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  午後の昼下がりで白玉楼。わたし魂魄妖夢は、幽々子様がお暇だということで弾幕勝負のお付き合いをしていた。   そのときである。かわしてくださるという前提で放った正眼突きが、幽々子様の胸を貫いたのである。   驚いて、刀から手が離れた。幽々子様も驚ろかれていた。   沈んでいく幽々子様を、急いで抱きかかえる。   幽々子様のお声は意外にも弱々しかった。   急いで刀を抜く。幽々子様は咳き込まれた。   幽々子様は考え事をしてしまったせいで、回避できなかったとおっしゃった。   それにしても幽々子様は刀が刺さっていたところを押さえ、酷く苦しんでいらっしゃる。   すでに死んだ身であるはずの幽々子様に、なぜこんな傷を与えてしまったのか。   わたしの刀如きに大きな傷を与えるなんてできるはずがない。   刀の妖力が、幽々子様を傷つけたというのか。   確かにわたしは昨日酷い過ちを犯し、幽々子様にこっ酷く怒られてしまった。   そのことで幽々子様に腹が立ったといえば嘘にはなる。   弾幕遊びに付き合うよう申されたとき、昨日のこともあって負かせてみようと思った。   でもこんなに、ここまで、幽々子様を苦しめよう等と一片も思っていない。   僅かな邪心が刀の妖力を増幅させて、殺傷力が高まっていたとでもいうのだろうか。   幽々子様が、さらに大きく咳き込まれた。   どうにかしようにも、生霊である幽々子様を治す薬などこの世に存在するのか。   わたしは、幽々子様に謝るしかなかった。謝って、傷の回復を待つしかなかった。   幽々子様が「仕方なかったわ」「妖夢は悪くない」と呟かれた。   聞き取ることさえ難しいほど声に覇気はなく、意識も途絶え途絶えのようであった。   わたしはただ泣くしかできなかった。今は自分の利き腕が憎い。その自分さえ憎い。   幽々子様が微笑まれ、わたしの頬を撫でてくださる。   その撫でてくださる手を掴んだとき、抱えていた重みが無くなった。   今、幽々子様が、わたしが手をかけたために、お隠れになった。   そんな。どうしてこうなったというのだろう。   守護者であるわたし自らが、守るべき主人の命を奪うなんて。   絶望した。そして自分の犯した罪に恐怖した。   自分の利き腕を壊した。そんなことでは罪の意識は消えなかった。   ただただ、泣くことしかできなかった。   このことが幻想郷中に知れ渡り、見知った顔の者が白玉楼を訪れた。    紅白の巫女と黒白の魔法使いは仕方がなかったではないかと、わたしを慰めた。   紅魔館の門番も、わたしを慰めた。   紅魔館のメイド長は従者のくせに何たる大罪を犯したのかと、わたしを非難した。   そのメイド長が従う紅魔館の主は、わたしを見てただ笑った。   幽々子様のご友人である紫様はこんな刀で本当に滅んでしまったのかと、不思議がっていらした。苛立った表情で。   永遠亭のお姫様と薬師も、紅白や白黒と同様わたしを慰めた。   いつもは騒がしいはずの騒霊達さえも、静かにお悔やみを申し上げた。   新聞記者の天狗は幽々子様のことを新聞記事にするために、集まった人妖達から話を聞いていた。   勿論、わたしのところにも来た。   如何なる質問にも、ただただ幽々子様への謝罪しか返すことができなかった。   いつしか天狗も、わたしを慰めた。   最後に現れた幻想郷の閻魔様は、泣きながらにわたしに御説教をしていただいた。   その説教も、ただ幽々子様のお悔やみを申し上げるだけになっていった。   慰めを頂いたところで、何にもならなかった。   虚しい現実が残るだけなのだから。   いっそ、周りの人妖全てから嫌われて欲しかった。   そのほうが、まだ気が済んだ。優しさが痛みに感じた。   わたしがあのとき、些細なことで幽々子様に腹を立てなければこんなことには……。   幽々子様無き白玉楼は、統率を失い、自由に動き回る死霊で一杯になった。   反霊の自分も、少なからず影響を受けた。   僅かながらも積もる死霊の祟りに、次第に苦しめられていった。   