提供:門板「幻想郷のキャラを苛めるスレ」


幻想キャラ苛めSS第65536話
「さらば八卦炉!そして魔理沙よ・・・!」の巻

===

「あんまりだわ」
その声はどこまでも響いた。大図書館は、その広大さに反比例するかのように
騒音源が皆無に近い場所だったからである。
「ねぇ、小悪魔。貴方もそう思うんでしょう?」
パチュリーの声はあくまでいつもの冷徹なそれであった。
あるいはそこに紅茶があれば、パチュリーはそれを含みながら言ったかもしれない。
声は、幾重にも連なった書棚に当たるたび反響し、減衰したが
パチュリーの、喘息によるノイズが混じっても、なおクリアなその声音が
図書館の壁に天井に当たって戻るのを小悪魔の鋭敏な聴覚は感じ取っていた。
彼女ら二人の手元には、三つに破断して醜くなった魔道書があった。
それは、いつもの無作法な、招かれざる客によって行われた狼藉の痕跡だった。
「大事な本だものね」
パチュリーが、破断した本から小悪魔に視線をうつす。
そこには歯を食いしばって涙を流す小悪魔の顔があった。
けして声を漏らすことなく押し殺して涙する小悪魔がいた。
涙は頬を伝って首を通り、小悪魔の小奇麗なブラウスを濡らしていた。
けしてそれが床に落ちることはない。パチュリー様は煩いのがお嫌いだからだ。
嗚咽の声が漏れることもない。パチュリー様は煩いのがお嫌いなのだ。
「貴方の、大事な、記録だものね」
こんなことしか覚えていない自分に小悪魔は涙していた。
もっと他に覚えていたかった重要なことが山のようにあったのに。
もっと―

その本の内容は実に他愛ないものだった。
小悪魔の、日記のようなもの。
だがそれは、ここ百年ほどの記録であり、またパチュリーと小悪魔
すなわち使い魔が主人と関係を続けるうちに記録された情報が
異常な密度の言語により、詳細に記述されているという、重要な書物だった。
これは今まで100年のすべてだった。
この使い魔、大悪魔ならばともかく、たかだか小悪魔だ。
小さな頭脳に収まりきらない膨大な図書目録、魔術知識、ほんの些細な
パチュリーの嗜好までを網羅するにはムリがある。
だから小悪魔は、脳外記憶領域とし、この"日記"を作り出し、
そこから必要な情報を得て、仕事をこなしていた。
それが失われた今、この小悪魔は、最早、有能な使い魔でも、有能な司書でもなく
大型弾を撃つことすら叶わない雑魚に成り下がってしまったのだ。

「隠そうとしたのよね」
小悪魔は頷いた。頬の涙がすこし床に零れ落ちた。
「隠そうとしているのに、ふんだくって見ようとするなんて、悪趣味のきわみよね」
小悪魔はパチュリーのその言葉に、何度も、何度も頷いた。震えながら。
「しかも力加減を知らずに大事な本を壊してしまうなんて、最低よね」
パチュリーの手が小悪魔の頭をさする。抱擁が続き、しばらくして
小悪魔はようやく嗚咽らしきものを漏らして、号泣した。

「・・で・・」
ようやく小悪魔が口を聞いた。
「でも・・・でもっ!魔理沙さん強いじゃな・・ですか!どうやって・・・」
「心配しないで」
小悪魔のしなやかな身体を抱擁し続けるパチュリーは
眼にどす黒いものを浮かべながら、唇を捻じ曲げた。
「考えがあるから」

