154 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/08(金) 20:13:01 [ cFoRSBcw ]
「じゃあ、頼んだぜ」
「うん、いってらっしゃい」

魔理沙が買出しに行く間、私が霊夢の面倒をみることになった。
半身不随の霊夢を抱きかかえ、彼女が望めば車椅子
やることがないのなら炬燵に入れてやるのだ。
魔理沙が解放をはじめた頃は車椅子のままで掃除しようとしていたらしいが
私が見るかぎり、今の霊夢は気力なくうなだれているだけだ。
私の声にも、上海と蓬莱の声にも、ボーっとしたまま、うわべの返事を繰り返すばかり。
「まぁ・・・気持ちは解るけど、何もしないんじゃ悪化するだけよ?」
私は霊夢を車椅子に乗せ、その膝に毛布をかけてやり、境内を歩き回る。
もう残り僅かになった紅葉くらいしか、見栄えのするものがなかった。
「霊夢」
「・・・なに・・・」
「きっと良くなるから」
その言葉に返事はない。
風が吹き、落ち葉の群れが、掃く者を失った境内に舞い上がった。

日が傾いだ。
魔理沙の帰りが遅い。
私は人形たちに鍋の火を見守らせ、自分は霊夢の体を洗ってやった。
何も着ていないと、動かなくなった霊夢の下半身が一層強調される気がした。
「背中、洗うからね」
「・・・うん」
霊夢の肌は、動けないせいか、血色が悪くなりつつある。嘆かわしい。
以前はとても綺麗だった。私が嫉妬するくらい
それはそれは美味しそうな肌だった
あぁ
最近人間食べてないなぁ

今私なんて考えた?
手が止まっていた。
「あ、あははは!なんでもないよ霊夢、そろそろ湯船漬かろうね!」
「?」

159 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/08(金) 22:04:19 [ cFoRSBcw ]
みかんを剥くのも億劫にしていた霊夢だが、私の作った料理はそれなりに食べてくれた。
洋風だったから霊夢の口に合うか心配だったのだけど。
「ご馳走様」
それでも霊夢は全体の6割程度しか手をつけてくれない。
以前なら真っ先に喰らいついておかわりも要求したであろう
鶏肉のシチューもあまり減っていなかった。
「もう、いいの?栄養ないと他のところも悪くなっちゃうよ?」
霊夢は暗い顔で答えた。
「足動かないのに・・・太っちゃうの、やだ」
アリスは自分が何を言ってしまったかようやく理解し、そして後悔した。
そうだ。霊夢も乙女だったのだ。
確かに、近頃の彼女は体の手入れも満足にでいているとは言い難い。
最初のうちは魔理沙にすら世話をされるのをイヤがっていたという。
これ以上自分の醜態を他人に晒したくないのだろう。
「そ・・・か・・・」
アリスは乾いた喉から、なんとか声をしぼりだすと、霊夢をなんとか慰めようと
「ごめん、ごめんね、気づけなくて」
炬燵に入ったままの霊夢に歩み寄って、彼女を胸に抱いた。

博麗神社からは、ランプの弱弱しい光と共に
霊夢のしゃくりあげる声が、境内に漏れ出すばかりだった。


160 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/08(金) 22:31:08 [ cFoRSBcw ]
やはり、今まで天性ですべてを成し遂げてきた霊夢にとって、現状は
私や魔理沙が想像する以上の挫折となっているに違いない。
そんな時に霊夢を旨そうだと思ってしまった自分が許せなかった。
 ・・・しかし魔理沙が遅い。どうしたというんだろう。

私は霊夢を布団に寝かせてやり、人形たちに何かあったら報せるように命じてから
灯りの落ちた縁側で、一人で魔理沙を待っていた。
やけに月が暗い気がした。

魔理沙の帰りは突然だった。
猛烈な速度で箒に乗った黒いものが視界に飛び出す。
ただし、それはいつものような、紅魔館に押しかけたり冥界の門を開くときのような
余裕に満ちた動作ではなく、どこか危険で、殺気を感じさせるものだった。
「魔理沙?」
アリスは我が目を疑った。魔理沙は負傷していた。
服の、肩の部分が鋭く切り裂かれ、赤いものが滲んでいた。
帽子はなく、髪は強い風に晒され続けたのか、ひどくばらけている。
そして何より、その飛行には安定が感じられない。
「魔理沙!」
アリスはいつのまにか境内に墜落した魔理沙へ走り寄っていた。

