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拘束されてアリスに殴られ続ける:8スレ857」(2020/03/10 (火) 08:31:45) の最新版変更点

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・注意書き・ ・アリス×魔理沙の妄想殴り書きです。 ・何の工夫もない単純な暴力が続きます。 ・これといってストーリーはありません。 ・嘘発見器という機械はファンタジーの産物です。 ・文章力がありません。 ・かわいいかわいいゴミクズの魔理沙に、豚のような悲鳴を上げさせたかった。 目を覚ますと、魔理沙はなぜか拘束されていた。 椅子に座ったかたちで縛られ、手には妙な機械が取り付けられている。 「あー?」 揺すってみる。縄目がしっかりとしていて、緩む気配はない。 よしんば解けたとして。逃げることは難しそうだった。 なぜなら。 犯人とおぼしき人物が、目の前にいたからだ。 「おいおい、アリスよ。これは一体何の冗談なんだ?悪趣味だぜ」 「ねえ魔理沙。質問に答えてね?」 抗議が聞こえていないかのように、アリスは魔理沙に話しかける。 尋常でないその様子に、冷たい汗が背中を濡らす。 「おいっ、アリス、質問には答えてやる。だからとりあえず解いてくれよ、これ──」 ガツンッ 「っ!?」 一瞬何が起こったのか分からなかった。 衝撃と共に白い星が散って、思考が停止する。 数秒してから、それが激痛だと分かる。 「~~~~ッッ!!!!」 ──痛い、痛い痛い痛い痛い痛いいだいッッ!!!! 声も出せずに魔理沙は悶えた。 涙がぼろぼろこぼれ、鼻の奥がつんときな臭くなった。 激痛に顔を歪める魔理沙の目の前にかざされている分厚い本──アリスが、片時も離さず持っているグリモワール。それが、自分の鼻を強く打ったのだと、魔理沙はようやく理解した。 「ア、アリスっ、なんで、こんな──」 言いかけて息を呑んだ。 アリスが表情一つ変えず、再びグリモワールを持った手を振り上げたからだった。 今度は、それが鼻筋に叩きつけられるであろうことが分かってしまった。そしてそれが、先程の激痛の再現になるであろうことも。 苦痛への恐怖が身体を硬直させる。やめろ、という言葉さえ追いつかなかった。 「ぐぎあゃっ!!」 魔理沙の少女らしい桜色の唇から、乙女にあるまじき悲鳴が漏れた。 しかし今の魔理沙にとって、それはまったくの瑣末事であり、そもそも、自身がそんな声をあげたことにすら、魔理沙は気付かなかった。 ただ思考を支配しているのは(いたいいたいいたいいたいいたいいたいたいいたい)という単純な形容詞の繰り返しだけで、二度の攻撃に耐えきれなくなった鼻が、ぼたぼたと鼻血を滴らせていることでさえ、認識するのにしばらくかかった。 灼けるような激痛はじきに引いて、あとにはずきずきとした痛みが残る。 ショックが治まって、残ったのは底冷えのする恐怖だった。 暗い穴を覗き込むみたいだ、と魔理沙は思った。 中が真っ暗で、でも得体の知れないなにかが蠢いていて。 見知っているはずのアリスが、得体の知れない、そんな洞窟みたいに思える。 アリスは色のない瞳で正面から魔理沙を見据えると、ゆっくりと、言い聞かせるように告げた。 「質問に、答えてね?」 口を開いたらまた殴られそうな気がして、怖くて何も言えなかった。 ただ、馬鹿みたいに何度もがくがくと頷く。 アリスは表情を変えぬまま、こう問うた。 「魔理沙は私のこと好き?」 一瞬、なにを訊かれているのか分からなかった。 その質問の内容を理解したとき、魔理沙は。 怯えを吹き飛ばした瞬間的な腹立ちに、つい、口走っていた。 「っ、こんなっ、殴られて、ぐず、なんでお前のこと好きじゃなきゃ──ぶぎゃっ!!」 濁った声を発して、魔理沙の頭が後ろに仰け反る。 再びの、顔面殴打。 止まりかけていた鼻血が勢いを増して流れ出る。 もはや、呼吸に支障が出る程だった。 ぶず、ぶず、と鼻から異音を発しながら、魔理沙は息苦しさに大口を開けて呼吸をする。 乙女にあるまじき汚い音を、しかし魔理沙は気にする余裕がない。 アリスがゆっくりと口を開く。 魔理沙の体に取り付けられた機械を覗き込みながら、聞き分けのない子供に説くように。 「コレね。嘘発見器っていうのよ」 「ぶ、ずず、ひゅ、なんだよ、ぞれ……?」 