基礎戦術

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
基礎戦術もとい初心者指南

ここではwesnothマルチプレイ初心者向けに戦術論を書いていきます。
マルチプレイのはじめ方自体は、マルチプレイ手引きをご覧になるとよいでしょう。
なお質問等あればIRCチャットに来られるか、ページ下部にあるコメントにてするとよろしいでしょう。もしくはtwitterなどでコンタクトをとっても構いません。完璧で優秀な部員な彼らは全力を持ってして答えてくれるでしょう。そうですね、市民、もとい部員?


0.基本事項

ユニットの動かし方,ゲームのルールなどはチュートリアルをやってください。それがおそらく一番早いです。チュートリアルといえど戦術的にもかなり重要事項が含まれています。やって損はないでしょう。そして以下ではチュートリアルをやってきていることを前提に話を進めていきます。

さて、マルチプレイは基本的に対人戦です。相手は戦略を以ってこちらに勝とうとしてきます。であるからには戦略を以って立ち向かわなければなりません。そのためにまず必要なエトセトラをここに書きました。以下はどれも基本的なことです。しかし共通するのは、相手には勝つにはどうしたら良いか? 相手よりアドバンテージを持つにはどうしたらいいのか? ということです。
すぐにできなくても構いません。すぐにできたら天才です。やってるうちに慣れていけばよいでしょう。以下は簡単に読み流して、まずは実践して見ることをおすすめします。
ちなみに以下がだいたいできるようになると、野良では多分そうそう負けなくなります。ladderのレート的に言えば、1500は維持できるようになるでしょう。

目次:初心者がまず覚えるべきこと


以上のことを覚えれば初心者からは脱却できるでしょう。

また以下ではマルチプレイ基本設定を使用しています。簡単に記しておきましょう。

初期資金:75~125g(MAPによって変動)
村収入:3g
開始時刻:明け方前後(MAPによって変動)
戦争の霧あり
経験の修正70%(ここでは特に触れません)

1.雇用のパターン

雇用とはユニットをお金で雇うことです。わからなければチュートリアルをやってきましょう。
雇用パターンとは、相手の陣営に対して効果的なユニットを雇っていくということです。効果的なユニットというのは、相手の弱点(弱い耐性)を攻撃できるユニットということです。

ここでは詳しくは説明しませんが(マッチアップごとに割と細かく別れます)、ナルガンvsドレークを例に取りましょう。ドレークは斬撃などに耐性を持ちますが、貫通攻撃には弱いという特徴を持っています。そのため貫通攻撃が主体のドワーフの銃撃兵、警護兵を雇って行きましょう。普段は18-1の攻撃力の銃撃兵ですが、ドレークの戦士、焼却者に対しては20-1の攻撃力になります。対して、ドワーフの戦士は普段7-3ですがドレークに対しては6-3になってしまいます。
1や2の増減ですが、これがとても大きいのです。これについては各陣営のページにて詳しく書かれているので読むといいでしょう。しかし基本は「相手の耐性に対して効果的なユニットを雇う」というものです。覚えておきましょう。

しかしそれだけ雇っていてもダメな場合も多いです。弱点のユニットを出されたら相手も対応してくることでしょう。銃撃兵について言えば、ドワーフの中では体力が低く、簡単に落ちやすい面があります。壁には適していないので、別のユニットを壁として雇ってやる必要があるでしょう。また、戦士系ユニットは耐性は無関係ですが、投射ユニットに弱いです(一方的に殴れるため。逆もまたしかりですが)。バランスが大事なので、少しづつ試して行きましょう。


2.初期雇用について

初期雇用とは、ゲームが始まって一番最初にする雇用のことです。そんなの適当にすればいいじゃんと思いがちですが、ここをしっかりやっておくことで後の展開がだいぶ変わってきます。これは前項の雇用パターンにも関係します。