魔理沙はしばらく起きなかった。
介抱する相手が倍に増えたことで私はひどく忙しかったが、それよりはやく魔理沙が起きて
何があったのか話してくれないとどうにもならない。
無防備な二人を残して自分だけ外に出るわけにはいかなかった。

それは、動けない霊夢の寝返りを手伝おうと、寝室へ向け廊下を歩いているときだった
突然、背筋に悪寒が走った。
「な・・・に・・・?」
それも、不快な悪寒ではなく、こう・・・私のような妖怪の類には
心地よいというか、血肉沸き踊るというか、そういう感じの胸騒ぎが。
こんなものを感じたのは久しぶりだった。魔界を出てからはそうそう感じたことはない。
「いけない」
普段人間と仲良くしている私だが、その反対の部分が騒ぎ出す。
魔力旺盛な人間が二人も無防備で寝ているところに居るわたし
"とても美味しい状況"なのはよく理解していた。しかし駄目だ
二人は私の友人なのだ。それを・・・喰うなど・・・
「駄・・・目よ、駄目?まりさもれいむも・・・」
欲望が、どす黒い醜悪で根源的な欲望がぐつぐつと煮える。
私は廊下に膝をつき、頭を抱え込んだ。

それが止んだのも唐突だった。魔理沙の様子を見ていた蓬莱人形が
私のところへ飛んできたのだ。
「アリス!魔理沙ガ起キタ!」
その声で我に返ったとき、あの感じは、出たときと同じく、唐突に消えていた。

魔理沙は既に半身を起こして、私が気付けにと使っていた薬用酒を啜っていた。
「魔理沙!」
「おぅアリス、待たせて悪かったな」
肩に巻いた包帯のほかは、いつもの魔理沙に戻っていた。
私はひとしきり戻りが遅くて心配したことを怒り半分寂しさ半分で訴えたが
魔理沙はそれを一通り聞き流すと、そのまま本題に入った。
「もう解ってると思うんだが」
「・・・外はそんなにまずいの?」
魔理沙は酒で赤くなったはずの顔を真剣なものに戻して答えた。
「霊夢が居なくなって、あいつら活気づきやがった。凄い妖気が渦巻いてる。
お前は博麗大結界のせいで間隔が麻痺してわからなかったんだろう」
「その傷も・・?」
「出たとたんに人間だ人間だとそこら中から群がってきやがったぜ。
それだけじゃない。やつら、霊夢を狙って博麗神社を遠巻きにしてやがった」
「なんですって!?」
そうか。さっきのあれは、私もやつらの気に当てられたのか。
「残念だが本当だ。もう一度外に出るのは難しいだろうな」

博麗大結界はそれでも連中をはねのけるだろう。はねのけ続けるだろう。
だが霊夢も魔理沙も、ずっとこの中で生きていくことはできない。
何処からか食糧を調達してこないぶんには飢え死にだ。
だが誰がそれをやったらいいだろう?

魔理沙は傷ついている
霊夢は動けない
私は―私しかいないはずなのに、私は・・・


163 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 13:40:48 [ cyrgfupY ]
苦悩しつつ世話をするアリスが甲斐甲斐しくていい…
これからあらゆるシチュエーションに分岐できるからワクテカ


164 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 14:06:37 [ 4oV6GRFI ]
 >分岐
「これしきの事で・・・幻想郷中の笑い者になるわ!」
とか力みながら出撃する足なんてものは飾りです霊夢
恐怖!起動玄爺!
君は生き残ることができるか

とか妄想してた


165 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 15:05:37 [ PWLx1apo ]
門番のしでかした事の責任として、紅魔館が霊夢の治療を約束
パチェによる霊夢サイボーグ化計画始動という白昼夢が


166 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 15:14:56 [ tzS3PB8o ]
 >>164
「悲しいけど、これって戦争なのかー!!」
玄爺に特攻するルーミア
ゴンッ
「いたい~」
頭に出来たたんこぶを抑えながら涙目になるルーミア
「このぉっ!」
チルノが飛び出す
「たった一匹の妖精にこの玄爺はやらせはせんっ、やらせはせんぞぉぉぉ!!!」

ここまで幻視したw

169 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 18:54:44 [ EVe99nyE ]
遠巻きにしている妖怪に向かって
退去せねば水爆ミサイル(ミーちゃん)を発射すると
脅しにかかる魔・理沙も幻視した。
「南極条約には違反するが、我々としても負けたくないゆえ・・・」


