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174 名前:168[sage] 投稿日:2007/09/27(木) 05:33:48 ID:u.2rt27U0 妄想を文章に起こすのは難しいんだな。気づいたらもう朝 主人に見放されたショックで自信を失う咲夜さん 当てもなく幻想郷を彷徨い霊夢に出会う 「ふーん、あんたレミリアに捨てられたの?」 「…」 「まあ、とりあえずウチへいらっしゃいよ。ご飯くらいなら食べさせてあげるから」 久しぶりに人間らしい扱いを受けて思わず泣いてしまう咲夜さん (どうせ私はお嬢様の元へは帰れない。けど、霊夢なら私を置いてくれるかも…) 「霊夢…私を貴方の神社に置いて頂戴。もう行く所が無いの。お願い…」 かつての瀟洒さはどこへやら、プライドも捨てて頼み込む 「まあ、いいけど」と、適当に決める霊夢。 こうして咲夜さんと霊夢の蜜月の日々が始まった レミリアに捨てられたことがトラウマになり、紅魔館に居た頃以上に献身的な働きを見せる彼女に 楽でいいわと霊夢はご機嫌 霊夢に褒められる度に少しずつ自信を取り戻し、次第に霊夢へ依存するようになっていった しかし彼女は忘れていた、いや、あえて考え無い様にしていたのかもしれない よくレミリアがこの神社に遊びに来ることを。 一方レミリアはメイド達が自分を騙していたことに気づき激怒 首謀格を八つ裂きにした後、残ったメイドに咲夜の捜索を命じる 居場所はあっさり見つかった。報告によると博麗神社に居候しているという しかしどうやって連れ戻そうかと悩む 私が間違っていたので戻ってきて欲しい等とは口が裂けても言えない。プライドが許さない ともかく様子を見に行くことにしよう どうせ私を恋しがって泣いているだろうから、私が行けば向こうから戻してくださいと懇願してくるはず 神社への道中、根拠も無くそう思っていた 「霊夢、お茶が入ったわ」 「あら、ありがとう。あんたって本当に気が利くわね」 「そう言って貰えると嬉しいわ。私も貴方に尽くせて幸せよ」 「あ、あはは…(こんな性格だったかしら)」 霊夢は気づいていた。咲夜にとって自分はレミリアの代わりでしかないことに。 それはそれで別にどうでもいい。むしろどうにかして元の鞘に戻してやりたいと思う 頃合をみてレミリアに口添えをして咲夜を帰すつもりではあったが、 家事や仕事を手伝ってくれる咲夜の便利さにかまけてズルズルと引き伸ばしていたのも事実 いい加減帰さないと。とは思いつつ、ズズっとお茶を啜る自堕落巫女。面倒臭がりは罪かもしれない その一部始終をレミリアは蝙蝠に化けて見ていた (何だコレは?) まるでレミリアに対する時と同等、いやそれ以上に甲斐甲斐しく霊夢の世話をする咲夜 (幸せ?この私に追い出されて幸せだというのか) 胸には正体不明の炎が渦巻く。知る人ぞ知る嫉妬の炎 元はといえば原因は自分なのだが、悪魔は大概自己中心的なものである 「そうか、お前は尽くす相手が誰でも構わないのか。誰にでも尻尾を振る犬め」 突然の第三者の声に二人が驚いて振り向くと、咲夜は全身が総毛立つのを感じた 「お、お嬢様…」 「お嬢様?お前にそう呼ばれる筋合いはないわ。霊夢と遊びにきたのだけれど、野良犬が紛れ込んでるとはね」 怒りのままに姿を現し咲夜を罵倒するレミリア もはや咲夜を連れ戻す気は無くなっていた。代わりにあるのは咲夜への怒り。可愛さ余って憎さ100倍とはこのことか 一度ならず二度までも主人に突き放されたことで咲夜は完全にレミリアを恐れた (また苛められる。もう頼れるのは霊夢だけ。) 自分の背中に隠れてカタカタ震える咲夜を見て、霊夢は溜息をつく (なんて泥沼。こんなはずじゃなかったのに。) 「えーと、とりあえず、今日のところは帰ってくれる?咲夜のことは悪いようにはしないから」 「ふん、別にそいつのことなんてどうでもいいけど。でも目障りだわ。次に来るときまでに消しておいて」 そう言い捨ててさっさと帰っていく。 まるでここに居ては汚れるといわんばかりに。 