「嘘をついてるかどうか、分かるの。いいでしょ?」 視線を上げた、アリスの顔。 目をそらせない。 その顔が、笑みに変わっていく。 「あのね、魔理沙。余計なことはいいの」 笑顔で、猫撫で声で。 しかしそれは警告なのだった。 「余計なことを言ったり、嘘を吐いたり、答えを間違えたりしたら──分かるでしょ?」 答えを間違える、とはなんのことなのか。 酸素不足気味で思考の速度が鈍った脳には、すぐに理解できなかった。 そして、理解を許す時間も、与えられなかった。 アリスがもう一度、問う。 「『魔理沙は、私のこと、好き?』」 「うぐっ、ず、ぶっ、うう、ぎらい、だぜ──えぎゃっ!!」 殴打。 激痛以外の鼻の感覚はとうに消えていた。 鼻のかわりに痛みが顔についているみたいに思える。 噎せ返ると、鼻の奥から流れた血が塊で飛び散った。 嘘は吐いていない。 となると、これが。 「不正解ね」 本を小さく振って、アリスが言った。 ブックバンドが掛かった革の背表紙には、赤黒い色をした染みがついていた。 それが自分の血の色だ、というのが分かって── 「あ゙っ……あ゙……あ、ぐずっ、ごれ、も、ひっぐ、やだっ……」 さっき覚えたはずの激しい怒りは微塵もなく刈り取られて。 理不尽な暴力に怯えることしかできなかった。 アリスはそれでも容赦をしない。 「魔理沙は、私のこと、好き?」 「……ずっ、ふずず、ぐ……ず、ぶず……わがら、な……っ」 考える暇もなく続けられる問いに答えて。 本を振り上げるアリスの姿にまた、絶望を味わう。 「不正解」 「びっ、んぎゃッッ!!」 身を竦ませたせいで、本の角が直撃した。 縛り付けられていなかったら床を転げ回って悶えていただろう。 股間のあたりに急激に広がる暖かい感触。気付けば、失禁していた。 歯ががちがちと鳴る。恥ずかしさよりも何よりも、怖くて震えが止まらなかった。 「魔理沙は私のこと好き?」 魔理沙は自分に必死で言い聞かせる。 ──そうだ、友人としては好きだった、はずだ。 「ずぎ、だ」 「針が振れてる。嘘ね」 「ぎいゃっ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──私はアリスのことが好きなんだ。 「ぶぶ、ぐ、ず、ぎっ」 「嘘ね」 「ぐぎゃんッッ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──好きだよ好きだってアリス大好き大好きだ。 「はい嘘」 「ぐぎいぃいッ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──好き!好き!アリス、大好き!!アリスアリスアリスっ、大好き、大好き!! 「嘘」 「ぴぎゃっっ!!」 「魔理沙は──」 ***** もう何時間、そうしていたのか分からない。 同じく、どれほど口にしたかも分からない台詞を。 「っあ゛あ゛っ、アリ、ずっ、ずぎ、だいっ、ずきっっ」 がらがらになった声で、吐き出すように言う。 魔理沙の中からはすでに、強制されている、という意識は消えていた。 それこそが、矯正されている証なのだった。 ただ機械的に、それまでしてきたように。 今からまた鼻に受けるであろう衝撃に備え、魔理沙の身体には自然に力が入る。 数時間にも渡って延々と繰り返されてきた顔面への暴力。 それが、こなかったのだ。 不思議に思って視線を動かす。 計器を覗き込んでいるアリスの目が、すっと細められていた。 「嬉しい。ようやく『本当に』好きって言ってくれたのね」 夢見るような表情で、アリスが囁く。 終わりがないと思っていた暴力に、ゴールが見えた。 そのことが嬉しかったのか、アリスの表情が嬉しそうなのが嬉しくてなのか、自覚のないままに、気付けば魔理沙も痛む顔面を引きつらせて笑っていて。 ほんの少し、空気が緩んだような気がした、そのとき。 ぱんっ 左の頬で、熱が弾けた。 「あ……っ?」 笑顔のアリスに、平手で打たれたのだった。 混乱が、魔理沙の精神を揺るがす。 ──え、なんで。ぶつの、止めてくれないの? 実際のところ、『正しい』回答をしたところで、暴行が止む確証など何もなかった。 それでも、そこに一縷の望みを繋いで耐えてきたのだ。 それが、瓦解する。 「あ、っ、あ?あ、あー……」 気が狂ってしまう、と思った。 そこに、押し留める釘を刺すようなアリスの言葉。 「ご褒美よ。正解したから。