これは幽々子様のお怒りなんだと思って、白玉楼から逃げることなく死霊の力を受け止めた。   暴走した死霊の中には、生霊へと変化する者もいた。   その生霊の中には、生前色欲のためだけに生きていたような者さえいた。   わたしはそんな生霊に襲われても、されるがままこの身を汚していただいた。   自分の処女を愛すべき者でもない誰かに、奪っていただいた。   そんな日々の中、残されたもう一本の腕で何度も切腹を試みた。   試みるたび、罪の意識から楽になりたいだけではないかと自分を責めて、とどまった。   まだわたしの命は長い。   幽々子様が復活すると信じて、命ある限りこの白玉楼で待ち続けようと思った。   今日も、何らかの方法で自虐する。性欲にまみれた下衆な生霊を待つ。   わたしの生を全うするまで。お嬢様に罪を許されるまで。 ---- - 興奮した -- 名無しさん (2008-10-17 21:47:49) - レミリア「m9(^Д^)プギャー!!」 -- 名無しさん (2009-03-13 20:42:16) - 残されたもう一本の腕・・・利き腕切ったのか? -- 名無しさん (2009-07-20 17:19:39) - 一方、ゆかりんとゆゆ様は今更ドッキリでしたとはいいだせなかった -- 名無しさん (2009-07-28 23:33:05) - 西行寺幽々子 死因:空腹 -- 名無しさん (2009-09-22 00:25:05) - ↑ゆかりんの驚き方とか見てると、有り得る希ガスwww -- 名無しさん (2010-11-04 07:58:20) - レミリアが笑ってるあたり真犯人なきがしてきた -- 名無しさん (2010-11-05 06:20:42) - 紅魔館組はいつも通り -- 名無しさん (2014-07-02 22:11:36) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
  午後の昼下がりで白玉楼。わたし魂魄妖夢は、幽々子様がお暇だということで弾幕勝負のお付き合いをしていた。   そのときである。かわしてくださるという前提で放った正眼突きが、幽々子様の胸を貫いたのである。   驚いて、刀から手が離れた。幽々子様も驚ろかれていた。   沈んでいく幽々子様を、急いで抱きかかえる。   幽々子様のお声は意外にも弱々しかった。   急いで刀を抜く。幽々子様は咳き込まれた。   幽々子様は考え事をしてしまったせいで、回避できなかったとおっしゃった。   それにしても幽々子様は刀が刺さっていたところを押さえ、酷く苦しんでいらっしゃる。   すでに死んだ身であるはずの幽々子様に、なぜこんな傷を与えてしまったのか。   わたしの刀如きに大きな傷を与えるなんてできるはずがない。   刀の妖力が、幽々子様を傷つけたというのか。   確かにわたしは昨日酷い過ちを犯し、幽々子様にこっ酷く怒られてしまった。   そのことで幽々子様に腹が立ったといえば嘘にはなる。   弾幕遊びに付き合うよう申されたとき、昨日のこともあって負かせてみようと思った。   でもこんなに、ここまで、幽々子様を苦しめよう等と一片も思っていない。   僅かな邪心が刀の妖力を増幅させて、殺傷力が高まっていたとでもいうのだろうか。   幽々子様が、さらに大きく咳き込まれた。   どうにかしようにも、生霊である幽々子様を治す薬などこの世に存在するのか。   わたしは、幽々子様に謝るしかなかった。謝って、傷の回復を待つしかなかった。   幽々子様が「仕方なかったわ」「妖夢は悪くない」と呟かれた。   聞き取ることさえ難しいほど声に覇気はなく、意識も途絶え途絶えのようであった。   わたしはただ泣くしかできなかった。今は自分の利き腕が憎い。その自分さえ憎い。   幽々子様が微笑まれ、わたしの頬を撫でてくださる。   その撫でてくださる手を掴んだとき、抱えていた重みが無くなった。   今、幽々子様が、わたしが手をかけたために、お隠れになった。   そんな。どうしてこうなったというのだろう。   