65 名前が無い程度の能力 [sage] 2012/02/27(月) 15:17:48 ID:KP6HoWz.0

「早苗、あんなもの気にする必要ないわよ。私"五連続一位"だけど賽銭が増えたわけでもないし」
「は…えへへ……そう…ですよね……」
早苗は無理矢理顔を歪ませて、引きつった笑みを浮かべた。
一時期は二位まで昇りつめたこともあった。そのとき一位を取り逃したのもこの霊夢が一位にいたからだ。
そして、今はこのざま。霊夢の栄光とは正反対に、早苗の順位は減衰の一歩をたどっていた。
憎い。殺してやりたい。だが、それすらも私の力が劣るせいで無理だろう。
「まぁ早苗、お前と霊夢じゃ巫女の出来が違ったってことだな。ハハハ」
「ちょっと、魔理沙やめなさいよ…」
魔理沙の無神経な発言を霊夢が諌める。だがもう遅かった。
早苗の中で、フッと何かが失われた。
それは理性だったり、良心だったかもしれないが、ともかく早苗のなかでひとつの答えが導き出された。
「ちょっと…おトイレに行ってきます」
早苗はつぶやくようにそういうと、ふらっと廊下の奥へと消えていった。
早苗がいなくなったのを確認してから、霊夢は魔理沙を小突いた。
「投票結果に結構ショック受けてたみたいなんだから、あんなこと言っちゃだめよ」
「でもなぁ、あいつ気に入らないぜ。新参のくせに霊夢に取って代わろうとしてるんだぜ?」
『まあ、そういう節がないわけではないけど』と霊夢は思ったが、口にするのはやめておいた。

お茶が完全に冷めきっても、早苗はもどってこなかった。
「早苗遅いわね」
「うんこでもしてるんじゃないか?」
そうだといいんだけど。霊夢は、何か嫌な予感がした。
その予感は"勘"なのだが、それがあまり外れたためしも無いので、余計霊夢を不安な気持ちにさせた。
「私、ちょっと見てくる」
霊夢は立ち上がると、早足でトイレへと向かった。
トイレは、やはりまだ使用中だった。霊夢はその戸をコンコンと叩いた。
「早苗、大丈夫?ずいぶん長いみたいだけど…」
しかし、中から返事はない。
今度は戸を殴るように叩きながら呼びかけてみたが、やはり返事はなかった。
トイレの扉に鍵はついていたが、内側で小さな木板をスライドさせるだけの簡易的なものだ。
霊夢の嫌な予感は最高潮に達していた。霊夢は深呼吸をして、思い切り扉に体当たりをした。
バキッと木板の割れる音がして、扉が開いた。
が、すぐに扉は何かにぶつかって、半分だけ開いた状態になった。
中は暗くてよく見えない。霊夢はもう一度力を込めて、扉を押した。
扉を完全に開いたとき、扉にひっかかっていた"それ"が振れて、霊夢の目の前に現れた。
「っ……――――いやああああああああああ!!!」
絹を裂くような霊夢の叫び声をきいて、魔理沙がすっとんできた。
早苗は…首を吊っていた。恨めしそうな目で、じっと霊夢のほうを見ている。
壁には血文字で『憎い憎い博麗霊夢死ね憎い死ね』と大量に書き込まれていた。
「お…ぁ…うげぇ……」
廊下に饐えた臭いと、霊夢の吐瀉物が広がった。
魔理沙は言葉を失い、ただその場に立ち尽くす他無かった。

その日から、霊夢は普通の生活をすることは出来なくなった。
目は空ろ、笑うこともなくなり、トイレはあの部屋ですることができなくなった。
人気投票の時期になるたび嘔吐したり、失禁したり、突然見えない何かに怯えるように叫び声をあげたりした。
「ごめんなさい…ごめんなさい…」
今日も布団の中から、霊夢のすすり泣く声が聞こえる。
博麗の巫女の人気は、地に落ちた。



66 名前が無い程度の能力 [sage] 2012/02/27(月) 16:33:27 ID:yftpPBUI0 [2/2]

早苗さんいぢめと思ったら霊夢が酷いことになってたでござる



67 名前が無い程度の能力 [sage] 2012/02/27(月) 16:47:31 ID:oSFPWahY0

一方魔理沙はそんなことすっかり忘れて今日もぶいぶいいわせていた。恨まれたの自分じゃないし



68 名前が無い程度の能力 [sage] 2012/02/27(月) 21:32:44 ID:k1x1bdsw0

さすがは人気投票一位
いぢめにおいても求められているのは霊夢という訳だな



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