いぢめスレより 注意  微グロ表現あり 虐待表現ありです 夜、レミリアは神社での宴会から帰ってきて愕然とした 「なにこれ・・・・・」 紅魔館は原型が無くなるほど破壊され、周りの外壁も跡形も無くなっていた ふと館の前で、いつもなら地下室にいるはずの妹のフランドールが立っていた 姿を見るのは久しぶりである 妹にレミリアは駆け寄る 「一体、何があったのフラン!?」 フランドールはただそこに立っているだけで、無表情のまま何も答えようとしない 「まさか、あなたが!」 この惨状はフランドールのしたことだと思った 「半分正解よ」 「だれ!」 いつの間にか後ろに永遠亭の八意永琳がいた 「半分正解って、どういうこと?」 「確かに壊したのはその子。でもやらせたのは私。そういうこと」 「答えになってないわ!」 「フラン、そのうるさいのを黙らせなさい」 「ハイ、エイリンサマ」 抑揚の無い声で、初めてフランドールが口をきく 「貴様、何を言って・・・・ぐあっ」 フランドールが突然、レミリアを殴り飛ばす その顔には何の感情もこもっていない 激しく地面を転がるレミリア 「フラン、どうして!?」 レミリアがフランドールに叫ぶ 「フラン、三分あげるわ。そいつを戦闘不能にしなさい」 「ハイ、エイリンサマ」 姉には答えず、永琳に返事をした 「貴様!フランに何をした!」 ようやく、フランドールが操られていることを理解する 「それより今は、どうやってその子の攻撃をかわすかに専念したほうがいいんじゃないかしら?」 フランドールが歪んだ剣を持ち飛び掛って来る 「フラン、やめなさい!」 レミリアは何とかフランドールを止めようと応戦した 勝負は三分とかからず決まった 本気のフランドールと手加減をしたレミリアでは始めから勝負にならない レミリアは下半身と左手は消し飛び、上半身と頭、右腕だけの状態である 「よくやったわ、フラン」 「ハイ、エイリンサマ」 「くそっ・・・・」 レミリアは重症ではあったが吸血鬼ゆえ、この程度ではまだまだどうってことはない 「あら、さすが吸血鬼、まだすごく元気ね。フランこっちにいらっしゃい」 「ハイ、エイリンサマ」 フランドールが永琳のもとに歩み寄る。永琳は鎖のついた首輪を取り出し、フランドールの首につける 「なんてことを・・・・」 妹の屈辱的な扱いを見せつけられて、歯軋りする 「すごいでしょう?ウドンゲの狂気の目とこの子の相性がすごく良いらしくて、目を見ただけで簡単に操れるのよ」 永琳が後ろからフランドールに抱きつく 「こんなことしても、全く抵抗しないのよ」 永琳はフランドールの耳を甘噛みしながら、スカートの中に手を入れ、まさぐる フランドールは抵抗どころか、顔色一つ変えない 「やめろ!」 レミリアの声を永琳は無視して続ける。やがて飽きたのか、レミリアに愉快そうに話しかける 「今から、この子を正気に戻すわ」 「え?」 パンッと永琳が手を叩く。その瞬間フランドールはハッとなり、目に生気が戻ってくる 「あれ?わたし、一体?」 壊れた紅魔館、隣にいる永琳、最後に上半身だけのレミリアを見て絶叫する 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああ」 五月蝿さに耐えかね永琳が、フランドールの髪を強引に引っ張る 「うるさいわよフラン、静かにしなさい」 その行為とは裏腹に、やさしい声で話す フランドールは怯えパニック寸前になる 「わたし、わたし、わたし・・・・・・・・・・・・」 「そうよ。これは全部あなたがやったの、わかるでしょう?」 「あっ、ああ・・・」 「さて、フラン?」 フランドールの体がビクリと震える 「これから、あなたのお姉さんと大事な話があるの、これを持って、ちょっと静かにしていなさい」 永琳はフランドールの前に首輪の鎖を差し出す 「ヤダヨ・・・ヤダヨ・・・・・ヤダヨ・・・・・」 「なによ、その鎖は!?」 