相手が陣営を選択しない限り相手の陣営はゲーム開始時ではわかりません。そして初期に持っているお金は限られているのでできるだけ無駄なユニットは雇いたくないですね(例えば魔術師を初期雇用したのに相手がドレークだった場合、まるで役に立たなくなってしまいます。20gという高いgが無駄になってしまうわけです)。しかし村確保も綺麗にやらないと収入が遅れてしまいます。MAPにもよりますが、2turnから3turn目までにすべての村を回収できるとよいでしょう。

考えることは2つです。
  • どの陣営が相手でも腐らないユニットを雇う
  • 移動力と村までの距離を考え効率的な村回収ができるようにする

例えば以下の例を見てみましょう。




そして忠誠軍の雇用リストは以下になります(わかりやすいように移動力ソートしてあります)。

重歩兵   移動力4   19g
槍兵 移動力5 14g
弓兵 移動力5 14g
魔術師 移動力5 20g
剣術士 移動力6 16g
竜騎兵 移動力8 18g
騎兵 移動力8 21g

まず腐らないユニットを考えましょう。相手がUDの場合、弓兵はとても効果が薄くなります(骨には貫通攻撃が効きません。槍兵も同様に貫通攻撃ですが、相手の主力である暗黒僧を攻撃できます)。重歩兵もドレークなどにはあまり効果的ではないでしょう。魔術師は前述したとおりです。これらを除いたユニットを雇うといいでしょう。

さて、村確保だけを考えるなら移動力の高い竜騎兵や騎兵を雇うだけで済みます。しかしあまり同じユニットが多いと相手に対策されやすく、なおかつ騎馬系のユニットは村での回避率が低く防衛に適していません。できるならいろんなユニットを雇うといいでしょう。この場合であれば、Cに槍兵で2の村(Cから5hex)を、Bに剣術士で3の村(Bから6hex)を、Eに槍兵で4の村を(Eから5hex)、DもしくはFに竜騎兵もしくは騎兵で5の村を(D,Fから6hexだがあまり同じユニットは雇いたくないため)といった感じでしょうか。なお1の村は雇用後リーダーで取るといいでしょう。

ちなみに4に槍兵を置こうとしたのは、少しだけ見えていますがその下にある村に次のターン以降置いときたいからです。その下の村は攻められやすいため防御力の高い槍兵を置くのが適しているのです。画像には含まれていませんが、4の左側、3の右側にも村があります。3の右側の村をとるならAに竜騎兵もしくは騎兵とするといいでしょう。4の左側は5の村をとった竜騎兵などで回収すると効率が良くなります。

長くなりましたが、このようにして村回収は行いましょう。MAPによって雇用は変わってきますが、思考プロセスは一緒です。しかし、これが間違い無いというものはありませんので(定石と呼ばれるものはありますが)色々考えて行きましょう。

なお敏捷(移動+1,HP減少の特性)を期待することによって場合によっては更に効率良く、あるいは効果的なユニットの雇用が出来る場合があります。しかし、敏捷がつかなかったらあまりうまく村回収ができない、というのでは困ってしまいます。ついたらこうして、つかなかったらこうする、と二通りの雇用が出来る場合のみ敏捷を期待するような雇用をするといいでしょう。筆者の個人的な趣味で言えば、敏捷を期待しないことにしています。


3.偵察

さて雇用も終わり、村回収も済みました。まず何をすべきでしょう? 相手を攻撃しに行く事でしょうか? 違います。まずは相手がどの陣営で、何をしてきそうかを知ることです。これが偵察です。

wesnothのマルチプレイでは基本的には「霧」というものがかかっています。これはそれぞれのユニットの移動力+1しかMAPの様子が見えないようにするものです。これがかかっている限りそこにどんなユニットがいようとわかりません。もしかしたらすぐそこまで大軍が迫ってきているかもしれないのです。
そのためにも偵察はとても重要です。相手の雇用、相手が攻めたい場所、あるいは相手の守りが薄い場所・・・これらを知ることはとても有益です。どんな陣営でも偵察は必ず必要なことになってきます。

