本日の活動は、信者の皆さんと親交を深める為の訪問活動です。
すでに信者の方とはいえ信仰の恩威を感じられなければ、他の神を信仰してしまうかもしれません。
ですから入信後も信仰し続けてもらえるよう、出来る限りの事をしなくていけないのです。
その為にも交友を深めて、お悩みや願い事を知っておかなくてはいけません。
私が願いを知る事で、神奈子様と諏訪子様に叶えてもらえやすくなりますから。

「すみませーん」

今日はこの家に行きます。
この家の方も私達の大切な信者さんなんです。
しっかり願いを聞いて、幸せへの手助けをしなくては!

「は~い………あ、来たわね。ふふふ、待ってたわ」

彼女は射命丸 文さん、山の天狗で守矢の信者の一人です。
仕事は新聞記者をしているようで、いつもネタを探し回っているそうです。
何でもいいネタは高く売れる、私はネタに繋がるとか。
………高く売れるっていうのは、一体どういう事なんでしょう。
それだけ新聞がたくさん売れるって意味なんですかね。
兎に角、文さんにとって信仰はネタにありつけるものなんだそうです。
ですから私も、もっと信仰してもらえるように撮影に協力してるんですよ。

「さあさあ、奥に入って。もう準備は出来てるわ」
「はい」

文さんの家に来た時は、いつも奥の部屋に連れて行かれます。
その方がいろいろと都合がいいそうです。
私には新聞の事はよく分かりませんが、きっと様々な事情があるのでしょう。

「ほら、早苗ちゃん来たわよ!」
「はいはい、今セットしてますよ」

今、撮影器具を弄っているのは河城 にとりさん。
河童で機械に詳しいから、最近は文さんに雇われて撮影を手伝っているそうです。

「うん、いけるよ」
「さ~て、今日のコンセプトはどうしようかしら。とりあえずひん剥いて……………ん? その肩どうしたの?」

ああ、やっぱり訊かれてしまいましたか。
出来ればあまり周りに心配させたくないのですが、やっぱり包帯を巻いてたら目立ってしまいますよね。

「その……ただの怪我です」
「ふ~ん……」
「ッ!!」

い、痛いッ!!

「や、やめてください!」
「へぇ~、痛いんだ…」
「そうです! だ、だから離してください!」
「………よし、これでいきましょ」

な、何を言って………ッ!!

「うぐっ! ……………かはっ!」
「ねぇ、知ってる? 人間ってのは悲劇とか可哀想な者にある種の魅力を感じるの。
 傷だらけの少女とか、それだけで愛おしく思うものなのよ」
「ど、どうして……」
「だ~か~ら~、貴方にもやってもらいたいの。悲劇の少女ってのをさぁ!」
「ん? コンセプト決まった?」
「ええ。私どう撮るか考えてるから、適当にぼこっといて。………ああ、顔は潰さないようにね。
 買い手は美少女がボロボロになってるのに興奮するんだから」
「………はぁ、仕方ないなぁ。分かった、任せといて」

う、嘘ですよね?
そんな………こんな事……。
だって、こんな………嫌ぁ……。

「た、助けて……」
「悪く思わないでよ? こっちも仕事だからねぇ」
「嫌あ! なんで、なんでこんな事ぉ!」
「……もう、暴れないでほしいなぁ」
「うぎぃ!?」

や、やめて!
痛い!
もう殴らないで!
お願いですから…。
助けて……。
神奈子様……。
諏訪子様……。

「……どう? いい感じ?」
「まあね。でもわざわざ本物の痣を作らなくても、よかったんじゃない?」
「馬鹿ねぇ、買い手はリアルを求めてるのよ。作り物なんて、すぐに見破られるわ」
「……………………」
「ほら、いつまで寝てんの早苗ちゃん。ちゃんと撮影に協力してくれないと信仰してあげないよぉ?」
「………………すみません…」

大丈夫、です。
撮影が始まったら、もう安心です。
いつも通り、撮影が済んだら終わり。
信仰の約束を取り付けて、それでおしまいです。

「うんうん、いい顔してるよ~」
「ふふふ、そうねぇ。でももうちょっと怯えてくれた方がいいかしら。………いっそもういっぺん、やっちゃう?」

え? 嘘でしょ?
そんな、またなんて。
嫌。
もう嫌!
痛いの怖いのも嫌!

