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56 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:44:26 [ /6zkcVgo ] 「えーと、苛性ソーダに塩酸…と」 「魔理沙、遊びに来たわよ」 「確かあっちの棚だったよな…」 「無視しないでよ魔理沙、それ」 「…ぎゃああああああああ!」 「え、あ!? …ごめんなさい、ごめんなさい!魔理沙!」 「ぁぁ…あ…」 これが今回の原因となった。 調合中の薬品が顔にかかり、魔理沙の顔はまるで化け物のように爛れた。 それからという物の、人が寄りつかなくなった。 里へ食料を買いに行けば「きもい」「あの面見たくない腐る」「目が腐っちゃうよ」 紅魔館に行けば、メイドが「あーきもっ」「どんな反応するか」「まじむかつく」「居るし」と パチュリーやレミリアにも、怖い顔で睨まれるようになった。 「人って…顔一つで変わってしまうのか…」 魔理沙がそう思った矢先、一つのことを思い出した。 そうだ、霊夢ならこんな事は気にしないはずだ。 「おい、霊夢ー」 「魔理沙、久しぶり…なっ!? どうしたの!誰かにやられたの!?」 「いや、実験の失敗でな…」 「何やってるのよ馬鹿!こんな…こんなになって…」 「霊夢…」 「こうなったらもう二度と戻れないのよ!? 只の火傷ならまだしも、実験なら簡単に治るはずがないわ!」 「…ひっく、ぐすっ」 「泣いたってどうしようもないわよ、あの月の医師なら…」 「…霊夢ー!」 久しぶりに真摯に受け取ってくれる霊夢に対して、泣いた。 しかし、その感動はすぐに打ち切られた。 「…霊夢さん、妖怪と抱き合うなんて見損ないましたよ」 「…文」 「博麗の巫女たる物が、魔理沙さんを襲うような妖怪と仲良くする…これは由々しき事態です」 「ちょっと待って!これは魔理沙よ!」 「そんなはずはありません!私の知っている魔理沙さんはこんな妖怪じゃない!」 「何を言ってるのよ!これは魔理沙よ!」 「…言い訳なんかまかり通りません、これは大々的な記事になります」 「ちょっと!」 「…これまでです」 文だ。文が霊夢を罵倒する記事を書くという。 そう思うと居ても立っても居られず、文を追いかけようとした。 「待って」 「何でだ霊夢!お前が罵られるんだぞ!」 「いいのよ魔理沙、これで」 「おい、霊夢!」 「これでいいのよ!…早く家に帰りなさい」 「あ、ああ…」 私は罪悪感に心を蝕まれつつ、家に帰った。 そうして次の日、新聞が放り込まれていた。 【博麗の巫女、親友を襲った妖怪と付き合う】 という見出しだった。 親友とは私のことだろうか。私は化け物に見えるというのか。 そう思いつつも、私は里に食料を買いに向かった。 「…また来たよ」 「…こいつか、あの化け物じみているってのは」 「お前ら見ろよー、あれがあの有名な妖怪ただれおばけだぜ!」 「ギャハハハハハハハハ!」 私はこんな喧噪の中を歩いていく。 道行く人が避けるように道を空けていく。もう慣れた物だ。 途中で石を投げつけられた。痛かった。 957 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:45:30 [ /6zkcVgo ] 買って帰る途中、こんな声が聞こえた。 「博麗の巫女は妖怪だったのか、退治せねばならん」 という声だ。 私は耐えられなかった。その里人の喉笛に飛びかかり、まさしく殴りかかるところだった。 しかしその時、この里を受け持っている慧音が出てきた。 「やめろ!」 その迫力に押され、私は手を離してしまった。 次の瞬間、地面に叩きつけられたのだ。 人々が私を取り囲むように集まってくる。 顔を蹴られた。おそらく歯が一本折れただろう。 「こいつも妖怪だったのだ!皆、やれ!」 「ははは、やっぱり妖怪だってよ。こんななりをしてるもんなぁ!」 「ギャハハハハハ!」 蹴られる。石を投げられる。刃物で切られる。 私は既に抵抗できる気力もなく、ただなすがままにされていた。 「待て!私がやる。里人は手を引け!」 慧音の声だ。暴行は収まったが、罵倒の声は止まらない。 沢山の人々から冷ややかな視線で見られているのがわかる。 「お前は…もしや、魔理沙ではないのか?」 