守護者であるわたし自らが、守るべき主人の命を奪うなんて。   絶望した。そして自分の犯した罪に恐怖した。   自分の利き腕を壊した。そんなことでは罪の意識は消えなかった。   ただただ、泣くことしかできなかった。   このことが幻想郷中に知れ渡り、見知った顔の者が白玉楼を訪れた。    紅白の巫女と黒白の魔法使いは仕方がなかったではないかと、わたしを慰めた。   紅魔館の門番も、わたしを慰めた。   紅魔館のメイド長は従者のくせに何たる大罪を犯したのかと、わたしを非難した。   そのメイド長が従う紅魔館の主は、わたしを見てただ笑った。   幽々子様のご友人である紫様はこんな刀で本当に滅んでしまったのかと、不思議がっていらした。苛立った表情で。   永遠亭のお姫様と薬師も、紅白や白黒と同様わたしを慰めた。   いつもは騒がしいはずの騒霊達さえも、静かにお悔やみを申し上げた。   新聞記者の天狗は幽々子様のことを新聞記事にするために、集まった人妖達から話を聞いていた。   勿論、わたしのところにも来た。   如何なる質問にも、ただただ幽々子様への謝罪しか返すことができなかった。   いつしか天狗も、わたしを慰めた。   最後に現れた幻想郷の閻魔様は、泣きながらにわたしに御説教をしていただいた。   その説教も、ただ幽々子様のお悔やみを申し上げるだけになっていった。   慰めを頂いたところで、何にもならなかった。   虚しい現実が残るだけなのだから。   いっそ、周りの人妖全てから嫌われて欲しかった。   そのほうが、まだ気が済んだ。優しさが痛みに感じた。   わたしがあのとき、些細なことで幽々子様に腹を立てなければこんなことには……。   幽々子様無き白玉楼は、統率を失い、自由に動き回る死霊で一杯になった。   反霊の自分も、少なからず影響を受けた。   僅かながらも積もる死霊の祟りに、次第に苦しめられていった。   これは幽々子様のお怒りなんだと思って、白玉楼から逃げることなく死霊の力を受け止めた。   暴走した死霊の中には、生霊へと変化する者もいた。   その生霊の中には、生前色欲のためだけに生きていたような者さえいた。   わたしはそんな生霊に襲われても、されるがままこの身を汚していただいた。   自分の処女を愛すべき者でもない誰かに、奪っていただいた。   そんな日々の中、残されたもう一本の腕で何度も切腹を試みた。   試みるたび、罪の意識から楽になりたいだけではないかと自分を責めて、とどまった。   まだわたしの命は長い。   幽々子様が復活すると信じて、命ある限りこの白玉楼で待ち続けようと思った。   今日も、何らかの方法で自虐する。性欲にまみれた下衆な生霊を待つ。   わたしの生を全うするまで。お嬢様に罪を許されるまで。 ---- - 興奮した -- 名無しさん (2008-10-17 21:47:49) - レミリア「m9(^Д^)プギャー!!」 -- 名無しさん (2009-03-13 20:42:16) - 残されたもう一本の腕・・・利き腕切ったのか? -- 名無しさん (2009-07-20 17:19:39) - 一方、ゆかりんとゆゆ様は今更ドッキリでしたとはいいだせなかった -- 名無しさん (2009-07-28 23:33:05) - 西行寺幽々子 死因:空腹 -- 名無しさん (2009-09-22 00:25:05) - ↑ゆかりんの驚き方とか見てると、有り得る希ガスwww -- 名無しさん (2010-11-04 07:58:20) - レミリアが笑ってるあたり真犯人なきがしてきた -- 名無しさん (2010-11-05 06:20:42) - 紅魔館組はいつも通り -- 名無しさん (2014-07-02 22:11:36) - ↑↑↑↑幽々子様どんだけ腹減りっすかww -- キング クズ (2016-07-10 05:05:56) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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