「………それじゃあ早速…」
「こ、来ないで!! ……嫌……た、助けて……もうやめて……」
「いいわ、凄くいい! これを買い手も待っているのよ! もっとよ! もっと泣かせて! 絶望させて!」
「……………そろそろいい加減にしない? さすがにこれは、やり過ぎなんじゃ…」
「五月蝿いわねぇ! あんたは私に従ってりゃいいのよ! ………でもそうねぇ。
 折角の金のなる木を、ここで腐らせてしまうのは惜しいわ。………いいわ、今日はここまでにしてあげる」

よ、よく分かりませんが助かったようです。
でも……今日は酷い目に遭いました。
体中、ズキズキします。
…………!!
に、にとりさん!?
一体、何を……。
ヒィィ!!
……………………あ、あれ?

「今日はごめんね。あいつ、変なスイッチ入っちゃったみたいで」
「は、はい…。大丈夫です……」
「こんな事、もうないように言っとくからさぁ。また来てくれると嬉しいな」
「……………はい、信仰していただけるなら…」
「そうかい!? そうだよね! なんてったって友達だもんね!」

友達…………そうですよ。
お二人共、大切な信者じゃないですか。
いつも信仰してくれてるのに突然こんな事、理由もなくする筈ありません。
そうです。きっと、お二人も何か事情があって仕方なくやったんですよ。
それに今まで、こんな事なかったじゃないですか。
今日がたまたま、おかしかっただけなんです。そうに決まってます。

「早っ苗ちゃ~ん」
「は、はい」
「今日はありがとう! おかげでガッポリ儲かりそうよ!」
「………はぁ」
「ふふふ……こんな写真、他じゃ手に入らないわ。確実にマニアが高く買い取ってくれるわよ!」
「…………マニア?」
「えっ? ……あ、ああ。ほら、私の新聞はまだマイナーだから! 読者は違いの分かるマニアって意味よ!
 それより早苗ちゃんの涙ぐましい努力に、きっと読者も感動して信者になってくれるわ!」
「…………さすがに苦しくない?」
「五月蝿いわねぇ! あんたは黙ってなさい!」
「……そ、そうですか? 信者、増えますか!?」
「そうよ! もう信仰鰻昇り! アヤちゃんも幸せよ!」
「……………自分でちゃんって…」
「黙れ河童!」
「そ、そうですか…………皆幸せならいい事ですよね!」
「そうそう! とってもいい事よ! また来てね! 私もいっぱい信仰してあげるから!」

ふふふ、信仰いっぱい幸せいっぱいでいい感じです。
ちょっと痛い目に遭いましたが、それに見合う成果が得られたと思います。
これで神奈子様も喜んでくださる筈です。
信者からの信仰の約束を取り付ける事が出来たんですから!





「……ぁ……ぁぁ…」
「ただいま戻りました!」
「…早苗………その痣……」
「大丈夫です。それより信仰を取り付…」
「あああ……」

どうしたんでしょうか。
神奈子様ったら突然ぺたりと座り込んでしまいました。
もしかして疲れているのでしょうか。

「大丈夫ですか?」
「………早苗、私は……私はどうすればいいの?」
「……神奈子様…」

ああ、神奈子様がそんなに悩んでいたなんて。
そうですよね、最近の信者の少なさは異常ですもの。
ここは私が頑張って信仰を集めなくては!
…………あら? 神奈子様どちらに?

「…………………」

なんだ。電話でしたか。
電話の邪魔をしてはいけません。
私は部屋に戻るとしましょう。

「……もしもし………………ですか?」

え? 今なんて?
私の耳には星熊 勇儀さんの所にかけたと聞こえたのですが……。
でもどうして?
勇儀さんは何故かいつも私の邪魔ばかりしてくる方なんです。
それに、どうも勇儀さんには神奈子様も頭が上がらないみたいなんですよ。
幻想郷では鬼は強大な種族なので、神である神奈子様と互角の力を持っているのは分かっています。
ですから私は勇儀さんは、神奈子様も恐れる大敵なのだと思っていたのに…。

「あの、早苗の事でご相談が…」

わ、私の事!?
一体どうなっているんでしょう。
話が読めません。

「…………はい。……………はい、分かりました」

神奈子様と勇儀さんの間で一体何が……。
気になりますが電話はここまでのようです。
これは勇儀さんは悪い妖怪じゃないという事なのでしょうか。
では何故邪魔を………一体どうなって………。













…………今日はずっと家にいるように神奈子様に言い付けられました。
何でも神奈子様が帰って来たら、何処かへ行く予定があるそうです。
ですが信仰集めをさぼる訳にはいきません。
神奈子様が帰って来るのは夕方ですので、それまでの間に信仰を集めておきましょう。
これなら神奈子様に心配をかける事もありません。
さて本日の活動は、敵対宗派との弾幕勝負です。
信仰を多く獲得する為には、他の宗派との信者の取り合いも避けられません。
そこで弾幕勝負で白黒つける事で、信者の皆さんに神様の力をアピールするのです。
勝てば信仰上昇は間違いなし、負けても接戦ならアピールにはなります。
早速、ここらへんで強力な宗派に勝負を挑みましょう!

