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メディの初めてのお茶会:7スレ915」(2011/01/14 (金) 21:44:29) の最新版変更点

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「ねえ、魔理沙」 「どうしたんだ霊夢改まって」 「最近私のプレイヤーがメディ子メディ子うるさいのよね」 「ああ……そんな奴もいたな。正直空気だから気にしなくてもいいんじゃないか?」 「いいえ、気に入らないわ。ちょっと現実というものをわからせてあげないとダメだわ」 「なんかアグレッシブだな」 「別にメディレイの絡みを書く練習とかじゃなくて、ただ単に私がむかついてるだけよ」 「そ、そうか……」 ****************************************** ということで、私たちはメディスンを呼び出すことにした。 私と魔理沙だけだと怯えてこない可能性があるので、手ごろな所で妖夢もいるって伝えておいた。もちろん誘ってなどいない。 こういう時にあの天然を装って狙ってる子が、役に立つとは思わなかった。 「なあ霊夢、本当に一人だけでくると思うか?」 「そうね……」 正直あの小さなおまけつきで来るだろうと予想している。 その時は一人で来いって言ったのに~ってことで文句つける材料になる。 どう転んでも来た時点で未来はきまっているのだ。 「あ、あのー」 「お客様の登場よ。魔理沙出てきて」 「自分の家なんだから自分で行けよな」 「いいから、ほら」 「ちぇ……今度お茶もらうからな」 「あら、いつもの事じゃない」 さてと、「特製」お茶の準備でもしようかしら。 「適当に座っていいんだぜ」 「わかった」 魔理沙が連れてきたようね。しっかりとおもてなししてあげないと。 「いらっしゃい、メディスン」 「今日はなんで呼んだの?」 「別に理由なんてないわよ。理由をつけるなら、私があなたとお茶したかったからだと思うわ」 「花以外で接点ないし、その花の接点ですら薄かったから仲良くなることはいいことだぜ」 「そうね。ちょっと疑ってたわ」 「まあお茶でも飲みながらゆっくりしましょ」 「特製」のお茶を出す。 (霊夢、なんだこのお茶は。においがすごいんだぜ) (葉巻の抽出液よ) (ちょっとそれは洒落にならないだろ) (いいのよ別に) 「私、お茶って飲んだことないんだ」 「いつも一人だものね。あ、別に悪い意味じゃないんだけど」 「ほとんど畑から出ないから」 「それなら今日が初めてお茶を飲む記念日ね」 「じゃあ、いただきます」 小さな唇が陶器に触れる。少しずつ傾いていく湯飲み。 (さあ、早くっ……) ゆっくりとだが、喉が動いたのを確認できた。 (飲んだ! ゆっくりしんでいってね!!) (れ、霊夢殺すつもりだったのか) (冗談よ。軽く倒れてもらうくらいが丁度いいわ) 「あ……」 「どうかしら? 私の特製茶は」 「すごくおいしい。お茶ってこんなに美味しいものだったんだ」 え? (ちょっと魔理沙どういうことよ) (知らないんだぜ。準備したの霊夢じゃないか) (うるさいわね、なんであんな平気な顔で飲めるのよ) (なあ霊夢、メディスンって毒人形だろ? 毒は好物なんじゃないか) (そ、その可能性はあるわね。ちょっと体にいいもの持ってくるわ) (どこ行くんだよ) (因幡しばいてくる。メディスンと話でもして時間稼いでおいて) (そんな無茶な) 「そうだ、それなら甘いお菓子も用意してあげるわ。どうせ初めてなんでしょ?」 「聞いたことはあるけど、食べたことは無い」 「ちょっとまっててね、今から作っちゃうわ」 「別に今からならいいよ」 「いいの、ほらまっててね。魔理沙頼んだわよ」 「はいはい、色んな意味で頼まれたぜ」 ***************************************** 霊夢が部屋から飛び出していった。 部屋に取り残されたのは私とメディスン。 