473 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2007/10/21(日) 05:21:17 ID:5qBYaIJM0
「霊夢、最近味が悪くなった気がするわ」
「慣れてきたせいじゃないの?私は最近いいもの食べてるわよ?」
「・・・ちょっと最近調子が悪くて、霊夢の血でスタミナつけようと思ったのに」
「あの夜雀の屋台のほうがいいんじゃないかしら・・・」

瀟洒なメイドが、主のかぶりついた巫女の首筋を拭う。
軟膏が塗られ、ガーゼが巻かれて、その日のレミリアの食事は終わった。

小食なレミリアに霊夢を眷属にすることはできなかったが
宴会の席である拍子に「霊夢の血なら一食****円でもいいわー」
などと口走ったのがきっかけで、ご馳走といえば霊夢な生活になっていた。
最初の吸血のときは霊夢のうなじにメイド共々鼻血を出してそれどころではなかったが
その後は月に一度のペースで霊夢の首筋にかぶりつく日々だった。
だが、冒頭で述べているように、レミリアには、霊夢の血の味が落ちていると
そう感じてならないのだ。

霊夢が帰った後、ぶつくさ文句を垂れる主を尻目に瀟洒なメイドは図書館へ向かった。
図書館の主はメイドを待ちわびていた。
「持ってきてくれた?」
開口一番パチュリーはそうのたまう。咲夜はポケットから小瓶を取り出した。
「はい。お嬢様には気づかれていません」
瓶の中身は霊夢の血液。パチュリーの後ろには実験器具の山。
咲夜は、小瓶を受け取るや実験に取り掛かったパチュリーの後姿に溜息をつき
「杞憂ではないですか、お嬢様の不調の原因が霊夢の血であるなど」
「貴方は瀟洒が取り柄なのだから専門分野の外に口出しして無知を曝け出すべきではないわ」
ちょっとカチンちきたが、図書館を後にした。

数ヵ月後

病床に伏したレミリアは高熱・腹痛に悩まされ、肌の色まで悪くなりだした。
血をいくら飲んでも、力が出ない。こんなことは初めてだった。
「お嬢様、永遠亭の薬師を呼びましょう」
半ば懇願するかのような咲夜の提案をレミリアはそれでも退ける。
紅いカリスマが病魔に苛まれるなどあってはならぬことだ、プライドが許さなかった。
それに、親友が必死に治療法を探してくれている。彼女の努力を無駄にして
他者の力を頼るなどとてもできることではない。

食堂で自らの無力さを嘆き項垂れる咲夜、周囲の妖精メイドの雰囲気もまた暗い。
そこにドタドタとパチュリーがやってきた。物凄い勢いでドアを開け放ち
そのひ弱な体のどこからひねり出したかという力で咲夜を引きずっていった。
メイドたちは皆呆気に取られた。

「寄生虫ですか」
「ええ、日本住血吸虫、レミィの故郷にはいなかった奴よ。幻想郷は稲作だから・・・」
それはミヤイリガイを中間宿主として人間に寄生し赤血球を食らう寄生虫だ。
人間の場合は肝臓と脳にてきめんに症状が現れ、適切な処置がとられなければ死に至る。
だがレミリアのような、吸血鬼の場合だと・・・
「お嬢様は脳でものを考えていないと言っておられました」
「そうよ!血液を啜る分、その血液を食い荒らされたらたまったものじゃないわ!
 はやく手を打たないと・・・レミィも、霊夢も!」