平手打ちにしてあげる」 思考停止していた脳が、緩く回転しだした。 つまり。 グリモワールで殴打か平手撲ちか選べ、と言われているのだ。 平手の方がマシに決まっている。決まっているのだが── 魔理沙の心の中に、不信感がふつふつと湧き上がる。 アリスが好きと、必死で思いこんだ精神に亀裂が入った。 「──それじゃあ、続けましょうか。魔理沙は、私のこと好き?」 「う、う゛んっ、ずぎ……」 一度解けた自己暗示は、すぐには回復することはなく。 「ああ、また嘘になっちゃったわ」 そしてまた、グリモワールは振り上げられる。 ***** ──数日後。 神社に遊びに来た親友の顔を見て、霊夢は目を見開いた。 「どうしたのよ?その顔」 鼻に当てられたガーゼをくすぐったそうに掻きながら、恥ずかしそうに魔理沙が答える。 「ん、ちょっと、アリスと、な」 おおかた弾幕に顔面でも直撃されたんだろう、と、霊夢はあまり気にも留めなかった。 なぜなら、そのアリスは魔理沙の隣で、何でもない顔をしていたからだった。 ちょっとした怪我も、遺恨を残すようなものでなければ、別に日常的なことだ。 霊夢はそれ以上深く考えることなく。 いつものごとく暢気に、茶を淹れに立った。 縁側に取り残されたアリスと魔理沙は、ひそひそと囁くように話をする。 それは恋人同士の語らいのようでもあり。 「やっぱり、恥ずかしいぜ。アリスにぶってもらった傷、霊夢に見られるなんて」 「いいじゃない。見せつけちゃいましょ」 アリスは、そう言うと。 右手を振りかぶって。 折良く戻ってきた霊夢の目の前で。 「あんたたち、お茶──ッ!?」 嬉しそうな魔理沙の頬を、力一杯。 ぱあん! 急須と湯飲みが、落ちて割れる音がした。 ---- - やべぇ・・・俺は変態だったのか -- 名無しさん (2009-01-10 13:21:49) - 描写うまいな、鼻が痛くなったよ…まじで -- 名無しさん (2009-01-10 13:22:39) - 少なくとも自分が真性のドSだってことには気づいたw -- 名無しさん (2009-04-07 23:25:38) - いい展開なんだから、是非ストーリーをつけてほしかった。 -- J (2009-10-24 16:04:42) - どうやらぼくはへんたいさんだったらしい -- 名無しさん (2009-11-06 23:37:37) - なかなか文章力あるじゃないか。 -- 名無しさん (2010-06-03 01:37:33) - たまにはこの逆も書いて欲しいと思うw &br()Mなアリスがみたい -- 名無しさん (2010-06-18 01:16:27) - 霊夢さんなら上手くやってくれるさ -- 名無しさん (2013-05-23 16:48:13) - 文章力あるじゃない &br()あとアリス怖い &br()もっと続いて欲しかった -- 名無しさん (2013-05-24 17:59:16) - うむ・・・シンプルな奴程強い 俺にも殴れるかどうか… -- 名無しさん (2013-06-19 03:22:25) - おいおい、ただならぬ場所がマスタースパークしちまった -- 名無しさん (2013-08-23 23:45:03) - ちーん -- ww (2013-09-26 20:20:02) - ぷろろろろr -- (--) (2013-09-26 20:20:28) - アリス大嫌い &br() -- 名無しさん (2015-07-09 20:48:46) - ひどすぎでしょ( ; ; )魔理沙かわいそう… &br() -- 名無しさん (2015-07-22 15:39:33) - 可愛そうなのは霊夢 -- 名無しさん (2015-11-28 05:59:11) - やばい俺の理性が(ry -- 名無しさん (2015-12-02 01:21:04) - 霊夢いじめじゃないか! -- 名無しさん (2016-02-29 03:18:20) - まじかよ・・・・・ -- ジtlgsぅrhgs利lgkrsh振れwskへkルイージ8888889964 (2016-05-01 09:57:53) - アリス大ッッツ嫌い!! &br()魔理沙超・超・超可愛そうじゃん!! &br()アリス死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ &br()消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ &br()これ作った人も最低だね。