・前うpの続き ・ついに主人公が田舎者のド貧乏で童顔な上に救いようのないぺったんこ  農家の一人娘で畑仕事なら任せろみたいな設定になってしまった  天然で明るい系というイメージは今どこに 以上を想定して書いた。 ※これはあくまでサンプル例である。本シナリオではないことを注意すること。  製作物の権利云々などはスレのルールに則ります。 ——————————————————————————————————————— ●きーんこーんかーんこーん ●教室 生徒 「起立、礼」  …………。 ●ざわざわざわ(なくてもいいかも) 主人公 「ふぃ〜」  肩の力が抜ける。  今日の授業はこれで終わり。  まあ授業といっても、こんな時期に編入してきた私のためか、ほとんどが先生方の自己紹介や授業内容の説明だけに留まったんだけど。 主人公 (明日から頑張らないとね)  ……と、それにはまず入寮手続きを済ませないと。  細かいお話は事前に済ませてあるんだけど、寮長さんへのご挨拶やら部屋の鍵を頂いたりやらはこれからなのだ。  机の中身を鞄に移し変え、今日のパジャマなんかが入ったもう1つの荷物を持ち、席を立つ。 委員長 「主人公さん」 主人公 「はい?」  呼ばれて振り返れば、隣で帰り支度をしていた○○さんが相変わらずの笑顔でこちらを見つめていた。  そうそう、私の席は●●先生の計らいで○○さんの隣になることができた。  知らない場所で1人からのスタートは不安だったけど、ひとまずは彼女にいろいろ訊いてみよう。 委員長 「もうお帰りですか?」 主人公 「うん。私、まだ寮に行ってないから……そうだ、○○さんって寮生?」 委員長 「寮生と言われれば、寮生ですね」  にこにこ。  ……な、なんかテンポが崩れるな。 委員長 「よろしければ、寮まで案内しましょうか?」 主人公 「あ、本当? お願いしちゃおうかな」 委員長 「では、少しだけお待ちくださいね。すぐに用意しますので」  そう言って○○さんは、教室の後ろにあるロッカーへと向かった。  うーん……。  確かに少し不思議なところはあるけど、変わってるっていうほど変でもない気がする。  去年パートナーが決まらなかったのには何か理由でもあるのかな。 委員長 「お待たせしました」 主人公 「あ、う……ん?」  私はふと彼女が手にしている黒い物体に気が付いた。  真っ黒な……厚手のカーテン? 委員長 「ああ」  私の視線に気付いたのか、○○さんはその物体を見せるかのように左手を少し上げて、 委員長 「私物です」 主人公 「私物……」  薬学で使うローブか何かかな? 委員長 「それでは参りましょう」 主人公 「うん」  ……気にしないでおこう。 ●廊下 ●ざわざわざわ(なくてもいいかも)  廊下は帰宅する生徒たちで溢れかえっていた。  中には、さきほど○○さんが手にしていたような真っ黒のローブに身を包んだ先輩方もいる。  つんと鼻をつく薬品の香り。遠くから聞こえてくる音楽のような呪文の旋律。  ああ、いいなぁ……すごく魔法学園に来たって感じがする。 委員長 「主人公さんはどちらからいらっしゃったんです?」 主人公 「王都からだいぶ離れたところだよ。大陸の一番端っこの方」  空に地図を書いて、大体の位置を指し示す。 委員長 「まあ……長旅でしたのね……」 主人公 「えへへ、昨日はずっと列車に乗りっぱなしだったから、まだ疲れが取れないんだ」 委員長 「こんな時期に編入だなんて珍しいですけど、何か理由でも?」 主人公 「あー、うん……」  ……○○さんには話しても平気かな。  別に込み入った事情があるわけじゃないし、隠すほどのことでもないもんね。うん。 主人公 「実はね、うちお父さんたちは私が魔法学園に入るの反対してて……学費も自分で貯めなくちゃいけなかったから、時間かかっちゃって」 委員長 「まあ。ご自分で?」 主人公 「あ、でも頑張って働いたんだけどやっぱり足りなくて、結局王都に住んでる親戚に残りの分を借りたんだ」  奨学金を貰うことも考えたけど、途中編入じゃ今年度の申請には間に合わなかった。  叔母さまは「先行投資なんだから気にせず使え」なんて言っていたけど、これ以上お世話をかけるわけにはいかない。  良い成績とって、来年は奨学生になって、そして恩を早く返さないとね。 主人公 「○○さんは? どうしてこの学園に入ったの?」 委員長 「私ですか?」  うーんと少し考え込むような仕草をしてから、○○さんはゆっくり口を開いた。 委員長 「単純に、魔法という存在が好きだから……かしら」 主人公 「魔法が好き?」 委員長 「ええ。だからもっと魔法と触れ合うことのできる、この学園を選んだんです」  珍しく顔をしかめていた彼女の表情が、いつもの笑顔に変わる。 委員長 「きっと」 主人公 「きっとって……」  自分でもそこら辺はよくわからないんだ……?  やっぱり、ちょっと変な人かも。  次は、病院の院長回診よろしく取り巻きを引き連れたお嬢が登場すると思う。