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186 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2008/01/05(土) 02:24:46 ID:6D3f8Ljo0 いじめじゃないですよ、好意でやってるんですよ? 水を地肌で感じられる様に服は脱がした。 足場は滑るから変に暴れて転んで頭を打たない様に縛ってあげた。 準備は調ったので、 乾燥しているであろうその頭に川で汲んで来たばかりの新鮮な水を掛ける。 「ひぎぃぃぃぃっ!」 彼女は上がり調子に嬌声を上げた。 冬場は空気が乾燥するが、頭の皿は相当渇いていたのだろう。 「ぁ・・・!ぁ・・・!」 歯をガチガチと鳴らしていた。 そんなに水が恋しいか。 僕は君の事が好きだから焦らしたりしないよ。 タンクに汲んだ水をバケツに注ぎ、 再び彼女の体に浴びせる。 「ひぃゃぁぁぁぁぁっ!」 縄で縛られた体がうねうねと動く。 「ちょっと待ってよ、そんなに何度も続けて掛けたりできないよ」 「にぃぃっ・・・げんっ!」 余程興奮しているのか、上手く喋れてない。 「おんぅぅ・・・あぁぁぁだっ!」 何かを言おうとして口を開いたにとりの口に、ホースで水を掛ける。 「いぃぃやぁぁぁっ!」 にとりは叫んだ後がっくりとうなだれ、 動いていた体も痙攣が止まってしまった。 ・・・何だ、たった三回か。 河童も冷気には弱いんだな。 気絶したにとりを抱え、彼女の家に連れていく。 家についたら今度は風呂場で吊し上げる。 ホースと水道を繋ぎ、外の貯水タンクに薬剤を入れて準備完了。 にとりに水を浴びせて目覚めさせる。 「む・・・むぅぅぅぅ!」 今度は口にも縄を当ててるから叫んだりは出来ないよ。 厄神様や白狼天狗に助けられちゃ面白く無いしね。 にとり・・・ごめんね、僕も里に帰らなきゃいけないんだ。 でも君の体に水を浴びせないとすぐに乾燥しちゃうからね、 だからこうして縛り上げてホースを宛がって水を浴びせる様にしたんだ。 にとりは状況で大体を察した様で、嬉しそうに身をよじらせている。 ただ、彼女も心配だろうからこれだけは教えとかないとね。 「ホースから出る水は、不凍液になってるから。  夜中に気温が氷点下になっても大丈夫だよ」 今の一言、僕の気遣いが相当嬉しかったのか、 にとりは目を見開き、汗を流していた。 水道栓を捻り、にとりの家から出ると、 風呂場の方からくぐもった悲鳴が聞こえ始めた。 日は既に山の端に係り、 吐く息の白さも見えづらくなっていた。

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