偵察は移動力が高いユニットを使いましょう。最低でも移動7は欲しいところです。エルフでは名前の通りエルフの斥候を使うといいでしょう。彼ならば10hex先まで見通すことができます。彼を一歩ずつ動かし、霧をすこしずつ晴らしながら偵察を進めましょう。なぜ一歩ずつ動かすかというと、いきなり5歩も6歩も動かしてしまった時、予期せぬユニットがいてそのユニットから逃げられない場合が存在するからです。斥候ユニットには大抵戦闘力が低くなっています。彼らが孤立することは避けなければなりません。ですので出来る限り一歩ずつ偵察し、安全なところまで帰れるところでやめるといいでしょう。


4.攻撃・シーソーゲーム

これは大前提ですが、相手に勝つとはどうやるのでしょう? 相手のユニットを倒す。これは当然です。これに加え相手の収入源である村を奪う、リーダーを倒すことが含まれます。リーダーキルは狙える時だけ狙うといいでしょう。基本は相手ユニットを倒す、村を奪うことで相手の力を削いでいくことです。

これを踏まえると、まず最初の攻撃目標は「相手の村」と考えていいでしょう。大抵そこは相手のユニット(多くはhpの高い戦士系ユニット)が防衛しています。村の上は回避率が高く毎ターンのはじめにhpが8回復してしまいます。つまり8以上は最低与えなければいけません。当然ですが相手ユニットは村を防衛しているだけしかいないということはないでしょう。攻めてくる相手に対してはどうにかこうにか守ろうとするものです。
基本は、自陣営の有利時間に攻めれるユニットを村に届かせるようにするということになります。自陣営の有利時間には最大限の攻撃力を発揮できるためです。忠誠ならば日中に、北方(オーク)ならば夜に、といった具合です。なおどの陣営のユニットも、中立時間帯に同程度の攻撃力になるように設定されています。つまり相手の有利時間、こちらの不利時間では攻撃力に大きな差ができてしまいます。当然ですが、余程のユニット数の差がない限りそういう場合で戦うのは危険です。

しかしどういった時間に前に出ればよいでしょう? 北方(オーク)vs忠誠を考えてみましょう。あなたがオークならば攻撃は夜1に行うべきです。その時相手の村を攻撃できないといけませんから、前に出る(踏み込み)時間は必然的に昼2、遅くとも夕方でなければなりません。踏み込みが早ければ早いほど自らの有利時間に相手の深いところまで攻め入ることができ大打撃を与えられますが、下手に前に出ると殴り返されてやられてしまいます。昼1に前に出るのは自信があるとき以外は避けたほうが良いでしょう。また攻め入る際にもなるべく高回避地形で待機すべきです。しかし相手の反撃を恐れるあまり必要な踏み込みができないことは問題です。殴りに来られても弾き返せる、攻め入るにはそういうふうにするといいでしょう。

さて、基本的な攻勢の話です。下の例を見てみましょう。




オークが攻撃しようと忠誠の村まで迫っています(時刻は夕方)。兵卒2もしくは兵卒1と弓兵1、そしてウルフライダーが相手の村に攻撃することができます。たとえばここで攻撃してみるとどうなるかというと・・・


やりました! 槍兵に8以上のダメージを与えた上逃げれないよう捕まえることができました。しかし次のターンどうなってしまうかというと・・・


なんとウルフ1に兵卒1が倒されてしまった上槍兵に逃げられ健常な弓兵を村に置かれてしまいました。このように中途半端に攻撃すると痛いしっぺ返しを喰らいます。そのため、村上のユニットに攻撃する場合、ほぼ確実に倒せる、あるいは倒せなくて反撃されてもこっちに有利になる、と思える時にするべきでしょう。先ほどの例で攻撃せず1ターン待ってみると夜になり・・・


兵卒、弓兵、暗殺者、ウルフこれらのうち5体で攻撃することができるようになりました(移動力はわかりづらいかもしれません)。では攻撃してみましょう。


村上の槍兵を倒し村を奪取することができました。後ろから弓兵が援軍として届いてもいますね。さてここで反撃に出てこられるとどうなるでしょう。


兵卒一体が倒されてしまいました。しかしこちらが倒した槍兵14gに対し兵卒は12gです。村を奪取すると1ターンごと6gの価値がありますので差し引き8gの得となりました。ちなみにオークがこれからさらに攻めると・・・


