母、エルディリアンに関する記述
1015年春 エルディリアンの手記
また一年が過ぎてしまったみたい。
この地を訪れた際に、お父様と植えたデルフィニウムがまた花を咲かせたのだから。
母が眠るカシワの森が恋しいけれど、仕方がないわ。このベルグフリートを守る大切なお役目ですもの。
……でも、今年の秋には頼んでみようかしら。そうして、首尾よく事が進んだら、春には着くはずだから。
もしそうなったら、ここで書きためた詩歌を先生に見てもらいましょう。今から整理しておかないと。
……みんなに会ったら、なんて言われるかしら。人間のように粗野になったと言われるかもしれない。
でも、しょうがないわ。ここでは、カシワの森でのようにのんびりしてられないのだから。
1015年夏 エルディリアンの手記
……なんてことでしょう! 本当になんて!
どうしよう、そんな、だって!
彼は人間よ? 私はエルフだわ!
だけれど……。
1015年秋 エルディリアンの手記
北狄の様子がいやに騒がしいわ。
お父様へのお願いなんて、している場合じゃないわ。
嫌な予感がする……。
主よ、使徒フルキフェルよ、わかたれし祖の守護者、使徒フィニスよ、
どうか、どうか、お守りください。
クラウディオ……
1015年冬 ゴール・ベルグフリートの壁面
私はなんのために生きているの。お父様。
1017年春 ×××のマーテルの記録
5/5 ハイ・オークの男児1人 母親はエルフの女性(深夜)。
可哀そうに、子の顔を見るなり泣き崩れてしまった。
主よ、彼女にこれ以上不幸が訪れませぬよう。
5/12 母子ともに安全。父親と目されるゲンナディの屋敷に子の誕生を連絡した。
この子が父親に引き取られるのであれば、彼女の心にも安寧が訪れるだろうが……。
5/13 引き取らぬ旨の通達が届く。奴隷の子は奴隷のままに、とは。
……主よ、なぜ彼らはかくも非情なのでありましょう。
なぜ、彼女がこのような辱めを受けねばならぬのでしょう。主よ。
学者が伝記を書くにあたり、まとめたイエーシャの足跡
1017
アスケルハノフ族の族長、ゲンナディとエルフの姫君、エルディリアーンとの間に生まれる。
1024
イェールゥサウル殿の言葉に依ると、この頃から、エルフ娘の家を出、路上で物取りを生業となさる。
1028
11の齢、マトヴェイ将軍旗下の兵と騒動になり(当時、イェールゥサウル殿は路上で暮らしており、兵との騒動もイェールゥサウル殿の手先の悪さが原因と言われている)、兵に傷を負わせた殿に将軍が興味を引かれ、軍に引き取る。
その際、母君が身分に不相応な口利きをした為、殺処分と相成る。
1030
13の折、初陣。
1037
20の齢、小隊長に上る。
1039
22の頃、××族との戦いにおいて、捕虜となり、奴隷となる。
1044
26の冬深く、保釈金を払い、帰還。
1050
33の齢、部隊長にあがる。父君との逢瀬を果たすも、認知はされず。この頃、ゲーマルク率いるガゾム族のルシアーン殿と戦場にて矛を交える。
1052
35の齢、ルシアーン殿を副官に迎える。
1054
37の折、×××族の族長を見事討ち取り、ゲンナディ族長に認知され、ヴェロニーカ嬢を下賜される。
1065
48の齢、父君が倒れ、「集会」の結果、族長に選任され、就任。
1069現在に至る
名前の由来
イェールゥサウル
エルフ語であるエルサウル(Elsaur)という名をベゼルグ風に読み直したもの。
エルサウルの意味は
「エルフの(el-)敵、おぞましいもの、唾棄すべきもの(saur)」といった感じ。
イェールゥサウルを今、エルサウルと呼ぶものはいない。
エルディリアン
el dir ian 星を愛する姫
イメージ
イエーシャは志方あきこ「金環食」を念頭にしてたけど、それって壮年の頃じゃねぇの? と思い始めています。
カーチャンは志方あきこ「蒼碧の森」な感じ。神経細そうな感じ。でも、死んでるしロールする機会ナイネ。
最終更新:2012年01月07日 13:48