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298 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/17(日) 09:07:26 [ 1yFsOfSA ] ↑参照 >>290氏をリスペクト。  長文失礼致します。 --------------------------------------------------  椅子に縛り付け、布で口を封じられたみすちー。 彼女には、厨房がよく見える特等席に御着席して頂く。 パスタの茹で具合を逐次確認しつつ、 オリーブオイルを伸ばしたフライパンに、細切りにしたニンニクとベーコンを入れ、バターで炒める。 ベーコンがカリっ焼けた頃合を見計らって、刻みチーズと生クリームを加える。 そして… 「うん、元気な卵ですね。 何より、新鮮です」 卵―――みすちーの生み落とした卵を取り出し、彼女によく見せつける。 「どうです、この肌触り。」 彼女の頬に、愛しい我が子を触れさせる。  「さあ、この子達の一世一代の晴れ舞台です。しっかり見ていてあげるんですよ」 卵が―――子が、母親の頬を離れる。 「…!」 息を呑むみすちー。 手に持った卵を、すーっと右へ動かすと、それを追って彼女の両目も一緒に右へ動く。左に動かせば左へと動く。 そして次は、その卵をゆっくりと鉄釜のふちに当てる。 「っっ!!」 途端に、必死の形相になり、力いっぱい身をよじって激しく暴れ出すみすちー。 ガタガタと、椅子と床がぶつかり合う衝撃音が虚しく響く。 そのまま、卵を鉄釜の角に 「ん”っ! ん”っ!!」  <<カシャリッ>> ぶつけて割る 「ん”ん”っ!!」 両目をカッと大きく見開き、布越しにくぐもった絶叫を漏らすみすちー。 続けて、もう一個の卵も 「ッ”ん”ぐ”ん”ーーッ!」  <<カシュッ>> 割る 「ん”ん”ん”ん”ん”ん”ーー~~~ッッ!」 いやいやをするように首を激しく左右に振るみすちー。 透明な涙が飛び散った。 卵2つ分の中身をボウルに落とし、ハシで卵白だけをを取り除いて別の器に入れる。 残った卵黄を先程のフライパンの中へ投下し――――掻き混ぜる。 「…っ…………っ」 もう暴れる動きも止めた彼女は、身体を細かく震わせていた。 焦点の定まらない目は、フライパンの中で攪拌されている、我が子であったモノを見つめている。 その見開かれたままの両目からは音も無く涙が流れ出している。 茹で上がったパスタのお湯を切ってフライパンの中に加え、軽く火を通して味を馴染ませる。 最後に黒胡椒と塩で味を整えて、『特製・夜雀の卵のカルボナーラ』が完成した。 皿に盛りつけたソレを持って、みすちーの前へ歩いていく。 口を封じている布を外す。 唇を半開きにしたままで、彼女は身じろぎもしない。 光を失った瞳で目の前に差し出されたソレを見下ろしていた。 299 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/17(日) 09:09:51 [ 1yFsOfSA ] 「さあ、召し上がれ」 皿の中身にフォークを差込んで、一口分のパスタを絡め上げる。 それを、まだ半開きで無防備なみすちーの唇へ、優しく運んであげる。 しかし放心状態の彼女は、口の中に入れられたソレを咀嚼する事もできなかったので、 フォークから口の中へ移されたパスタのほとんどは、 口からこぼれて彼女の服の前部を汚し、残りは床へ落ちてしまった。 「ああ、駄目じゃないですか、食べ物を粗末にしちゃ」 立ち上がり、糸の切れた人形のように脱力している彼女を見下ろす。 「私の息子はね、このカルボナーラが大好物だったんですよ」 聞こえているのかどうかは判らないが、そのまま彼女に向かって話し続ける。 「無事に帰ってきたら、食べさせてあげる予定だったんです……」 立ち上がり、皿をテーブルに置く。 「ですから、その息子の分まで、貴女に味わって頂こうと思いまして―――他でもない、貴女にね」 「じゃあ次は、デザート用のチーズケーキをお作りしますね。  先程取り分けておいた卵白からメレンゲを作って、これに合わせましょう」 竹篭から新たな卵を2つ取り出す。もちろん彼女の生んだ卵だ。 テーブルの皿からパスタを絡め上げ、自分の口に入れて咀嚼し、味わう。 …美味い。夜雀の卵は、鶏のソレよりも遥かに美味であった。 これでイーブンだ。 互いに喰い合う事。 だがこれは何も、特別な事はではないのだ。 これは、太古の昔から繰り返されてきた事。 これからも、ずっと繰り返されていく事。 巡り、巡る、自然の環。 生き物の本来の姿。 この世界の掟。 唯一の理。
