いじめスレ提供 ・モンティパイソンネタ多数、解らない人はごめんなさい ・懺悔スレネタ含有、懺悔スレの皆さんごめんなさい ・映姫様とか早苗とかいろいろキャラ壊れてます。ごめんなさい 懺悔スレにて 256 :名前が無い程度の能力 : 2004/9/26(火) 08:00:00 ID:oMeGA2j0 今日も映姫様ですっきりしました。おかげで仕事もはかどりそうです。 ごめんなさい。 512 :名前が無い程度の能力 : 2004/9/26(火) 08:11:35 ID:YeLlOw130 映姫様ですっきりしなかったせいか仕事でポカミスをして 絶体絶命です。やはりこれからは重要な仕事の前日は映姫様で すっきりしてムラムラを吹っ飛ばして仕事に専念します。 ごめんなさい。 1024:名前が無い程度の能力 : 2004/9/26(火) 09:35:21 ID:mOBius10 今日いろいろあって映姫様の仕事が増えてしまったかと思います。 本当にごめんなさい。それから映姫様ですっきりさせてもらいました。 ごめんなさい。 4096:名前が無い程度の能力 : 2010/9/30(木) 00:12:54 ID:scINfAxI0 これから映姫様もびっくりの弾幕ですっきりしようと思うのですが せっかくだし映姫様のエロ絵を見ながら発射ボタンを押してきます。 ごめんなさい。 「えええええいどいつもこいつも!!」 PCのキーボードを持ち上げて画面にたたきつけたのは映姫様だ。 門板に群がる人間どもを更正させるべく懺悔スレで精力的に返信する映姫様だが そのレスの半分以上が懺悔とは程遠いものだからたまらない。 しかもそれがセクシャルハラスメントな内容ばかりであるのだから さしもの映姫様とてモノに当たりたくもなる。 IBM純正品のCRTモニタはびくともしなかったが、ドスパラ無縁塚店で入手した 安物のキーボードは見事に真っ二つになり砕け散った。 怒声と破壊音に驚いたのか、誰かが電算室に駆け込んできた。 なんだ、小町だ。 「どどどうしたんですか映姫様!何があったんです!」 小町は砕け散ったキーボと肩で息をしながら立ち尽くす映姫を目にして しばらくおろおろとしていたが、映姫の眼が怒りに燃えている時のそれであることに 気づいて今度は顔を真っ青にした。 「(うわやべ、地雷踏んだかも!)」 またお説教と精神注入棒じゃなくてなんだっけアレ映姫様がいつも持ってるやつで きゃんきゃん言わされる(暴力的な意味で)極近未来が想像できちゃうのは 普段の自分の勤務態度に起因するんだけどああもうどうしよう! 小町はいつもさぼって昼寝ばかりしているとは思えないほど高速で頭脳を回転させて そこまでの状況から脱する方法を模索した。 「小町、これを見なさい」 映姫からドスの効いた声と共に画面を指差されて、その灰色の画面を恐る恐る覗き込む。 かろうじて生き残ったマウスでブラウザをスクロールさせていくと、 その灰色の背景の掲示板に書き込まれた内容はどうにもこうにもダメな内容で 埋まっていることが解った。 「・・・これは、駄目ですね」 映姫がご立腹の理由を理解した小町が振り返ると、今度は映姫は涙ぐんでいるではないか。 さっきの小町の百面相より映姫のほうがずっと表情豊かかもしれない。 「・・・みんなひどいのよ!私が頑張って皆に精進するよう言っても言っても  セクハラ発言をくりかえすばっかりでちっともわかってくれないんだから!!」 堰を切ったように泣き出す映姫を小町はその豊潤な胸で抱きしめる。 「ってあれ?これ全部映姫様がレスしてたんですか?」 「小町君、君は形而上学に弱いね。世界とはフィードバックの上に成り立っているんだ。  つまり目の前に映姫様のレスがあればそれはすなわち中の人も映姫様なのだよ」 唯我論っぽいものを持ち出したのが誰なのか小町は知るよしもない。ここは地獄であって 愛情省の拷問室などではないから、耳元で囁くオブライエンなどではあるまい。 「どうしたのです小町、ちゃんと聞いていましたか」 視線を天井から胸元に戻すと、涙で眼を真っ赤にした映姫の顔が飛び込んでくる。 空耳で映姫の話をよく聞いていなかったのだ。 