【取材道具を焼却処分】
27スレ目の>>1000より









「あ……貴方達! 何をしているんですか!」

ガサガサと自分の家の中を漁る数多くの天狗を見て、思わず文はそう叫んだ。
すると最も入り口に近かった白狼天狗、犬走椛が文のほうに振り向く。

「何って、私たちは命令を遂行しているだけです」

そう一言だけ言い放つと、椛もまた文の家の奥へと入って行った。


ガサガサ、バサバサ、ガチャガチャ
会話も無く、ただ物を漁る音だけが響く室内で、書いた新聞が、カメラが、手帳が、資料が、写真が、
射命丸文にとって生きがいとも言える物に関するものが、すべて部屋の真ん中に積み上げられていく。
その山には机の上に乗っていた書きかけの新聞や、使用済みの写真の他に、文の個人的な思い出の写真まで混ざっていた。


「ちょっと待ってください! わ……私が何をしたと言うんですか?
 新聞や写真なんて集めて、どうするつもりなんですか!?」

目の前に広がる現実とは思えない光景に、しばらく呆けていた文も、意識を戻して天狗たちを止めようとする。
しかし、文の叫びを聞いて手を止めようとする天狗は誰一人としていなかった。


「やめてください! これは、私個人のものです! 新聞とは関係無いですからぁ!
 あ、ちょっと、そこは寝室です! 何もありません! だ……ダメですって!」

文は必死で止めようとするが、天狗たちは一切耳を貸そうとしない。
近寄って、その手から写真などを奪おうとしても強い力で引き剥がされてしまう。
集めた山に近づこうとすれば、他の天狗に止められる。
せめてまだ取られていないものを残そうとしても、逆にそれを奪われる。
そして、まだ文が身に着けていた手帳やカメラもすべて奪われてしまった。


「これは、プライバシーの侵害です! 権利の侵害ですよ!? この事を上に訴えたらどうなるか……」
「どうもなりませんよ」

そう答えるのはまたもや椛。
その手には一枚の書類が握られている。

「な……どういうことよ!?」
「……ここまでされてもわかっていないんですか?
 これが上からの命令だからに決まっているじゃないですか」

刺す様な冷たい視線で文をじっと見つめながら、椛は淡々と事務的に文の言葉に答えた。
今までされたことも無かった椛の侮蔑するような視線に、文はただただ大人しくしていることしか出来なかった。





「どうやら、これで全部のようです」

気が付けば、天狗たちは新聞を集め終わり、部屋に積み上げられたゴミの山に集まっていた。

「手伝ってくださって、申し訳ありません。
 では、それを燃やしてくれるでしょうか」
「ちょっと……燃やすって……ッ やめて! やめてください! お願いします!」

その言葉を聞いて、急いで止めようとする文だったが、多勢に無勢。
あっという間に取り押さえられ、そのまま身動きを封じられる。

「本当にご迷惑をお掛けします。
 彼女のことは気にしなくても結構ですが、邪魔されても困るのでそのまま押さえてくれますか」

わかりました、と文を押さえていた天狗が答え、文を更にぐっと地面に強く押さえつける。

「やめてください! 何もしてないじゃないですか!! どうしてこんなことされなくちゃいけないんですか!!!」

文がジタバタともがくが、相手も一人ではない。
押さえつける力は弱まるどころか更に強くなっていった。

そして、その文の目の前を別の天狗が横切り、ゴミ山の前に立つ。
手には小さな火を持って、それをそのままゴミの中へと落とした。


「いやああああああああああああああああああああああああああ」

暴れる文の目の前で、乾いた新聞にはたちまち火がつき、どんどんと燃え広がっていく。
周りの天狗は、それを消すようなこともせず、ただ傍観しているだけである。
むしろ、その火を更に大きくするかのように風を送っている者さえ居る。

「消してッ 消してえええええええええええええ」
「射名丸文」

暴れ、もがく文に椛が声をかける。

「誰か! 早く! 消してよ! お願いだから!!」

しかし、文の頭の中に椛の言葉はまったく届かず、決して叶わない願いを叫ぶだけだった。


「貴女は周りに迷惑をかけすぎました」

だが、椛も文の反応など気にせずに淡々と言葉を紡いでいく。


「貴女は、天狗という種族がどのように思われているか知っていますか?」
「離して……離してよおおおおおおおおおお!」
「傲慢で、悪知恵の働く、人のことを何とも思っていないような害しかない妖怪らしいですよ。
 ……聞いてますか? 貴女のことですよ?射命丸文?
 天狗全体が貴女のことのように思われているんですよ?

 ……だからいい加減喚くのをやめろッ! この屑天狗!!!」

ガスッと鈍い音を立てながら、椛は押さえつけられている文を蹴った。

「あぐ……ッ ひぃ……あ……ああああああああああああああああああ」
「うるさい! やめろって命令したのが聞こえなかったの!?」

そのまま椛は二発、三発と更に文を蹴る。

「痛いッ 痛いッ! ……すみません。わたしがわるかったです。だから、だから、やめてくださいいいいッ」
「……わかればいいんですよ、文さん。
 貴女が全部悪いんですよ。
 苦情が入っているんです。しかも大勢。人里からも、妖怪たちからもね。
 お前たちが新聞なんか作るせいで、こちらが大きな被害を受けている。何て最低な種族なんだってね。

 だからですね、射命丸さん。
 貴女の新聞作りを禁止します。
 今後一切新聞を作ってはなりません。情報を発することも集めることも禁止します。
 また、これまで作成した新聞や写真など、個人に関係するものはすべて処分させていただきます。
 貴女に任せると、まったく意味が無いので、そちらはすべてこちらでやらせていただきました。
 後、100年ほど山を降りることを禁止します。これ以上天狗の評判を落とさないでください。
 山での任務にも就く必要はありません。貴女がこの山の顔になっても困りますので。
 なるべく、天狗以外の人妖とは関わらないように気をつけてください。
 我ら天狗は貴女に関することに一切干渉しません。何をされても自業自得です。以上。

