☆『おっさんの軽装は見たくない』でいいから、もっと冷房の設定温度を下げさせて!


 少し、前回の補足。

 前回の仮説に対して「いや、そもそも『ハイジ』の続編は、別の作者が書いたものなんだから、作者の意図とか関係ないでしょ、とか思った方も、いらっしゃるかと思います。

 『ハイジ』以外の、いわゆる名作にも、同じように他の作者が勝手につくった続編が多数発表されていて、それが今も伝えられている……のであれば、確かにそうなのかも知れません。 でも、私が知る限り、そういう作品は、他にないし、あったとしても、ほぼ世間には認知されていないはず。 『ハイジ』の続編に限って、文学的に優れたものが多数発表されたために、多数認知されている……というわけでもなさそうですし。

 また、それらの続編が、一部を除き、ことごとく、ハイジとペーターが戦禍に巻き込まれる展開になっている、というのも見逃せないポイントです。 ハイジの作品中には、戦争の予兆みたいなものは基本かかれてないし、時代設定もかなりアバウトです。 元ネタになった『アデレード』は、『ハイジ』の50年ほど前の話のようですし。

 前回と同じく、ネットの検索では出てこなかったのだけど、『ハイジ』が、戦争で犠牲となった少女を追悼する目的で書かれた、という話は、確かに聞いた覚えがあるんだよね。

 だとすると。

 ①ハイジという少女が特別な存在だった②ハイジが戦争で特別な役割を果たした、の2つのケースしか思いつかないわけですが、①は、作品を見る限り否定されます。 また、『アデレード』やゲーテの作品を下敷きにして書く、という手法をとったことで、作者自身が、あからさまに①を否定している、ということもありえます。

 ②が答えなんだけど、実際のハイジの事件は、少なくとも当時は公表できなかった……ために、①ではなく②なんですよ、とあからさまにわかる方法で『ハイジ』を書いた、と考えられないでしょうか? そして、そのことを知っている人たちが、いや、作者の方法は遠まわしすぎて、戦争とハイジの関わりが全く伝わってこないでしょ、という動機で、これらの続編を書いた、ということも。 でも、やっぱり、その当時としては実際のハイジの事件は書くわけにはいかなかった、という……

 まあ、いずれにしても、仮説なわけですが。


 6月に入って、クールビズに関連する記事があちこちに出てきたわけですが。 ちょっと変だな、と思うことがあって。

 福島の専門学校の生徒たちが、自分たちで考えたクールビズのファッションショーを開催、みたいなニュースがあったんですが。 何というか……ほぼすべてがおしゃれ着だったんですよね。

 クールビズって、おしゃれ着でしたっけ?

 いや、広い意味では、おしゃれ着のクールビズもあるんでしょうが、本来の意味でのクールビズというのは、軽装だったりカジュアルだったりするのが許されない場所で、なるべく冷房を控えるために、涼しくすごせるファッションを提案していく、というものであったはずですが……おしゃれ着なんか、それこそ、誰が何を着たって個人の勝手なはずなんで。 涼しげなデザインや素材、とかを提案するのはいいとして、おしゃれ着だけを持ってきてクールビズって言われても、それオフィシャルな場所では使えないからww

 また、女子から見た、NGなクールビズ、という記事もあったりして。

 過剰な露出は×、露出するなら無駄毛処理を、普段着の使いまわしは×、アロハとかかりゆしもデザインが明るすぎるのは×、カジュアルすぎるのは×……
 すね毛や胸毛が気持ち悪い、と感じる人がいるのはいいとして、逆に、無駄毛処理をしている人(特に相手がおっさんだと)は気持ち悪い、と感じる人だっているわけで。 このクールビズの問題には、働き盛りの男性が自分のファッションのためにあまりお金をかけられない(家族優先)というのが、そもそもの根底にあったはずで……。 カジュアルすぎるのがだめ、というのはひとつのポイントではあるけども、アロハやかりゆしは立派な正装なわけで、それをNGにしてしまうと、それこそ何を着たらいいの、って話になるわけで。

 また、室温を28℃に、というのも。

 事務仕事をしているオフィスを28℃に、というのは、まあいいのですが。
 そもそも人間を含めた哺乳類は15~25℃が、生活するための適温であるわけで。 この範囲なら、体温の調節機能によって、通常の生活を送れるわけです。 人間の場合は、着衣のコントロールも含めて、ですね。 これを外れると、状況次第で体温のコントロールがきかなくなり、生命に危険を生じる場合がある……と、誰もが知っているはずで。
 肉体労働を伴う職場の冷房を28℃に、というのは、暴挙だと思うのは私だけでしょうか?
 まして、接客と肉体労働を同時に進行するような職場の場合は、ある程度の服を着込む必要があるわけで。
 職場によって、適切な冷房の設定温度というのはあるはずです。 入ってきた客にとっては28℃が最適であったとしても、28℃で限界まで肉体を酷使して働いてい従業員にとっては、こまめな休憩を保障されていない限り、それは科学的に明確に生命の危険にさらされているわけで。 雇用主側が、従業員の労働強度を把握していなかった、などという言い分は通用するわけはなく。 もし、それで従業員が熱中症で死亡とかあったら、それは絶対に『過失』ではありません。 明らかに生命の危険がある場所で、こまめな休息や水分補給、冷房のきいた緊急の退避スペースの設置をせず限界ぎりぎりの労働を強要をした……これは、立派な殺人です。 肉体労働を伴う職場で冷房を25℃以上に設定した上で、休憩や退避スペースの確保を怠り限界ぎりぎりの労働を強要する……これで従業員の身に何かあったら、それは『過失』ではなく、『故意』の傷害事件であり、殺人事件です。 そう思うのは私だけでしょうか……?

 一律に冷房の設定温度は28℃というのは、そもそもおかしいわけで。 仕事の内容によって、そこは柔軟に対応してもらわないと。 あえて言わせてもらうと、冷房28℃にこだわる人に限って、暖房は19℃に、というのは完全スルーですよね。 外と部屋の中の温度差が大きすぎるのはよくない、という条件は変わらないわけで。 外でも寒くない格好で出かけて、暖房が26℃以上に設定されている店に入った瞬間の苛立ち……

 クールビズやウォームビズについて考えるのはいいとして。 単に自分に快適な温度を他人に強要する口実にこれらを使うのは(都合によって使い分ける)のはやめてほしいですね。 科学的な根拠をもとに、どの程度適用するのかはっきりさせてほしいわけです。 冷房の設定温度を28℃にするなら、2時間ごとに15分の休憩を従業員にとらせることを雇用主の義務とし、違反した場合にはきちんとペナルティ(まあ罰金でしょうね)を課す、とか……

 まあ、面倒くさい議論が嫌だというのであれば。

 おっさんの軽装は見たくない、なら、それでいいんで。 冷房の設定温度をせめて25℃以下にしてくれないかなぁ……



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最終更新:2014年06月04日 08:02