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迷子の迷子のかえるちゃん」(2013/01/24 (木) 08:43:45) の最新版変更点

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迷子の 迷子の かえるちゃん  買い物駕籠を下げて昼下がり。天気は良好。少し汗ばむものの、過ごし難いほどではない。陽気な気候を楽しむには丁度いいくらいだ。  幻想郷の青空は、外の世界とは比べ物にならないほど、否、比べてはいけないと尾案じてしまうほどに透き通っている。温暖化を促進させる要素が少ないから、という明確な理由が存在しているせいなのだが、それにしても美しい青空という表現が尤も似合うのは間違いない。気分良く歩いていると、道端に小さな影があることに気づいた。  影、と言っても、黒い物体ではない。茶色い帽子のようなもので頭を覆い、白の袖と青味がかった少し全時代的な服装をした小さな子供だ。子供は道の端っこの草むらに向かって、一生懸命何かをしていた。何かが何なのか、それは俺の知るところではないが、その子度尾は、自分のしていることに夢中になっているようだった。  この辺りは、幻想郷の中では確かに安全な部類に入るものの、子供がひとりで遊んでいても大丈夫かと訊かれれば、それは否定してあげなくてはいけない。弱者は基本的に狙われやすいのだ。 「そこの、おチビちゃん」  服装からは、いまひとつどちらの性別か判別しかねるので、身体的特徴から攻めてみる。子供は返事どころか、此方を向こうともしない。 「帽子をかぶった、おチビちゃん」  猶も振り向かず。夢中になれるものがあるということは素晴らしいことだが、返事をしないというのはあまりにも教育が為されていない。  このままでは声を掛け続けても徒労になりそうなので、俺はその子供の横にしゃがんでみた。俺に気づいたその子供は俺を振り仰いだ。  どうやら女の子のようだ。天然の金髪を赤いリボンで顔の横辺りにアクセントをつけている彼女は草むらに居る何かを弄っていた。女の子といえども、中々に野性的なものだ。活発なのはよろしい。  しかし、奇妙な帽子だ。目が付いている。虚ろにも見えるその帽子の目は、はっきり言おう、気色悪い。 「何しているんだい?」 「カエルと話してたの」  女の子がそう言うと、草むらから緑色のものが俺のしゃがんだ膝元に飛んできた。当然のようにカエルだった。俺を見上げるカエルは、どことなくかわいらしい顔をしていた。 「カエルと話せるんだ。お嬢ちゃん、すごいんだねぇ」  子供の言う事は時に突拍子もないことがあるが、頭ごなしに潰すのはよくない。笑顔でほめてあげた。すると、 「そりゃできなきゃダメでしょ。私、神様だもの」  ――なんのこっちゃ? 「かみ、さま……?」 「そ。それより、君すごいね。私が見えるんだね」  もしかすると、この子は……。 「神様ね……」  ――相当に、“痛い”子供なのかもしれない。カウンセリングのつもりで話してあげる必要と、その勘違いを改善してあげる必要があるかもしれない。  そういえば、小学校低学年のときだっただろうか。ちょっと人よりすごいことができると直ぐに、「神様だから」だとか、「天才だもの」だとか、「最強だから当たり前」みたいな旨の発言をする子供はいた。さらにその類の子供は、それはない、等と天才・神様発言を否定されると、必ずムキになってどうあろうと神であることを認めさせようとするものだ。  もしかすると、この子もその類かもしれない。しかし、この子は小学校低学年とは言えない。差し当たって、三、四年生くらいだ。この年までそれを引きずっているようでは、将来の人格形成に支障が出る。改善してあげなくてはならないだろう。  験しに、完全否定したらどうなるだろうか。 「神様ね、はいはい。すごいすごい」  予想通りに、納得のいかないような表情で俺をにらむ。 「あ、信じてないでしょ」 「いや、信じてるよ」 「ホントに?」 「ホント」 「ホントのホントに信じてる?」 「嘘、信じてるわけ無い」  流れの中で完全否定してやると、女の子は頬を膨らませた。 「ひどいなあ。じゃ、これで信じるでしょ」  そう言って何かを草むらに向かって始める女の子。間もなくしてカエルがわらわらと草むらから這い出してきた。 「ほら、これで神様だってわかったでしょ?」  自慢げに、年相応のぺったんこな胸を張る。これで認めてもらえると思っているのだろう、彼女の表情はとても満足そうである。 「でも、この辺はカエルが多いだろ。君、カエルが嫌がるものを草むらに撒いたんだろ? そういうことは自然を壊すことになるから止めなさい」 「あーうー! 違うよ!! 今、カエルを生み出したの!!」  ああ、相当に重症のようだ。そして、この目つき帽子、何か俺をイライラさせる物質があるような気がしてきた。この子は子供らしいかわいらしい顔をしているのに、目つき帽子は似合わない。 「いいかい、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんは神様じゃないよ。子供のうちは神様を信じていてもいいし、これからもそれでいいけど、自分が神様だとか仏様だとか言ってると、おかしい子だって言われるからやめなさい」 「子供じゃなーい! 神様だって言ってるでしょ!! 子供じゃないってばー!!」  涙目になって騒ぎ始めた。子供じゃないとまで言い始めてしまった。どう見てもガキンチョ風情でなにを言うのだろうか。  恐らくこのまま同じことを言っていれば、「子供じゃない、神様だ」発言が繰り返されるのは自明だ。こうなってしまうと手が付けられないし、なにより、俺がこの子供を腕力でねじ伏せてしまいそうになってしまう。それだけは回避しないといけない。 「解かった解かった」  降参という風に両手を空に透かせる。 「百万光年譲歩して、神様なのを認めてあげよう。仕方が無いから」 「時間を譲歩してどーするの?」  やはり子供だ。光年は距離単位であることを知らないのだ。神様がこれを知らないのは、ありえない。 「話題を変えよう。君の名前は何て言うのかな?」 「ねぇ、何で子供扱いなの。神様だって言ってるでしょ、少しはその訊き方を変えてよ」  ――まだこだわるか、このガキンチョ。 「まず質問に答えるのが“オトナの常識”じゃないのかな? 質問があるなら俺の後に質問しようか」  女の子はうぐっ、と言葉を詰まらせると、観念したように名を告げた。 「諏訪子。洩矢諏訪子よ」 「なるほど。諏訪子ちゃんね」 「だから、子供扱いするなー! 神様だぞー!!」  じたばたし始めた。子供らしい行動である。  だが残念なことがひとつ。神様は、神様であることを振りかざしたりしない。 「何処に住んでるの?」 「だからぁ!」 「文句も受け付けない。ただ粛々と質問に回答せよ」  きつい言い方をしてしまった。謝罪の気持ちをこめて頭を撫でようとしたが、右手で強く払いのけられた。 「年上に対して少し生意気すぎないか?」 「うるさいっ! 君より年上だぞ! 神様だぢっ!!?」  しつこい。鉄拳制裁を発動させるしかないだろう、と思った俺は、諏訪子ちゃんの頭を真上から殴り潰した。舌を噛んだようで、言葉尻がおかしなことになった。第一、チビ助・ガキンチョ風情で、俺より年上のはずがあるものか。 「あーうー! いはい! いはいよぅ!!」  諏訪子ちゃんは草むらの奥にある小川に飛び込んで、口を冷やした。大人はただ子供の機嫌を伺っていると思ったら大間違いだ、生意気な態度はねじ伏せて権威付けを行ってあげなくては、将来のための性格形成には役立たない。  俺も川べりまで降りていく。諏訪子ちゃんは川の水で口を漱いでいる。これくらいきれいな水なら問題ないだろう。俺も飲んでみたが、かなり美味しい水だった。 「それで、諏訪子ちゃん。どこに住んでるの?」 「守矢神社」  はて。聞いたことの無い名前だ。博霊神社なら耳にしたことが有るものの、それは何処なのだろうか。 「どこにあるの?」  訊けば、ここからそこそこの距離のところにある、烏天狗などがすむという山の頂上付近にあるという。俺は、何度かそこの川に住む河童の河城にとりを訪ねたことがあるのだが。 「うん、嘘を教えてくれてありがとう」 「ちょ、嘘じゃないったら!!」  この子は勘違いも甚だしいが、どうやら虚言癖と妄想癖を持っているようだ。ここまでの人格形成の過程で、この子はどんな生活を送っていたのだろうか。  そもそも、最近にとりのところに行ったとき、にとりは神社が出来たとかいう話はしていなかった。 「はいはい、嘘じゃない嘘じゃない」 「真面目に聞けーっ!!」 「これ、あげるからだまってね」  川から上がってきたところで、諏訪子ちゃんに手渡す。胸元に飛んできたそれを諏訪子ちゃんはがっちりと受け取った。 「いいの?」  爛々と目を輝かせて、俺を見る。 「勿論。二つ買ってきたから、一個あげるよ」 「ありがとー」  そう言って諏訪子ちゃんは包んであるセロハンをはがし、口に含もうとする。  ――『スーパーミント・ペロペロキャンディー』を。  俺はさっさと元来た道に戻り、猛然と駆け出した。背後から、 「あーーうーー!!! からい、からい~~~!! うわああああああああん!!!」  という絶叫が聞こえたが、もう知らない。  子供は、素直なのが一番だ。生意気なのは、許さない。  これが、俺と「なきむし・すわこたん」との邂逅だった。 ---- - だめだこの神…早く何とかしないと… -- 名無しさん (2009-06-21 20:36:11) - この後この男は諏訪子と神奈子に拷問されてもいいはず &br()・・・いや、諏訪子が自分は神だと言うのが問題か・・ &br()しかし神に向かって「子供は素直なのが一番だ。生意気なのは、許さない。」 &br()はどうかと・・・ -- 名無しさん (2009-06-21 20:41:29) - 自分が神だと言いふらすのはダメだなー &br()言いふらすなら証明を。嫌がるものを撒いた所で集まらない量を出すだの &br()目の前でカエルを出すだの &br() &br()だが残念なことがひとつ。神様は、神様であることを振りかざしたりしない。 &br()証明をしなかったのは致命的。だめだこの神、早く何とかしないと -- 名無しさん (2009-06-21 21:08:56) - 後で神ってことが分かって顔が真っ青になる男の姿が浮かんでしまった &br()それにしても・・・ &br()駄目だこの神・・・早くなんとかしないと・・・ -- 名無しさん (2009-06-21 21:12:48) - この男は後でどうしたし &br()里の人に話したら「お前・・・神様を侮辱したのか・・・?」 &br()とか言われて追放されて涙目になる男を想像した -- 名無しさん (2009-06-21 23:45:30) - ぶっちゃけ続きっぽいものあるけどね -- 名無しさん (2009-06-22 11:24:55) - kwsk -- 名無しさん (2009-06-22 18:47:10) - 「天才だもの」 &br()「最強だからあたりまえ」 &br()・・・チルノのことですねわかりm(ry -- 名無しさん (2009-12-24 00:40:25) - これは諏訪湖の偽物だろ… &br() &br() &br()いくらなんでもキャラが -- 名無しさん (2010-04-11 19:55:21) - こんなの諏訪子じゃない。だが可愛い -- 名無しさん (2010-04-11 22:36:50) - 最後の行見て後は調べれば幸せになるかも -- 名無しさん (2010-08-12 15:13:31) - そしてまた此処に新たな歴史が刻まれるwww -- 名無しさん (2013-01-22 22:05:55) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
迷子の 迷子の かえるちゃん  買い物駕籠を下げて昼下がり。天気は良好。少し汗ばむものの、過ごし難いほどではない。陽気な気候を楽しむには丁度いいくらいだ。  幻想郷の青空は、外の世界とは比べ物にならないほど、否、比べてはいけないと尾案じてしまうほどに透き通っている。温暖化を促進させる要素が少ないから、という明確な理由が存在しているせいなのだが、それにしても美しい青空という表現が尤も似合うのは間違いない。気分良く歩いていると、道端に小さな影があることに気づいた。  影、と言っても、黒い物体ではない。茶色い帽子のようなもので頭を覆い、白の袖と青味がかった少し全時代的な服装をした小さな子供だ。子供は道の端っこの草むらに向かって、一生懸命何かをしていた。何かが何なのか、それは俺の知るところではないが、その子度尾は、自分のしていることに夢中になっているようだった。  この辺りは、幻想郷の中では確かに安全な部類に入るものの、子供がひとりで遊んでいても大丈夫かと訊かれれば、それは否定してあげなくてはいけない。弱者は基本的に狙われやすいのだ。 「そこの、おチビちゃん」  服装からは、いまひとつどちらの性別か判別しかねるので、身体的特徴から攻めてみる。子供は返事どころか、此方を向こうともしない。 「帽子をかぶった、おチビちゃん」  猶も振り向かず。夢中になれるものがあるということは素晴らしいことだが、返事をしないというのはあまりにも教育が為されていない。  このままでは声を掛け続けても徒労になりそうなので、俺はその子供の横にしゃがんでみた。俺に気づいたその子供は俺を振り仰いだ。  どうやら女の子のようだ。天然の金髪を赤いリボンで顔の横辺りにアクセントをつけている彼女は草むらに居る何かを弄っていた。女の子といえども、中々に野性的なものだ。活発なのはよろしい。  しかし、奇妙な帽子だ。目が付いている。虚ろにも見えるその帽子の目は、はっきり言おう、気色悪い。 「何しているんだい?」 「カエルと話してたの」  女の子がそう言うと、草むらから緑色のものが俺のしゃがんだ膝元に飛んできた。当然のようにカエルだった。俺を見上げるカエルは、どことなくかわいらしい顔をしていた。 「カエルと話せるんだ。お嬢ちゃん、すごいんだねぇ」  子供の言う事は時に突拍子もないことがあるが、頭ごなしに潰すのはよくない。笑顔でほめてあげた。すると、 「そりゃできなきゃダメでしょ。私、神様だもの」  ――なんのこっちゃ? 「かみ、さま……?」 「そ。それより、君すごいね。私が見えるんだね」  もしかすると、この子は……。 「神様ね……」  ――相当に、“痛い”子供なのかもしれない。カウンセリングのつもりで話してあげる必要と、その勘違いを改善してあげる必要があるかもしれない。  そういえば、小学校低学年のときだっただろうか。ちょっと人よりすごいことができると直ぐに、「神様だから」だとか、「天才だもの」だとか、「最強だから当たり前」みたいな旨の発言をする子供はいた。さらにその類の子供は、それはない、等と天才・神様発言を否定されると、必ずムキになってどうあろうと神であることを認めさせようとするものだ。  もしかすると、この子もその類かもしれない。しかし、この子は小学校低学年とは言えない。差し当たって、三、四年生くらいだ。この年までそれを引きずっているようでは、将来の人格形成に支障が出る。改善してあげなくてはならないだろう。  験しに、完全否定したらどうなるだろうか。 「神様ね、はいはい。すごいすごい」  予想通りに、納得のいかないような表情で俺をにらむ。 「あ、信じてないでしょ」 「いや、信じてるよ」 「ホントに?」 「ホント」 「ホントのホントに信じてる?」 「嘘、信じてるわけ無い」  流れの中で完全否定してやると、女の子は頬を膨らませた。 「ひどいなあ。じゃ、これで信じるでしょ」  そう言って何かを草むらに向かって始める女の子。間もなくしてカエルがわらわらと草むらから這い出してきた。 「ほら、これで神様だってわかったでしょ?」  自慢げに、年相応のぺったんこな胸を張る。これで認めてもらえると思っているのだろう、彼女の表情はとても満足そうである。 「でも、この辺はカエルが多いだろ。君、カエルが嫌がるものを草むらに撒いたんだろ? そういうことは自然を壊すことになるから止めなさい」 「あーうー! 違うよ!! 今、カエルを生み出したの!!」  ああ、相当に重症のようだ。そして、この目つき帽子、何か俺をイライラさせる物質があるような気がしてきた。この子は子供らしいかわいらしい顔をしているのに、目つき帽子は似合わない。 「いいかい、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんは神様じゃないよ。子供のうちは神様を信じていてもいいし、これからもそれでいいけど、自分が神様だとか仏様だとか言ってると、おかしい子だって言われるからやめなさい」 「子供じゃなーい! 神様だって言ってるでしょ!! 子供じゃないってばー!!」  涙目になって騒ぎ始めた。子供じゃないとまで言い始めてしまった。どう見てもガキンチョ風情でなにを言うのだろうか。  恐らくこのまま同じことを言っていれば、「子供じゃない、神様だ」発言が繰り返されるのは自明だ。こうなってしまうと手が付けられないし、なにより、俺がこの子供を腕力でねじ伏せてしまいそうになってしまう。それだけは回避しないといけない。 「解かった解かった」  降参という風に両手を空に透かせる。 「百万光年譲歩して、神様なのを認めてあげよう。仕方が無いから」 「時間を譲歩してどーするの?」  やはり子供だ。光年は距離単位であることを知らないのだ。神様がこれを知らないのは、ありえない。 「話題を変えよう。君の名前は何て言うのかな?」 「ねぇ、何で子供扱いなの。神様だって言ってるでしょ、少しはその訊き方を変えてよ」  ――まだこだわるか、このガキンチョ。 「まず質問に答えるのが“オトナの常識”じゃないのかな? 質問があるなら俺の後に質問しようか」  女の子はうぐっ、と言葉を詰まらせると、観念したように名を告げた。 「諏訪子。洩矢諏訪子よ」 「なるほど。諏訪子ちゃんね」 「だから、子供扱いするなー! 神様だぞー!!」  じたばたし始めた。子供らしい行動である。  だが残念なことがひとつ。神様は、神様であることを振りかざしたりしない。 「何処に住んでるの?」 「だからぁ!」 「文句も受け付けない。ただ粛々と質問に回答せよ」  きつい言い方をしてしまった。謝罪の気持ちをこめて頭を撫でようとしたが、右手で強く払いのけられた。 「年上に対して少し生意気すぎないか?」 「うるさいっ! 君より年上だぞ! 神様だぢっ!!?」  しつこい。鉄拳制裁を発動させるしかないだろう、と思った俺は、諏訪子ちゃんの頭を真上から殴り潰した。舌を噛んだようで、言葉尻がおかしなことになった。第一、チビ助・ガキンチョ風情で、俺より年上のはずがあるものか。 「あーうー! いはい! いはいよぅ!!」  諏訪子ちゃんは草むらの奥にある小川に飛び込んで、口を冷やした。大人はただ子供の機嫌を伺っていると思ったら大間違いだ、生意気な態度はねじ伏せて権威付けを行ってあげなくては、将来のための性格形成には役立たない。  俺も川べりまで降りていく。諏訪子ちゃんは川の水で口を漱いでいる。これくらいきれいな水なら問題ないだろう。俺も飲んでみたが、かなり美味しい水だった。 「それで、諏訪子ちゃん。どこに住んでるの?」 「守矢神社」  はて。聞いたことの無い名前だ。博霊神社なら耳にしたことが有るものの、それは何処なのだろうか。 「どこにあるの?」  訊けば、ここからそこそこの距離のところにある、烏天狗などがすむという山の頂上付近にあるという。俺は、何度かそこの川に住む河童の河城にとりを訪ねたことがあるのだが。 「うん、嘘を教えてくれてありがとう」 「ちょ、嘘じゃないったら!!」  この子は勘違いも甚だしいが、どうやら虚言癖と妄想癖を持っているようだ。ここまでの人格形成の過程で、この子はどんな生活を送っていたのだろうか。  そもそも、最近にとりのところに行ったとき、にとりは神社が出来たとかいう話はしていなかった。 「はいはい、嘘じゃない嘘じゃない」 「真面目に聞けーっ!!」 「これ、あげるからだまってね」  川から上がってきたところで、諏訪子ちゃんに手渡す。胸元に飛んできたそれを諏訪子ちゃんはがっちりと受け取った。 「いいの?」  爛々と目を輝かせて、俺を見る。 「勿論。二つ買ってきたから、一個あげるよ」 「ありがとー」  そう言って諏訪子ちゃんは包んであるセロハンをはがし、口に含もうとする。  ――『スーパーミント・ペロペロキャンディー』を。  俺はさっさと元来た道に戻り、猛然と駆け出した。背後から、 「あーーうーー!!! からい、からい~~~!! うわああああああああん!!!」  という絶叫が聞こえたが、もう知らない。  子供は、素直なのが一番だ。生意気なのは、許さない。  これが、俺と「なきむし・すわこたん」との邂逅だった。 ---- - だめだこの神…早く何とかしないと… -- 名無しさん (2009-06-21 20:36:11) - この後この男は諏訪子と神奈子に拷問されてもいいはず &br()・・・いや、諏訪子が自分は神だと言うのが問題か・・ &br()しかし神に向かって「子供は素直なのが一番だ。生意気なのは、許さない。」 &br()はどうかと・・・ -- 名無しさん (2009-06-21 20:41:29) - 自分が神だと言いふらすのはダメだなー &br()言いふらすなら証明を。嫌がるものを撒いた所で集まらない量を出すだの &br()目の前でカエルを出すだの &br() &br()だが残念なことがひとつ。神様は、神様であることを振りかざしたりしない。 &br()証明をしなかったのは致命的。だめだこの神、早く何とかしないと -- 名無しさん (2009-06-21 21:08:56) - 後で神ってことが分かって顔が真っ青になる男の姿が浮かんでしまった &br()それにしても・・・ &br()駄目だこの神・・・早くなんとかしないと・・・ -- 名無しさん (2009-06-21 21:12:48) - この男は後でどうしたし &br()里の人に話したら「お前・・・神様を侮辱したのか・・・?」 &br()とか言われて追放されて涙目になる男を想像した -- 名無しさん (2009-06-21 23:45:30) - ぶっちゃけ続きっぽいものあるけどね -- 名無しさん (2009-06-22 11:24:55) - kwsk -- 名無しさん (2009-06-22 18:47:10) - 「天才だもの」 &br()「最強だからあたりまえ」 &br()・・・チルノのことですねわかりm(ry -- 名無しさん (2009-12-24 00:40:25) - これは諏訪湖の偽物だろ… &br() &br() &br()いくらなんでもキャラが -- 名無しさん (2010-04-11 19:55:21) - こんなの諏訪子じゃない。だが可愛い -- 名無しさん (2010-04-11 22:36:50) - 最後の行見て後は調べれば幸せになるかも -- 名無しさん (2010-08-12 15:13:31) - そしてまた此処に新たな歴史が刻まれるwww -- 名無しさん (2013-01-22 22:05:55) - 善人ぶってるけど普通に性格悪いなこのオッサン -- 名無しさん (2013-01-24 08:43:45) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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