170 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 20:23:04 [ uklNf1eM ]
レミリアの命令で非情に攻撃を仕掛けてくる咲夜
記事にはするが、それ以外に何もしない文
ただ悲観するだけで何一つ行動を起こさない民達
必死に助けに来るも、無惨に切り裂かれるチルノやリグルなどの妖精達
様子見を決め込んだ紫に幽々子
日に日に衰弱していく霊夢
深手を負った魔理沙
自分の中で揺れ動く感情
刻一刻と減っていく食料


アリス、決断の刻


171 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 20:27:33 [ DjWhpJZw ]
アリス「そんな些細な事はどうでもいいのであった」

そういい残して周りの多くの変化に
あまりにも疲れきったアリスは一人森へと帰っていった。
その後アリスや二人がどうなったか知るものは誰一人居ない。


172 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 20:32:13 [ AZySagyc ]
神社には材料が無いから、人形の修理は他の壊れた人形を使う他無かった。
日に日に数を減らし、継ぎ接ぎになっていく人形達。
上海の脚も、蓬莱の腕も、散っていった人形達から拝借したものだ。
だが彼女達はその腕を、脚を、大変に誇らしく思っている。
それらには、共に過ごしてきた仲間達の魂が、間違いなく宿っているのだから。

174 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 22:31:00 [ mnLjhDWg ]
「貴方達!! そこからどきなさい!!」
紫はそう言って妖怪達の上空に二十程度の隙間を開けた。
「霊夢に手を出したらどうなるか思い知るが良いわ!!」
紫がそういった瞬間、隙間から「N2爆雷」を落とした。
着弾した瞬間、高熱と衝撃波が妖怪達を襲った。
その威力は凄まじくそのあとには直径10Km、深さ1kmのクレータができていた
紫は能力を使い博麗神社と自分には被害が来ないようにしたので無事だった。
幸い紅魔館の住人は、パチュリーとレミリアの努力によって被害は最小減に抑えられた。
リグルやチルノそして大妖精達は魔理沙やアリス、月の兎達と共に傷だらけになりながらも
何とか紫の活躍によって九死に一生をえた。
この事件のあと紫や紅魔館の人々、永遠亭の天才、里の守護者の協力により霊夢の状態は少しずつ回復している。
あの戦いにより霊夢達の間に、さらに絆がめばえた。
これからも霊夢達は、この酷くも美しい世界、幻想郷で生きていくだろう。

まで幻視した。

175 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/09(土) 22:42:41 [ uklNf1eM ]
グッドエンド→>>174

バッドエンド
咲夜のナイフ攻撃で、人形の大半がやられる。上海と蓬莱はそれぞれ左足と腕をもがれてしまった。
文の記事により、いざ巫女を倒さんとする妖怪が集結、包囲が幾重にも重なっている。
民達は巫女の事などすっかり忘れ、いつも通りの日常を送っている
知っている妖精は、食べ残しの肉や骨が境内に投げ込まれている。
紫や幽々子は既に諦めているだろう。
霊夢の精神は戻らず、日に日に衰弱していき、今や骨と皮のみ。
魔理沙は肩の傷が治らず、敗血症を起こし、腕は茶色に染まり、ボロリともげた。
アリスの精神はもはや正常とは言えないものであり、人形を直す事と霊夢達の看病に一日を費やす、人形になっていた。
食料はほとんど底を尽き、境内に投げ込まれた食べ残しの妖精の肉や、魔理沙の腕などを食べて生きている。

妖怪がもし撤退しようとも、この神社は元には永遠に戻らないだろう。

177 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 08:23:09 [ 2AV4JM7I ]
 >>176
二つほど便乗させてもらう。

  • 企画1「早朝バズーカ」
寝てる女の子を外に連れ出してバズーカぶっ放して起こす

  • 企画2「寝起き取材」
寝てる女の子の部屋に侵入。物色しながら起きたところで取材

・・・フ○テレビも勇気あったなぁ。
ス○ードッキリと元○が出るテレビはリアルタイムで見てた・・・

178 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 12:51:04 [ Lbw4xDJw ]
 >>175
数年後、片腕に仕込んだ八卦炉砲で妖怪を刈り続ける魔理沙の姿が。
帽子のツバで狙いを定めます。

あの包囲からどうやって抜け出したのか?
魔理沙が妖怪を刈り続ける動悸は?
親友・霊夢&アリスは今どうなっているのか?