私はメディスンに恨みなどまったく無い。というよりも、この子のことを何も知らない。 どうせ霊夢の奴は空回りして終わるだろうし、色々話をしてみることにした。 「なあ、いつも一人って言ってたけど何をしているんだ?」 「鈴蘭畑でまわったり、スーさんと遊んだりしてる」 「そうなのか。今日はよく来たな、人間嫌いなんだろ?」 「人間は嫌い。でも、外に出ないとダメだって言われたから」 「一応言っておくけど、人間にも色々な奴がいる。善良な心を持つ私みたいな人がね」 「善良ね……こそ泥のようにしか見えないけど」 「人は見た目じゃないってことさ。人だけじゃないさ、妖怪や鬼でも見た目じゃないんだ」 「まだ霊夢の方が巫女やってる分善良な感じだけど」 「善良……ねぇ。そういえばメディスンは本って読んだことある?」 「無いわ。鈴蘭畑に本なんて似合わないわ」 「残念だな、せっかくだし霊夢が来るまで何か簡単なのを読んであげよう」 「どうせ暇だし、聞いてみることにする」 私は一冊の本を読み上げることにした。 ***************************************** 天使と悪魔 天使は天国に住む、とてもとても美しい羽を持つものたちです。 地上の人はその美しい姿を崇拝し、とてもいとおしく思っていました。 ある時、戦争が起きました。 戦争はとても悲しい事です。人と人が争って、命を奪い合うのです。 天国の人たちはとても戦争が嫌いです。 いつも戦争がおこる度に悲しんでいました。 今回の戦争もとても長いものでした。 始まって1年が経ち、10年が経ちました。 さすがに見てられなくなった大天使様はこういいました。 「誰か勇敢な者は地上の戦争をとめてきてくれないか」と。 勇敢な若い天使の一人が、地上に降り立ち戦争の仲介に入ります。 だけど、人間は言う事を聞きません。 それもそうです。10年間もやっている戦争ですから、勝たないと意味が無いのです。 それでも必死に若い天使は戦争を止めようとしました。 ***************************************** 「ただいまー」 ああっと! いい所で霊夢が帰ってきたみたいだ。 「途中までだったけど、どうだった?」 「先が気になる……」 「そうだな、甘いお菓子でも食べ終わったら続きを読んであげよう」 「ありがとう魔理沙」 「お、初めて名前で呼んでくれたな」 「な、別にそれくらい自由でしょ」 もしかしたらメディスンはただ純粋なだけで、とてもいい子なのかもしれない。 「じゃーん、ケーキよケーキ」 「こりゃすごいな。どこから持ってきたんだ?」 「ちょっと因幡しばいて手伝ってもらったの」 「可愛そうに」 「でも、これでばっちりよ。さ、食べましょ」 ****************************************** それほど大きいケーキではないので、3等分することにした。 このケーキには秘密がある。 葉巻の逆。つまり、とても健康にいいケーキなのである。 師匠曰く、企業秘密ということらしいのだが、彼女が言っているなら本物だろう。 「どうぞ召し上がれ」 「いただくんだぜ」 「いただきます」 3人が一斉に食べ始める。 これ本当に体にいいのかわからないくらい美味しい。 きっとこの甘さが魔法みたいなもので、何か特別なものを隠しているに違いない。 料理は魔法だと本当に思う。 「みんなどう?」 「おいしいぜ。こりゃ毎日食べても飽きないな」 「すごく美味しい。こんなの食べたことないよ」 「そう? それなら私の分も半分あげるわ。喜んでもらえる子に食べてもらう方がいいし」 「え、いいの? ありがとう」 どうぞ。いくらでも食べてください。 そうすればそうするほど、健康成分が体を駆け巡るのだから。 半刻もしないうちにケーキは無くなった。 魔理沙とメディスンは色々仲良さげに会話していたが、私はいつ効果が現れるのかだけを考えていた。 そして、そのときが来た。 「うーん……なんか眠くなってきたかも」 「慣れない外で疲れちゃったのかもね」 「そうかも。