「ばあ!」
「!! 小傘さんじゃないですか!」
「えへへ~、びっくりした?」

いきなり前触れもなく出て来ましたね。
この方は多々良 小傘さん、人を驚かす唐傘お化けです。
幻想郷の中では弱い妖怪で、それ程脅威にもなりません。
しかし驚かせるだけとはいえ、人間を襲うのは感心しませんね。
ちょっとお仕置きしましょう。

「いいでしょう。びっくりさせたいなら私が相手をします! かかって来なさい!」
「遊ぶ? よーし、遊ぼー!」
「行きますよ! 秘術『グレイソーマタージ』!」
「なんの! 傘符『パラソルスターシンフォニー』!」
「まだまだです! 秘術、一子相っ!?」

い、痛い……。
誰ですか、後ろから殴るなんて卑怯な………!!

「……あんた、少しも懲りていないようね…」

こ、この方は!
その凶暴さと残忍さが幻想郷中で有名な、風見 幽香さんじゃないですか!
どうも最近、小傘さんと一緒にいる事が多いように感じます。
特別な友好関係でもあるのでしょうか。
………それどころじゃないです!
幽香さんに捕まったら何をされるか……おぐっ!
………うぅ…………お腹が……。

「一体、家の娘に何しようとしてたのかしら? 場合によってはそれ相応の罰も覚悟し…」
「やめてお母さん! 早苗ちゃんとは遊んでただけだよ!」
「………いつも言ってるでしょ? こんなのと遊んじゃダメだって。貴方まで病気になったらどうするの」
「うー………」
「ほら、帰るわよ」
「……バイバイ、早苗ちゃん」

…………行ってしまいました。
これから勝負だというのに、余計なダメージを負ってしまいましたよ。
幸先不安ですが、ここで引き下がる訳にはいきません。
神奈子様の憂いを晴らす為にも、私が頑張らなければいけないのです。





さあ、着きましたよ。
今日の目的地、命蓮寺です。
命蓮寺には多くの妖怪や人が入信しています。
ですからここで弾幕勝負に勝てば、大勢の信者に私達の力を見せつけられるんです。
無事、勝利を手にし信仰に貢献したいものですね。
……あら? 誰かこっちに来ます。誰でしょう。

「ようこそみょ……ってなんだ君か」
「こんにちは」

現れたのはナズーリンさんでした。
ナズーリンさんは命蓮寺の創立時のメンバーの一人です。
彼女を倒せば、大きなアピールになる筈ですよ!

「早速ですが勝負です!」
「はいはい、じゃあちょっと奥まで来てもらおうか」

ふふふ、皆さんに見える場所で勝負って訳ですね?
いいでしょう。今こそ神奈子様と諏訪子様のお力の片鱗を…………。
あ、あれ? なんか妙な部屋に連れ込まれたんですが……。

「ほい、噂のクソガキご入場~」
「ふ~ん、こいつがぁ~」
「にひひ! なんだ! 私と同じくらいじゃん!」
「そりゃあ、お前もガキだからなぁ」
「で? そいつ、どうする気?」

な、何でしょう。
この……変な空気は。
村紗 水蜜さんに封獣 ぬえさん、寅丸 星さんに雲居 一輪さん。
直接会った事はありませんでしたが、命蓮寺のメンバー大集合じゃないですか。
まさか1対5で戦うつもり?

「ん~、とりあえず案は考えてあるけど別に目的はないなぁ。
 ただうちらの信者に迷惑かけてるみたいだから、そろそろどうにかするべきだと思って連れて来ただけだし」
「ふ~ん、まだ確定じゃないって訳ね」
「にひひ! じゃあシャブ漬けにしちゃう!?」
「下手に動かれても困るだろ。殺っちまうか?」
「いや、裏の連中に売り渡すのが妥当でしょ。私の知り合いにいいのがいるんだけど」
「やめておきな、足がつくだろ」

な、なんか凄く恐ろしい話をしている気がするんですが……。
私どうなっちゃうんですか?
殺されちゃうんですか?
嫌です。
死にたくない。
死にたくないです!

