儀杖兵に支給された。
  • ソ連では、1950年代にこの古い武器の連続生産が打ち切られた。そのきっかけとなったのは、残存する最後の騎兵隊の解散であった。しかし、コサック人の伝統の再生が進む1998年のロシアで、これが復活した。21世紀の現代においてもロシアやウクライナ、ベラルーシでは儀礼用装備としてではあるが現役である。また、ソビエト発祥の軍隊格闘術である「システマ」にはシャスクを用いた術法/動作があり、システマの練習・演舞用のシャスク型の武道具も存在している。
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