最悪最悪最悪 &br()最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪 &br()最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪 &br()最低最低最低最低最低最低最低最低最低 -- 名無しさん (2016-05-04 16:13:19) - 上の奴精神病院に行ってどうぞwwまぁ確かにこれ駄目だな -- たまに草を生やし過ぎる奴 (2016-05-08 00:43:13) - いやぁ、アリス怖いですね〜。 -- キング クズ (2016-05-10 16:43:52) - ゆぇーんどぼちちぇこんにゃこちょしゅるのじぇぇぇぇ!!まりちゃがいたいいたいでちょおおおおおおおお!!! -- まりちゃ (2016-09-27 20:19:26) - 魔理沙様ぁぁ!!!アリス様やめてあげてください!このままだと魔理沙様が死んでしまいます! -- 魔理沙の弟子 (2016-09-27 22:41:32) - こういうアリスは大嫌い &br()魔理沙ーーーーーーー。・゜・(ノД`)・゜・。 &br() -- 名無しさん (2016-10-04 15:40:40) - アリスはいつも通り -- 名無しさん (2016-10-04 18:21:19) - 魔理沙可哀想・・・ &br()だけど裏では、アリスの立場に &br()なりたい・・・ -- 名無しさん (2017-01-21 19:16:28) - 魔理沙がひどいめにあったら &br()なぜ興奮するのだろうか・・・ -- 名無しさん (2017-11-04 13:23:01) - 魔理沙 とうとうどMになったか -- ロリこん (2018-01-06 18:30:00) - 魔理沙いじめのシチュ好きな人って結構いるよね・・・ -- 名無しさん (2020-01-04 14:11:10) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
・注意書き・ ・アリス×魔理沙の妄想殴り書きです。 ・何の工夫もない単純な暴力が続きます。 ・これといってストーリーはありません。 ・嘘発見器という機械はファンタジーの産物です。 ・文章力がありません。 ・かわいいかわいいゴミクズの魔理沙に、豚のような悲鳴を上げさせたかった。 目を覚ますと、魔理沙はなぜか拘束されていた。 椅子に座ったかたちで縛られ、手には妙な機械が取り付けられている。 「あー?」 揺すってみる。縄目がしっかりとしていて、緩む気配はない。 よしんば解けたとして。逃げることは難しそうだった。 なぜなら。 犯人とおぼしき人物が、目の前にいたからだ。 「おいおい、アリスよ。これは一体何の冗談なんだ?悪趣味だぜ」 「ねえ魔理沙。質問に答えてね?」 抗議が聞こえていないかのように、アリスは魔理沙に話しかける。 尋常でないその様子に、冷たい汗が背中を濡らす。 「おいっ、アリス、質問には答えてやる。だからとりあえず解いてくれよ、これ──」 ガツンッ 「っ!?」 一瞬何が起こったのか分からなかった。 衝撃と共に白い星が散って、思考が停止する。 数秒してから、それが激痛だと分かる。 「~~~~ッッ!!!!」 ──痛い、痛い痛い痛い痛い痛いいだいッッ!!!! 声も出せずに魔理沙は悶えた。 涙がぼろぼろこぼれ、鼻の奥がつんときな臭くなった。 激痛に顔を歪める魔理沙の目の前にかざされている分厚い本──アリスが、片時も離さず持っているグリモワール。それが、自分の鼻を強く打ったのだと、魔理沙はようやく理解した。 「ア、アリスっ、なんで、こんな──」 言いかけて息を呑んだ。 アリスが表情一つ変えず、再びグリモワールを持った手を振り上げたからだった。 今度は、それが鼻筋に叩きつけられるであろうことが分かってしまった。そしてそれが、先程の激痛の再現になるであろうことも。 苦痛への恐怖が身体を硬直させる。やめろ、という言葉さえ追いつかなかった。 「ぐぎあゃっ!!」 魔理沙の少女らしい桜色の唇から、乙女にあるまじき悲鳴が漏れた。 しかし今の魔理沙にとって、それはまったくの瑣末事であり、そもそも、自身がそんな声をあげたことにすら、魔理沙は気付かなかった。 