うちのメイド 十六夜咲夜。 「お嬢様?また紅茶をこぼしたのですか?」 最近メイドが怖い。 「ああ、ごめんなさい。ボーっとしてたわ」 ああ、またアイツの声を聞かなければいけないのか。 【ふざけんじゃないわよ、私が頑張っているのに何様?】 「いえいいんですよ」 どうして、こんなことに、きっとあいつのせいだ。 悟り妖怪が何かしたんだよ。 「咲夜、私のこと…」 言いかけてやめた。 答えはわかっているから。 咲夜はわけが分からないという顔をしている。 「咲夜、ひとりにしてくれ」 【やっとこいつの顔をみないですむわ】 「分かりました。なにかあったら言って下さい」 きっとあいつは上辺だけの従者。 私だって人と必要以上に馴れ合いたくない。 はずだ。 お嬢様…私が邪魔なの? 人間だから? またあの声を聞かなくちゃいけないの? 私がナニヲシタ?