===

慟哭する小悪魔をなだめようと懸命だった魔理沙だが、半狂乱の小悪魔を
どうにかできるようもなく、パチュリーに侘びをいれると、そのまま帰った。
反省はしていたのだろう。だが、魔理沙は自分のやったことを自覚すべきだった。
「まずいことをしちまったなぁ・・」
魔理沙は自分の胸がむかむかすることを自覚した。
"借りるだけ"
妖怪と人間の寿命の差に甘え、自分が死ぬまでの期限つきで借りていくという
その行為は、かろうじて説得力を持ち、それゆえパチュリーに納得のいかない
我慢と諦念を押し付けることができた。
だが、今回は違う。モノを壊してしまった。しかもどうやら重要なモノを。
風呂に入り、酒をかっくらい、ベッドに仰向けに転がる。
それでも今まで感じたことのない罪悪感は消えなかった。
取り返しのつかないことをしたらしい。
そんなことは今までなかった。香霖の店の品物を壊したこともあったが
それは商売道具をひとつ壊した程度で、拳骨か説教、またはただ働きの類で
チャラになるようなものだった。
異変の最中に破壊したものに関しては不問というのが幻想郷のルールだった。
だが、今回は違う、違うのだ。
あの小悪魔の絶望した顔、見る見る血の気が引いていくところ、可愛らしい顔が
顔を真っ赤に必死だったものから、一転して真っ青な慟哭に変貌する瞬間、
なによりも、いまだに耳にこびりついて離れない、あの金切り声に等しい絶叫。
そのすべてが、今まで、魔理沙の経験したことのない、ただごとではない
何かだった。

魔理沙は考えた。どうやって謝ったらいいんだろう。
借りたものを返し、侘びの印にとっておきのマジックアイテムを贈呈し
そして気が済むまで殴ってくれと懇願する、そんなところまで考えたが
それはパチュリー相手の謝罪の方法でしかないことに、すぐ気づいた。
魔理沙は、小悪魔に謝らなければならないのだ。
「・・・難儀だぜ・・・」
小悪魔のことは、顔は知っているが中身はよく知らない。
図書館で恒例の阻止弾幕ごっこでは一瞬でけりをつけてダウンさせてしまうし
図書の場所を聞き出す以外にたいした会話をしていたわけではなかった。

どうしよう。

魔理沙は悩んだ。悩んで眠れなかった。時間ばかりが刻々と過ぎていった。
そして、夜も深けてきたところで、自分の家の結界が、何かを感知するのを感じた。

===

窓の外が真っ赤に染まる。またあの霧?違う、発光していた。
魔理沙は反射的にベッドから飛び降りた。転がりながら開いたドアを目指し
部屋の外に脱出すると共に、窓からあの真っ赤な光が差し込んで
すべてをなぎ払った。
「な、何だ!」
自分の家の結界をいともたやすく貫通して、寝室を壁ごと吹き飛ばすなど
そんじょそこらの妖怪にできる芸当ではない。
魔理沙は即決した。外に出よう。家の中からでは敵が見えず、いつ攻撃されるかもわからない。
寝巻きのまま八卦炉と箒を手に、遮二無二、玄関から外に飛び出すと、そこに居たのは
いるはずのない、いてはならない、あの、気の狂った妹だった。