「は、はい、すいません」 「人の話を聞・・・ひっ・・・聞くときは・・ちゃんと相手の目を・・・ひぐっ」 小町は話を聞く前にひとまずしゃくりあげる映姫の背中をしばらく撫でねばならなかった。 「そうですか、こんなことがもう長く続いているのですね」 「そう・・・もう2スレ目にもなるのにこんなことばかりなのよ・・・」 小町は思った。スレが伸びるごとに悪化するものなのではないかと。黙ってるけど。 「しかしこれは酷いですね、こいつらが死んだら私真っ先に映姫様の前まで  こいつら連れてき・・・きゃん!!」 たたかれた。アレでたたかれた。キーボードの残骸でたたかれた。 「気持ちはうれしいですが、それはいつもやるべきことでしょう!特別扱いは無し!」 変なところで律儀だから小町もどう気をきかせたらいいか難しい。 まったく難儀な職場である。 「ともかく、このコメントスクラムをなんとかしましょう」 「異端審問みたいだものね」 「映姫様、今何て言いました?」 「え・・・」 電算室のドアが勢いよく開け放たれた。同時に悪魔的な効果音。ジャーンとでも形容しようか。 現れたのは三妖精でおなじみのサニー、ルナ、スターであるが、みな赤装束で悪魔的。 そう悪魔的であった。彼女ら、正確にはサニーが言った。 「まさかの時の三妖精宗教裁判!私たちの武器は三つ!消音・屈折・感知・悪戯いや四つ!」 あまりの空気の読めなさと台詞の間違いに、映姫と小町はあっけにとられるばかりである。 「地獄に異端審問に来るとはいい度胸だわ。小町、つまみだしなさい」 小町はほいきたと言わんばかりに、三匹の赤い恰好の悪魔的な笑い方をするそれらのうち 二つを両脇にかかえ、ひとつの頭部を口で持ち上げると、まぁ当然噛まれたサニーミルクは 痛い痛いと訴えるわけだが、気にせず、ドアから電算室の外へ放り投げた。 「まったく、最近は不法侵入も多いですね。これじゃ紅魔館のことを笑えまモガガガ」 やけに疲れた表情で小町はそう言った。この状況下では失言であるので映姫の握りこぶしが 小町の口の中に放り込まれる。もっと他に黙らせる方法があるだろうに 「そんなことを言っているとまた来るわよ」 案の定、電算室に呼び鈴の音が響き渡った。 ここはあくまで電算室であって玄関などではないのだがなぜか呼び鈴である。 二人は今しがた"まさかの時の三妖精宗教裁判"を追い返したドアに注目する。 「小町、開けてさしあげ・・・抜けないわね」 どっこい小町の口には映姫の拳が入ったままである。 「いうふほひふあへひは(居留守というわけには)」 「そうもいかないわ。仕方ない、私が出るから貴方はサーバーコンピュータの陰にでも隠れてて」 口の中に拳が入ったままの小町が身長の差によってかがみながらついてくる光景は不気味だ。 その最中にも呼び鈴は三度鳴る。映姫は入り口に隣接しておいてある巨大な筐体の影に 小町を隠してドアを開けた。ちなみに映姫の手は伸びっぱなしで小町の首から先が玄関から 丸見えであったのだが、映姫は小町のおっぱい一つが頭部の質量くらいはあると考え 全質量の80%以上が隠れているからまぁいいだろうとか合理化して考えていた。 よくないのは明白である。 「はい、どうぞ」 入ってきたのは緑はいらない子じゃなかった緑色のセミロングにチャーミングな顔の 寒そうな巫女服を着た東風谷早苗。彼女はドアが開くや、異様な状態の二人もとい 一人と生首の様相を歯牙にもかけることなくこう切り出した。さすが外来人は違う。 「新任の巫女です。うちの神社のお守りなどいかがですか」 袖を裏返すとそこには大量のグッズがぶらさがっている。まさに押し売り。 映姫はうへえといった表情になった。 「信仰してないから遠慮しておきます」 「ボールペンもありますよ、赤青黒の三種類が書ける画期的なやつです。他には水にうすめて 飲むとおいしくいただける経済的な甘い飲料、守矢印なのでばっちり安心、賞味期限が 書き換えられているのが不快ですが抜群の出来です。あと軽いお仕置きにピッタリな ピコピコハンマー、殴ると音が出て楽しいです。もっと強力なお仕置きグッズとしては オンバシラハンマーがありますがこれは特注品なのでこちらの注文書にサインしてくださいね。 