306 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/19(火) 04:14:59 [ XWfNQxkw ]
 >>303
口で筆を咥えて書くといったらもうはだゲンしかないだろう
というか偶然覚えてただけですすいません

「失礼します、姫様」
輝夜の部屋の襖を開けるは鈴仙、その手には盆。
どうやら食事を持ってきたらしい。
「今日は姫のお好きなビビンバですよ」
「そう、ありがとう。そこに置いといて頂戴」
姫は相変わらず電子ゲームに熱心のようだ。画面に食い入って振り向こうともしない。
「やっぱりCPUは弱いわね。因幡、食事が終わったら相手をしなさい」
それどころか対戦を催促してくる始末である。
鈴仙は台拭きで卓袱台を綺麗にしながらも、半ば呆れていた。

ゲーム機が再起動すると、ムービーが流れはじめた。
現れたのは灰色の大地と真っ暗な空。
その大地を何者かがうごめいている。
鈴仙はそれを見た瞬間、懐かしさを感じて思わず声を上げた。
「これは・・・月ですか?」
「察しがいいわね、因幡。これはネクタリスといって―」

火線が走った。
うごめいていた集団が何かを発射したのだ。それに呼応して
反対側の集団・・・戦車だった・・・が砲塔を旋回し、反撃を開始する。
「・・・ぁ・・・」
「月面を舞台にしたターン制SLGよ。まぁ、舞台が地上人の想像する月なのは大目に見て」
輝夜がそう言う間にも射撃が続き、火力でも装甲でも圧倒されている歩兵は
あっという間に爆発の中へ消えていった。

鈴仙は何も言わず、説明書を開いたまま硬直している。
「どう因幡、できそう?」
輝夜は笑顔で尋ねた。
「い・・・」
「い?」
「嫌ァァアアア!!!戦場いやあああ!!砲弾いやあああああ!!!」
絶叫が輝夜の鼓膜をつきぬけ、脳を震撼させた。
その一瞬後には頭を抱えたまま、鈴仙は、ダッシュで襖を破って外に飛び出していった。
嵐が収まったあと、そこには、片付けられるはずだった食べ終わった食器と
デモムービーを垂れ流し続けるPS、呆然とする輝夜が残されていた。

「・・・しょうがないわね、カルネージハートでもやるとするわ・・・」

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最終更新:2007年07月17日 17:16