等を妄想した

179 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 13:46:00 [ 3b175riM ]
食料調達に出たアリスがやられて戻ってこなくなって
食料尽きて魔理沙が霊夢を食って

  (^'^)     _-‐¬‐- _/´ ̄`ー、
   \\_∠-‐⌒ヽヽ 川/、_ X_)
     |/´ 、     ノ、¬川、___>ノ|
    人   \ー个´こノ_(';')トこソ爪   ぐへへへへへ……
   l  ト、   ヽミ´ ̄`'く | |
   レ'⌒!\)ハ\_ _ ,_ _i-‐¬
    l  l ハ、`ー、_ \ l  l r'  }
   ゝ、目ノヽ、____`ー\ノノ、/
    /, , ,\r'^\ ̄ラ/^く
     (ロ(ロ(ロ)   `゙ ´└¬‐-ロl!

こんなん幻視した


元ネタわかるかな…


181 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 16:02:33 [ siWr3Ync ]
 >>175
アリスが結界の外に出てから3日が過ぎた・・・「必ず帰って来るわ」 
魔理沙と霊夢にはアリスの言葉を信じて待つしかなかった。
動けぬ霊夢に魔理沙の手当てが出来るはずもなく、二人は結界の外から響く妖怪どもの声に震えながら過ごす。

さらに2日が経った、精神は擦り切れ肉体は衰弱し悲観的な考えばかりが頭をよぎる。
「私のせいだわ・・・私さえ無事ならこんな事にはならなかったのに!!
 肝心なときに何もできず、ただ眺めるしかできないなんて・・・」
魔理沙も今では満足に動くことすらできない、その原因が自分にあり、なおかつ何も出来ない自分が歯痒い。

アリスが出て行ってから8日目。いかに二人と言えど精神、肉体共々に限界である。
「魔理沙、もういいわ。 今までありがとう。 私を結界の外に出してちょうだい。」
 「どういうことだ・・・霊夢。」
「奴らの狙いは私なんだから、私が外に出ればそれで終わり。なんてことはない、ただそれだけよ。

乾いた打音が、化け物共の呻きが轟く境内に響く。 
 「ふざけるな! おまえが諦めてどうするんだ!! 何のためにみんなが命を張っておまえを守ったと思っているんだ!!
   私は諦めないぜ、例え私一人になっても最後までおまえの側にいるからな!!」
「解かってるわよ、そんなこと! でもどうしようも無いじゃない!! もういやなのよ・・・私の為に誰かがいなくなるのは!!!
  それに、それに・・・・   私の大事なものを守るには・・・ 魔理沙を守るには、もうこれしかないのよ!!」

そのとき外からの煩わしい音が消える。目を向けると結界の外にレミリアがいた。
「久しぶりね、霊夢。顔色が優れないけど大丈夫? 霊夢が元気になるように今日はお土産を持ってきたわ。」
何かが投げ込まれ霊夢の前に落ちる。

レミリアによって投げ込まれたソレは・・・  アリスの服であった。
以前は潤いに満ちていたブロンドの髪が、黒くなり血に染まった衣服に絡み付いていた。
「魍魎どもに喰われていたから、わざわざ形見を持ってきてあげたのよ?」
悪魔の無慈悲な言葉は二人の耳に届いていなかった。
 ただ涙し、ソレを抱きしめるだけであった。   

まで幻視した

188 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 22:04:17 [ qBK8FKqk ]
181の最後は、結界を突破したレミリアに襲われる霊夢と
フランへの御土産にされる魔理沙だろうか。

190 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 22:37:37 [ fcb1lnY2 ]
どうせ妖怪相手には無力なんだから飛べようが飛べまいが同じなのでは


191 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/10(日) 23:36:50 [ 8d42UFz. ]
たとえ下半身不随になってもえーりんが
「だが我が月人の医学薬学は宇宙一ィィイイ!できんことは無いィィィイ――っ!!」
とか言ってなんとかしてくれるよ
多分


192 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 00:10:08 [ NDwxD5xg ]
全身から疑似太陽光線を発してレミリアを屠る霊夢を幻視した


193 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 00:29:45 [ mS3pb6tI ]
そもそも博麗神社には萃香と魅魔がいたような


194 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 00:30:55 [ E.najmgk ]
 >>193
正義のヒーローなんて、そう都合良く現れるはずがないのだ。


195 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 00:37:30 [ mS3pb6tI ]
 >>194
逆に考えるんだ、魍魎と魅魔…似てるだろ?
 >「魍魎どもに喰われていたから、わざわざ形見を持ってきてあげたのよ?」