あと―」 「いや、だからうち信仰してないから」 早苗のマシンガントークは映姫の放った冷たい否定によってどうにか停止する。 「そうですか・・・では仕方ないですね、またの機会にお伺いします」 テンションが下がったのか、グッズと注文書まみれの袖を元にもどして早苗は退散していった。 ドアが閉まりかけたところでまた開けて「何か入用の際には」などと言うので もう一度閉めなおさねばならなかったが。 「ふぅ、博麗の巫女に比べると積極的に働いているようですね。方向性が間違っている気も しますが、まぁ、あれは善行ということにしておきましょう。ところで小町」 小町の口にはいまだ映姫の拳(けん)が挟まったままであった。 「あんえほう(何でしょう)」 「抜けないのだけど」 ●部下の口に腕を突っ込んだら 抜けなくなって非常にだらしない 恰好になってしまいました。 助けてアルゴマン! (地獄 閻魔様はロリじゃない) ●貴様の言動は微妙に破廉恥で あるゆえ弊社ではそのような事案 への回答はしかねる。それから アルゴマンは死んだので別を当た るがよい。 抜けなくなって三週間ほど経ったところで映姫の出した投稿ハガキはゲ○ム帝国に載った。 勿論コンと信が追放される前の週間ファ○コン○信でありウッドボールであり幻想入りである。 「見なさい小町、語り部さんも私の発言からむりやりセクハラに持っていってるわ」 無表情に目を細めた映姫が抑揚の無い声で小町に言った。勿論その拳は挟まったまま。 「ゃあいほふひふひほほふほかいっへはへはいいはあいえふは(じゃあ地獄に突き落とすとか 言ってやればいいじゃないですか)」 「バカを言いなさい、ただでさえ文々。新聞にいつ知れるかビクビクしながら暮らしているのに この状況で本名明かしの刑なんか食らったらお陀仏だわ」 「(閻魔様がお陀仏とか噴飯ものだよなぁ)」 小町の視線から何を考えているか悟った映姫は口の中に入った拳を回転させる。 「えふほぁ!!」 ちなみにここは法廷である。死者は小町が運んでこないので当然いない。 来たとしても閻魔の隣に拳を口に突っ込まれた死神が居る状態で裁判をやられたのでは 死者も困惑するだろうし、映姫も恥ずかしいので好都合といえば好都合なのだが。 映姫は突然、椅子を蹴倒して卒婆塔を壁に叩きつけた。 その様相に小町は度肝を抜かれてへたりこんだ。映姫がキレたのは久しぶりである。 映姫は俯いて何かブツブツ言っている。怖い。その内容に耳をすますと以下のような具合である。 「・・・小町の歯が折れる危険を冒してでも右手を抜くのが今の私にできる善行・・・」 「あんえんひへふははい、はうへおひひはひあんえはっおあういあえん(勘弁してください、 歯抜けの死神なんて恰好がつきません)」 そのあまりに強引な理論に小町が反論すれば、映姫はこう切り替えした。 「だいたい口の中に放り込んだ拳が抜けないなんておかしいのよ。私は閻魔でも女の子よ、 むきー!!そこんとこが解っていないわ小町、貴方の口はそんなに小さいとでも言うの!? こんなに長身長で胸がでかくて大食らいに違いないのに、医学的にありえないわ!」 「閻魔様の誤解、二次元キャラの口が小さいのは医学的な現象ね」 白衣の永琳が論壇でそのように解説していた。 「医学の諸分野で二次元キャラの口のサイズがご都合主義的に書き換えられることが 実証可能なのよ。例えば人類が歯を見せて笑うような行為を二次元キャラが真似た場合 その多くは実在の人体では口裂け女のごとき部位まで大きく開くなんてのは朝飯前。 だから二次元キャラの口の大きさは頭蓋骨に起因することなどありえないのよ」 詭弁である。 「医師の多くは私の説に懐疑的だわ。大概の論者は実験の成果が思わしくないからだと言う。 実際に二次元キャラに対して分割したスイカを横向きに一口で食べさせる実験を行ったけど 顎の骨が外れたのが三割、歯が折れたのが四割、呼吸困難に陥ったのが二割・・・」 永琳の顔はあくまで平然としている。いや、超然とでも表現するべきだろうか。 「ぺろりと平らげたのが一割いたわ。博麗の巫女と鬼と亡霊嬢。でも私以外の医師は  『連中は員数外だ』というばかりで譲らない。