竜騎兵1を落とせた上に毒を付けられ魔術師も瀕死になってしまいました。このまま殴りあっていればいずれ忠誠軍は壊滅してしまうでしょう。では今度は忠誠軍の立場になって考えてみましょう。迫ってくるオークから守ってみましょう。
しかしどうユニットの配置を考慮しても攻撃され辛いことになるのは見えています。例えば以下のようにしたとしましょう。


zocにより三面からしか村上の槍兵に攻撃することはできません。これで村は守れるでしょうか? 次のターンになってみると・・・


残念! 落とされてしまいました。しかしこれは命中率がいい場合です。ちょっと悪かった場合はどうなるでしょう?


こうなりました。村は守れましたがいろんなユニットがすこしずつ削られています。さてここからまともに反撃できるでしょうか? まだ夜で平地に出て相手へ反撃するには怖い時間です。反撃するとどうなるかというと・・・


こうなってしまいました! 村の上にいた槍兵は落とされなおかつ先ほど毒を付けられた竜騎兵も倒されています。竜騎兵も捕まってしまった上に相手の援軍は次々と届いています。これでは反撃もままなりません!
ではどうすればよかったのでしょう?反撃しなければよかったのでしょうか? 反撃に出ず安全な位置にまで下がることにしましょう。


しかし村上の槍兵がこのままでは落とされてしまう可能性が高いですね。このままでは囲まれて倒されてしまいます。こういう時は村からどいてしまうといいでしょう。村は自らの収入源であり相手に渡すと相手の収入源にもなってしまいますが、自軍の戦力が削られるよりは良いでしょう。以下の様な相手が攻撃しづらい陣形にすると・・・


やりました! オーク軍を撤退させることに成功しました!
オーク側から見ると、これ以上攻め入っても落とせると確信できるユニットが少ない、落とせても命中率のいい魔術師に加え、弓兵や槍兵を前に夜明けまで残っていると高確率で壊滅してしまうから退いたわけです。

しかし先程相手の運が良いと村上の槍兵は倒されてしまっていましたね。確率の問題なので往々にしてそういうことは起こりえます。そしてあの場合反撃も難しく大きなアドバンテージを取られてしまうでしょう。できるならそういうリスクは回避したいところです。そのためベストなのは最初の夜に引いてしまうことでしょう。

先攻夜1

相手の攻撃範囲から完全に逃げていますね。攻めるオーク軍もこういった感じになるでしょうか。これからどうなるかを順に画像で示して行きましょう。

先攻夜2開始時(後攻夜1終了時)
先攻夜2終了時
先攻明け方開始時(後攻夜2終了時)
先攻明け方終了時

このような感じになります。オーク軍が退却していくのは、こちらの有利時間が終わり相手の有利時間が近づいてくる中で攻撃されると一方的に倒されかねないからです。基本的に攻めている時も守っている時も退却の理論は同じです。ここから忠誠の追撃が始まり、オークは同じように(実際にはユニットの種類が違うので同じとは行きませんが)守るでしょう。こうした押し引きを繰り返すこと、これを「シーソーゲーム」呼んでいます。これは重要なことですからきちんと行えるようにしましょう。ゲーム開始から長い時は20ターンもこのシーソーゲームが続くことがあります。まとめると以下のようになるでしょう。
攻撃側
  • 村を攻撃するときは8ダメージ以上、なおかつ中途半端に攻撃しない!
  • 有利時間に総攻撃するようにする(総攻撃できるように陣容を整える)
  • 踏み込みはできるだけビビらず深く、しかし慎重に
  • 無理に攻めず、これ以上攻めると被害が大きいのなら撤退