そろそろ帰ろうかな」 「ちょっと休んでいけばいいわ。炬燵で寝るのは幸せの1つなのよ」 「それならそうしようかな」 「ぜひぜひ。ゆっくり休んでね(もう目覚めないくらい)」 「それじゃあ起きたらさっきの続きでも読んであげよう」 「ありがとう。それじゃ……ちょっと……休むね」 「なあ、霊夢は本当にこれでよかったのか? どうせ起きるとは思うが」 「ふふん、成功よ成功。この子はもう目を覚まさない。そして、プレイヤーはまた私のところに戻ってくる」 「なんだかなぁ……私もちょっと休ませてもらうんだぜ」 「私も疲れた。因幡の奴らが融通聞かなくてね」 「それじゃ、おやすみなんだぜ」 「はい、おやすみ」 ******************************************* 「ん、んん……」 ああ、そういえば炬燵で寝てたんだったな。 もう外は真っ暗じゃないか。どんだけ寝ていたんだ。 部屋は暗く、風の音くらいしか聞こえない。 そして、寝息は1つ。 霊夢の物。 ああ、霊夢の奴成功してしまったのか。 とても悲しい気分になってしまったので、荷物を整理することにした。 「いたっ……小指ぶつけてしまったぜ」 ああ、これはさっきの本。 パラパラと紙をめくってみると、栞が挟まっているページで止まった。 そうだったな、読んであげる約束したんだよな。 私は静かな声で目を覚まさない少女に語りかけることにした。 ********************************************* 若い天使はがんばってがんばって、戦争を止めようとしました。 しかし戦争は終わるどころか勢いを増すばかりです。 心が折れそうになりつつも、若い天使はあきらめませんでした。 しかし、その頑張りは人間には届きませんでした。 若い天使は捕まってしまったのです。 人々によって崇拝されていた天使。でも今ははりつけにされている天使。 天使は小さな言葉で問い掛けました。 「世の中で、正しいことは一体何なのでしょうか?」 人々が恐れる悪魔。 それは人間自身だったのかもしれません。 ********************************************* 流れる涙が止まりません。 「皮肉な話だったな……」 私にとって霊夢は大切だし、目の前の少女もきっと大切な人になれたはずだった。 一緒に本を読み、散歩し、図書館で迷惑をかける。 この感情がわからない。 霊夢は大切だけど憎い。 だめだ、今日はもう帰ろう。 そして、明日はいつものように生きよう。 この動かなくなってしまった少女の分まで強く。 さようなら、純粋なお人形さん。 こんにちは、罪を背負った人生。 おわり。 --- - イイハナシダナー -- 名無しさん (2010-07-31 00:30:53) - れいむしね -- 名無しさん (2010-08-01 17:26:31) - 案外鈴蘭畑に行ったら再起動しそうな気もする &br()そして今度は霊夢をですね 毒でですね -- 名無しさん (2010-08-02 21:46:56) - サカタハルミジャン! -- 名無しさん (2010-08-02 22:59:58) - 魔理沙・・・ -- 名無しさん (2010-08-13 16:26:00) - 久々に読んでみたら前より一段と泣けたぞい··· &br()世間では空気でも、俺には結構好きなキャラなんだがな···でも、むしろ不人気の方が占領感があるんだよなぁw &br()俺は昔から花映塚の使用している自機はメディスンだからかな。いや、好きだから使ってやってるんだろうな。 &br()メディスンもそうだが、好きなキャラは妄想してシチュエーションいつも考えちゃうよなぁ···こんな年頃じゃねえのに、情けねえぜ。 &br()感想を書く所で自分の事を長々と書いちゃったな。まじ悪かった。許してくれ。 -- 七な名無し (2011-01-14 19:07:47) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
