・前うpの続き(4回目) ・お嬢とロリのキャラが掴めないから今は当たり障りなく書いている ・魔法云々の話は一番下にまとめといた 以上を想定して書いた。 ※これはあくまでサンプル例である。本シナリオではないことを注意すること。  製作物の権利云々などはスレのルールに則ります。 ——————————————————————————————————————— 主人公 (……でも)  魔法が好き、か。  私はそういう風に考えたことはなかったな。  単純に憧れだけだった。  それだって、決して遊びなんかではなくて本気の思いだったんだけど。  ……○○さんは他の人とちょっと視点が違うんだろうけど、悪い人でないことは確かだ。 委員長 「素晴らしい絵画や彫刻などを見ると、心が洗われるようだと言いますが……  いつか私も、そんな風に思ってもらえるような魔法を使えるようになりたいんです」  ——物に『魔』力を込める方『法』。  それが私がこれから習うことになる『魔法』だ。 主人公 「……そっか」  その気持ちはよくわかる。  私も……あの人のように魔法を使いたいと思ったんだから。 ●真っ暗  あれは私がまだ何も知らない子供だった頃。  村に流れ着いたその女性は王都から来た楽士だと名乗った。  大陸を旅し、いろんなところで音楽を聴かせるのがお仕事だったらしい。  ……それはそれは綺麗な音色だった。  ふんわりと身体を包み込んでくれるような不思議な力。  魔力を込めた音楽だった。  そのとき運悪く体調を崩していたばっちゃも、その音を聴いて20歳ぐらい若返ったかのように元気を取り戻した。 主人公 (これが魔法……)  そのとき聴いた音色が忘れられなくて、私は魔法の存在に憧れるようになった—— ●廊下 委員長 「ところで」 主人公 「……え、あ、何?」  いけないけない。  想い出に浸りそうになった私を○○さんが現実に引き戻してくれた。 委員長 「その……」 主人公 「ん?」 委員長 「あの……」  ……何だろう?  ○○さんは何だか言いにくそうに、視線をぐるぐると回している。 主人公 「どうしたの?」 委員長 「…………」  ……私、タイでも曲がっているかな?  自分の身だしなみを整えながら、おかしなところがないかチェックする。 委員長 「主人公さんっ」 主人公 「は、はいっ」  ○○さんは意を決したように真剣な顔をこちらに向け、 委員長 「……しゅ、主人公ちゃんと……お呼びしてもよろしいかしら?」  …………。  ……え、そんなこと?  ああ、でもせっかくお知り合いになれたんだし、どうせならもっと親しいお友達になりたいもんね。  私が笑顔で頷いた。 主人公 「うん、どうぞどうぞ! 敬語も使わなくていいよ?」 委員長 「……よかった、ありがとう」  一世一代の大告白を終えたように、ほうっと安堵のため息を漏らす。  彼女にとっては緊張するようなことだったんだろうな。 主人公 「これからよろしくね?」 委員長 「こちらこそ」 ●場面転換のためにもっかい廊下 主人公 「○○ちゃんって、どこかのお嬢様?」 委員長 「どうしてそう思うの?」 主人公 「なんか気品溢れる感じがするから」  私のアバウトな説明に、○○ちゃんはおかしそうに笑って、 委員長 「嬉しいけど、残念ながら私は普通の家の子よ」 主人公 「そうなの?」 委員長 「ええ。それを言うなら……」 ●きゃーきゃー(なくてもオッケー)  ……最後の言葉は聞き取れなかった。  遠くから飛んできた悲鳴にかき消されたせいだ。 主人公 「な、何、今の声?」 委員長 「良いタイミングね」 主人公 「えっ」 委員長 「——お嬢様のお出ましよ」  ○○ちゃんのその言葉がまるでスイッチだったかのように、一気に廊下が爆発した。  ……いや、爆発したってのは比喩で、魔法が暴発したとかそういうことじゃあないんだけど。 ●きゃーきゃー(なくてもオッケー) 主人公 「な、なんなの? これっ?」  鼓膜を劈くような歓声。  歓声というより、ほとんど怒鳴り合いに近い。  っていうか、実際に押し合い圧し合いの大喧嘩になっているんだけど! 委員長 「こっちよ、主人公ちゃん」  ○○ちゃんに腕を引かれ、人の波に逆らって廊下の端っこへと向かう。  こういう事態に慣れているか、彼女は迷いのない動きで隙間を縫って上手く抜けていく。  おかげで、周りの人たちと強くぶつかることもなく、人口密度の少ない場所まで出ることが出来た。 ●階段(なかったら廊下で) 主人公 「もう、一体どうしたっていうの……」 委員長 「ほらほら、階段を上がって。そこからならよく見えるわ」 主人公 「え? え?」  押されるがまま2段ほど上ってみると、確かに人の壁に囲まれていた廊下の一部分がよく見えるようになった。  さきほど私たちが歩いていた場所に妙な人だかりが増えている。  人だかり……というか、それはまるで何かを警備しているガードマンのようにも思える。 主人公 「……ねえ、何が始まるの?」  ○○ちゃんが私の質問に答えを返す前に—— 主人公 「……あ……」  ——その人は現れた。 ●使いまわせるような【お嬢】のスチルとかあるといいかもしれんね 委員長 「……あの方は楽士専攻の3年生、××先輩。お家も代々楽士を輩出してきた名門というお話よ」  黄色い声が飛び交う中、そっと囁くようにして耳元に○○ちゃんの息が吹きかかる。 委員長 「つまり、私なんかよりもよっぽどお嬢様らしい本物のお嬢様ということ」 主人公 「本物の……お嬢様……?」  遠目にしか見えない上に何故かそっぽを向いていて、××先輩の表情はここからじゃよく見えない。  確かに、彼女の周りに漂っている雰囲気はお嬢様って感じがするんだけど……。  私の中で勝手に作られていた、淑やかで、清楚で、ふわふわしたお嬢様像とはちょっとかけ離れていた。 親衛隊 「はーい、危ないでーす、あまり押さないでくださーい」  ふと、その××先輩をガードするように囲んでいる女の子たちの腕に腕章のようなものが取り付けられていることに気付く。 主人公 「……あの子たちは?」 委員長 「××先輩の親衛隊を気取っている1年生。あの方に憧れる子は多いの」 主人公 「親衛隊って……すごいね」  いわゆるアイドルってやつなのかな。  当たり前のことだけど、畑とカカシに囲まれて育った私とは住む世界が違うみたいだ。 委員長 「慕われている本人は騒がれることに嫌気が差しているみたいで  よくあちこち逃げているところを見かけるんだけど、結局いつもああやって彼女たちに掴まっているの」 主人公 「ふうん」 委員長 「それだけ親衛隊の包囲網と情報力と人海戦術は優れているということね」  それって……どんな組織なんだろう、一体。 委員長 「まあ、親衛隊といっても彼女たちが勝手にそう名乗ってやっているだけであって、  実際のところは、ただの非公式ファンクラブといった感じかしら」 主人公 「そうなんだ……」 委員長 「噂では親衛隊の中にも、裏で暗躍する凄腕の隠密部隊が存在しているなんて話も耳にするけど……」 主人公 「お、おんみつ?」 委員長 「ええ」  真剣な顔で頷く○○ちゃん。 委員長 「月夜ばかりと思うなよという捨て台詞で、掟を破り里を抜けようとした者を容赦なく切り捨てるという、伝説の隠密が……」  ……いや、これは彼女お得意の冗談のつもりなんだろうな、きっと。 ●階段(なかったら廊下で) 主人公 「まるでお祭騒ぎだね」 委員長 「まるで、じゃなくて、実際彼女たちにとっては毎日がお祭みたいなものよ。  憧れの××先輩のお姿が間近で見られるんですもの」 主人公 「○○ちゃんも××先輩のファンなの?」 委員長 「いいえ。私はあまりそういうことに興味はないから。