防御側
  • 村はできるだけ守る。しかし村<ユニットが基本
  • 期待値より少し大きい程度でユニットが倒されてしまう場合は退却したほうが無難
  • 反撃の体制を整え、相手の有利時間が終わるときに反撃に移る

このようなところでしょう。どちらにも言えることですが、彼我の戦力差を考え攻めるかどうかを決めるべきです。うまい人のリプレイを見てこの辺は参考にするといいでしょう。

……補足ですが、よく見るとわかりますが忠誠軍の切り返しが少し遅いため、明け方終了時の位置を見ると昼1にオーク軍の村を攻めることができません。できるならば切り返し(反撃)は夜2に行いたいところですが、今回は安全に行く事を目標としました。切り返しは相手の反撃がない攻撃で行うといいでしょう(槍兵ならば兵卒に投げ槍など)。
深入り、切り返しのタイミングは上級者でも悩むところです。このあたりは多くのリプレイを見たり、実際に数をこなして慣れていくしかないでしょう。

なお、攻撃は相手の苦手とする攻撃から行うとよいでしょう。戦士系を攻撃するときは投射系ユニットから攻撃することで、できるだけ相手の反撃を受けずに一方的に攻撃することができます。いくらこちらの有利時間相手の不利時間でも相手に攻撃力がまるでないわけではありません。受けるダメージはできるだけ減らして行きましょう。

5.損得計算

先ほど、「14gの槍兵を倒し村を奪取、しかし兵卒12gを倒されてしまった」という場合がありました。この時差し引き8gの得と言いましたね。これが損得計算です。村は持っていると+3gの収入があるので、1ターン占領した場合相手の収入を奪ったことを加味して(-3g)合計6gの得となるのです。

この損得計算もとても大事です。例えば槍兵14gで村を奪ったのはいいものの2ターンで倒され奪い返されてしまいました。この時、(1ターン分の村収入=3g)+(相手の村収入の減少2ターン分=6g)-槍兵14g=-5g つまり5g損しているわけです(1ターン占領、2ターン目に奪い返されているためこちらの収入があったのは1ターンだけ。相手は2ターン分収入が減っている)。こうした時槍兵で村を取るのは損、つまり取らないほうがいいわけです。

これは村を取る時以外でも起こりえます。ドレークの戦士17gを兵卒12g一体で倒せればいいですが、2体の犠牲を払い倒した時、17g-24gで7gも損しています。こういったことは(基本的には)やらないほうがいいでしょう。

6.期待値計算

攻撃時の説明の時に、少しだけ期待値という言葉が出ました。期待値とは、ある試行である可能性の事柄が、平均してこのくらいは起きるだろうという値です。
wesnothであれば、9-3(命中60%)などで攻撃した場合、どの程度ダメージがはいるかといったものです。
この場合、9*3*0.6=16.2となり、何度もやれば平均して16ダメージくらいはきっと当たるだろうというものです。三体でやれば9回攻撃で最大81ダメージ中、48.6、つまり45ダメージ(9*5)か54ダメージ(9*6)くらいのダメージを与えることが期待される、ということになります。

この計算をして数字がきれいになることは稀です。そして、あくまで平均してなので、このとおりにならないことも多々あります(回避20%相手に5発とか避けられるとどうしていいかわからなくなってしまいますが、起こるのです)。
ですからあくまで相手に攻勢をかける際の指標にするといいでしょう。

例えば、村の上にいるエルフの戦士(hp36・回避60%)に夜兵卒2体弓兵1体(それぞれの攻撃力:11-2、12-2、7-3)で攻撃を仕掛けることを考えましょう。
このとき、期待値は(11*2+12*2+7*3)*0.4=26.6となります。hp36のエルフ戦士を落とすことはできませんね。こういう時は攻撃を仕掛けないほうが無難です。

しかしながらこんなの計算するの面倒です。しっかり計算するのもいいですが、大体でやってしまってもいいでしょう。どうせ確率はぶれます。

命中40%9-3攻撃などの時は、40%っていえばだいたい3分の1だから1回くらいは当たるかなーくらいでかまわないと思います。この場合で言えば、兵卒2体の攻撃はあわせて4回だから1回ないしは2回、弓兵は1回くらい、そうすると与えられるダメージは18~31の間くらいになるでしょうか。アバウトですが、これで十分エルフの戦士を落とせないことはわかるので十分なのです。