「ねえ、魔理沙」 「どうしたんだ霊夢改まって」 「最近私のプレイヤーがメディ子メディ子うるさいのよね」 「ああ……そんな奴もいたな。正直空気だから気にしなくてもいいんじゃないか?」 「いいえ、気に入らないわ。ちょっと現実というものをわからせてあげないとダメだわ」 「なんかアグレッシブだな」 「別にメディレイの絡みを書く練習とかじゃなくて、ただ単に私がむかついてるだけよ」 「そ、そうか……」 ****************************************** ということで、私たちはメディスンを呼び出すことにした。 私と魔理沙だけだと怯えてこない可能性があるので、手ごろな所で妖夢もいるって伝えておいた。もちろん誘ってなどいない。 こういう時にあの天然を装って狙ってる子が、役に立つとは思わなかった。 「なあ霊夢、本当に一人だけでくると思うか?」 「そうね……」 正直あの小さなおまけつきで来るだろうと予想している。 その時は一人で来いって言ったのに~ってことで文句つける材料になる。 どう転んでも来た時点で未来はきまっているのだ。 「あ、あのー」 「お客様の登場よ。魔理沙出てきて」 「自分の家なんだから自分で行けよな」 「いいから、ほら」 「ちぇ……今度お茶もらうからな」 「あら、いつもの事じゃない」 さてと、「特製」お茶の準備でもしようかしら。 「適当に座っていいんだぜ」 「わかった」 魔理沙が連れてきたようね。しっかりとおもてなししてあげないと。 「いらっしゃい、メディスン」 「今日はなんで呼んだの?」 「別に理由なんてないわよ。理由をつけるなら、私があなたとお茶したかったからだと思うわ」 「花以外で接点ないし、その花の接点ですら薄かったから仲良くなることはいいことだぜ」 「そうね。ちょっと疑ってたわ」 「まあお茶でも飲みながらゆっくりしましょ」 「特製」のお茶を出す。 (霊夢、なんだこのお茶は。においがすごいんだぜ) (葉巻の抽出液よ) (ちょっとそれは洒落にならないだろ) (いいのよ別に) 「私、お茶って飲んだことないんだ」 「いつも一人だものね。あ、別に悪い意味じゃないんだけど」 「ほとんど畑から出ないから」 「それなら今日が初めてお茶を飲む記念日ね」 「じゃあ、いただきます」 小さな唇が陶器に触れる。少しずつ傾いていく湯飲み。 (さあ、早くっ……) ゆっくりとだが、喉が動いたのを確認できた。 (飲んだ! ゆっくりしんでいってね!!) (れ、霊夢殺すつもりだったのか) (冗談よ。軽く倒れてもらうくらいが丁度いいわ) 「あ……」 「どうかしら? 私の特製茶は」 「すごくおいしい。お茶ってこんなに美味しいものだったんだ」 え? (ちょっと魔理沙どういうことよ) (知らないんだぜ。準備したの霊夢じゃないか) (うるさいわね、なんであんな平気な顔で飲めるのよ) (なあ霊夢、メディスンって毒人形だろ? 毒は好物なんじゃないか) (そ、その可能性はあるわね。ちょっと体にいいもの持ってくるわ) (どこ行くんだよ) (因幡しばいてくる。メディスンと話でもして時間稼いでおいて) (そんな無茶な) 「そうだ、それなら甘いお菓子も用意してあげるわ。どうせ初めてなんでしょ?」 「聞いたことはあるけど、食べたことは無い」 「ちょっとまっててね、今から作っちゃうわ」 「別に今からならいいよ」 「いいの、ほらまっててね。魔理沙頼んだわよ」 「はいはい、色んな意味で頼まれたぜ」 ***************************************** 霊夢が部屋から飛び出していった。 部屋に取り残されたのは私とメディスン。 私はメディスンに恨みなどまったく無い。というよりも、この子のことを何も知らない。 どうせ霊夢の奴は空回りして終わるだろうし、色々話をしてみることにした。 「なあ、いつも一人って言ってたけど何をしているんだ?」 「鈴蘭畑でまわったり、スーさんと遊んだりしてる」 「そうなのか。