どちらかというと、  ああやって追いかけるよりも、こうして遠くからみんなの様子を観察している方が面白いわね」 主人公 「へえ……」 ●使いまわせるような【お嬢】のスチルとかあるといいかもしれんね  少しずつ××先輩の姿が近づいてきた。  きゃあきゃあと黄色い声を上げて慕ってくれる周囲の人間には目もくれず、  早く終わってくれと言わんばかりの雰囲気で、すたすたと先を歩いていってしまう。  と。 主人公 「あれ?」  遠目でしか確認できなかった××先輩が目の前を横切る瞬間。 ●フラッシュバック?  人垣の合間から微かに見えたその横顔が、とても見覚えのある人の顔に思えた。 主人公 (今の……村に来てた楽士のお姉さんに似てたような……)  あ、いやでもあれって、私が今の自分の腰ぐらいまでの身長しかなかった頃の話で、あの人はもう立派な大人だったし……。 主人公 (うーん?)  他人の空似?  ……どうしよう、ちょっと気になる。  再度確かめてみようにも、××先輩の足は速くてすぐに見えなくなってしまった。  せめてもう1回……。 委員長 「主人公ちゃん?」 主人公 「ごめん、すぐ戻るから待ってて!」  階段を下りて、××先輩を熱く見つめている人たちの壁に潜り込む。 ●真っ暗 主人公 「ううっ」  せ、狭い……。  けど、この集団自体が××先輩の後を追いかけているみたいで、どうにか進行方向に進むことはできそうだった。  人並みを掻き分けながら、軽く跳ねて前方を見る。  あと……もうちょっと……! 主人公 「わっ!?」 後輩 「きゃっ」  上ばかり気にしていて、足もとがお留守になっていたせいか。  私は、何か小さなもの……いや、人にぶつかって、危うく倒れ込んでしまうところだった。  すんでのところで巻き込んでしまった女の子の腕を掴む。 主人公 「ごめんね、大丈夫?」 後輩 「っ……全然大丈夫じゃ……」  キッと強く睨みつけてきた女の子は、次の瞬間、慌てたように前方を振り返り、 後輩 「ああもう! ××先輩が行っちゃうじゃないのっ!」  私を置いて人波の中に潜りこんで行ってしまった。 主人公 「え、ねえ、ちょっと……わっ、わわわっ!」  その小さな背中を追いかけようとした私も、後ろから来る人波に攫われていく。  これじゃあ××先輩の顔を確かめるどころじゃないよ……。  何とかして脇に避難しようとしていた私の腕を誰かが強く引っ張った。 委員長 「こっちよ」 主人公 「あ、あれ……○○ちゃん?」  引かれるがままにするすると列から外れ、難なく元いた位置まで戻ってくることができた。 ●廊下 主人公 「……すごい」 委員長 「コツさえ掴めば、あれぐらい簡単よ」  にこにこ。  ……うーん、計り知れないな。 委員長 「急に走り出していくからびっくりしたわ」 主人公 「あ、ごめん。ちょっとさっきの××先輩が気になって」 委員長 「気になる? 主人公ちゃんもファンクラブに入りたいのかしら?」 主人公 「いや、そういうのじゃなくて……」  うーん、なんて説明したらいいんだろ。  考え込む私を見て、○○ちゃんは大体の事情を察したのか、 委員長 「××先輩ならまたすぐに会えるわ。同じ学園の生徒なんですもの  それよりも荷物、重いでしょう? そろそろ寮の方へ向かいましょうか」 主人公 「……うん、そうだね」  また会えるよね、きっと。  私たちはそのまま階段を降りて、未だ興奮冷めやらぬ廊下を後にしたのだった。  次は阿部先輩(寮長? 寮監? の予定)との絡みイベントかなー。  魔法の概念について考えたんだけど、  たとえば絵や歌に幸せになる力(魔力)みたいなのを宿らせて  それを見たり聴いたりした人を癒すようなものを総じて魔法と呼んでいる〜みたいな感じにしたら  バトルではないけど、きちんとした魔法学園物っぽくなるんじゃないかなぁ、という例。  パートナー別に主人公が試験までに覚える魔法が  歌だとか絵だとか薬学に分かれたら、シナリオに違いが出来てよくね?  あくまで俺の妄想だけどねー。