 これが、今回射命丸文に下された命令です。わかりましたか」

「……はい…………わかりました」

目の前で、自分の集めた思い出も趣味もすべて燃やされ、文は自分がこれ以上傷つかないよう答えるだけだった。


「そうですか。もうそのゴミもいい感じに燃えてきましたので、私たちは立ち退きます。
 燃えカスの処分はご自由にどうぞ。もっとも炭しか残っていないでしょうが」

そう言って、椛が出て行くと同時に、他の天狗たちもぞろぞろと文の家から立ち退く。
最後に、文を押さえていた天狗が、幻想郷最速と言われたその翼を折って、文を離して出て行った。



一人残された文は、信頼も名声もすべてを無くしてしまったことによる痛みに、ただ涙を流すことしか出来なかった。





  • 信頼も名声も無いからこんな事になったんじゃないかw -- 名無しさん (2009-09-14 07:50:39)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2009-09-14 14:27:20)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2009-09-14 16:03:33)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2009-09-14 16:10:08)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2009-09-14 17:06:01)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2009-09-14 20:54:59)
  • なんか今の東方に似てるような気がする -- 名無しさん (2009-09-15 00:14:27)
  • このもみもみは閻魔様? -- 名無しさん (2009-09-15 00:57:27)
  • 文と椛って仲悪いらしいから普通にやりそうだ -- 名無しさん (2010-06-17 21:34:28)
  • 確かにのコンボ吹いたwwww -- 名無しさん (2010-06-17 23:09:36)
  • 落ちぶれた姿がかわいいからこのままでおk -- 名無しさん (2010-06-17 23:22:12)
  • ↑↑確かにw -- 名無しさん (2010-06-18 01:34:38)
  • ↑↑↑確かにw -- 名無しさん (2010-06-18 04:48:19)
  • まあ、確かにな -- 名無しさん (2010-06-19 00:48:19)
  • ↑↑↑↑↑確かにw -- 名無しさん (2010-06-25 23:05:17)
  • certainly -- 名無しさん (2010-07-13 18:05:08)
  • 何か知らんがこの話を読んで涙が出てきました -- 名無しさん (2010-09-07 22:59:14)
  • 2525動画とか? -- 名無しさん (2010-11-02 04:44:40)
  • >なんか今の東方に似てるような気がする


    つまりこういう事だな?


    「貴方は東方ファンという存在がどのように思われているか知っているか?」
    「押し付けがましく、自己中心的な、他人の迷惑など考えもしない不快極まりない連中のことだそうだよ。
    ……聞いているのか?貴方のことだぞ?
    東方ファン全体が貴方のことのように思われているんだぞ?


    ……だからいい加減喚くのをやめろッ!
    この屑人間!!!」 -- 名無しさん (2010-12-30 23:11:34)
  • ↑サーセン…サーセン………! -- 名無しさん (2010-12-31 15:55:47)
  • ちょっと2個前の名無し……
    うまいけど、表出ろ。 -- 名無しさん (2011-01-14 01:16:59)
  • ↓確かにw -- 名無しさん (2011-01-25 09:47:33)
  • それにしてもパッチェさんってかわいいよね -- 名無しさん (2011-02-04 10:39:54)
  • なんだこの流れw -- 名無しさん (2011-02-22 17:24:10)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2013-01-12 12:51:24)
  • ↑↑確かにw -- 名無しさん (2013-01-18 16:24:29)
  • ↑↑↑確かにw -- 名無しさん (2014-01-09 23:16:58)
  • ↓確かにw -- 名無しさん (2014-01-10 04:23:52)
  • 文…かわいそう -- 小学生・射命丸 (2014-01-31 22:21:51)
  • ↓なーに言ってんだこいつw -- 名無しさん (2014-04-30 03:04:07)
  • 射命丸文タンのツルツル黒色の髪クンカクンカしたいお(^ω^)
    違ったモフモフ、モフモフしたいお(^ω^) -- 名無しさん (2014-05-02 00:47:30)
  • ↓こいつ…できる -- 名無しさん (2014-05-08 03:47:52)
  • ぶっちゃけ文に「あんた捏造記事しか作れないんですか?記者として才能ないんじゃないですか」って本当の事を言ってあげれば簡単に凹むんじゃないですかねー -- 名無しさん (2014-05-08 19:38:45)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:56:55)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:20)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:26)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:32)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:41)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:46)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:57:52)
  • ↑確かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:58:01)
  • ↓厳かにw -- 名無しさん (2014-05-26 19:58:54)
  • ↑...確かに、な -- 名無しさん (2014-05-29 11:57:03)
  • 確かに連載をこの鬼畜な俺様が止めてやる。
    っと、そんなことはどうでもいいからあやた
    んのかわいいおかおをペロペロしたいやでぇ -- 名無しさん (2015-11-04 20:18:55)
  • この連載を止めることはできない(キリッ
    オワリノナイノガオワリ
    ソレガ
    ゴールドEペリオンス... -- 名無しさん (2015-11-06 00:39:03)
  • ↑レクイエム忘れてる
    -- 名無しさん (2015-11-06 23:53:12)
  • これはこれで中々の、うぜぇ丸断罪だ。
    後はうぜぇ丸の頭を撃ち抜けば、
    特製うぜぇ丸ジビエの出来上がりw -- 名無しさん (2016-12-14 09:52:21)
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