ただ思考を支配しているのは(いたいいたいいたいいたいいたいいたいたいいたい)という単純な形容詞の繰り返しだけで、二度の攻撃に耐えきれなくなった鼻が、ぼたぼたと鼻血を滴らせていることでさえ、認識するのにしばらくかかった。 灼けるような激痛はじきに引いて、あとにはずきずきとした痛みが残る。 ショックが治まって、残ったのは底冷えのする恐怖だった。 暗い穴を覗き込むみたいだ、と魔理沙は思った。 中が真っ暗で、でも得体の知れないなにかが蠢いていて。 見知っているはずのアリスが、得体の知れない、そんな洞窟みたいに思える。 アリスは色のない瞳で正面から魔理沙を見据えると、ゆっくりと、言い聞かせるように告げた。 「質問に、答えてね?」 口を開いたらまた殴られそうな気がして、怖くて何も言えなかった。 ただ、馬鹿みたいに何度もがくがくと頷く。 アリスは表情を変えぬまま、こう問うた。 「魔理沙は私のこと好き?」 一瞬、なにを訊かれているのか分からなかった。 その質問の内容を理解したとき、魔理沙は。 怯えを吹き飛ばした瞬間的な腹立ちに、つい、口走っていた。 「っ、こんなっ、殴られて、ぐず、なんでお前のこと好きじゃなきゃ──ぶぎゃっ!!」 濁った声を発して、魔理沙の頭が後ろに仰け反る。 再びの、顔面殴打。 止まりかけていた鼻血が勢いを増して流れ出る。 もはや、呼吸に支障が出る程だった。 ぶず、ぶず、と鼻から異音を発しながら、魔理沙は息苦しさに大口を開けて呼吸をする。 乙女にあるまじき汚い音を、しかし魔理沙は気にする余裕がない。 アリスがゆっくりと口を開く。 魔理沙の体に取り付けられた機械を覗き込みながら、聞き分けのない子供に説くように。 「コレね。嘘発見器っていうのよ」 「ぶ、ずず、ひゅ、なんだよ、ぞれ……?」 「嘘をついてるかどうか、分かるの。いいでしょ?」 視線を上げた、アリスの顔。 目をそらせない。 その顔が、笑みに変わっていく。 「あのね、魔理沙。余計なことはいいの」 笑顔で、猫撫で声で。 しかしそれは警告なのだった。 「余計なことを言ったり、嘘を吐いたり、答えを間違えたりしたら──分かるでしょ?」 答えを間違える、とはなんのことなのか。 酸素不足気味で思考の速度が鈍った脳には、すぐに理解できなかった。 そして、理解を許す時間も、与えられなかった。 アリスがもう一度、問う。 「『魔理沙は、私のこと、好き?』」 「うぐっ、ず、ぶっ、うう、ぎらい、だぜ──えぎゃっ!!」 殴打。 激痛以外の鼻の感覚はとうに消えていた。 鼻のかわりに痛みが顔についているみたいに思える。 噎せ返ると、鼻の奥から流れた血が塊で飛び散った。 嘘は吐いていない。 となると、これが。 「不正解ね」 本を小さく振って、アリスが言った。 ブックバンドが掛かった革の背表紙には、赤黒い色をした染みがついていた。 それが自分の血の色だ、というのが分かって── 「あ゙っ……あ゙……あ、ぐずっ、ごれ、も、ひっぐ、やだっ……」 さっき覚えたはずの激しい怒りは微塵もなく刈り取られて。 理不尽な暴力に怯えることしかできなかった。 アリスはそれでも容赦をしない。 「魔理沙は、私のこと、好き?」 「……ずっ、ふずず、ぐ……ず、ぶず……わがら、な……っ」 考える暇もなく続けられる問いに答えて。 本を振り上げるアリスの姿にまた、絶望を味わう。 「不正解」 「びっ、んぎゃッッ!!」 身を竦ませたせいで、本の角が直撃した。 縛り付けられていなかったら床を転げ回って悶えていただろう。 股間のあたりに急激に広がる暖かい感触。気付けば、失禁していた。 歯ががちがちと鳴る。恥ずかしさよりも何よりも、怖くて震えが止まらなかった。 「魔理沙は私のこと好き?」 魔理沙は自分に必死で言い聞かせる。 ──そうだ、友人としては好きだった、はずだ。 「ずぎ、だ」 「針が振れてる。嘘ね」 「ぎいゃっ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──私はアリスのことが好きなんだ。 「ぶぶ、ぐ、ず、ぎっ」 「嘘ね」 「ぐぎゃんッッ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──好きだよ好きだってアリス大好き大好きだ。 「はい嘘」 「ぐぎいぃいッ!!」 「魔理沙は私のこと好き?」 ──好き!好き!