真白の雪降り積もる平野に倒れている自分がいると、君は気が付いた。
粘りつくような朦朧を振り払いながら、身を起こす。
周囲を見れば、他にも数人の――数体の半魔が倒れていた。
ここは何処だ。彼らは誰だ。疑問の声を上げようとして、
自分が何者かさえも分らないことに、ようやっと君は思い至った。
確認する。唯一理解できるのは、ひとつの絆。ひとつのエゴ。
そして、今は思い出すことができないが、途方もなく大事な願いが己にはあったはず。
自覚から来る虚無、孤独、悲嘆、あるいは憤怒か寂寥か。
突然圧し掛かってきた感情に狼狽する中、声が聞こえた。
倒れていた半魔たちではない、天くから。
「儚く、愚かな、尊い、傲慢にも、分を超えた願いを抱えたものたちよ。
その心、余が叶えよう。そのために戦え。他の願いを持つ者たちと」
途端、全てがすっと腑に落ちた。ああ、君はそのためにここ――冥王星にきたのだと。