妹の尋常ではない怯えが気になり、レミリアはたずねる 「この鎖?大したものじゃないわ、ただ『銀』で、できているだけよ」 「――そんな!!」 吸血鬼にとって銀は触れること自体、激痛である 永琳の恐怖に耐えかねて、ついにフランが鎖を両手で握る 「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 あまりの激痛に先ほどより大きな声で叫ぶ 「痛い!痛い!痛い!」 そのフランドールの髪を永琳は再び強引に掴み、今度は足が浮くほど思いっきり引っ張る 「静かにしなさいと言ったでしょう! 何度言えばわかるの!?」 今度は怒鳴りつけた フランドールは叫ぶのをやめる、グスグスと泣きながら、痛みに耐える 「返事は?」 「うっ・・・ぐっ・・ぐすっ・・・・ハ、ハイ」 その返事に永琳は満足して、笑顔に戻る 「そうよ、やっぱりあなたはいい子ね」 そう言い、恐怖と痛みに耐えるフランドールの頭を撫でる。撫でてレミリアに向き直る 「フラン、もし逃げ出したり、鎖から手を離したら、あなたのお姉さんがどうなるか、わかるわね?」 フランドールは痛みに耐えながら、一生懸命、何度も頷く 「貴様・・・・」 レミリアが殺意に満ちた目で永琳をにらみつける 「ほんとに可愛い妹さんね、あなたが外に出したくないのもわかるわ」 「こんなことして・・・何が目的だ」 「あなたたち、月に行こうとしているでしょ、今?」 「それがどうした、貴様には関係ないだろ」 「それが大ありなの、私たちは月から逃げてきた罪人で、幻想郷の存在がばれると、とても困るの」 「そんなの自業自得で・・ぐぁっ!」 永琳がレミリアの無防備な顔を思い切り蹴飛ばす 「お姉さま!」 「で、二週間ほど前にウドンゲをここに送り込んで、ロケットを壊そうとしたの。そしたらあの子、間違えてあなたの妹さんの部屋に 入っちゃってね。逃げようと思って狂気の目を使ったら、妹さん恐ろしいほど言う事を聞いたの。見つかったままにもしておけないから 永遠亭まで連れてくることにしたのよ。でもまさか二週間も妹がいなくなったことに気付かないなんて、とんでもないお姉さんね」 「2週間前から・・・・・」 2週間、フランドールのことを全く気に掛けなかったため、いなくなったことに気付いていなかった 「この二週間の調教は本当に楽しかったわ。無知で無垢な、穢れを知らないものを汚す、この背徳感は最高の媚薬よこのために永遠はあるとさえ思うわ。あなたにも是非見せて聞かせたかったわ、この子の怯える顔や泣き喚く声を。段々と堕ちていく姿を」 「やめろ・・・」 永琳の後ろではフランドールが自分のために必死に痛みに耐えている姿が目に入る 「・・・わかった・・・・ロケットは、中止にするから・・・・・もう許して」 妹を見たレミリアに、もう戦う意思は無かった 「そう、じゃあどっちが死ぬかさっさと決めなさい」 「どういうこと!?」 突然の理不尽な要求にレミリアは困惑する 「今回はあなたたちスカーレット家が起こしたことでしょう?だからどちらかが死んで償えと言っているの」 永琳は懐から、液体の入ったビンを取りだす 「これはあなたの妹の血液サンプルからつくった、対吸血鬼用の液体。これをかければ吸血鬼は自己修復が出来なくなるの」 レミリアの顔が恐怖で引きつる。この状態で使われたら自分は確実に死ぬ 「姉であるあなたに選ばせてあげるわ、10秒でどちらが死ぬか選びなさい」 「ちょっと、まって・・・」 「10、9、8、7」 永琳がカウントを始める、レミリアはどうすれば2人が生き残れるか思考をめぐらす 「6、5、4、3」 咲夜たちが助けに来てくれないか願った 「2、1、0。はい、時間切れよ」 妙案は浮かばず、奇跡も起きなかった 「そんな・・・待って!」 