82 名前:名前が無い程度の能力1/3 投稿日:2006/12/04(月) 23:49:05 [ VEx0T4Dc ]
魔理沙苛め?投下します



「パチュリー、今日も本を借りに来たぜ」
「また来たの、黒白ねずみ」
「ああ、また来たぜ」

それだけ言うと紅魔館の地下大図書館の主が睨み付けるのを
意にも解さずに魔理沙は本棚の方へと歩き出す。

「一体、いつ本を返しに来てくれるのかしら? いい加減に堪忍袋の緒が切れそうなんだけど」
「私が死ぬころには返しに来るぜ、パチュリーからしたら私が死ぬまでなんてあっという間だろう?」
「そうね……じゃあ、もうすぐね」

パチュリーが色の無い声で同意を返すのを耳に入れたのか入れないのか魔理沙は振り返らない。
だから、後半の小声の呟きは魔理沙の耳には届かなかったのだろう。
パチュリーは、振り向きもせずに本棚のほうへ一直線に歩く魔理沙の背中を色の無い瞳で見つめ、

一言呟いた。


え?
突然体が浮いたかのように感じた。
浮いてるのではなく落ちているのだと気づいたのはその一瞬後。
慌てて、減速しようとするが魔法は発動しない。
驚愕に陥る間もなく魔理沙は地面に衝突した。

「いててて、一体なんなんだ」
魔理沙は周りを見渡す。
そこは広さにしてたったの半畳ほどであろうか。
そしてその四方、前も後ろも右も左も壁が聳え立っていた。
まるで井戸だぜ、と魔理沙は思う。

「そこは知識の牢獄よ。あなたはもうそこから出られない」

はるか上のほうからパチュリーの声が聞こえる。
魔理沙はその声に大声で答えた。

「あー? パチュリー、何言ってるんだ。私の道を塞ぐ物なんてないぜ」
「そこには無数の本があるわ。無駄な知識に溢れてるところよ。あなたの集積点も無駄な知識」
「おー、そうか。だけど私は家に持って帰って読みたいんだ。ここから出せ」
「じゃあね、魔理沙。約束どおり、本は貴方が死んでから咲夜に取りにいかせるから」
「おい、パチュリー! 待て!」

魔理沙の怒りの声に対するパチュリーの返事は井戸の蓋を閉める音だった。


83 名前:名前が無い程度の能力2/3 投稿日:2006/12/04(月) 23:51:43 [ VEx0T4Dc ]

井戸の中にはぼんやりとした薄明かりしかない。
しばらくの間放心していた魔理沙であったが、やがて生き残るためにはここから脱出しなければならないことに気づき周りを見回し始めた。
周りといっても半畳ほどの床と、後は聳え立つ壁だけである。
しかし、壁はよく見ると本棚であることがわかった。
本棚には少しのすき間もなく本が詰まっている。

宙を飛んで井戸を上ろうにも魔法は発動しない。
八卦炉に力を込めてもうんともすんとも言わない。
自分にできそうな手段を考え、試し尽くした後魔理沙はため息を吐いた。

「よし、この本を全部出して梯子の代わりにしてやるか。 パチュリーのやつ見てろよ……」

魔理沙は力強く言い放ち、本棚から一冊の本を取り出し床に投げ捨てる。
そして、次の一冊を取り出そうとしたが一冊目は軽々と動いたのに二冊目は本棚の一部であるかのようにぴくりとも動かない。
ちっと魔理沙は舌打ちをして、その隣の本に手を伸ばしたがそれも動かない。
それからしばらくの間、魔理沙は手の届く範囲の本全てを取り出そうとしたが結局取り出せたのは始めの一冊だけであった。

「一体なんだってんだ……」
魔理沙は狭い床に座り込む。
自然とため息が出てくる。
仕方が無いぜと呟きながら魔理沙は一冊だけ取り出せた本を手にとりそれを開いてみた。



  魔理沙へ。

  貴方が初めに見る本に一回だけこれは浮き出るわ。
  精々、忘れないことね。

序文を見て、魔理沙は目を見張り無言で次の文字を目で追った。

  魔法は使えないでしょう?
  貴方のことだから本を踏み台にして脱出しようなんて考えてるんでしょうね。
  いいことを教えてあげるわ、その本棚からは前に取り出した本を読み終わらないと次の本が取り出せないのよ。
  ああ、当然だけど本を壊したりしても読んだことにはならないから気をつけてね
  じゃあ、がんばってね

  さようなら   パチュリー


「くそっ! 良いぜ良いぜ。私の読書力を見せてやる」

魔理沙はそう吐き捨てて頁をめくり、本文を読み始めた……


84 名前:名前が無い程度の能力3/3 投稿日:2006/12/04(月) 23:53:21 [ VEx0T4Dc ]

パタンッ。
図書館で本を閉じる小さな音がする。
すると、一人のメイドが宙から溶け出したかのように現れ本を読んでいた者の前に紅茶を置いた。

「気が利くわね、咲夜」
「どういたしまして、何か御用はありますか?」
「そうね、後で用事があるかもしれないわ」
「かしこまりました」

パチュリーに返事を返した直後に咲夜の姿は消える。
それはいつものことであった。

パチュリーはある本棚の前に立ち、一言呟き井戸の蓋を開ける。
井戸の底には床に落ちている六冊の本。
その上に半ばほどが開いたままの本があり、その上に白黒の装飾が施された本が一冊落ちていた。

「また無駄な知識が一つ増えてしまったわね」

いつもの顔でパチュリーはそう呟いて、また何事かを唱えると地面に落ちていた本は浮かび上がり抜き出された本棚へと戻る。
隙間無くぴっちりと収まった本棚にはもう目もくれずにパチュリーは井戸の蓋を閉じる。

「咲夜、本を回収してきて頂戴」
「かしこまりました」






紅魔館の地下大図書館の本は増え続けていく。
今日もまた一冊。

86 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/12/05(火) 00:56:56 [ NZ4zI5C. ]

怖い
マジでこわい
パチュン図書館の蔵書は実はみんなそうやって・・・

それで魔理沙ブックを読んだら「これでわたしをほんにしたつもりか
わたしはおまえなんかにくっしないぞばーかばーか まりさ」とか書いてあって
ふ、ふん!魔理沙なんか魔理沙なんか・・・!と本に自分のh(略)光悦と(ry)
絶ty(々)して征服感に浸るパッチュさんを幻視してしまって
ちょっとおっきしたのは内緒








  • 確かに、これは怖いな・・・
    86みたいに百合にでもしないと落ち着かなくなる -- 名無しさん (2009-01-10 15:34:55)
  • ジョジョのエニグマみたいだなぁ
    -- 名無しさん (2013-09-07 13:20:23)
  • こ、怖い・・・ -- サクラクローバー (2014-10-14 16:04:23)
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