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542 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/10/11(水) 17:59:24 [ rBg4vz/U ] 目が覚めると、魔理沙は水面に浮かんでいた。 周囲を見回すのだが、何もなかった。 ただただ、雲ひとつない、灰色の空が、どこまでも続いていて はるか彼方で、それは 波のない灰色の水面と接していた。 魔理沙は、自分のエプロンドレスが水を吸って重いことにきがついた。 探してみたが、帽子やら箒といったものは見当たらない。 長い金髪は水にぬれて肌に張り付き、または水面を漂っている。 もう一度あたりを見回してみた。 太陽がなかった。 月がなかった。 魔理沙はしばらく呆然としていたが しばらくすると今の状況が異常なことに気がつき 足をばたつかせて 移動しようと試みた。 幻想郷に住む魔理沙はほとんど泳いだことがなかった。 何時間泳いだだろう。 景色は何もかわらない。 水面はあいかわらず凪いでいる。 空は相変わらず灰色だ。 ただ、自分の動きによって発生する波だけが うまれては消えていった。 魔理沙はスカートを脱ぎ、エプロンも捨てた。 それは水中ではあまりにも邪魔だった。 動きにくかった。 更に何時間泳いだだろう。 何も目印がないので、魔理沙はどこに向かって泳げばいいのかわからなかった。 さらに、自分がどこを泳いでいるのかも、わからなかった。 もしかしたら、自分は同じ場所をぐるぐると回っているのではないか。 そう思うほどに 景色はなにもかわらなかった。 さらに何時間か泳いだあと、魔理沙は泳ぐのを止めた。 奇妙だった。 あれだけ泳いでいたのに、自分は まったく疲労を感じていないのだ。 「此処」 魔理沙は まるで溺死体のように漂った。 「何処」 頬につたう水面の感触だけが やけにリアルだった。 さらに何時間経っただろう。 空腹を覚えていない自分に気がついた。 睡魔も襲ってくる気配がない。 何度か水中に潜ってみた。 どこまでいっても底はなかった。 息苦しさを覚えることがないので、本当にどこまでも潜った。 底がなかった。 魚はみあたらなかった。 何時間か潜ったあと、魔理沙は水面におどりでた。 風も、波も、光も、闇も、生も、死も、時間も、限界も ここには存在していない。 ただ空間があり 水があり 重力があり そして 魔理沙がいるだけだ 「此処は、死んでる・・・」 自然と、そんな言葉が口から出た 魔理沙は途方に暮れた

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