しかし過信し過ぎないようにしましょう。やっているとわかりますが、如何に確率が良くても外れるときは外れます。特に二回攻撃なんて、命中がいい時でないと一発も当たらないことなんてざらです。あくまで期待値は期待値です。確率はぶれるもの、つまり期待値などあまり信用してはいけないのですが、しかしこういったことを考えるか否かで勝率は変わってくるでしょう。

7.ZOC

4.攻撃の時にも何度か出てきましたがZOCについてです。これはZone of Controlの略で、wesnothでは「自分に隣接した時点で相手の移動を終了させる」というものになります。わかりにくいかもしれませんが、先ほどの画像を使いましょう。 


表示されているのは兵卒の移動力ですが、この時兵卒の移動力は余っているのに相手ユニットの間には入れてなかったり、ユニットの隣をすり抜ければ奥の槍兵にも届くのに届いていません。このようにZOCは相手の移動を阻害することができます。これを使用して相手の攻撃しにくい防御陣形を作ることができます。一番簡単なのは横並びの陣形でしょう。自分でユニットを横並び一列においてみましょう。端のユニット以外2hexからまでしか攻撃されないことがわかるはずです。この画像のような陣形も攻められづらいでしょう。またユニットを挟んだりすることによって相手を捕まえることができます。下手に捕まえると痛い目にあうこともありますが、迂闊に前に出てきた斥候などは捕まえるなら捕まえ、倒してしまうべきでしょう。ZOCの概念はとても大事ですので、覚えておきましょう。

8.その他知っておくべきこと

できなくても構いませんが、知っておくべきことがあります。それは速攻と後方撹乱です。1つずつ簡単に説明していきます。

速攻

速攻はその名の通りゲームが始まって最短時間で攻撃を仕掛けることです。上の攻撃の説明で使っている画像ではオークが速攻をしかけていたりします。たいていのMAPでは夜明けからゲームが始まり、最適な雇用をすると混沌陣営はちょうど夜に総攻撃ができるように調整されています(これは混沌陣営が速攻を仕掛けることを前提にユニット調整がされているからです)。
そのためできるなら速攻に対し防衛を、難しい場合も多いので退いて反撃耐性を整えるなど対応できるようにしておきたいところです。

速攻はある程度以上のレベルになると、ほぼ必ず仕掛けてきます。なぜなら、高確率ローリスクでアドバンテージが取れる方法だからです。やらない理由がないのです。
ではどうすれば速攻できるのでしょう? マップによってだいぶ変わってきますが、ある程度定石と呼ばれるものは存在します。なお以下で言う雇用はほぼ1-2ターン目にするものです。3ターン目に雇用したユニットは速攻には間に合わないことが多いでしょう。

オークであれば、速攻する側とは逆方面に兵卒1ウルフ1(ここはマップによってかなり変わります。兵卒1で十分なこともありますから、必要な分だけ雇用し、余ったgは速攻の方面に回しましょう)で村取り、速攻する方面には弓兵1暗殺1残りは兵卒といったところでしょうか。

UDであれば、逆方面にコウモリ1グール1(オークに同じ。グールは斧や弓に変わる場合も)、正方面には斧1弓1暗黒2、もしくは暗黒3に斧か弓を1といったところでしょうか。

要するに、村取りに必要な分だけ逆側に送り、それ以外はバランスよく雇用する、という形になります。

さて、速攻の一つの弱点は、最初のターンにほぼお金を使い切ることです。雇用パターンの項目でも説明した効果的なユニットを雇っていく、ということができないのです。そのため人によって速攻の雇用は変わってきたりもします。上で説明した速攻の雇用は単なる一例です。オークでは弓1暗殺者1ではなく弓2にする人もいます(相手がUDだった時を嫌うようです。しかし他陣営の場合は強力な暗殺者は雇っていきたいという人も多いです)。もちろん速攻をせずにゴールドをため相手が見えてから雇用を始めるのも一つの選択です(オススメはしませんが)。