「嫌! 帰して! 帰してください!」
「君は実に愚かだなぁ。ここまで来て無事に帰れる訳ないだろ?」
「そ、そんな……」
「…………ただし君の態度によるけどね」
「……え?」
「ちょっと根津?」

ど、どういう事ですか………。
私に………何かしろって言うんですか……?
ナズーリンさん……貴方、一体…………。

「早苗、君は信仰がほしいんだろう?」
「………はい」
「なら僕達の信者に君の神様も信仰させよう」
「え!? い、いいんですか!?」
「その代わり、もう此処には来ない。そして僕達の信者には手を出さないように約束するんだ。
 協力するとは言っても寺に巫女が来るのはマズいだろうからね。勿論ここまでの話は内緒だよ」
「…………それだけですか?」
「ああ、それさえ守ってくれれば僕達は君の味方になろう」
「あ、ありがとうございます!」

よく分かりませんが、なんか助かったうえに信仰まで分けてもらえる事になりました。
これこそ怪我の功名という奴ですね。
ナズーリンさんが思ったより、いい方で助かりました。
この調子でどんどん信仰を集めてしまいましょう!
……と言いたいところですが、そろそろ神奈子様が帰って来る時間です。
今日は帰って、また今度にしましょう。

「お、おい! 帰していいのかよ!」
「本当に馬鹿だなぁ、君は。僕が危ないと感じた相手を帰すと思うのかい?」
「ほう、あの小娘を逃がしても問題ないと」
「人間を上手く使うコツは飴と鞭だよ。不安を煽り光をチラつかせれば、どんな大金も平気で差し出す。
 特に奴は信仰の事しか頭にない、救いようのない愚か者さ。犬よりも扱いやすい。
 考えてもみなよ。奴が問題を起こしてくれれば、それだけ近場の人間は悩みを抱える。
 そいつらを勧誘出来れば、厄介払いと信者の確保が同時に出来るってもんさ。
 奴には僕達を引き立てる為の汚れ役をやっててもらった方が、その分潤うってもんだろ?」
「でもあいつ、変な事言わないか? やっぱり消しといた方がいいんじゃ…」
「君はつくづく野蛮な奴だね。あんな奴の話をまともに聞く奴なんていやしないさ。
 それより死体が見つかったり検挙で芋蔓になる方がよっぽど危険だよ」
「そうね、リスクを考えたら妥当な策よ。私もあんな狂人に発言力があるとは思えない」
「なに、また来たらその時考えればいいさ。奴は僕達の脅威にはなりえないからねぇ」





ふふふ。最大の脅威が味方になった今、神奈子様の憂いは晴らしたも同然です。
これで胸を張って家に帰れますよ。
きっと神奈子様も喜んでくれる筈です。
……………あ、あれは。

「…………………………」

こ、これは勇儀さんの車です。
白と黒で特徴的だから、よく覚えてますよ。
でもどうして神社に……。

「ああ、見つけた。先輩、こっちこっち」

あ! あそこにいるのは伊吹 萃香さんじゃないですか!
萃香さんは勇儀さんの仲間なんです。
どうしよう、見つかってしまいました。

「ん? ああ、よかった。とりあえず無事みたいだな」

あああ……勇儀さんまで……。
マズいです、ここは一旦逃げましょう。
鬼に捕まったら、どうなるか分かりませんから。

「あ! 逃げるっすよ!」
「………下手に興奮させると、かえって危険だ。気付かれないよう尾行するぞ」
「は、はい!」





ああ、こんな時どうしたら……。
まさか神社にまで現れるなんて……。
と、兎に角誰か助けてくれそうな人は………あ!

「文さん!」
「えっ? さ、早苗ちゃん! ちょっと、外では話しかけないでって言ってるでしょ?」

そうです、文さんは凄く強いんです。
飛行速度は幻想郷最速ですし、種族としても強力な天狗です。
きっと、どうにかしてくれますよ。

「助けてください! 鬼に追われてるんです!」
「お、鬼ぃ? ……鬼って何の事だっけ? ああ! 兎に角、今は忙しいの! 後にして!」

ああ、そんな……。
……………え?
こ、この感じ……。
前にも何処かで……。
確か………アレは……。
………ダメです。
ダメ! イカナイデ!