まったく不届きな連中ね」 要するに30人に実験したらしい。 そこで呼び鈴が鳴った。論壇のある部屋に呼び鈴である。不可解であるが永琳は気にしない。 「失礼」 そう言うや彼女は論壇から降りて講堂のドアを開ける。 「新任の巫女です、悪霊退散グッズなどいかがですか?」 いきおい入ってきたのは緑はいらない子じゃなかった守矢神社の東風谷早苗である。 寒そうな巫女服は相変わらず、色彩まで寒そうなのだから始末におえない。 永琳はうへえといった顔になった。 「月人は地上人の神なんて信仰してないの」 「そうですか?守矢神社の製品はみんな実用品ですよ?」 早苗は気にした様子もなく続ける。幻想郷の空気にもう慣れたのだろうか、適応の早いと 褒めるべきか、不幸を受け入れた彼女を嘆くべきか、永琳はわからず思考を放棄した。 「だから信仰してないの。いらない。今忙しいからどっか行って。亡霊嬢のとことか」 早苗はさして気にした様子もなく、そうですか、では御機嫌ようなどと言っては退散していった。 招かれざる客を追い返した永琳は胸をなでおろし、講義に戻った。 映姫はもう小町の手を抜くことを諦めて雑務に戻ったようだった。 死神部渡し舟課に連絡し、他の死神を幻想郷の彼岸まで手配してもらい、 小町を机の下に隠して、片手だけを使って裁判をするのである。 小町の口に挟まった手のかわりに、腕の根元にダミーのギプスを付け それを首から包帯で吊るしてカモフラージュした。 もう一月にもなるが、その間小町は映姫の拳が口に入ったままであるので 何も口にしておらず、時折腹の虫が鳴き、閻魔が屁をこいたように聞こえることがあって 映姫としては不本意で恥ずかしくて涙が出そうだったので、そのたび机の下の小町の 腹を膝で蹴った。 でありながら、裁判がひと段落して法廷に誰もいなくなるとこの閻魔は 「ああ、小町、なんて可愛そうなのかしら。私は死んでいない者へ責め苦を与えることは 不本意でならないのです。せめてこの拳さえ抜ければ・・・例えその後しばらく流動食しか 食べることができなかったとしても」 要するにいけしゃあしゃあと歯が抜けることは避けられぬというのだ。 小町はそんな映姫の戯言をうわのそらで聞いていた。 ああ、この人もここ数ヶ月ですっかり黒くなったなぁ。そんなことを考えながら空腹に耐えている。 小町の腹が三度鳴ったそんな時である、法廷に呼び鈴の音が鳴り響いたのは。 二人は今日の裁判は終わったとばかり思っていたので、びっくりしてとびあがり 一目散に閻魔の席の定位置へついた。 「入りなさい」 冷や汗を拭って咳払いをしてからいつもの落ち着いた声で映姫が告げる。 その間にも小町の腹が鳴り、映姫の膝がそれを蹴り上げた。 小町は思った。畜生、子供が生めなくなったら民事で訴えてやる。 勿論幻想郷にそんな制度はない。 ところでこの時、扉が開いて入ってきたものが信じられず、映姫は口をポカンと開けていた。 なにしろ幽霊が入ってくるべきところに生きた人間が入ってきたのである。 生きた人間とはすなわち東風谷早苗であった。 「新任の巫女です、モザイク除去マシンなど如何で・・・あら、いつぞやの閻魔様」 あっけにとられる映姫を尻目に早苗は少し首を傾げて、部屋を出ようとした。 「入る部屋を間違えたようですね、失礼しました。ごきげんよう」 「ちょちょちょっと待ちなさい!」 慌てて引き止める映姫 「はい?」 「ここは生きた人間は渡ってこれない彼岸の界よ、どうやって入り込んだの!?」 それを聞いた早苗は困った顔で返答する。 「別に、こないだと同じに・・・」 こないだ。映姫ははっとした。 そういえば小町の口に拳が挟まった日、電算室に巫女が来ていたことを思い出す。 「貴方はあっちとこっちを行き来できるようね・・・」 「はい、奇跡の力で」 早苗は屈託ない笑顔で凄いことを言ってのけた。 そういえばそうだ、文々新聞で伝え聞くところによればこの新しい巫女は奇跡を起こせるという。 映姫はピンときた。閻魔ともあろうものが人に頼るのは気が引けるが、ここでお願いすれば 奇跡の力でこのクソ忌々しいはまり込んで抜けない手を抜いてもらえるかも・・・! 「ちょっと待って、貴方にお願いがあるの!」 