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5 最悪の消去法


詭計智将。
そう呼ばれる彼、毛利元就は他数人の武将を前に、悶々と考え事をしていた。
何を考えているのか。
「ふむ…誰の餅を食せば良いものか」
今元就の前にいる武将達総勢7名は、皆元就の誕生日祝いとして餅を持参した者達で。
元就は、誰の餅を食べるか迷っていたのである。
「あのな、誰のを食っても餅は餅だろ」
「つーか全部食えばいいだろ、You see?」
元就にそう返すのは、長曽我部元親と伊達政宗だ。
「いやもうあとで悩んでくれ」
「餅で悩むなんて、らしいねえ」
浅井長政は顔を顰め、前田慶次は呆れ気味に笑う。
「いつまで悩まれるおつもりか…」
「クク、もう私が食べましょうか」
「愛のオモチ、ザビーの気持ちネ!」
真田幸村、明智光秀、そしてなぜかザビーも餅持参の一人である。
そんな7人のぼやきまがいの言葉を聞いた元就は、やっと口を開いた。
「では、消去法だ」
「消去法?」
その場の全員が言葉を返す。
「逆に、いらぬものから指名していってやろうぞ」

「さて、それではまずザビーよ、」
そこで元就は言葉を切り、一息に言い放つ。

「論外だ」

言われて落ち込むザビーを尻目に、元就は言葉を続ける。
「それから、明智」
「はい?」

「怨念がこもっていそうだ」

音も無く崩れ落ちる光秀もまた無視し、元就は次に政宗に目をやる。
「伊達…貴様」
「Ah?どうした」

「それは餅というか洋菓子であろう」

「Shit!」
政宗は悔しがるが、元就は「洋菓子なぞ、好かぬ」と言い視線をそらす。
「さて、真田」
「な、何でござろう」

「貴様の熱気で餅が酷いことになっておる」

「!、某としたことが!」
元就はまた視線をそらし、口を開く。
「では、浅井」
「私の餅に何か問題でもあるか?」

「餅に問題は無いが、個人的に嫌だ」

「なっ…人を嫌うとは、悪である!」
我流の正義に燃える長政をも無視し、元就は向き直る。
「さて、あとは長曽我部と前田か」
言われ、姿勢を正す二人。だが、次に元就の口から紡がれた言葉は意外なものだった。

「両方、いらぬ」

「ええ!?」
困ったような、驚いたような顔をして元就を見る二人。そんな二人を見て、元就はさらに言った。

「前田の餅は美味なのだろうが、持ってきたのが貴様となると、な」

「あ、つまり俺が嫌ってことね」
自分で言いながら落ち込む慶次だが、元就はすでに元親に向き直っている。
「それから長曽我部、貴様だが」

「我は貴様が嫌いだ、わきまえよ」

元親は、先程の光秀と同じような落ち込み方をして壁際で縮こまった。
「…ん?それじゃあ…」
何かに気づいたらしい政宗が言う。
「お前、餅は食わないのか?」
しかし、元就はさして気にした風も無く、こういった。

「貴様らの餅などなくとも、隆元に作らせてある」

足早に部屋を出て行く元就を見つつ、よりいっそう落ち込む面々であった。

―最悪の消去法じゃねぇか…。





まだまだ感覚が取り戻せてません。
何が書きたかったんでしょうね僕は…

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最終更新:2010年06月25日 21:52