レミリアは激しく後悔し、フランドールはひどく残念な顔をした その2人の顔を見て、永琳は話し始める 「私も月に妹がいるの、今はどうしてるか分からないけどね。もしあなたが妹を助ける選択をしたら。同じ姉として敬意を表して 2人とも許してあげたのに・・・・残案ね」 「うそ・・・・・・・・・・」 でたらめかもしれない情報にレミリアは動揺した 「さて、フラン。もう鎖から手を放してもいいわよ」 フランドールはビクリと震え、その弾みで手から鎖が落ちる 「今度はあなたに選ばせてあげる、よく考えなさい。ただしさっきのようなサービスは一切無しよ」 「え?・・え?・・・え?・・・」 「生き残るのはあなた、それともお姉さん?あなたが選びなさい」 フランドールは再び泣き始めた 「そんな・・・そんなの、決められ、ないよ・・・・・」 困惑するフランドールに永琳がやさしい声で語りかける 「フラン、このロケットの計画をあなたは知っていたの?」 フランドールは首を横に振る 「そう、知らなかったのね、お姉さんが勝手にやったことにあなたは巻き込まれただけなのね」 フランドールはコクコクと頷く レミリアの顔が見る見る青ざめる。それは悪魔のささやきだった 「この二週間、あなたはとても怖くて痛い思いをしていたのに。お姉さんはそんなことも知らずにみんなで宴会やパーティーをして楽しんでいたのよ」 永琳はフランドールの体をやさしく抱きしめる 「お姉さんはあなたを暗い暗い地下室に495年も閉じ込めておいて、あなたのことなんてどうでもいいと思っていたのね。本当に可哀相な子」 そう言って。フランドールの頭をやさしく撫でる 「さっきもあなたのことを守ろうともしないで、自分も助かりたいと迷っていたのよ。本当に、ひどいお姉さんね」 レミリアは反論するが、その声はもう妹には届いていない。その間も永琳の聖母のような抱擁は続いている 「もし、ここでお姉さんが死んだら、あなたは自由になれるのよ。魔理沙や霊夢ほかにもたくさんの友達と毎日遊べるようになるのよ」 友達という言葉に反応を示す 「ほんとに?ねえ、ほんとに?」 「ええ、私だってこんなことが無ければ、あなたとお友達になりたかったもの・・・・」 「フラン、そんなの嘘に決まってる、信じちゃだめ」 「ほら、あなたのお姉さんはいつもそうやって、あなたを仲間はずれにしてたのよ」 「違う!そんなことしてない!」 「フラン、確かに私はあなたにひどい事をたくさんしたわ、でも私たちの命がかかっていたから仕方がなかったの あなたのお姉さんが月に行くだなんてことを言わなければ、こんなことしたくわなかったの」 いつの間にか、敵と味方が入れ替わっていた。 ついに永琳はフランドールに決断させる言葉を放った 「ねえ、フラン。被害者のあなたが罪を償う必要は無いわ。そうでしょう?」 「うん」 うつろな目で永琳の質問に答える 「フランしっかりして!」 レミリアの言葉を無視して、永琳がフランドールの手をとる、そしてとった手をレミリアに向ける 「やさしいのねフラン。薬で死ぬくらいなら、せめてあなたの手で送ってあげるなんて」 フランドールはその一言で現実に戻る 「え?」 永琳は、レミリアはお前が殺せと遠回しに命令している 「そうよね、あなたの能力なら苦しませずに殺せるものね。それで逝けるのなら、お姉さんもさぞ本望でしょう」 レミリアの顔が恐怖に染まる 「やだ、やだ、やだ」 フランドールはカタカタと震えながら拒否する 「じゃあ、あなたが死ぬ?」 フランドールは無言で頭を横に振る 「もう一度言うわね。あなたは悪くないから死ぬ必要は無い。さっきの鎖の痛みも、この二週間で受けた恐怖も、495年もひとりぼっち だったのも全てあなたのお姉さんのせいよ。お姉さんがいなくなればあなたはやっと自由になれる。わかる?自由が手に入るのよ?」 自由。それはこれまで495年間、孤独だった少女にはひどく魅力的な言葉だった 永琳が手を離しても、その手はレミリアに向いたままだった 「待って!