「あぁ、う、ぐ」 あばら骨が肺に刺さったらしく、声を出すことすら出来ない。 頷く程度の体力しか残っていなかった。 「なんでこんな事に…そんなことより今は治療が先だ、妹紅!」 「…おいさ慧音、どうし…うわっ、何これ」 「魔理沙のなれの果てだ、永遠亭の医師に診せてこい」 「げ、はいはい…」 「…死ぬなよ」 私は妹紅の背中に乗せられた。 後ろから、「所詮は妖怪、同類を助けるか」という慧音を批判する声が聞こえてきた。 私のせいだ。 958 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:48:57 [ /6zkcVgo ] 「…骨折8箇所、全身打撲、外傷多数、顔に爛れ有り…と」 「で、どうなんだ?治るのか?」 「顔の爛れは無理ね。他は治るけど、時間が必要だわ」 「どのくらいだ?」 「そうね、全治半年ってところかしら」 「そうか…私は里に行かなきゃならないから、後は頼むぞ」 「ええ、全力は尽くすわ」 「じゃあな」 妹紅と永琳の会話か。 どうやら、私が治るには半年の間が必要なようだ。 「…しっかし、何があったの?」 「あ、ああ…里でリンチされてな」 「何で?」 「それは…、…」 「言えないような事?」 「…」 「…はぁ、まぁいいわ、深入りはしないわ」 「…」 病院は、この消毒液の臭いが嫌いだ。 兎たちが嫌な顔で看病しているのを見て死にたくなったが、生憎今は動けそうにない。 そうこうしているうちに、半年がたった。 「…じゃあね」 「ああ…」 まず最初に向かったのが自分の家だ。 何も変わっていない。変わっていると言えば、埃だらけの床、食べるつもりだった、既に腐っているケーキなどだ。 私は気がかりで、博麗神社に向かった。 そこで私が見たのは、無惨な状況だった。 959 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:50:41 [ /6zkcVgo ] 焦げた跡が見られる屋根、根本から燃やされたであろう庭の木、 そうして、うつろな瞳で宙を見つめている霊夢。 「霊夢!何があったんだ!?」 「え、へへ、へ…」 「おい、霊夢!霊夢!」 「…無駄よ」 「…紫か」 「霊夢は精神を打ち砕かれたわ、慧音という抑えを取っ払った里人の手によってね」 「何だって!?くそ…里か……このっ!潰してやる!」 「その必要はないわ」 「何?」 「レミリア・スカーレット…それと私が完膚無きまでに潰したわ」 「…」 「…魔理沙、貴方には酷だけれど、責任はあなたにあるわ」 「…」 「私は別に気にしていないけれど、あなたが霊夢をここまで追い込んだようなものなのよ」 「…」 「反省するべきね」 「…」 私は逃げ出した。 逃げ出す以外に無かった。しかし、それは目の前に現れた人影によって止められた。 「咲…夜?」 「魔理沙ね」 「レミリアは…どうしたんだ?」 「その質問に答える義理はないわ。…お嬢様の命令よ、貴方の五感の一つを頂くわ」 「何?」 「…さよなら、魔理沙」 「ぎゃあああああああっ!」 目だ。 目をナイフで刺された。 痛い。赤い。暗い。 私の意識は朦朧になっていき、そして途切れた。 「…魔理沙、魔理沙!」 「ん、あ…アリス?あれ、アリス?どこだ?」 「魔理沙…可哀想に…」 「何?」 「私のせいで、こんな…」 「おい、アリス、アリス?」 「大丈夫よ魔理沙、私はそれを償う…」 「何を言っている…んだ?」 「青酸カリ…外の世界の薬らしいわ、これで…」 「お、おい!待て!はやまるな!」 「…」 「まさか、アリス!おい!返事をしろ!」 「…」 「アリス! …そんな…」 アリスは、青酸カリという薬を飲んだようだ。 それがどんな薬なのかはわからない。だが、アリスは返事をしない。 毒か、その類か。 私のせいで、また一人居なくなった。 心がガラガラと音を立てて崩れていくのがわかる。 締め付けられていくのがわかる。 もう私が生きる意味なんか無い。 そう思うと、そこで意識は 途切れ た 965 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 23:09:15 [ JVt/zabY ]  >>956-959のオチを幻視してしまったので投下してみる 最初に言っておくと、正直スマンカッタ ガバッ 「うわぁああああああっ!!」 飛び起きる 「目は・・・見える。