「魔理沙」

フランドールはレーヴァテインを空中で一回転躍らせてから
嬉しそうに魔理沙の名を呼んだ。
「フラン・・・ほ、本物なのか!?」
「パチュリーが」
フランの顔面には、初めて会ったときの、あのどこか正気を失った眼と
気の狂ったような笑みが戻っていた。
「魔理沙に会わせてあげるって!」
来る、魔理沙は瞬間的に箒で上昇した。玄関をレーヴァテインがなぎ払う。
「そんな馬鹿な・・・お前はまだ外に出られる状態じゃないはずだろ!」
叫びながら、魔理沙はレーヴァテインより放たれる無数の米粒弾を回避した。
一度避けた弾幕を再び食らう魔理沙様じゃないぜ・・・既に魔理沙の頭脳は
弾幕モードに切り替わっていた。
この現状が何かの異変どうか知らないが、とにかくフランを倒さないことには。
この狂った妹は暴れるのを止めることはないのだから、それで正解なはずだ。
はずだった。
目の前の景色が一瞬飛び、同じくして自分の周囲に無数のナイフが出現するまでは。
「・・・ッ!!?!」
危ういところでそれを・・・避けられなかった。ナイフが自分の肩に刺さる。
スターダストレヴァリエ発動、喰らいボムでそれを打ち消す。
「咲夜か!」
瀟洒な従者が魔理沙の後ろをとっていた。気づくのが遅れた。羽交い絞めにされる。
咲夜は冷徹に言い放った。
「ゲームセットね」
魔理沙は何が何なのかもうわけがわからなかった。なんでこの二人がここにいるんだ。
「私が呼んだからよ」
魔理沙は血の気が引くのを感じた。その声の主は、昼間、自分が頭を下げるのに対し
半ば呆れた、半ば蔑んだような視線を向けるばかりで、何も言わなかったあの魔女
「ぱ・・・パチュリー・・・」
紅魔館が総出でお出迎えなのか?
パチュリーは、魔理沙の姿を見るなり言った。
「寝巻きでマスタースパークなんて、魔砲の上に姿形まで風見幽香の猿真似かしら」
「一体・・・なんだっていうんだ、これは・・・なんなんだよ」
混乱する魔理沙に対して、パチュリーは簡潔に言った。
「貴方、昼間のこと覚えてるわよね」
「・・・ああ、どう謝ろうか考えてた」
「謝りきれる問題じゃないの」
魔理沙は、自分がそれほどの罪を犯したのかと思い、小悪魔に謝りたくなったが
「そうなのか」
「大事なものだったの。高々20年も生きていない、貴方の命では償いきれないほど」
現実感のないこの奇妙な状況で、自分の命では償いきれないというその言葉から
直後に訪れるであろう自分の死と、閻魔の裁きを予想し、恐怖した。
「私を・・・どうするんだ」
カラカラに乾いた喉がしおれた声を絞り出す。ナイフをつきつけられたその喉は
かすかに震えてもいた。
「そうね。交換条件」
「交換」
「そう。貴方の一番大事なものを戴いていく。貴方流に言うなら―」
パチュリーはにこりと、今まで見せたことのない笑顔を浮かべて
「もってくわ」
そう告げると、フランドールへ振り向いて、頷いた。

近寄ってくるフランドールに魔理沙は恐怖した。
「や・・・やめろ、冗談だろ・・・」
フランの手にはあいかわらずレーヴァテインがあった。
構えからすると、どうやら突き刺すつもりらしい。
暴れてみるも、咲夜の腕は外れなかった。あいつはいい。刺さる直前に時間を止め
自分だけ逃げればいいのだから。私だけが串刺しにされるのだろう。
うまくできた仕掛けだな。パチュリーらしい。
魔理沙の顔面は血の気が引き、ひきつり、涙があふれていたが、脳裏は妙に冷静で
そんなことを思い浮かべていた。
「魔理沙、あのね」
フランが気の狂った笑みを伴い語りかける。
「パチュリーがね、魔理沙の一番大事なものを壊さなきゃいけないから、来いって」
一番大事なもの。
「それで私ついてきたんだ。魔理沙とこうやって外で一緒にいられるなんて夢みたい」
やっぱり、命かな。
「大丈夫だよ、はずさないから。動いちゃ、だめね」
レーヴァテインがいよいよ魔理沙の目と鼻の先に迫った。魔理沙は目を瞑る。
いつかこうなるのではないかと思っていた。私は所詮人間だったのだ。
妖怪との関係に深入りしすぎた。やっぱり霊夢は特別だったんだ
私がマネできる道理はなかったんだ。
瞑った眼の内側すら眩しくなる。懐に衝撃と、高熱を感じたとき、魔理沙は
今までの人生の情景が脳裏を駆け巡り、後悔の念が底知れず湧き出していたが、

いつまで経っても死なないので不思議に思って目を開けてみた。

===

魔理沙はソファに横たわっていた。
寝室は完全に破壊されてしまったので、今眠れる場所は、マジックアイテムで
足の踏み場もなくなったリビングくらいしかなかったのだ。
腹部には包帯が巻かれ、ガーゼが入った左のほうがアンバランスに膨らんでいた。
出血は治まったが、火傷は治っていない。左の二の腕にも巻かれた包帯を見て
魔理沙はため息をついた。
視線を机の上の、ばらばらになった八卦炉に移す。見るも無残に壊れていた。
いや、それはもう残骸の一部でしかなかった。ひしゃげた外板の一部と
砕けた破片、全質量の15%もないだろう。

フランの突きは正確そのものだった。魔理沙はレーヴァテインでは直接には
火傷以外の怪我を負わなかったのだ。
だが、八卦炉に蓄えられた魔力が一挙に解放され、つまり爆発したことで
それを仕舞っていた魔理沙の寝巻きのポケット付近がひどく傷ついた。

