■アウロス

  • Ⅰ 両手で分かれた共鳴管を操作する木管楽器。バード専用。TP+40
  • 古代ギリシアで使用されていたダブルリード型の楽器の一種。
  • TP+40は魅力的だが、バードは全体にTP消費が少なめで、プレイヤーによっては必要ないかもしれない。
  • 共鳴管が根元から二本に分かれた独特な形状をしており、左右の手でそれぞれ操作する。古代ギリシア貴族なら誰でも趣味として嗜んだライアー(リュラー、リラ、ライアとも呼ばれる弦楽器)とは異なり、アウロスは主に職業演奏者のもので、彼等はしばしば奴隷であった。古代ギリシアの宴会には女性アウロス演奏者がつきもので、アウロス演奏者は男女問わず売春夫/婦兼業であることがしばしばであった。アウロスは古代ギリシアの広範囲な行事の中で演奏された。生贄を捧げる場面、劇、レスリングの試合、幅跳び、円盤投げ、トライリーム(三橈漕船)での水夫の踊り。プラトンはアウロスをエクスタシーを旨とするカルト、ディオニュソス等と関連づけている。(以上、古代ギリシア史実より
  • (1)ギリシア神話においては、サテュロス(半人半獣の自然の精霊)のひとりマルシュアスがこの楽器を発明したとされている。または、アテナ(知恵、芸術、工芸、戦略を司るギリシア神話の女神で、オリュンポス十二神の一柱)が作ったものの、演奏時に頬が膨れ美貌が台無しになるとして投げ捨てたものを拾った、とも。いずれにせよ、それを用いてマルシュアスはアポロン(詩歌や音楽などの芸能・芸術をはじめとして、様々なものを司るオリュンポス十二神の一柱)と音楽合戦を行い、その勝者は敗者に「思うがままになにをしても構わない」ということになった。
  • (2)マルシュアスは典型的なサテュロスの性として、「なにをしても」というのは性的な事柄に違いないと思っていた。リラを弾くアポロンはアウロスを吹くマルシュアスをくだしたが、サテュロスが不老不死の神ではないのと対照的に、デルポイの純正な神であるアポロンの心は異なった働き方をした。彼は自らの勝利を祝い、マルシュアスを木に縛り付けて生きたままその皮を剥ぎ取ったのである。また、マルシュアスの方が巧かったと判定したミダス王の耳をロバの耳に変えてしまった。マルシュアスの血とムーサ(またはミューズ。文芸を司る女神たち)の涙が、小アジアのマルシュアス河を作ったとされている。
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