「危ない!」
「今度は何……えっ」

……………………ああ。
アカイ。
クルマモ、ドウロモ、アカリモ、ナニモカモ、マッカニ、ソマッテ
ナニモカモガアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ
アカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカアカ

「嫌あああああぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁ!!
 どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!!
 だ、誰か助けてええぇぇ!! 死んじゃう! 死んじゃうよぉ!!」
「!! さ、早苗ちゃん! 落ち着いて!」
「お願い助けてよおおぉぉ!! お巡りさんなんでしょ!? 鈴子が! 鈴子が死んじゃう!」
「………鈴子? な、何を言って…」
「鈴子が轢かれたの!! 早くしないと死んじゃう!! お願いだから助けてよおぉ!!
 ……神様ああぁ!! 私はどうなってもいい!! だから鈴子を助けて!! お願いだからあぁ!!
 死んじゃうよぉ………鈴子が死んじゃう……私がちゃんと見てなかったせいで………鈴子が、鈴子があああぁぁぁぁ!!」
「せ、先輩……これは……」
「……………お前は事故の方にかかれ。多重事故が起きるとマズい」
「は、はい!」
「…………鈴子………死なないでよ……鈴子ぉ……」
「…………………………」



































「ほ、星隈警部! 早苗は、早苗は無事なんですか!?」
「落ち着いてください、加奈子さん。早苗ちゃんは無事ですよ。事故に巻き込まれた訳ではありませんからね」
「あああ……よかった……」
「………ただ、今はちょっと取り乱していて面会は…」
「……………鈴子の事故を思い出したんですね」
「…………やはり早苗ちゃんがああなったのは…」
「はい。あの日私は仕事が忙しかったので、幼稚園まで早苗に鈴子を送らせたんです。
 よくやらせていたので大丈夫だと……それが……まさか、あんな事になるなんて……」
「……………………」
「それからなんです。早苗が『ゲンソウキョウ』の住人になったのは。
 なんでも『ゲンソウキョウ』ではいろんな生物が暮らしているそうなんです。妖怪とか……神様とか。
 ………そこでは私と鈴子は神様で、早苗は私達に仕える巫女なんですって。
 きっとあの子の中では、鈴子は神様として今も生きてるんですよ。だから……私には早苗を呼び戻せなかった。
 もし鈴子が死んだって知ったら………今度こそ本当に早苗が壊れてしまう気がして………。
 怖かったんです。鈴子だけじゃなく………早苗までいなくなってしまうのが……。
 もしそんな事になったら私は………私は一体どうしたら!!」
「加奈子さん……」
「………分かってます。最初からちゃんとした所で診てもらえばよかったんです。
 それなのに私は一人になるのが怖くて……………星隈さん、今からでも早苗を救ってやれるでしょうか」
「…………今、早苗ちゃんはある病院にいます。古明地医院っていうんですけどね。
 そこは私の友人が開いていまして……………古明地 聡里って精神科医を知っていますか?
 彼女はアニマルセラピーを扱っていまして、その道では結構有名なんですよ。
 私としては彼女になら安心して任せられるのでは、と思うんですがね」
「…………………早苗、私は……」



  • 命蓮寺の連中がちょっとキャラ壊れすぎだろって思ってたらそう言う事か。
    ちょっと展開が唐突でとまどったけどキャラの描写やストーリーは
    よく出来てて面白い話だなあ。
    幻想郷のメンツが実際にはどういう立場の人間なのかとか
    想像の余地も広いし。 -- 名無しさん (2010-12-26 18:19:19)
  • というか、これで終わりなの? -- 名無しさん (2010-12-26 21:15:40)
  • 命蓮寺のヤツラは結局どんな集団だったんだろうか・・・・ -- 名無しさん (2010-12-26 23:41:39)
  • 文の違和感の無さとか轢かれたりとか…むしろ文いぢめな気がしてきた -- 名無しさん (2010-12-29 03:20:13)
  • 諏訪子が妹って設定に萌える。早苗は優しくてしっかりものの良いお姉さんだったんだろうなー。
    -- 名無しさん (2012-10-28 22:01:16)
  • 文は轢かれてないんだけど・・・? -- 名無しさん (2013-12-26 16:59:56)
  • 萃香が勇儀を先輩って呼んでたのは現実での関係が
    出ている? -- ななっしー (2014-01-25 21:43:00)
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