顔も何とも無い・・・」 外の光で薄明るい寝室を見渡し、自分の顔を触る魔理沙。 酷く汗ばんでいること以外、いつもと変わらぬ感触が手に広がる 「やれやれ、我ながら酷い夢を見たもんだ・・・」 夢の内容を思い出し、身震いする 「けど、霊夢とアリスはあの私にも真摯でいてくれたな・・・」 自然と顔がほころぶ 「よしっ!早速二人に会うとするか!」 そして・・・   ´>  `ヽ、  _,.'-=[><]=.,_  ヽi <レノλノ)レ〉'   ノレ§;゚ Д゚ノiゝ <・・・と言う、恐ろしい夢を見たんだ。   `k'_.〉`=' !つ    i_ノ'i! ̄i!>、    ~'i,ンT,ン"~   | |   | |                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | |                    /| なんで私が巻き込まれなきゃいけないのよ    | |           ,,, ,  /   /  \ ________   | |          ''''''  /   /―‐  ∨   | |      ,, ,,,,    /   /   i―-、_,. -―,   | |     '''' ''    /  / ̄ ‐ >'´ ̄`ヽ__ノ   | |   ,, ,, ,, ,,  /  /     ,!::イルノハ::::!、       _,........,_   | |  '' ''' ''' '' /  / ̄ ̄ ―‐ !ハ::::::::::ト!)| i!      , ', ==-.ヽ   | |      /  /         リ`T7lノ"、       ルリλノノ) i   |_|     /  / ̄ ̄ ̄ ―   / i 厶./|´ ト、     (ハ::::::::::(ノyλ <なんで私が自害しなきゃいけないのよ   |    /  /       、―--rゝ./`‐-‐|   ハ     .リ`T7lノ"、 /  /  / ̄ ̄ ̄ ―    `ー┘ /:::::::::::::l、__/     /_i ソゝ´ i   /  /              ・ . 〈/::::::::::::::::_丿、―--rゝ.ハ__i::L__,..iハ /  /    /`゙‐-、/|       こ_7 T_フ    `ーーガッ/::::::::::::::ゝυ   / ̄ ̄  ⌒ヽ,ヘ!> / r.,.'´ ̄ヽ          ・ . ,ィ7_::::::::::::::_ヽ>,' /         /ー''´ / ,ソ /   j .ノr‐,             i_.ノ~~ヽ_i           ゙ー"´ (´ (  '´,Y_]_ノ   ̄ ̄ ̄             ,..-‐'" ̄ヾ`ソ;;;;;;;'''' <酷いぜ二人とも・・・現実はこんなもんか・・・  ̄ ̄ ̄ ―‐ /_:::::::::::::::::::::::::! ;;;;;, '''           `く_,>‐ァ‐-、::::/  '';;;;,,,,, ____               `ー'´ヽ′    ''''' 968 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/25(土) 00:03:21 [ Lm9UcGVw ] 文が酷い顔になった魔理沙をかばって匿うけど 他の天狗にバレてネタにされた挙句荒らされる、というルートを幻視した ----- - 俺だったら魔理沙を庇って人切も平気でやるくらい &br()はする自信がある -- 榎本 (2009-04-13 21:09:43) - これ、紫やレミリアが責任とらせるべきは魔理沙じゃなくてアリスだよなぁ -- 名無しさん (2009-04-14 00:14:30) - ゴミクズには相応しい末路であった… &br()ゴミクズ可愛いよゴミクズ -- 名無しさん (2010-07-24 15:49:13) - アリスは自殺しないでいいから! &br()死ね里のやつら &br()ゴミクズかわいいよゴミクズ -- 名無しさん (2010-07-24 18:04:34) - やっぱり魔理沙はこうじゃないとなw -- 名無しさん (2010-07-24 23:46:39) - 魔理沙にはなんの責任もない(あるとすればデマを流した文か、人間の魔理沙を差別した里の人間)なのに魔理沙に責任を取らせるとかw &br() &br() &br()まあ、夢落ちだしね -- 名無しさん (2010-07-25 01:46:13) - ↑いや、だってゴミクズだし -- 名無しさん (2010-07-28 21:46:06) - けーねに無かったことにしてもらえばよかったのに。