今日はよく来たな、人間嫌いなんだろ?」 「人間は嫌い。でも、外に出ないとダメだって言われたから」 「一応言っておくけど、人間にも色々な奴がいる。善良な心を持つ私みたいな人がね」 「善良ね……こそ泥のようにしか見えないけど」 「人は見た目じゃないってことさ。人だけじゃないさ、妖怪や鬼でも見た目じゃないんだ」 「まだ霊夢の方が巫女やってる分善良な感じだけど」 「善良……ねぇ。そういえばメディスンは本って読んだことある?」 「無いわ。鈴蘭畑に本なんて似合わないわ」 「残念だな、せっかくだし霊夢が来るまで何か簡単なのを読んであげよう」 「どうせ暇だし、聞いてみることにする」 私は一冊の本を読み上げることにした。 ***************************************** 天使と悪魔 天使は天国に住む、とてもとても美しい羽を持つものたちです。 地上の人はその美しい姿を崇拝し、とてもいとおしく思っていました。 ある時、戦争が起きました。 戦争はとても悲しい事です。人と人が争って、命を奪い合うのです。 天国の人たちはとても戦争が嫌いです。 いつも戦争がおこる度に悲しんでいました。 今回の戦争もとても長いものでした。 始まって1年が経ち、10年が経ちました。 さすがに見てられなくなった大天使様はこういいました。 「誰か勇敢な者は地上の戦争をとめてきてくれないか」と。 勇敢な若い天使の一人が、地上に降り立ち戦争の仲介に入ります。 だけど、人間は言う事を聞きません。 それもそうです。10年間もやっている戦争ですから、勝たないと意味が無いのです。 それでも必死に若い天使は戦争を止めようとしました。 ***************************************** 「ただいまー」 ああっと! いい所で霊夢が帰ってきたみたいだ。 「途中までだったけど、どうだった?」 「先が気になる……」 「そうだな、甘いお菓子でも食べ終わったら続きを読んであげよう」 「ありがとう魔理沙」 「お、初めて名前で呼んでくれたな」 「な、別にそれくらい自由でしょ」 もしかしたらメディスンはただ純粋なだけで、とてもいい子なのかもしれない。 「じゃーん、ケーキよケーキ」 「こりゃすごいな。どこから持ってきたんだ?」 「ちょっと因幡しばいて手伝ってもらったの」 「可愛そうに」 「でも、これでばっちりよ。さ、食べましょ」 ****************************************** それほど大きいケーキではないので、3等分することにした。 このケーキには秘密がある。 葉巻の逆。つまり、とても健康にいいケーキなのである。 師匠曰く、企業秘密ということらしいのだが、彼女が言っているなら本物だろう。 「どうぞ召し上がれ」 「いただくんだぜ」 「いただきます」 3人が一斉に食べ始める。 これ本当に体にいいのかわからないくらい美味しい。 きっとこの甘さが魔法みたいなもので、何か特別なものを隠しているに違いない。 料理は魔法だと本当に思う。 「みんなどう?」 「おいしいぜ。こりゃ毎日食べても飽きないな」 「すごく美味しい。こんなの食べたことないよ」 「そう? それなら私の分も半分あげるわ。喜んでもらえる子に食べてもらう方がいいし」 「え、いいの? ありがとう」 どうぞ。いくらでも食べてください。 そうすればそうするほど、健康成分が体を駆け巡るのだから。 半刻もしないうちにケーキは無くなった。 魔理沙とメディスンは色々仲良さげに会話していたが、私はいつ効果が現れるのかだけを考えていた。 そして、そのときが来た。 「うーん……なんか眠くなってきたかも」 「慣れない外で疲れちゃったのかもね」 「そうかも。そろそろ帰ろうかな」 「ちょっと休んでいけばいいわ。炬燵で寝るのは幸せの1つなのよ」 「それならそうしようかな」 「ぜひぜひ。ゆっくり休んでね(もう目覚めないくらい)」 「それじゃあ起きたらさっきの続きでも読んであげよう」 「ありがとう。