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731 名前が無い程度の能力 [sage] 2012/10/15(月) 09:49:33 ID:p.mcw3oI0 魔理沙は、本を読んでいる時だけかわいい。 飛んで跳ねて、つむじ風のように周りをかき回すこの少女は、椅子に座って本を手に取るときだけ、私の理想の少女になる。 毛先のゆるく丸まった、つややかなブロンド。柔らかそうな白い頬。桃色の唇。 普段ならば動き続ける表情は、明度と色をそのままに湖のように静まっている。 青い目で手元を見下ろしている様は、長いまつげと相まって、眠たそうにも見えた。 輝きを深く沈めた透明な瞳、どんな種類の鉱石を使っても、再現はできなかった。 紙の擦る音をさせ、細い指がページをめくる。 あの指先の色艶をどうやって出すか、幾度も試行錯誤を重ねたが、納得のいくものは作れなかった。 欲しい。この魔理沙のような人形が欲しい。 半年前ならば掌で転がすこともできたその欲求は、いまや馬鹿馬鹿しいほどに大きく膨らみ、必至に押さえこまねばならなくなっていた。 「はしたないわよ」 同卓についている魔女が、目を本から上げずに言う。 「レディを嘗め回すように見るものではないわ」 パチュリーの冷淡な嗜めは、医療メスの鋭さと無神経さでアリスのプライドを切り裂いた。 欲望を魔理沙の前で暴かれた恥ずかしさに、熱が顔に集まっていく。 アリスが狼狽しながらも口を開こうとすると、それより先に魔理沙が落ち着いた声音で言った。 「いいんだ、パチュリー」 文字を目でなぞりながら、視線をあわせずに続ける。 「アリスはいつもそうなんだよ」 「凄い目で見られてたわよ。知っていたの?」 「ああ、アリスは私をモデルに人形つくってるからな。それを使って新婚ごっこをしている」 「な、なんで知って」 「面白いこと聞いたわ、レミィに教えていい?」 「いいぜ」 「ダメーーーーー!!!」 やっぱりアリスは魔理沙ちゃんをいじめられないよぉ #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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