ま、夢落ちだけど -- 名無しさん (2010-07-28 22:12:43) - 魔理沙アンチはタヒね -- 名無しさん (2010-08-04 02:42:24) - どんな姿になっても &br()ハアハアできる奴がここにいますよっとw -- 名無しさん (2010-08-12 11:38:44) - けーねの優しさにちょっと感動した -- 名無しさん (2010-08-13 16:36:05) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
56 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:44:26 [ /6zkcVgo ] 「えーと、苛性ソーダに塩酸…と」 「魔理沙、遊びに来たわよ」 「確かあっちの棚だったよな…」 「無視しないでよ魔理沙、それ」 「…ぎゃああああああああ!」 「え、あ!? …ごめんなさい、ごめんなさい!魔理沙!」 「ぁぁ…あ…」 これが今回の原因となった。 調合中の薬品が顔にかかり、魔理沙の顔はまるで化け物のように爛れた。 それからという物の、人が寄りつかなくなった。 里へ食料を買いに行けば「きもい」「あの面見たくない腐る」「目が腐っちゃうよ」 紅魔館に行けば、メイドが「あーきもっ」「どんな反応するか」「まじむかつく」「居るし」と パチュリーやレミリアにも、怖い顔で睨まれるようになった。 「人って…顔一つで変わってしまうのか…」 魔理沙がそう思った矢先、一つのことを思い出した。 そうだ、霊夢ならこんな事は気にしないはずだ。 「おい、霊夢ー」 「魔理沙、久しぶり…なっ!? どうしたの!誰かにやられたの!?」 「いや、実験の失敗でな…」 「何やってるのよ馬鹿!こんな…こんなになって…」 「霊夢…」 「こうなったらもう二度と戻れないのよ!? 只の火傷ならまだしも、実験なら簡単に治るはずがないわ!」 「…ひっく、ぐすっ」 「泣いたってどうしようもないわよ、あの月の医師なら…」 「…霊夢ー!」 久しぶりに真摯に受け取ってくれる霊夢に対して、泣いた。 しかし、その感動はすぐに打ち切られた。 「…霊夢さん、妖怪と抱き合うなんて見損ないましたよ」 「…文」 「博麗の巫女たる物が、魔理沙さんを襲うような妖怪と仲良くする…これは由々しき事態です」 「ちょっと待って!これは魔理沙よ!」 「そんなはずはありません!私の知っている魔理沙さんはこんな妖怪じゃない!」 「何を言ってるのよ!これは魔理沙よ!」 「…言い訳なんかまかり通りません、これは大々的な記事になります」 「ちょっと!」 「…これまでです」 文だ。文が霊夢を罵倒する記事を書くという。 そう思うと居ても立っても居られず、文を追いかけようとした。 「待って」 「何でだ霊夢!お前が罵られるんだぞ!」 「いいのよ魔理沙、これで」 「おい、霊夢!」 「これでいいのよ!…早く家に帰りなさい」 「あ、ああ…」 私は罪悪感に心を蝕まれつつ、家に帰った。 そうして次の日、新聞が放り込まれていた。 【博麗の巫女、親友を襲った妖怪と付き合う】 という見出しだった。 親友とは私のことだろうか。私は化け物に見えるというのか。 そう思いつつも、私は里に食料を買いに向かった。 「…また来たよ」 「…こいつか、あの化け物じみているってのは」 「お前ら見ろよー、あれがあの有名な妖怪ただれおばけだぜ!」 「ギャハハハハハハハハ!」 私はこんな喧噪の中を歩いていく。 道行く人が避けるように道を空けていく。もう慣れた物だ。 途中で石を投げつけられた。痛かった。 957 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:45:30 [ /6zkcVgo ] 買って帰る途中、こんな声が聞こえた。 