映姫はたまらず机から駆け出した。突然のことで事情を察していない小町は映姫に 口からひきずられてゆく。 それを目の当たりにした早苗はたまらず噴き出す。 「・・・そ、それまだ突っ込んだままだったんですか!?それとも趣味?・・・ぷぷっ」 映姫は一瞬ラストジャッジメントを発動しそうになったが、抑えて、抜けなくなった旨を説明し 奇跡の力でなんとかしてほしいと訴えた。 「・・・いいですけど、外したら信仰してくれます?」 「いいわ、信仰してあげる」 二つ返事で了解、おかしい。小町は映姫がこんな簡単に特定の神を信仰するなどありえないと 知っていた。だが現実に今まさしく映姫は信仰すると言ったのだ。 そうこうしているうちに早苗が奇跡の力とやらを発動して小町の口から映姫の手を抜き取った。 今までのガチガチ感がうそのようにするりと抜け、映姫は狂喜乱舞した。 小町はというと開いた口が塞がらなかった。別に奇跡に驚いているのではない、 顎の骨が外れたためだ。映姫の拳が抜けたのもそれが原因である。 「奇跡で死神さんの顎の骨を外しました。さて信仰をあぶぇっ」 小町が法廷に備えられている椅子で早苗の頭をぶんなぐった。いきおい早苗はその小柄な 身体を吹き飛ばされて法廷の壁に激突しカエルが潰れたような声を上げてのびてしまった。 「小町、なんてことをするの、私たちの恩人よ!」 「それは映姫さまらけの恩人でうよ、あたいは顎のほぇがなおりな・・・いたいいいたい・・・」 必死で自らの顎を元に戻そうともがく小町は映姫の抗議にも耳を貸さない。 しばらくしてごぎぎっと嫌な音を立てながら小町の顎はおおむね元通りになった。 「痛かった・・・ところで映姫様、そこで伸びてる巫女の神様ですが、本当に信仰するんですか?」 映姫が眉間に皺を寄せて考えこむところに小町は遠慮せず続けた。 「あたいは絶対信仰しませんよ、助けてくれるにしても乱暴すぎます」 「そうねえ、期待はずれなのは事実だったかしら」 そこで仰向けに倒れていた早苗がむくりと起き上がって二人をにらみつけた。 「閻魔様がウソは仰いませんよね。信仰していただけないならこっちにも考えがありますよ」 「どんな考えかしら」 早苗は懐からボイスレコーダーを取り出すと不適な笑みで口元を歪め、言った。 「抜けなかった事と今の嘘、あの新聞記者に委細漏らさず伝えます」 なんとこの巫女、閻魔を脅迫である。小町は背筋になにか冷たいものが走る感覚を覚えた。 当の映姫は少し考えでいたが、溜息をひとつつくと、諦めたような声でこう切り出した。 「仕方ないわね。一月ほど信仰してみるのも悪くないわ」 その言葉に早苗の顔がパァッと明るくなる。 「貴方がこんなに頑張っているのにご褒美を与えないわけにはいかないものね」 そう言って、早苗の身体を抱きしめ、緑色の髪を優しく撫ではじめた。 その労わりように早苗は涙を浮かべ、涙声で呟いた。 「う・・・や、やっと信仰してもらえた、営業きついよ・・・きつかったよ・・・」 映姫の手は早苗の背中を撫で、よしよしと小さな子供をあやすようにする。 小町はあーいいなあの巫女ーとか映姫様も意外だなーとか思いながら一部始終を見て 懐に入れっぱなしの、いつもサボるときに食べていた餅を取り出して口に入れ 久々に口にするそれがすっかりカビていることに辟易していたのだが 「ただし」 映姫の口調がいつものものに戻ったところでそのカビた餅を喉に詰まらせて咳き込んだ。 「貴方は自らの神の命じたことといえ、生きたまま彼岸に足を踏み入れた。 これは許されざる行いよ」 「え・・・へ・・・?」 早苗は何が起こったか理解できないような間抜けな声を上げ、早苗を抱くのをやめて 立ち上がった映姫を見上げていた。その眼は今度は恐怖に染まり 「そう、貴方は少し目的のために手段を選ばなさ過ぎる。過ぎたるは及ばざるが如し。  信仰の前にお説教が必要ね。貴方と、貴方の神様にも」 小町は安堵した。いつもの映姫様に戻っていたからだ。 「あややややや?閻魔様ではないですか。珍しいですね、こんな妖怪の山まで」 「うん、ちょっと新しく来た神様にね、信仰とお説教を」 「・・・ははは、そうですか、遠いところまでお疲れ様です・・・」 おわり