それじゃ……ちょっと……休むね」 「なあ、霊夢は本当にこれでよかったのか? どうせ起きるとは思うが」 「ふふん、成功よ成功。この子はもう目を覚まさない。そして、プレイヤーはまた私のところに戻ってくる」 「なんだかなぁ……私もちょっと休ませてもらうんだぜ」 「私も疲れた。因幡の奴らが融通聞かなくてね」 「それじゃ、おやすみなんだぜ」 「はい、おやすみ」 ******************************************* 「ん、んん……」 ああ、そういえば炬燵で寝てたんだったな。 もう外は真っ暗じゃないか。どんだけ寝ていたんだ。 部屋は暗く、風の音くらいしか聞こえない。 そして、寝息は1つ。 霊夢の物。 ああ、霊夢の奴成功してしまったのか。 とても悲しい気分になってしまったので、荷物を整理することにした。 「いたっ……小指ぶつけてしまったぜ」 ああ、これはさっきの本。 パラパラと紙をめくってみると、栞が挟まっているページで止まった。 そうだったな、読んであげる約束したんだよな。 私は静かな声で目を覚まさない少女に語りかけることにした。 ********************************************* 若い天使はがんばってがんばって、戦争を止めようとしました。 しかし戦争は終わるどころか勢いを増すばかりです。 心が折れそうになりつつも、若い天使はあきらめませんでした。 しかし、その頑張りは人間には届きませんでした。 若い天使は捕まってしまったのです。 人々によって崇拝されていた天使。でも今ははりつけにされている天使。 天使は小さな言葉で問い掛けました。 「世の中で、正しいことは一体何なのでしょうか?」 人々が恐れる悪魔。 それは人間自身だったのかもしれません。 ********************************************* 流れる涙が止まりません。 「皮肉な話だったな……」 私にとって霊夢は大切だし、目の前の少女もきっと大切な人になれたはずだった。 一緒に本を読み、散歩し、図書館で迷惑をかける。 この感情がわからない。 霊夢は大切だけど憎い。 だめだ、今日はもう帰ろう。 そして、明日はいつものように生きよう。 この動かなくなってしまった少女の分まで強く。 さようなら、純粋なお人形さん。 こんにちは、罪を背負った人生。 おわり。 --- - イイハナシダナー -- 名無しさん (2010-07-31 00:30:53) - れいむしね -- 名無しさん (2010-08-01 17:26:31) - 案外鈴蘭畑に行ったら再起動しそうな気もする &br()そして今度は霊夢をですね 毒でですね -- 名無しさん (2010-08-02 21:46:56) - サカタハルミジャン! -- 名無しさん (2010-08-02 22:59:58) - 魔理沙・・・ -- 名無しさん (2010-08-13 16:26:00) - 久々に読んでみたら前より一段と泣けたぞい··· &br()世間では空気でも、俺には結構好きなキャラなんだがな···でも、むしろ不人気の方が占領感があるんだよなぁw &br()俺は昔から花映塚の使用している自機はメディスンだからかな。いや、好きだから使ってやってるんだろうな。 &br()メディスンもそうだが、好きなキャラは妄想してシチュエーションいつも考えちゃうよなぁ···こんな年頃じゃねえのに、情けねえぜ。 &br()感想を書く所で自分の事を長々と書いちゃったな。まじ悪かった。許してくれ。 -- 七な名無し (2011-01-14 19:07:47) - ↑絶対に許すん! -- 名無しさん (2011-01-14 21:44:29) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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