フラン落ち着いて!」 「そうそう、落ち着いて狙うのよ」 「あっ・・・・ああ・・・・」 フランドールは極限の状態まで追い込まれていた レミリアに向けられた手がついに何かを握り潰した 「――――――――――――!」 壊れたのはレミリアの目の前の地面だった。 スコップで掘ったかのような大きな穴が広がっている フランドールにレミリアは殺せなかった 「そう、それがあなたの選んだ答えなのね・・・・・・残念ね、私も姫もあなたでもっと遊びたかったのに・・・」 永琳が放心状態のフランドールを首輪の鎖を引っ張り紅魔館から去ろうとする レミリアも放心寸前だった そのレミリアに永琳が最後の一言をかける 「姉想いの妹を持って、あなたは幸せ者ね。あれだけのことをしておいて、庇ってくれる妹なんてほかにいないわ」 そう言って紅魔館から2人は飛び立った 残されたレミリアは一人泣いていた 紅魔館からかなり離れた上空で2人は話し始めた 「やったー、これでもう自由だー。 天井を気にせず飛べるなんて夢のよう」 「お疲れ様、名演技だったわよ。あなた女優になれるわね」 「でもえーりん、スカートの中にほんとに手を入れてくるんだもん、びっくりしちゃった」 永琳とフランドール。この2人はグルだった。ずっとレミリアの前で芝居をしていた 2週間前に、紅魔館の地下で鈴仙と出会ったのは本当だ。フランドールは鈴仙をひさしぶりの来客として歓迎した しばらく世間話をしてから、鈴仙はフランドールに自分がここに来る事情を話した。 その時ロケットの話をフランドールは初めて知った レミリアが異変やその他のイベントに自分を仲間はずれにしているのを知っている。このロケットもその一つだった そんな姉に嫌気がさしていた。そしていい加減自分もこの何も無い地下室からを出たいと思っており、鈴仙に頼み永遠亭に連れて 行ってもらった。 どうせすぐ連れ戻されると思い、プチ家出の感覚で出てきた しかし2週間が過ぎてもレミリアは自分を探しに来ない 姉の愛情の無さを知り、本格的に紅魔館を出て行こうと考えた。 紅魔館が月に行くのを阻止したい永遠亭と利害が一致したため今回の芝居を計画した 操られていたのは芝居で、銀の鎖も液体も嘘だった レミリア以外の紅魔館のメンバーは今、地下室で気絶いている。だれ一人殺していない 「ねえフラン」 「ん、何?」 「もし、レミリアがあなたの命を助けることを真っ先に優先してたら。その場で芝居なんかやめてたんじゃない?」 「なんでそう思うの?」 「だって、10数え終わったときのあなたの顔、とても残念そうだったわよ」 「そうだった?・・・・・・・」 「そうだったわ」 「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」 2人の間で長い沈黙が続く 「ところで、これからあなたどうするの?ほんとにうちのペットになる」 「それもいいけど、やめとくわ。とりあえず魔界に行ってみようと思うの」 「魔界に?」 「あそこなら、遊んでくれそうなのがたくさんいるって聞いたことがあるの」 たしかにこの子には魔界は快適かも知れない 「じゃあ、これ。私たちからの餞別」 フランドールに折りたたみ傘と輸血用の血液パックを一つ渡した 「ありがとう、それじゃ私もう行くね。さよなら」 もらったものをポケットに入れて、魔界があると聞いた方向へ消えていった 永琳が後ろを振り返ると紅魔館が見えた、手足の再生したレミリアが瓦礫をどかして生存者を探している 永琳は今度、レミリアが永遠亭に来た時、どう対応しようか考えていた 本当のことを話して、永遠亭のみんなで彼女に指を刺して大笑いしてやろうか それとも、瓶詰めにした灰を見せて、これが妹だと嘘を言って、絶望する様子を観察してやろうか あのプライドの高い吸血鬼をどういぢめてやろうか考えながら、永琳は永年亭の家路についた