788 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/11(土) 14:10:26 [ PWyEdNX2 ]
チルノをぐったりするまで温泉に漬ける→冷水に漬けて生き返らす、を繰り返して欲しい。
ゆうかりんあたりに。



パチュリーに運動させたい。
しかし、パチュリーは生涯を通じて魔法の力で生きる、と言って全く興味を示さない。
その時、
「体術もこなせるような身体が丈夫な魔女は良いな。 アリスの蹴り技は素直に凄いと思うぜ。」
と、魔理沙が一言。

くわッ、と燃える両目を見開くパチュリー。
「私は、できる女……」

早速、館の周りをランニングする為に歩いて図書館を出るパチェ。
長い髪は運動の邪魔にならぬ様、リボンで一本に結い上げて後頭部から垂らす。
薄紫色のランニングシャツと短パンから伸びる腕と脚は、痛々しい程に白く、細い。
心配そうについて来る子悪魔。だが幸いにも、今日は喘息の調子も良い。
玄関に辿り着く前に、既に顔面蒼白のパチュリー。限界であった。
ロビーの柱にもたれながら地に腰を落とし、犬の様に舌を突き出して激しく喘いでいる。総歩行距離100m弱。

唖然として立ち尽くすメイド達。
開いた口が塞がらないメイド長。
涙を流しながら友を見守るレミリア。

うろたえた小悪魔が手を差し伸べるが、パチュリーは汗を散らして顔を横に振る。
歯を食いしばり立ち上がろうとするのだが、既にその膝は痙攣していた。
これ以上は危険だと判断した子悪魔。 主を止めるべく、その顔を正面から覗き込み、息を飲んだ。

そこには、どんな大魔法を詠唱する時でも見せたことの無い、主の決死の形相。 
その不退転の決意を止める事はできない、と子悪魔は悟った。
涙ぐみながらも、水の入った竹筒を、そっとパチュリーに手渡す。
パチュリーは数十メートル先の玄関の扉を睨みながら、受け取った水をふた口あおる。
残りの水を頭からかけると、口の端を拭いながら力なく立ち上がる。

パチュリーは身体を引きずる様に壁伝いに歩く。
既に顔色は蒼白を通り越して土気色。
ようやく玄関に辿り着いた。
残った力を両腕に込めて懸命に扉を押し開ける。
開いた扉の間から、真夏の太陽の陽射しが彼女に降り注いだ。

突然、パチュリーは耳の奥に何かが詰まった様に感じた。
全ての音が遠くなる。
次いで、あれだけ熱が篭っていた頭頂部が、冷水を浴びた様に冷える感覚に覆われる。
それが痺れるような涼しさに変わり、頭頂から広がって全身を包む。
身体が空中に投げ出され、自由落下していく浮遊感。
生まれて初めて味わう、不思議な気持ちよさ。
硬直していた顔の筋肉が、パチュリーの意思に反してとろける様に緩んだ。
前を見なければならないのに、眼球があらぬ方向に回転して流れる。
その視界の隅に、なぜか逆さまのまま、泣きそうな顔で走り寄って来る子悪魔が一瞬だけ見えた。
そこでパチュリーの意識は白い輝きに包まれ、ちぎれた。