198 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 01:19:29 [ OTxsscDI ]
「なぁ、いい加減その脚はやめないか?」
魔理沙は不快な視線で身長がやけに低くなった霊夢を見ていた。
霊夢には既に二本の脚は生えていなかった。
かわりに下半身を構成しているのは平たい台座と一対の無限軌道であり
要するに今の彼女はザクタンクのようなものだった。
「いいじゃない、動きやすいのよ、これ。箪笥につまづいたりしないし」
平然と言ってのける霊夢の顔に悪びれたものは何ひとつ無い。
「確かに躓きはしないだろうさ。でもこれを見ろよ」
魔理沙は床を指差す。床にはキャタピラーの轍が刻まれており
そこに寝転がる鬼の背中にも同じ跡がついていた。
「それは勲章よ。いいじゃない。もう飛ばなくたってどこにだっていけるわ。
 一度こたつに入ったら立ち上がるのが面倒にもなったりしないし」
「しかし・・・動くたびにその大音響を聞くこっちの身にもなってくれよ」
「勝手に押しかけといていい事言うわね。なんなら踏みしだいてもいいのよ」
霊夢はトルクフルなエンジンの轟音を響かせながら縁側の魔理沙へ擦り寄ってきた。
魔理沙はその威圧感にたまらず手で制す
「わかったわかった、もう何も言わないから!」
「わかればいいのよ。嵐が吹こうと雪が降ろうと、
日射しが微笑むときであれ、暑い昼間も寒い夜も、
私の顔に埃がかかる時であれ 私は幸福、私の脚部は
嵐の中に突き進むの」

霊夢は新しい脚がすっかりお気に入りの様子だ。
こんなことなら多少キモくても四本足か逆関節を薦めればよかった。
魔理沙は後悔しながら、邪魔する鬼も何するものぞと
軽快に走る霊夢の姿を認めるたび溜息を吐くのであった。


199 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 01:29:37 [ 2EDdVaig ]
意外な線でてゐが神社に来そうだ

状況を聞きつけ、要領よく永遠亭と妖怪の目をくぐり神社に来たてゐ
後で利子をつけて請求する、と言いつつ、蓄えた金を食物に変えて持ってくる。
しかし、妖怪に対するフラストレーションを溜めに溜めた里の人間たちは
ついに顔見知りのてゐに怒りと不満の矛先を…

というのを連鎖的に幻視した


202 名前:名前が無い程度の能力1/6 投稿日:2006/12/11(月) 02:56:22 [ QjA1Hq3. ]
 >>198に便乗

一度機械化を受け入れた霊夢にとって人間と機械の境界なんて最早存在しないものだったのだろう。

「ねぇ、魔理沙。今日は針を飛ばす機械をつけたのよ」
「お、おお。そうか……なぁれい」

プスッ。
目にも留まらぬ速さで胡坐をかいて座っていた魔理沙の足元に針が刺さる。

「見た見た!? これって文の速度より速いんだって!」
「……」


その一週間後。

「魔理沙、魔理沙。今日も新しいのをつけたわ!」
「……今度は何だ」
「えーと、博麗アミュレット拡散装置って紫は言ってたわ。見ててね」

霊夢が境内の桜を指差す。
魔理沙はその左手の指先と、四角い箱と化した霊夢の右腕を見比べ小さくため息をつく。

「いくわよ、えい!」

霊夢の背中についた巨大な箱から数十にも渡る博麗アミュレットが桜の木をめがけて打ち出される。
霊夢の愉しそうな笑い声を聞き、一本ずつ折られていく桜を見ながら私は何も言えずただ座っていた。



思えば、この時には霊夢は壊れていたのだろう。
いや、壊れていくのは私も同じだったか。
そんな霊夢を自然に受け入れてしまっていたのだから。

その後も霊夢は次々と体を機械化していった。
そして新しい機能が追加されるたびに霊夢は嬉しそうに愉しそうに私にそれを披露してくれた。
私にはそれを黙ってみているしかなかったのだ。
あれほど顔を輝かせたのはいつ以来だろう。
そんなことを思いながら私は縁側ではしゃぐ霊夢を見続けた。


203 名前:名前が無い程度の能力2/6 投稿日:2006/12/11(月) 02:57:54 [ QjA1Hq3. ]

そして霊夢が機械を受け入れた日から三ヵ月と少し経ったその日のことだった。

「魔理沙、散歩に行かない?」
「ああ」

霊夢に新しい足ができて以来私たちが散歩に出るのは日課だった。
今日も私は箒を置いたまま神社を出ようとすると霊夢は笑って私を止めた。

「大丈夫よ、何と私はまた空を飛べるようになったんだから」

その言葉に私は少し期待してしまった。
また霊夢が空を飛べるようになるということが以前の霊夢に近づくという意味を感じたんだと思う。
けど、その期待は空に浮かんだ霊夢を見て見事に消え去った。
霊夢の頭の上と、背中から巨大な竹とんぼが生えていた。