「博麗の巫女は妖怪だったのか、退治せねばならん」 という声だ。 私は耐えられなかった。その里人の喉笛に飛びかかり、まさしく殴りかかるところだった。 しかしその時、この里を受け持っている慧音が出てきた。 「やめろ!」 その迫力に押され、私は手を離してしまった。 次の瞬間、地面に叩きつけられたのだ。 人々が私を取り囲むように集まってくる。 顔を蹴られた。おそらく歯が一本折れただろう。 「こいつも妖怪だったのだ!皆、やれ!」 「ははは、やっぱり妖怪だってよ。こんななりをしてるもんなぁ!」 「ギャハハハハハ!」 蹴られる。石を投げられる。刃物で切られる。 私は既に抵抗できる気力もなく、ただなすがままにされていた。 「待て!私がやる。里人は手を引け!」 慧音の声だ。暴行は収まったが、罵倒の声は止まらない。 沢山の人々から冷ややかな視線で見られているのがわかる。 「お前は…もしや、魔理沙ではないのか?」 「あぁ、う、ぐ」 あばら骨が肺に刺さったらしく、声を出すことすら出来ない。 頷く程度の体力しか残っていなかった。 「なんでこんな事に…そんなことより今は治療が先だ、妹紅!」 「…おいさ慧音、どうし…うわっ、何これ」 「魔理沙のなれの果てだ、永遠亭の医師に診せてこい」 「げ、はいはい…」 「…死ぬなよ」 私は妹紅の背中に乗せられた。 後ろから、「所詮は妖怪、同類を助けるか」という慧音を批判する声が聞こえてきた。 私のせいだ。 958 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:48:57 [ /6zkcVgo ] 「…骨折8箇所、全身打撲、外傷多数、顔に爛れ有り…と」 「で、どうなんだ?治るのか?」 「顔の爛れは無理ね。他は治るけど、時間が必要だわ」 「どのくらいだ?」 「そうね、全治半年ってところかしら」 「そうか…私は里に行かなきゃならないから、後は頼むぞ」 「ええ、全力は尽くすわ」 「じゃあな」 妹紅と永琳の会話か。 どうやら、私が治るには半年の間が必要なようだ。 「…しっかし、何があったの?」 「あ、ああ…里でリンチされてな」 「何で?」 「それは…、…」 「言えないような事?」 「…」 「…はぁ、まぁいいわ、深入りはしないわ」 「…」 病院は、この消毒液の臭いが嫌いだ。 兎たちが嫌な顔で看病しているのを見て死にたくなったが、生憎今は動けそうにない。 そうこうしているうちに、半年がたった。 「…じゃあね」 「ああ…」 まず最初に向かったのが自分の家だ。 何も変わっていない。変わっていると言えば、埃だらけの床、食べるつもりだった、既に腐っているケーキなどだ。 私は気がかりで、博麗神社に向かった。 そこで私が見たのは、無惨な状況だった。 959 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 20:50:41 [ /6zkcVgo ] 焦げた跡が見られる屋根、根本から燃やされたであろう庭の木、 そうして、うつろな瞳で宙を見つめている霊夢。 「霊夢!何があったんだ!?」 「え、へへ、へ…」 「おい、霊夢!霊夢!」 「…無駄よ」 「…紫か」 「霊夢は精神を打ち砕かれたわ、慧音という抑えを取っ払った里人の手によってね」 「何だって!?くそ…里か……このっ!潰してやる!」 「その必要はないわ」 「何?」 「レミリア・スカーレット…それと私が完膚無きまでに潰したわ」 「…」 「…魔理沙、貴方には酷だけれど、責任はあなたにあるわ」 「…」 「私は別に気にしていないけれど、あなたが霊夢をここまで追い込んだようなものなのよ」 「…」 「反省するべきね」 「…」 私は逃げ出した。 逃げ出す以外に無かった。しかし、それは目の前に現れた人影によって止められた。 「咲…夜?」 「魔理沙ね」 「レミリアは…どうしたんだ?」 「その質問に答える義理はないわ。…お嬢様の命令よ、貴方の五感の一つを頂くわ」 「何?」 「…さよなら、魔理沙」 「ぎゃあああああああっ!」 目だ。 目をナイフで刺された。 痛い。赤い。暗い。 私の意識は朦朧になっていき、そして途切れた。 「…魔理沙、魔理沙!」 「ん、あ…アリス?あれ、アリス?どこだ?」 「魔理沙…可哀想に…」 「何?」 