298 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/17(日) 09:07:26 [ 1yFsOfSA ] ↑参照 >>290氏をリスペクト。  長文失礼致します。 --------------------------------------------------  椅子に縛り付け、布で口を封じられたみすちー。 彼女には、厨房がよく見える特等席に御着席して頂く。 パスタの茹で具合を逐次確認しつつ、 オリーブオイルを伸ばしたフライパンに、細切りにしたニンニクとベーコンを入れ、バターで炒める。 ベーコンがカリっ焼けた頃合を見計らって、刻みチーズと生クリームを加える。 そして… 「うん、元気な卵ですね。 何より、新鮮です」 卵―――みすちーの生み落とした卵を取り出し、彼女によく見せつける。 「どうです、この肌触り。」 彼女の頬に、愛しい我が子を触れさせる。  「さあ、この子達の一世一代の晴れ舞台です。しっかり見ていてあげるんですよ」 卵が―――子が、母親の頬を離れる。 「…!」 息を呑むみすちー。 手に持った卵を、すーっと右へ動かすと、それを追って彼女の両目も一緒に右へ動く。左に動かせば左へと動く。 そして次は、その卵をゆっくりと鉄釜のふちに当てる。 「っっ!!」 途端に、必死の形相になり、力いっぱい身をよじって激しく暴れ出すみすちー。 ガタガタと、椅子と床がぶつかり合う衝撃音が虚しく響く。 そのまま、卵を鉄釜の角に 「ん”っ! ん”っ!!」  <<カシャリッ>> ぶつけて割る 「ん”ん”っ!!」 両目をカッと大きく見開き、布越しにくぐもった絶叫を漏らすみすちー。 続けて、もう一個の卵も 「ッ”ん”ぐ”ん”ーーッ!」  <<カシュッ>> 割る 「ん”ん”ん”ん”ん”ん”ーー~~~ッッ!」 いやいやをするように首を激しく左右に振るみすちー。 透明な涙が飛び散った。 卵2つ分の中身をボウルに落とし、ハシで卵白だけをを取り除いて別の器に入れる。 残った卵黄を先程のフライパンの中へ投下し――――掻き混ぜる。 「…っ…………っ」 もう暴れる動きも止めた彼女は、身体を細かく震わせていた。 焦点の定まらない目は、フライパンの中で攪拌されている、我が子であったモノを見つめている。 その見開かれたままの両目からは音も無く涙が流れ出している。 茹で上がったパスタのお湯を切ってフライパンの中に加え、軽く火を通して味を馴染ませる。 最後に黒胡椒と塩で味を整えて、『特製・夜雀の卵のカルボナーラ』が完成した。 皿に盛りつけたソレを持って、みすちーの前へ歩いていく。 口を封じている布を外す。 唇を半開きにしたままで、彼女は身じろぎもしない。 光を失った瞳で目の前に差し出されたソレを見下ろしていた。 299 名前:名前が無い程度の能力 投稿日:2006/09/17(日) 09:09:51 [ 1yFsOfSA ] 「さあ、召し上がれ」 皿の中身にフォークを差込んで、一口分のパスタを絡め上げる。 それを、まだ半開きで無防備なみすちーの唇へ、優しく運んであげる。 しかし放心状態の彼女は、口の中に入れられたソレを咀嚼する事もできなかったので、 フォークから口の中へ移されたパスタのほとんどは、 口からこぼれて彼女の服の前部を汚し、残りは床へ落ちてしまった。 「ああ、駄目じゃないですか、食べ物を粗末にしちゃ」 立ち上がり、糸の切れた人形のように脱力している彼女を見下ろす。 「私の息子はね、このカルボナーラが大好物だったんですよ」 聞こえているのかどうかは判らないが、そのまま彼女に向かって話し続ける。 「無事に帰ってきたら、食べさせてあげる予定だったんです……」 立ち上がり、皿をテーブルに置く。 「ですから、その息子の分まで、貴女に味わって頂こうと思いまして―――他でもない、貴女にね」 「じゃあ次は、デザート用のチーズケーキをお作りしますね。  先程取り分けておいた卵白からメレンゲを作って、これに合わせましょう」 竹篭から新たな卵を2つ取り出す。もちろん彼女の生んだ卵だ。 テーブルの皿からパスタを絡め上げ、自分の口に入れて咀嚼し、味わう。 …美味い。夜雀の卵は、鶏のソレよりも遥かに美味であった。 これでイーブンだ。 互いに喰い合う事。 だがこれは何も、特別な事はではないのだ。 これは、太古の昔から繰り返されてきた事。 これからも、ずっと繰り返されていく事。 巡り、巡る、自然の環。 生き物の本来の姿。 この世界の掟。 唯一の理。

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