「霊夢、それは」
「これ? パチュリーがつけてくれたの。月に行く計画が失敗したからくれるって」

嬉しそうに飛ぶ霊夢。
その姿は人間に機械の部品がついているというより、機械に霊夢の頭が付いているという思いを私に抱かせた。

そして二人で神社近くの空を飛ぶ。
二人でこうして空を飛ぶのはいつ以来だろう。
そう思うと思わず涙が出てきそうになる。
霊夢も楽しそうな顔をしていた。

「あれ? 魔理沙じゃない」


204 名前:名前が無い程度の能力3/6 投稿日:2006/12/11(月) 02:58:37 [ QjA1Hq3. ]

声をかけてきたのはチルノだった。
最近ここらにも友達ができたらしく、神社周辺の森にまで足を伸ばしているらしい。

「友達じゃなくて、家来だって何度も言ってるじゃない」
「あーあー、そうだったな」
「あれ? そっちのは霊夢?」

チルノが霊夢を見て顔をほころばせる。

「よかったね、霊夢。また飛べるようになったんだ」
「そうよ、でね。私弾幕ごっこもできるようになったのよ」
「へー、面白そうじゃない。あたいとちょっと勝負しない?」
「おい、チルノ!」
「良いじゃない、魔理沙。私も久しぶりにやってみたいのよ」

ここで止めておけば良かったのだろう。

二人はある程度距離をとった。
チルノが弾幕を張る。
それを霊夢は……避けなかった。
霊夢はその左腕をチルノにむけ、光を放った。

眩い視界を焼く白い光に私は耐え切れず目を閉じる。
そして痛む目を必死に見開き二人の姿を確かめようとしたが、視界に入ったのは霊夢だけだった。
「霊夢、チルノは?」
「避けられなかったみたい、消滅しちゃったわ」
「な……」
「可笑しいわね、人間と違って妖怪なんだからこれくらい耐えられるはずよね」
「霊夢、これはもう弾幕ごっこじゃないぜ」
「ふふふ。ねぇ、魔理沙」

霊夢は視線をある方角に向けて言う。

「人間ってひ弱よね。だって、『ごっこ』じゃなかったら遊ぶこともできないんだもん」
「霊夢」
「でもチルノは私の弾幕で死んじゃった」
「霊夢!」
「変よね。……そっか、チルノが弱すぎたんだ」
「霊夢! もうやめてくれ」
「じゃあ、もっと強い妖怪で試さないと。私遊べるようになったのか、体治ったのか」
「おい、霊夢。お前何を言ってるのかわかってるか!?」
「ちょっと出かけてくるね魔理沙。夕方までには帰れると思うから」

霊夢はさっき視線を向けていたほうへ飛んでいった。
なんて速さだ……くそ、私の箒じゃ追いつけもしない。
私は霊夢の視線の先を――紅魔館の方角へ最高速で箒を走らせた。


205 名前:名前が無い程度の能力4/6 投稿日:2006/12/11(月) 02:59:19 [ QjA1Hq3. ]

私が紅魔館に着いたときそこは火の海だった。
門は崩れ、門番隊は地に伏せている。
私は見知った顔を捜したが辺りには見当たらない。
止めるものがいない紅魔館へと私は入っていった。

紅魔館の廊下も似たような状況だった。
メイド達は皆倒れている。
息をしているかなんてことを確かめている時間はない。
私は脇目も振らずに奥へと進んだ。

「魔理沙」
「っ! 咲夜か、どこだ!」
「ここ」

聞きなれた声のするほうを向くと、そこには壁に寄りかかって座り込む咲夜がいた。

「霊夢が来たのか」
「ええ、そうよ。貴女はいろいろわかってるみたね」
「霊夢はどこにいった?」
「さぁ、おそらく玉座じゃないかしら。行くの?」
「ああ」
「じゃあ、行ってらっしゃい。見送ってあげるわ」

その言葉には何も返事をせずに私は奥へと進んだ。
咲夜の足がなかったことには私も咲夜も触れないまま。

207 名前:名前が無い程度の能力5/6 投稿日:2006/12/11(月) 03:00:01 [ QjA1Hq3. ]

玉座の間は以前の紅魔館での弾幕ごっこのときとは打って変わり荒れ果てていた。
大理石の壁は崩れ、窓ガラスは跡形もなく、天井には穴が開いていた。
そしてそこには四つのモノがあった。