魔理沙は見た。地に伏した自分の懐から、真っ二つに割れた
八卦炉のコア部分を、パチュリーが拾い上げていくのを。
血で真っ赤に染まった八卦炉を、同じく血で真っ赤にした手で取り上げるパチュリー
そしてそれを不思議そうな眼で見つめるフランドール。
パチュリーはフランに、その八卦炉にこびりついた魔理沙の血を舐めさせすらした。
『なんかコレの味と混ざって変な香りがする・・・でも魔理沙の味、悪くないね』
口元を血で汚しながら、悪魔の妹はそんなことを言っていた。
そしてその直後、その場に魔理沙を残して、誰もいなくなっていた。
十中八九、咲夜の能力だろう。フランドールに必要以上の活動をさせないための。

怪我はなんとかなった。立ち上がるのにあまりの苦痛を要することを別にすれば
身体の活動に何ら問題はない。
だが、八卦炉を奪われてしまった。あれがないと魔理沙は火も起こせないのに。
粥の一つを作るにも事欠き、あれから暖かい食事を取っていない。
風呂場に温泉を引いていたのが幸いして、湯まで無いということにはならないのが
せめてもの救いだったが、いずれこの生活は破綻をきたすだろう。

「・・・」
魔理沙は、視線を、八卦炉の一部だったものに向けたまま、パチュリーの言葉を
思い出し、その意味するところを考えていた。
「もってくわ」
それは自分がもって行くときの言葉だった。
パチュリーが自分から略取していく時に使うのも当然かもしれない。
だが、魔理沙は、どこかそれが納得いかなかった。
「私は・・・」
魔理沙は小悪魔のあの時の表情を思い出していた。
考えうる限り最悪の顔。もう見たくない、それでいて忘れられそうにない顔。
きっとあの書物は、小悪魔にとって余程重要なマジックアイテムだったのだろう。
それこそ、自分にとっての八卦炉と同じくらい重要な。
だったら、私が八卦炉を破壊されても文句は言えない。フェアだと思った。

「・・・でも」
魔理沙は解っていた。些細なことであることくらいは。
「私はあの時、持っていかなかった」
それが自業自得の懲罰であることくらい理解できた。
「私は破壊した挙句持っていったり・・して・・ない」
涙がとめどなくあふれ出た。

姿勢を仰向けに戻す。脇腹の痛みはそのままだった。
魔理沙はタオルで止まらない涙を拭いながら、なぜこんなことになったか考えた。
理由はすぐ思い当たった。そうだ、私があのときあんな冷たい対応をしたからだ。
小悪魔の様子を見ればヤバいことをしでかしたのくらいすぐ理解できたはずなのに
私はそれを怠った。
いや、そうじゃない。脳が理解することを拒んだのだ。恐怖で。
小悪魔のあの叫びと顔、いつも自分に呆れたように小言を垂れるパチュリーが
私の謝罪に一切耳を貸さなかったこと。
それらが、怖かったのだ。
逃げてたんだ、私は。

===

数日を経た。
怪我も治った魔理沙は、自宅の復旧だの、生活インフラの再構築だのといった
可及的速やかに必要な行為を放り出して、紅魔館へ急いでいた。
その懐に八卦炉はなく、そのかわり重たい荷物を抱えていたので
いつも以上に動きが鈍く、道中は災難だらけだった。
魔法の森を抜けるときも、湖の上空を通過するときも、必ず、夥しい数の
妖精や毛玉が、魔理沙に容赦なく襲い掛かった。
一網打尽にできる武器を持たない魔理沙は、ただただ消耗させられた。

紅魔館の門前に達すると、いつものように美鈴が立ちはだかった。
美鈴は、今日の魔理沙は八卦炉を持っていないから楽勝だと聞かされていたが
魔理沙がマスタースパークだけの魔法少女ではないことを、身をもって知っており
むしろいつもと違う手がくると考え、慎重な姿勢で挑んできたが、
「御免!」の一言と共に放たれた"[魔弾]ミミちゃん"の前に脆くも敗れた。

