68 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2008/01/02(水) 15:11:10 ID:dXtXZkso0
こんなのしか思いつかない

「はーるでーすよーっ」
満面の笑みで、耳が痛くなるようなバカでかい声を出す白い妖精。
まったく、その小さい体のどこからそんな声が出るんだ。そんなに俺をイライラさせたいか。
「はるですよー!!」
「やかましい!」
俺はリリーに近寄って胸倉を掴み、近くの木に叩きつけるように押しつけた。
「ぁぐっ!」
後頭部をぶつけたらしく、その頭はぐらりと揺れた後、ゆっくりとこちらを向いた。
目の焦点がブレているようだ。
「こんなクソ寒い日のこんな朝っぱらから何が春ですよだ!
 妖精がバカだとは聞いてたがお前は暦も知らんのか!まだ冬のド真ん中だろうが!!」
俺は力任せにリリーを投げ捨てた。思ったよりよく飛ぶ。妖精は人間より軽いらしい。
うつぶせに地面にぶつかった後、半回転してリリーは仰向けになった。
「あ・・・ぅ・・・」
さっき相当強く後頭部を打ったのか、リリーの目は焦点を失ったままだった。
この状態じゃお説教も無駄だろうと察した俺は、まず目を覚まさせてやることにした。
「うっ!」
俺がマウントポジションを取ると、その重さに耐えられずリリーは苦しそうな声を出す。
パシィッ!
「ぅ!」
白い頬を力いっぱい平手で打つと、心地よい音があたりに響いた。
その度にリリーの顔は横を向くが、当然こちらを向けさせる。
パシィッ!パシィッ!
「うぁ!」
「目ェ覚めたか?オイ、今の季節を言ってみろ」
「ぅ・・・は、春です・・・」
バキッ!
右の拳でリリーの頬を思いっきり殴る。不思議と声は出なかった。
「今日はまだ1月だぞ。さ、今は何の季節だ?」
「・・・は・・・る・・・」
バキッ!
今度は左から。やっぱり声は出ない。
パシィッ!
「うっ!」
平手だと声が出るのか。面白い。
「よく聞こえなかったな。何の季節だって?」
「う・・・ううぅ・・・」
リリーの目に大粒の涙が溢れ出す。オイオイ今更泣くのか。ちょっと鈍くないかコイツ?
俺はマウントポジションを解いて、リリーの胸倉を掴んで無理やり立たせる。
「ごめ・・・な、さい・・・」
聞こえなかったフリをして、近くの木に向かってリリーを投げつけた。
リリーは背中から木にぶつかった後、ずり落ちて座り込むような形になった。
力なくこちらを見上げる瞳には、相変わらず涙を浮かべている。
無抵抗じゃ、つまらん。
バキッ!
俺はリリーの側頭部に思いっきり蹴りを入れた。力なく吹っ飛んで転がるリリー。
「春になるまで、そこで寝てろ」
返事はなかった。もういい、二度寝しよう。
「おやすみ、リリー」
やはり、返事はなかった。