山盛りになった灰の中に光る七色の宝石。
壁に刺さった三日月の護符。
針で壁に射止められているレミリア。
そして一本の巨大な紅い槍で床に串刺しにされている霊夢。

玉座の間に入るときには私はもうこの情景をどこかで想像していたのだろうか。
それとも驚きのあまり心が凍ってしまったのか。
私はひるむことなく玉座の間に入った。
何をすることもできず立ち尽くしていると、

「あら、魔理沙遅刻ね。パーティはもう終わってしまった」
「レミリア、生きてたのか」
「何とかね」

私はレミリアのところへ駆け寄った。
レミリアは壁から力ずくで体を引き剥がし、針を抜き捨てている。

「レミリア、霊夢は」
「突然の襲撃だった……門番は消滅したわ。咲夜も善戦したみたいだったけど。ね」
「私たちは三人で迎撃した。フランとパチェも頑張ったんだけどね」
「レミリア……済まない。私が、私が」

私は床にひざを突いた。
もう足に力が入らない。

「魔理沙、貴女が気に」


208 名前:名前が無い程度の能力6/6 投稿日:2006/12/11(月) 03:01:39 [ QjA1Hq3. ]

その声に顔を上げると、レミリアの姿は消えていた。
目の前の壁は壊れ、目の前にレミリアの帽子が落ちている。
背中のほうから何かが動いている音がする。
私はもう何も考えられない頭で振り向いた。

霊夢は体に刺さっている槍を抜こうとしていた。
私は躓きながら霊夢のほうへと進んでいく。
破片で体を切ったりしていたのだが、そのときの私は気にもしなかった。
気づかなかったんだろう。

霊夢の動きは徐々に鈍くなっていった。
槍を掴もうとするが、指がなくなった手では掴めずにただ槍をなでるだけ。
そして私は霊夢の横まで到達した時には霊夢の腕はもう力なく床の上に寝ていた。

「……霊夢」
霊夢の顔を覗き込んで声をかける。
「魔理沙?」
「ああ、そうだ。私だ」
「私ね、体治ったみたい。レミリアとフランとパチュリーを相手にしても弾幕ごっこできたんだよ」
「霊夢、お前」
「私また空も飛べるし、弾幕ごっこもできるから。ねぇ、魔理沙」
「ああ」
「また一緒に遊ぼうね」


それが霊夢の最期の言葉だった。
私は霊夢の髪に巻かれていたリボンを解いて私の髪を結い、玉座の間を離れた。
玉座の間のレミリアの帽子はいつの間にか消えており、廊下に咲夜の姿もなかった。







あれからもう二年が経つ。
神社と紅魔館が消えても幻想郷は変わらない。

212 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 12:56:27 [ do0QQUyA ]
個人的にはタンクよりフロートのほうがいいような気がする



まとめてみた
始動>>154
発展>>159-160
以下エンディング集
玄爺暴走エンド(グッドエンド?)>>164>>166
サイボーク化エンド(グッドエンド?)>>165
アリス丸投げエンド(バッドエンド)>>170-171
救出エンド(グッドエンド)>>174
神社崩壊エンド(バッドエンド)>>175
魔理沙サイコガンエンド(ノーマルエンド)>>178
魔理沙腐れ外道エンド(バッドエンド)>>179
アリス死亡エンド(バッドエンド)>>181
タンク化エンド(グッドエンド?)>>198
てゐエンド(バッドエンド)>>199
タンク化暴走エンド(バッドエンド)>>202-208


意外に思うのはアリスが二人を食べるエンドがないこと


217 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 20:09:56 [ kdjkTKqE ]
救済を幻視したので投下。
 >>181と>>202-208を混ぜたアフターになってます。


「こんにちは。」
その日、稗田阿求の元に訪れた一人の客
「あら、いらっしゃいませ霖之助さん」
客は香霖堂の店主・森近霖之助
「今日はどのようなご用件で?」
「霊夢のことなんだが・・・」
話を切り出す。
「・・・噂程度でなら聞いてます。」
「なら、話が早い。これを見てくれないか?」
霖之助が取り出したのは一冊の書物
「これは・・・・・・っ!?」
受け取り、中を確認し、驚愕する阿求。
「外の世界から流れてきた物だが、僕も驚いたよ。このような物が存在していたなんて・・・」
そこで一呼吸し
「君の力なら彼女たちを救うことができると思ってね。」
そして、阿求は
「判りました、出来るだけやってみましょう。」
力強く答えた。