窓の無い地下図書館には爆風は届かなかったが、大きく揺さぶられて
書棚がいくつも倒れ、蔵書がばらばらと落ちた。
何事かとパチュリーが顔をしかめていると、図書館のドアが乱暴に開け放たれ
旧作時代の白い服をまとった魔理沙が、半身焦げた姿で登場した。
「・・・容姿まで幽香を真似たと言ったの、そんなに堪えたかしら」
「うるさいな、白は対核閃光防護だ」
さらりととんでもない事実が明るみに出たが、パチュリーは流した。
紅魔館の上半分は崩壊していたのだが、そんなことは些細なことらしい。
「それで」
紅茶のカップに口をつけながら言った。
「どのツラさげてここに来たのかしら。貴方の八卦炉ならここには無いわよ」
「八卦炉なんてどうでもいいんだよ」
魔理沙は、パチュリーに歩み寄った。
「小悪魔はどこだ」
「アレに、何の用」
「償いに来た」
パチュリーは魔理沙の目を見た。それは真剣そのものだった。
真剣な魔理沙の目が、あまりにおかしくて、パチュリーは笑いを堪えられなくなった。
「莫迦・・・」
パチュリー、机に伏して噛み殺した笑いを上げる。
「あ・・・あの夜、あれは貴方ごときの命じゃ・・償いきれないって言ったのに・・」
「それでもだ」
魔理沙は平然と言った。
「だったら、償える分だけ償う。あれは、私があの時すぐ行動しなかったから―」
「黙りなさい!!」
伏していたパチュリーが突然起き上がって怒鳴り声を上げた。
魔理沙はそれに圧倒されて、一歩退いた。
あらゆることをされるだろうと想像していたが、
パチュリーが怒鳴るとは思っていなかったのだ。
パチュリーは椅子から立ち上がって魔理沙の胸倉を掴んだ。
「アレに謝りに来たの?償いに来たの?笑わせるわ。そんなのもう無理だもの」
パチュリーの目は真っ赤だった。最初魔理沙は激昂して血走っているのかと
思ったが、その表情が怒りから哀しみを含んだものへと変わり、
「もう・・・ムリなのよ・・・もう遅い・・・」
眼から涙が溢れ、頬を伝って落ちたところで、ようやく気づいた。
パチュリーの肩は震えていた。
「・・・まさか・・・」
「そのまさかよ・・・その・・・その・・ッ!!」
パチュリーは声を上げて泣いた。魔理沙の胸にすがりついて泣いた。
胸倉を掴んで、自身のか弱い力で何度も何度も魔理沙を揺さぶった。
「返してよ、返してよ!私のあの娘を!返してったら!!」

魔理沙は自分が小悪魔を殺したことを理解した。

===

泣きはらしたパチュリーは疲れてベッドに横になった。
自分の愛しい使い魔を破壊した魔理沙に介抱されているのに、なぜか憎悪は沸いてこなかった。
魔理沙は魔理沙らしくもなく、甲斐甲斐しくパチュリーの世話をした。

地下では時間の経過があいまいだ。どれだけの間そうしていたのか解らない。

「ねぇ」
「なんだ、パチュリー」
「貴方の償えるだけの償いをするんでしょ?」
「そうだ」
「・・・貴方」

100年間、司書ができる?

===

Tab月Alt日

正門周辺の修復が遅々として進まない。あの核爆発で蒸発した湖の塩分が
放射化し、それが原因で広範囲を汚染してしまったようだ。
浄水作業からはじめなければならないと思われる。明日、パチュリー様に
お願いしてこよう。

半角/全角月Esc日

予定通り雨を降らせてもらった。これで暫くすれば作業が再開できる。
ただ予想外の出来事が二つあった。ひとつは図書館の有様、それが片付いて
いないこと。あの有能な司書がいなくなるとこんなものかと、痛感した。
もう一つは、図書館の司書が、新しくなっていたことであり、その人物が
見知った顔であったことだ。
司書服がなかなかかわいかったので今度ツバをつけておこうと思う。


OVER END













  • そして魔理沙は人をやめたわけですな -- キング クズ (2016-07-10 01:13:49)
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