120 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2008/01/03(木) 18:59:52 ID:Skd4juf20
十六夜咲夜の表情は、暗がりの中にある。
そこには戸惑いがあり、脅えがあり…もし間違いでなければ、倒錯
した昂揚が混ざっているようにも見えた。
「さあ、咲夜。できないの?咲夜は私の従者でしょう?」
咲夜は思い起こす。自分に何か落ち度はなかったか?
お仕えしてより一日もなく、レミリア様のために微力を尽くして来た
というのに、このような…。
その感情を察して、レミリアは妖しく微笑む。
「咲夜はいつも完璧よ。だから時々汚してみたくなるの」
小さな手が伸ばされ、無造作に頬を一撫でしただけで、感電したよう
に咲夜は身動きできなくなる。
咲夜はまた思う。ならばそのそつのない、可愛げのなさが不興を買った
のだろうか?美鈴に乞うて、愛嬌の一つでも学ぶべきだったか…。
主はスカートからのぞく青白い脚を組み直し、また言葉を継いだ。
「咲夜は好きよ、だから時々確かめたくなるの。貴方を自由にできる、
特権を持っているのだと」
レミリアの手は咲夜の銀髪に置かれ、彼女を下へ押しやろうとする。
決して力も魔力も込められていなかったが、咲夜の身体は抵抗なく床
へと沈んでいった。
「さあ」
咲夜の喉が唾を飲み込み、異様な感情のうねりを抑えるように、無機
質な声が発せられた。
「…わ、分かりました…レミリア様」
瀟洒な従者が跪き、絨毯に手をついて主の足に口づけをする。
「そうよ、指の間まで丁寧によ、咲夜…」
それを見下ろすレミリアの瞳には、まさに魔性としか言えない嗜虐の光
が宿っていた…。








…遡ること三時間前。

「はい、頼まれもの」
「ありがとう、パチェ」
「…けど、何に使うの?消毒用アルコールなんて?」
「そ、それは…あ、遊びで身体を悪くしたらつまらないものね」
「???」
訝しい表情を残したままパチュリーが去ると、一人部屋に籠って神経質
なほど丁寧に足の指先を洗うレミリアの姿があった。


元ネタは、メイドスレへの昔の書き込み。

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最終更新:2008年03月08日 00:10