アリス、大好き!!アリスアリスアリスっ、大好き、大好き!! 「嘘」 「ぴぎゃっっ!!」 「魔理沙は──」 ***** もう何時間、そうしていたのか分からない。 同じく、どれほど口にしたかも分からない台詞を。 「っあ゛あ゛っ、アリ、ずっ、ずぎ、だいっ、ずきっっ」 がらがらになった声で、吐き出すように言う。 魔理沙の中からはすでに、強制されている、という意識は消えていた。 それこそが、矯正されている証なのだった。 ただ機械的に、それまでしてきたように。 今からまた鼻に受けるであろう衝撃に備え、魔理沙の身体には自然に力が入る。 数時間にも渡って延々と繰り返されてきた顔面への暴力。 それが、こなかったのだ。 不思議に思って視線を動かす。 計器を覗き込んでいるアリスの目が、すっと細められていた。 「嬉しい。ようやく『本当に』好きって言ってくれたのね」 夢見るような表情で、アリスが囁く。 終わりがないと思っていた暴力に、ゴールが見えた。 そのことが嬉しかったのか、アリスの表情が嬉しそうなのが嬉しくてなのか、自覚のないままに、気付けば魔理沙も痛む顔面を引きつらせて笑っていて。 ほんの少し、空気が緩んだような気がした、そのとき。 ぱんっ 左の頬で、熱が弾けた。 「あ……っ?」 笑顔のアリスに、平手で打たれたのだった。 混乱が、魔理沙の精神を揺るがす。 ──え、なんで。ぶつの、止めてくれないの? 実際のところ、『正しい』回答をしたところで、暴行が止む確証など何もなかった。 それでも、そこに一縷の望みを繋いで耐えてきたのだ。 それが、瓦解する。 「あ、っ、あ?あ、あー……」 気が狂ってしまう、と思った。 そこに、押し留める釘を刺すようなアリスの言葉。 「ご褒美よ。正解したから。平手打ちにしてあげる」 思考停止していた脳が、緩く回転しだした。 つまり。 グリモワールで殴打か平手撲ちか選べ、と言われているのだ。 平手の方がマシに決まっている。決まっているのだが── 魔理沙の心の中に、不信感がふつふつと湧き上がる。 アリスが好きと、必死で思いこんだ精神に亀裂が入った。 「──それじゃあ、続けましょうか。魔理沙は、私のこと好き?」 「う、う゛んっ、ずぎ……」 一度解けた自己暗示は、すぐには回復することはなく。 「ああ、また嘘になっちゃったわ」 そしてまた、グリモワールは振り上げられる。 ***** ──数日後。 神社に遊びに来た親友の顔を見て、霊夢は目を見開いた。 「どうしたのよ?その顔」 鼻に当てられたガーゼをくすぐったそうに掻きながら、恥ずかしそうに魔理沙が答える。 「ん、ちょっと、アリスと、な」 おおかた弾幕に顔面でも直撃されたんだろう、と、霊夢はあまり気にも留めなかった。 なぜなら、そのアリスは魔理沙の隣で、何でもない顔をしていたからだった。 ちょっとした怪我も、遺恨を残すようなものでなければ、別に日常的なことだ。 霊夢はそれ以上深く考えることなく。 いつものごとく暢気に、茶を淹れに立った。 縁側に取り残されたアリスと魔理沙は、ひそひそと囁くように話をする。 それは恋人同士の語らいのようでもあり。 「やっぱり、恥ずかしいぜ。アリスにぶってもらった傷、霊夢に見られるなんて」 「いいじゃない。見せつけちゃいましょ」 アリスは、そう言うと。 右手を振りかぶって。 折良く戻ってきた霊夢の目の前で。 「あんたたち、お茶──ッ!?」 嬉しそうな魔理沙の頬を、力一杯。 ぱあん! 急須と湯飲みが、落ちて割れる音がした。 ---- - やべぇ・・・俺は変態だったのか -- 名無しさん (2009-01-10 13:21:49) - 描写うまいな、鼻が痛くなったよ…まじで -- 名無しさん (2009-01-10 13:22:39) - 少なくとも自分が真性のドSだってことには気づいたw -- 名無しさん (2009-04-07 23:25:38) - いい展開なんだから、是非ストーリーをつけてほしかった。 -- J (2009-10-24 16:04:42) - どうやらぼくはへんたいさんだったらしい -- 名無しさん (2009-11-06 23:37:37) - なかなか文章力あるじゃないか。 -- 名無しさん (2010-06-03 01:37:33) - たまにはこの逆も書いて欲しいと思うw &br()Mなアリスがみたい -- 名無しさん (2010-06-18 01:16:27) - 霊夢さんなら上手くやってくれるさ -- 名無しさん (2013-05-23 16:48:13) - 文章力あるじゃない &br()あとアリス怖い &br()もっと続いて欲しかった -- 名無しさん (2013-05-24 17:59:16) - うむ・・・シンプルな奴程強い 俺にも殴れるかどうか… -- 名無しさん (2013-06-19 03:22:25) - おいおい、ただならぬ場所がマスタースパークしちまった -- 名無しさん (2013-08-23 23:45:03) - ちーん -- ww (2013-09-26 20:20:02) - ぷろろろろr -- (--) (2013-09-26 20:20:28) - アリス大嫌い &br() -- 名無しさん (2015-07-09 20:48:46) - ひどすぎでしょ( ; ; )魔理沙かわいそう… &br() -- 名無しさん (2015-07-22 15:39:33) - 可愛そうなのは霊夢 -- 名無しさん (2015-11-28 05:59:11) - やばい俺の理性が(ry -- 名無しさん (2015-12-02 01:21:04) - 霊夢いじめじゃないか! -- 名無しさん (2016-02-29 03:18:20) - まじかよ・・・・・ -- ジtlgsぅrhgs利lgkrsh振れwskへkルイージ8888889964 (2016-05-01 09:57:53) - アリス大ッッツ嫌い!! &br()魔理沙超・超・超可愛そうじゃん!! &br()アリス死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね &br()消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ &br()消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ &br()これ作った人も最低だね。最悪最悪最悪 &br()最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪 &br()最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪最悪 &br()最低最低最低最低最低最低最低最低最低 -- 名無しさん (2016-05-04 16:13:19) - 上の奴精神病院に行ってどうぞwwまぁ確かにこれ駄目だな -- たまに草を生やし過ぎる奴 (2016-05-08 00:43:13) - いやぁ、アリス怖いですね〜。 -- キング クズ (2016-05-10 16:43:52) - ゆぇーんどぼちちぇこんにゃこちょしゅるのじぇぇぇぇ!!まりちゃがいたいいたいでちょおおおおおおおお!!! -- まりちゃ (2016-09-27 20:19:26) - 魔理沙様ぁぁ!!!アリス様やめてあげてください!このままだと魔理沙様が死んでしまいます! -- 魔理沙の弟子 (2016-09-27 22:41:32) - こういうアリスは大嫌い &br()魔理沙ーーーーーーー。・゜・(ノД`)・゜・。 &br() -- 名無しさん (2016-10-04 15:40:40) - アリスはいつも通り -- 名無しさん (2016-10-04 18:21:19) - 魔理沙可哀想・・・ &br()だけど裏では、アリスの立場に &br()なりたい・・・ -- 名無しさん (2017-01-21 19:16:28) - 魔理沙がひどいめにあったら &br()なぜ興奮するのだろうか・・・ -- 名無しさん (2017-11-04 13:23:01) - 魔理沙 とうとうどMになったか -- ロリこん (2018-01-06 18:30:00) - 魔理沙いじめのシチュ好きな人って結構いるよね・・・ -- 名無しさん (2020-01-04 14:11:10) - こういうのもっとくれ -- 名無しさん (2020-03-10 08:31:45) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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