―――それから数ヵ月後
ここは魔法の森
「なぁ、アリス・・・」
語りかけるのは霧雨魔理沙
だが、語りかけた相手は無く、目の前には切り出された岩の塊があるだけ。
中央には「アリス之墓”」と黒く書かれている
「私の知り合いは殆ど居なくなっちまったよ。」
―――・・・ツコツ
誰かが歩いてくる気配を感じる
「霊夢もパチュリーもフランも・・・」
振り向く気が無い魔理沙
―――コツコツコツ・・・
足音が止まる
「全く・・・人を勝手に殺さないでくれるかしら?」
「!!?・・・ア、アリ・・・ス・・・?」
振り返り、驚きのあまり言葉が出ない魔理沙
そこには当のアリス本人が居た。
「お、お前何で・・・喰われたんじゃ・・・」

『魍魎どもに喰われていたから、わざわざ形見を持ってきてあげたのよ?』

レミリアの言葉を思い出す魔理沙
「そう、あれは私にとって嬉しい誤算だった・・・」
そう言うとアリスは自分の頭に指をさす。
「私の髪の毛に太いものが混じっている・・・それが私の核をなすものだ・・・
 それが破壊されない限りこの体は再生されつづけることが出来るのだ・・・」
説明をするアリス
「なぁ、その人造人間みたいな口調はなんだ?」
「・・・気にしないで。」
魔理沙の疑問を流す。
「それより魔理沙、神社に行くわよ。」
「いや、神社も霊夢も、もう・・・」
アリスの言葉に表情を曇らせる魔理沙
「その霊夢が外で掃き掃除してたのよ!」
「な、なんだって!?」
表情が一転する
「いいから、早く行くわよ!」
「わ、わかった!」
二人は足早にその場を後にした


―――そして、博麗神社
「あら、二人ともこんにちは。」
機械化し紅魔館で最後を迎えた霊夢が確かにそこに居た
「れ、霊夢・・・どうして・・・足も元通りに・・・」
アリスのときと同様、言葉が出ない魔理沙。
「なんとゆうかねぇ・・・気付いたらここに居たとしか表現できない・・・きゃっ!ちょ、ちょっと魔理沙!?」
話し終わる前に抱きつく魔理沙
「・・・った、良かった・・・本当に・・・ぐすっ・・・」
泣き出す魔理沙。後のほうでアリスもしゃくりあげる。
「ふふっ、なんだか泣き虫ね二人とも。」
二人を見る霊夢の顔はとても優しいものだった


「あ、そうだ。」
唐突に切り出す霊夢
「ん?どうしたんだ霊夢?」
「ちょっとね、いいもの見つけちゃったのよ。」
魔理沙の疑問に答えながら霊夢はソレを茂みから引っ張り出す
「な・・・なんだ、これ?」
「さぁ・・・機械人形みたいだけど・・・」
おっかなびっくりソレを見る魔理沙とアリス
「この蜘蛛のような4本足が可愛いのよ。」
「そ、そうか?」
霊夢の美的感覚を疑ってしまう魔理沙
「それに機能も今までと全然違うんだから!」
「へぇ・・・何が出来るのかしら?」
少し興味を持ったアリス
「凄いわよ、波動砲にアトミックレイ、おまけに地震まで起こせるんだから!」
嬉しそうに語る霊夢
そんな霊夢に呆れたように笑う二人
そして、今日も幻想郷の日々は過ぎていく


―――その頃、稗田家
「あの、阿求さん・・・余計なものを増やすのはいかがなものかと・・・」
霖之助は少々呆れていた
「大丈夫ですよ、異変が起きるようなものは描いてませんから」
嬉しそうに答える阿求
「アリスさんや他の人たちは復活したから、あとは・・・事の発端になった門番はお仕置きに胸を小さくしちゃいましょう。」
筆を走らせる。
「そういえば霖之助さん。」
「なんでしょう?」
「この書物の名前は何と言うのですか?」
阿求が問い、霖之助が答えた。
「ラクガキノート、ですよ。」



その後、眼鏡を掛けた氷精が妖怪の式を論破したとか
紫もやしが元気一杯に紅魔湖を泳いでいたらしいが
それはまた別のお話。


218 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/11(月) 20:42:35 [ ccg6ZM1M ]
「-おっと残念、これはバッドエンドのパターンか。じゃあ、この流れはなしだ」
博麗神主ZUNは、時計をきりりと巻き戻した。

-夢だったのか。
 暗い、崩れた門の瓦礫の下で、飢餓と酸欠によって衰弱した妖怪が、誰にも知られることなく、
ひっそりと意識を失った。
 意識の途絶える寸前、彼女は眼鏡をかけた痩せた男の幻影を見たように思ったが、それが現実に
なんらかの影響を与えることはなかった。
 彼女の生涯には、最初から最後まで、反撃の機会と言えるものは一切なかった。