「私のせいで、こんな…」 「おい、アリス、アリス?」 「大丈夫よ魔理沙、私はそれを償う…」 「何を言っている…んだ?」 「青酸カリ…外の世界の薬らしいわ、これで…」 「お、おい!待て!はやまるな!」 「…」 「まさか、アリス!おい!返事をしろ!」 「…」 「アリス! …そんな…」 アリスは、青酸カリという薬を飲んだようだ。 それがどんな薬なのかはわからない。だが、アリスは返事をしない。 毒か、その類か。 私のせいで、また一人居なくなった。 心がガラガラと音を立てて崩れていくのがわかる。 締め付けられていくのがわかる。 もう私が生きる意味なんか無い。 そう思うと、そこで意識は 途切れ た 965 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/11/24(金) 23:09:15 [ JVt/zabY ]  >>956-959のオチを幻視してしまったので投下してみる 最初に言っておくと、正直スマンカッタ ガバッ 「うわぁああああああっ!!」 飛び起きる 「目は・・・見える。顔も何とも無い・・・」 外の光で薄明るい寝室を見渡し、自分の顔を触る魔理沙。 酷く汗ばんでいること以外、いつもと変わらぬ感触が手に広がる 「やれやれ、我ながら酷い夢を見たもんだ・・・」 夢の内容を思い出し、身震いする 「けど、霊夢とアリスはあの私にも真摯でいてくれたな・・・」 自然と顔がほころぶ 「よしっ!早速二人に会うとするか!」 そして・・・   ´>  `ヽ、  _,.'-=[><]=.,_  ヽi <レノλノ)レ〉'   ノレ§;゚ Д゚ノiゝ <・・・と言う、恐ろしい夢を見たんだ。   `k'_.〉`=' !つ    i_ノ'i! ̄i!>、    ~'i,ンT,ン"~   | |   | |                     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄   | |                    /| なんで私が巻き込まれなきゃいけないのよ    | |           ,,, ,  /   /  \ ________   | |          ''''''  /   /―‐  ∨   | |      ,, ,,,,    /   /   i―-、_,. -―,   | |     '''' ''    /  / ̄ ‐ >'´ ̄`ヽ__ノ   | |   ,, ,, ,, ,,  /  /     ,!::イルノハ::::!、       _,........,_   | |  '' ''' ''' '' /  / ̄ ̄ ―‐ !ハ::::::::::ト!)| i!      , ', ==-.ヽ   | |      /  /         リ`T7lノ"、       ルリλノノ) i   |_|     /  / ̄ ̄ ̄ ―   / i 厶./|´ ト、     (ハ::::::::::(ノyλ <なんで私が自害しなきゃいけないのよ   |    /  /       、―--rゝ./`‐-‐|   ハ     .リ`T7lノ"、 /  /  / ̄ ̄ ̄ ―    `ー┘ /:::::::::::::l、__/     /_i ソゝ´ i   /  /              ・ . 〈/::::::::::::::::_丿、―--rゝ.ハ__i::L__,..iハ /  /    /`゙‐-、/|       こ_7 T_フ    `ーーガッ/::::::::::::::ゝυ   / ̄ ̄  ⌒ヽ,ヘ!> / r.,.'´ ̄ヽ          ・ . ,ィ7_::::::::::::::_ヽ>,' /         /ー''´ / ,ソ /   j .ノr‐,             i_.ノ~~ヽ_i           ゙ー"´ (´ (  '´,Y_]_ノ   ̄ ̄ ̄             ,..-‐'" ̄ヾ`ソ;;;;;;;'''' <酷いぜ二人とも・・・現実はこんなもんか・・・  ̄ ̄ ̄ ―‐ /_:::::::::::::::::::::::::! 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