もし実際のリプレイが見たい、という方は、この部でもある程度強い人はできますからそのゲームを観戦してもいいですし、そうでなければリプレイを探しましょう。ladder8には多くのリプレイがあります。レートが25以上の人のリプレイを見れば、混沌陣営の場合ほぼ確実に速攻を仕掛けていることでしょう。ちなみにエルフやナルガンでの速攻も可能です。そちらはなかなか見かけませんが、不可能ではないとだけ記しておきます。

後方撹乱

後方撹乱とは、移動力の高いユニットなどで相手の村をかすめ取る(もしくは相手の領地に入り込む)ことを言います。多くは戦場から離れたところが狙われやすいでしょう。これをされると村からそのユニットをどかすだけの攻撃力を動員することになります。例えば追い剥ぎに村を取られた時、夜といえど兵卒一体ではどかすのは難しいでしょう。おそらく2体向かわせることになるかと思います。この時、追い剥ぎ14gに対し兵卒2体24gを使うことになりました。すると戦場となってる部分ではその2体分ユニットが減ることになります。
このように半分捨て駒(捨て駒にならないことも多いですが)のように相手陣営の村を取ることによって、相手のユニットを戦場から離れさせる効果があります。もしこれを放っておけば好き放題村を取られてしまうことでしょう。やられたときは無視してはならないし、やらせないのがベターです。斥候ユニットは移動力が高く、きちんと偵察をしないと隠れながら入り込んできます。戦場でない場所でも偵察はしっかりするようにしましょう。

この2項目はすぐできなくてもそれほどの問題はありません。しかし知っておくことで対応が変わってくると思いますので覚えておきましょう。

強くなるには

ここまで読んだ方、お疲れ様でした。長々と書きましたが、これらの事項はある程度マルチプレイの経験があるならできるようになっていることです。しかし皆こんな細かく考えているのか? というところもあります。実際そんなに考えていません。でもできてしまいます。このあたりのことはほとんど慣れなのです。
つまり強くなるには、もちろんリプレイやこういった文章から学ぶ必要もあるでしょうが、基本的には実践です。倒し倒され学ばねばなりません。ちなみにこれを書いている人間は、マルチプレイ間もないころからladderをやらされ、ボコボコにされました。始め10戦くらいは負け続きです。レート1400前半まで行きました(初期1500)。

最初は負けるのが当然なのです。同じくらいの実力者と切磋琢磨できるのが理想ですが、なかなかそうはいないものです。一番簡単なのはwesnothマルチプレイコミュニティに入ってしまうことです。そこにはいろいろな実力帯の人達がいるでしょう(うちに関して言えば、初心者もいれば廃人のような人間までいます)。
もしくは私のようにladderでボコボコにされて生き抜くかです。踏まれた雑草は強くなるのです。野良(公式サーバにて適当な誰かとゲームをすること)でも構いませんが、正直野良では上記のことをきちんとやっている相手に会うことはそうそうできないでしょう(いないわけではありませんが)。できるのなら基本ができている相手と戦うと勉強にもなってよいでしょう。

また練習としてなら自分同士でやるのもよいでしょう。特に初期雇用や速攻の練習には調度良いかと思います。始めの頃は押し引きの練習をしてもよいでしょう。ただしやはり対人とは違いますので、練習をしたら実践を繰り返したほうが良いでしょう。

以上、初心者指南でした。

  • (今更だけど押引きの例として成功率の低い後手オーク速攻を出してるのはどうなんだろう) -- krg (2013-04-04 01:05:37)
  • まだ後攻速攻もやるべきと言われてた時代でしたしい。書き直したい人が(ry -- Saka (2013-04-17 17:26:47)
  • まあ速攻であることはあまり重要ではないのでいいんじゃないの -- Saka (2013-04-17 17:27:30)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー