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292 :名前が無い程度の能力:2008/03/30(日) 16:47:38 ID:dd8.Ih1U0 291 わらたw そして、この未曾有のかわいいかわいいゴミクズの魔理沙ブームは一体w ttp://fukunyu.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/src/fuku0131.txt fuku0131.txt    * 私的独断設定が大盛りである点、御容赦下さいますよう。    * 過激な表現有ります。大妖精が挿れられて出血しますので御注意下さい。    * 原案レベルですので、どなたか力の有る方に仕上げて頂きたい。 子供の心のウツワは、小さい。 小さいが故に、その器は、ほんの小さな出来事によっても一杯に満たされる。 些細な発見や体験で、小さな器は、溢れる程の感動に満たされる。 些細な出来事で、小さな器は、零れる程の悲しみに満たされる。 そして、 些細な衝突で、小さな器は、抑えられぬ程の殺意に、満たされる。   * チルノは、自分の目に映っている光景を、理解できなかった。 親友である妖精の少女が、氷の槍に腹を串刺しにされて、木に磔にされている。 その少女も、自身に何が起きたのかを、理解できていないようであった。 不思議そうな表情で、自分の腹から生えている透明な槍に、目を落とす。 緩慢な動きで、両の手を氷の槍に添える。 掌に付いた赤い液体を、見る。 それから、やはり不思議そうに顔を上げ、少し高い位置から、チルノを見る。 チルノも、呆然と少女を見つめ返す。 どうして、こんな事になったのか。 チルノはその理由を、はっきりと思い出せない。 ひどく、くだらない理由であった気がする。 あまりにもくだらない理由であった為に、思い出した瞬間に心が壊れそうで、怖かった。 だから、心が無意識の内に、思い出さないようにしているのかもしれない。 何かを言おうとして開いた少女の口から、赤い塊が吐き出された。 服の前部が黒く染まり、氷の槍が赤く染まる。 唇の端から血を垂らしながら、少女の顔が苦悶に歪んだ。 目に、微かに涙が滲んでいる。 その目で、悲しげにチルノを見つめる。 チルノは瞬きもせず、目を見開いていた。 開いたままの口の奥で、震える歯から小さな音が鳴っていた。 やがて、腹に添えられていた少女の両手が脱力して、だらりと下がった。 チルノを見つめていた目が揺れて、チルノを見失ったかのように、彷徨う。 その目から、少しずつ生気の光が霞んで、失せていく。 少女の首が力を失って項垂れた為、その最期の表情を伺う事はできなかった。 立ち尽くしていたチルノの体が、細かく震え出していた。 毒が少しづつ全身に回っていくように、チルノの心が状況を理解し始める。 その表情が、次第に酷い泣き顔に歪んでいった。 親友であったものの亡骸が、綺麗な光の粒となって散り消えた時、 チルノはその場に崩れ落ち、血を吐く様な哭き声をあげた。 木の幹には、抜け殻となった血染めの服だけが、 氷槍に縫いとめられたまま、緩い風になぶられて揺れていた。    * あれから、どれ程の時間が経ったのか、チルノにはわからなかった。 風雨に打たれ、薄汚れた姿のまま、抜け殻の様に一人で湖の畔に佇んでいた。 晴れた陽の光の下。 少し遠くの花畑で、2,3匹の妖精達が戯れている。 いつだったか、噂好きな妖精達のおしゃべりを、耳の端に聞いた。 『ここ』で生きる妖怪・妖精達の生態を記した書物が、あるという。 妖精は頑丈だから、死んでもすぐに元に戻る――― それを書いた人間は、自分の目で、その場を直に見た上で、その一文を書いたのだろうか。 家族のように、双子の姉妹のように、いつも一緒に居た親友。 もう、その親友は、いない。 あの日、チルノが自分の手で――― そこまで思考して、チルノは強く目を瞑り、唇を噛んだ。血が滲む程に。 そこから先へは、怖くて進む事ができない。 何周も、何周も、同じ場所をまわり続けた思考が、チルノの胸の裡を焼き、苛んだ。 いつの間にか、知らない妖精が1匹、チルノの傍らに来ていた。 座り込んでいるチルノの顔を、横手から覗き込み どうしてそんなにボロボロなの? なにしてるの? いっしょにあそばない? おともだちになろうよ? と、話しかけてくる。 だがチルノは、その声が聞こえていないかのように、微動だにしない。 陽光に煌めく湖面を、黙って見つめているだけであった。 その妖精は、チルノを誘う事を諦め、怪訝な表情で、離れた仲間の所へと戻っていった。 「ともだち」という言葉だけが、チルノの心の傷口を開くように、耳に残っていた。   * 頭が理解するよりも先に、体が反応していた。 視界の端に、信じ難いものが、降り立った。 チルノは、立ち上がっていた。 軽い震えが、チルノの全身の表皮にさざめいていた。 「  ぃ…… せ… 」 見紛う筈が無い。 片側にだけ結い上げた、若葉の様な緑色の髪。 特徴的な、背中の羽根。 優しく穏やかな顔。 衣服こそ、白のワンピースであったが、それは紛れも無く――― 「 大妖精!」 チルノの声に、大妖精が振り向く。 チルノの方を向くと、途端にその表情が明るい笑顔となった。 チルノの方へと、走って来る。 「 うっ、ぐ……」、 声を詰まらせながら、チルノはふらつく足で一歩、二歩と歩んだ。 走り寄って来る大妖精へと。 妖精が 自然の形象たる存在であるならば 「ぐ、うぅっ…!、だぃ、ょう、せっ………!」 自然の草花が 滅びの冬を越えて蘇るように 妖精もまた 蘇る 「 会いっ、たかっ、た……!」 だが 再び咲いたその花は たとえ姿が同じであったとしても――― 「 だい、よ……………せ……?」 チルノのもとまで走り寄って来た大妖精が チルノの横を、そのまま走り抜けた 白いワンピースをはためかせながら、先程チルノを誘いに来た妖精達の方へと駆けていく。 「 ぁ……  え……? 」 チルノは呆然と立ち尽くした。 駆けていく大妖精が、チルノの方を微かに振り返った。 不思議そうな顔で。 まるで、あの時のような、不思議そうな顔で。 仲間の妖精のもとへと辿り着いた大妖精―――かつて、チルノがそう呼んだ少女は 仲間と一言二言を交わすと、ちらり、と再びチルノの方を見た。 遠方からではあったが、その話し声の幾分かは、聞き取ることができる。 チルノを遊び仲間に加えるか否かの話し合いをしているようであった。 その中で、大妖精の口から出た、短い一言だけが、妙に大きな響きを持ってチルノの耳に届いた。  ―――知らないよ あの子、誰?―――   * 冬を越え、幾度でも蘇り、再び芽吹く花達 無数にある花達の姿は、全て同じに見える しかし、それらのひとつずつが全て、違う花 例えば『ある一輪の花』と、 姿がよく似た一輪の花があったとしても それは『別の一輪の花』 ひとつとして、同じ花は、無い いつだったか、噂好きな妖精達のおしゃべりを、耳の端に聞いた。 『ここ』で生きる妖怪・妖精達の生態を記した書物が、あるという。 妖精は人間よりも心に作用されやすく、精神的な傷が致命傷となる――― それを書いた人間は、自分の目で、その場を直に見た上で、その一文を書いたのかもしれない。 妖精達が飛び去っていった空を、氷精の少女は、生気の無い瞳で見上げていた。 涙すら流さず、ただ、ずっと見上げていた。 永遠に、親友が喪われてしまったことを、知ってしまった。 心が壊れた氷精の少女は、崩れる様にその場に膝を付いた。 ―――と、見えた瞬間 眩く綺麗な光の粒が弾け、風に巻かれながら、湖畔に散っていった。 抜け殻となった服だけが 木の枝に引っ掛かったまま、緩い風になぶられて揺れていた 

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