☆朝ドラの限界?


 やばい。
 また、半年更新が空いてしまいました。

 気が付くと『あさが来た』も、もはや終わろうとしている‥‥

 さて、視聴率も好調で、評判もいい『あさが来た』ですが、『まれ』を批判していた方々の『まれ』への批判は、大体、ブーメランになって『あさが来た』に刺さりまくってますが、その辺は完全スルーされているようで‥‥まあ、結局は主人公が気にいらないってだけのことを、もっともらしく脚本家のせいにしてただけだから、どうでもいいんだけど‥‥

 さて、波留さんの演技力ですが‥‥彼女、下積みが長かっただけあって、他の役者さんの演技を受けるのは、ものすごく上手ですね。でも、逆に、自分からぐいぐい作品を引っ張っていく、というスタイルではなさそうです。その意味で『あさが来た』は、とても彼女にあったお話だったのではないでしょうか? 同世代の役者、それもモデルとかタレントとかがメインのドラマでの演技が果たしてどうなのか‥‥いくつか出演作はあるみたいなんですが、評判が聞こえてきませんねぇ‥‥悪評も聞きませんが、いい評判もありません。土屋太凰への好意的な評判は聞くんですが‥‥
 ひとつ言えるのは、『まれ』で土屋太凰が演じたのは13年の時の流れなのに対し、『あさが来た』では40年くらい?‥‥年月の流れを演じ切れてません。宮崎あおいや萬田久子、風吹ジュン、玉木宏が見事にフォローしてるからドラマが成立していますが、今日あたりの放送分を見ても彼女はアラフィフにはとても見えません。菊やよのの老いが殊更に描かれているのは、裏を返せば、波留が加齢を表現できていないせいだとも考えられるわけで‥‥

 また、脚本の方も、あまり難しい話をすると女性の視聴者がついてこれないから、という配慮なのかも知れませんが、説明要素がすくなすぎです。最初は幕末や明治維新の時代感が存分に描かれていたのですが、途中からいつの時代のどこの国の話であるのかほとんどわからない状態でドラマが進行しています。脳内で勝手に感情移入してドラマを見る方々はそれでよくても、一歩引いた立場でドラマを見ている人には、落ち着かないことこの上ないのではないでしょうか?
 また、細部においても、例えば、新次郎がいた分家とは何なのか、とか、加野屋が実は呉服業も営んでいたみたいなくだりを出しておいて、実際に呉服を扱っているシーンが皆無だったりとか、今井のお父さんがいきなり東京へ行って、すんなり事業を展開できている不思議とか、にも拘わらず、何年も京都に本拠を置いたままだったとか、何でそれで仕事が成立するのか、とか、まともな神経の持ち主なら気持ちが悪くてたまらなかった筈です。きちんと調べれば、色々と省略された部分があることがわかりますが、しかし、そうすればするほど、もう少し説明部分を入れるべきだろ、とイラついたり‥‥
 また、炭坑や銀行業、女子大学校の設立についても、雰囲気は書いてますが、実際の困難はこんなものではなかったハズ。『まれ』でパティシェの仕事がきちんと描かれていないとか批判を受けていましたが、正直、こっちの方が端折りかたがひどいと思うぞ。
 まあ、そうは言っても、『まれ』がパティシェという職業を描くドラマではなく、希という女性の物語であったのと同じく『あさが来た』も炭坑業や銀行業の話ではなく、あさという女性の話であるのだから、と主張することはできます。だからあえて端折ったのだと‥‥

 が。
 今週分の放送で、成澤が、女子の大学校を設立するのに対し、女子に高等教育を受けさせると生意気な女性が増えるだけだ、という批判はもっともだが、ただ大学校をつくるだけでなく、それを是正していくのが我々の仕事だ、と主張することで女子大学の正当性をアピールする場面が出てきました。そう、世に生意気な女性を増やす原因となっては女子大学校の存在は正当化されない、と成澤自身が語っているのです。

 ついでに、成澤の一番弟子たる宜ちゃんは、「お嫁さんになるところを見せられんのやったら、大学校入った方が、おばあちゃんを喜ばせられるんじゃないか」と何気なく発言した千代に、「学んだことを身に着けて、何が何でも世のために役立てる、そういう強い決意もなく大学校に入るなんて、絶対に許さない」とぶちキレています。

 いいのか、こんなこと言って? と思いましたね。

 こう言っちゃなんですが、現在のリアルの大学校は、覚悟のかけらもない女性が大勢在籍し、正しく知識を活用する女性以上に、成澤が口に出してしまった「生意気なだけの女性」を大勢、世に送り出してしまっているような気がするんですが‥‥
 あの演説が女子大学校の正当性をアピールするものであるならば、現在の女子の高等教育の在り方は正直アウトなのではないでしょうか? 間違った形で行われている女子の高等教育を教育にかかわる人々が是正すべく動かないのであれば、女子の高等教育の正当性は根本から崩れてしまうと思うんですけどね‥‥

 言っちゃった以上は、責任もって、その問題の回答を出してドラマの最終回を迎えてほしいものです。

 もしかすると、来週登場するであろう大島優子が、その要をになっているのかもしれませんが‥‥

 まあ、全体としては、十二分に面白いんだけどね^^;

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最終更新:2016年03月19日 06:44