「さて、次はあんたね。いつまで背中にくっついてるつもり?」 レミリアが帰ったことで少し安心したのか、背中から離れる咲夜 「ありがとう、貴方には感謝してもし足りないわ」 レミリアを帰したことを自分を庇ってくれたと解釈した咲夜は潤んだ瞳で霊夢に礼を告げる かつてのレミリアへの信頼はそのまま恐怖に変わり、かつてのレミリアへの信頼はそのまま霊夢への信頼に変わっていた 「あー、うん、まあ、どういたしまして」 生返事をしながら霊夢は考える 早めに二人を仲直りさせないといけない 長引かせるとロクなことにならないのは先程証明されたばかりだ(もっとも自業自得だが) でもレミリアの方はともかく、咲夜を説得するのは骨が折れそうね、と これからのことを思い鬱な気分になるのだった 175 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2007/09/27(木) 05:34:24 ID:u.2rt27U0 数日後、夕食後のお茶を啜りながら霊夢は切り出した 「ねえ、咲夜。そろそろ紅魔館へ戻らない?」 「嫌よ」即答 先日の一件以来、咲夜はますます霊夢に依存していた またお嬢様が来るかもしれないから、と言っては霊夢にべったりくっつき、寝床にまで入ってくる始末 完璧で瀟洒な従者の面影は消え失せ、いまや母親に甘える子供の様 「そう言ってもねぇ、このままじゃあんたの為にも良くないわ。実はもうレミリアには話をつけてあるの。 あんた他のメイドに嵌められたんだって?あいつもああみえて反省してたわよ。騙されて咲夜に酷いことを言っちゃったって。 この前来たのも本当はあんたを連れ戻すつもりだったみたいだし、このへんで仲直りした方がいいわ」 しかし咲夜は信じない 脳裏に蘇るのはレミリアの冷たい瞳、メイド達の嘲笑、ゴミの様に追い出された自分 今の暮らしが平穏であればあるほど、過去のトラウマは強く咲夜を抉る 二度とあんな思いをするのは御免だった 「嫌よ、絶対に嫌。帰ったらまた苛められるもの。ひょっとしたら殺されるかもしれない。 貴方も見たでしょう?あの時のお怒りの様子を。騙されてるのは貴方よ、霊夢」 予想していた反応とはいえ、やはり埒があかない。 仕方なく霊夢は強引に話を進めることにした 「明日の夜、紅魔館へ帰るのよ。私もついてってあげるから。家出ごっこはおしまいにしなさい」 「どうしてそんなことを言うの?私、何か失敗した?貴方まで私を捨てるの?」 「いい加減にしなさい!」 ビクっと怯えた目でを見る咲夜に、霊夢は慌てて取り繕う 「あ、あのね、捨てるとかじゃないのよ。それにレミリアもあんたを捨ててなんかないの。 この前来た時はちょっとヤキモチ焼いちゃっただけだって。私がちゃんと叱っておいてあげたから、もう大丈夫よ。 もしまた何かあったら、いつでもここに来ていいから、ね?」 「もう、いいわ。私、いくから」 聞いているのかいないのか、世界中の不幸を集めた様な表情でポツリと漏らす 霊夢は流石に心配になって 「そんなに急がなくても…せめてお風呂に入ってぐっすり寝てからの方が…」 そこまで言いかけて、既に咲夜が居なくなっていることに気づいた。 レミリアに続き、霊夢にまで捨てられた(と思い込む)ことによって 咲夜は完全に人間(妖怪)不信に陥っていた もう誰にも会いたくない そう思い時を止めて自分の世界に閉じこもる 膝を抱えて目を瞑っても思い出すのは紅魔館や少ない友人との楽しい思い出ばかり しかしそれらが全て偽りのものだったなんて、悲しみを通り越して笑えてくる 咲夜は泣きながら笑っていた 時が止まった世界で朽ち果てるまで 「可哀想な子。救いようが無いわ」 やけに長く時が止まっている、と原因を探りにきた妖怪は隙間の中からそう漏らした この後、霊夢は自責の念から他者に対して更に距離を置く様になり、 レミリアは霊夢を憎む様になるのだが、それはまた別の話

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