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[[中編から>Reincarnation 中編:31スレ888]] 永琳がいなくなってから数カ月後、幻想郷は冬を迎えていた。 空からは綺麗な雪の結晶が降り注ぎ、地面に積もり白く染める。 そんな外の景色を蓬莱山 輝夜は窓から眺めていた。 「ひめさまー、なにしてるのー?」 「雪が降ってるわよ、イナバもおいで」 「わー、ほんとだー!」 あの日を境に鈴仙・優曇華院・イナバは、突然幼稚な喋り方をするようになった。 喋り方だけじゃない、行動や人格もまるで子供そのもののよう。 何故こうなってしまったのか、あの日鈴仙に何があったのかは輝夜には分からない。 だがいつまでも部屋に閉じ籠っているよりはいいのだろう、多分。 最近は重火器を持ち出して永遠亭の警備をするのが趣味らしい。 それというのも今、幻想郷の治安は非常に悪化している。 なんでも魔法の森で大量の蟲と毒が発生したらしく、他の妖怪達が安息の地を求めて余所を襲いに来る事もあるらしい。 わざわざ迷いの竹林を突破しようとする者は少ないとはいえ、たまに凶暴な妖怪が現れるのも事実。 好きで警備してくれるなら、やらせておいた方がいいのだろう。 それに鈴仙には頼もしい助っ人が付いている。 「みーすちー、ゆきだるまつーくろー!」 「チュインチュイーン!!」 それは永琳が作り出した上半身が鳥で下半身が馬の合成妖怪のミスチー、命名は鈴仙だ。 永琳は失踪の直前、合成妖怪なる者を作り始めた。 もしかしたら永琳の行方に関して何か知ってるかもと思ったが、どの子もそれらしき話は聞いていないらしい。 ミスチーは鈴仙と仲がよく、警備の時も一緒に出掛けて行く。 散歩に行く時も鈴仙を背中に乗せて飛び回っているそうだ。 逆に幽香は嫌いらしく、顔を見ただけで慌てて飛んで行ってしまう。 動物的相性でもあるのだろうか。 「まっててねー、ありすよんでくるからー!」 そう言って鈴仙は部屋を飛び出して行く。 今の鈴仙は、一人にすると何をするか分からない。 輝夜は慌てて後を追いかけて行った。 階段を下り1階の廊下に辿り着く鈴仙と輝夜。 するとその耳に何やら騒がしい叫び声が届いた。 「落ち着いてよ! 天狗なんていないってば!」 「嫌! 嫌ああぁぁ! もう許してええぇ!」 「おぶっ!」 声の主は二人の妖怪。 スカートから伸びた長い蛇の尾を振り回し暴れている東風谷 早苗と、その尾に弾き飛ばされた因幡 てゐだ。 早苗は永琳が作り出した合成妖怪の一人で、下半身が大蛇のそれになっている。 いつも精神が不安定な状態なので、こうして錯乱する事が度々あるのだ。 「大丈夫? 早苗」 「て、天狗が……天狗が見ている…」 「安心して、天狗は此処まで入って来ないわ」 「うぅ……」 刺激しないように慎重に近付き優しく頭を撫でてやると、段々早苗は大人しくなっていく。 よく見ると泣きじゃくる早苗の手の甲には、蛇の鱗が生え始めていた。 どうも同化すると、その影響で人の肌の方まで変化するらしい。 暫くすると早苗は落ち着いたのか、ゆっくり部屋の中に入って行った。 だが早苗の言っていた天狗というのも気になる。 最初は幻覚だと思っていたが、どうやら実際に何かいるようなのだ。 というのもある夜の事、竹林の方を見ると不気味な気配がする。 気になってよくよく見てみると、奇妙な羽を生やし全身黒ずくめで胸元に赤いリボンをつけた妖怪が 大きな剣と盾を持ってこちらの様子を窺っていたのだ。 何か用があるのかと思い近付いてみると、強烈な光を発し消えてしまう。 それからもまるで見張っているかのように度々竹林に現れるのだ。 早苗も怖がって出て行かないので、今のところ何も起こっていない。 だがやはり気味が悪いものは悪いのだ。 「ほんと姫様はよく懐かれるね」 「あら、てゐ。大丈夫?」 そこへボロボロの格好で、てゐが戻って来る。 あの様子では外まで飛ばされたようだ。 てゐにはいつも何から何までやらせてしまって、本当に申し訳ない。 それというのも永琳が行方不明で鈴仙が調合出来ない今、永遠亭の薬は全部てゐが作っているのだ。 てゐの薬は永琳の物ほど効き目はよくない。 だが永琳が作っていないてゐオリジナルのある薬が、幻想郷中でもの凄い勢いで売れているのだ。 それは元々永琳に教わった知識から、てゐが自分用に考え出して作った薬。 てゐ曰く、脳内に作用し一時的に気力を上げる薬だそうだ。 難しくて言ってる意味が分からないと言ったら、要は元気になる薬だと教えてくれた。 この元気になる薬を試しに売りに出したところ大ヒット、今では幻想郷一の人気商品になってるらしい。 その為てゐは一日中薬作りに追われているらしいが、この薬があればどんなに働いても気力が湧いてくるそうだ。 そんな素晴らしい薬なのに、何故か早苗は頑なに使わないように言って来る。 何か理由でもあるのだろうか。 「ところで鈴仙行っちゃったけどいいの?」 「えっ」 気付けば鈴仙の姿がどこにもない、先へ行ってしまったようだ。 探そうにも永遠亭は広い、何かあってからではマズい。 だがこんな時、頼りになる仲間が永遠亭にはいる。 「パルスィ!」 「……呼んだ?」 声と共に天井を歩いて現れたのは下半身が蜘蛛の合成妖怪、水橋 パルスィ。 彼女には両目がなく目の空洞にゴミが入らないように、いつも茶色い目隠しを付けている。 だが目がない代わりに、とても便利な能力があるのだ。 「鈴仙の居場所、教えて」 「………台所の方にいるわ、アリスも一緒よ。庭に向かってるから台所に向かって行けば途中ですれ違うわ」 「丁度いいわ、台所にも用があるの」 それは振動に敏感で、床の軋む振動で誰が何処にいるか分かる能力。 おかげで人探しや侵入者がいた時には、真っ先に探し出して教えてくれるのだ。 「ありがとう、ヤマメ見つかるといいわね」 「ええ」 そんなパルスィには、ずっと探している相手がいる。 それは彼女の親友で目隠しに使っているリボンの持ち主、黒谷 ヤマメだ。 死んだと思っていたヤマメだったが、永遠亭に住むようになってから気配を感じるようになったらしい。 もしかしたら生きているのかもしれない、死んでいたとしてももう一度会いたい。 そして会って謝りたい、そう思って微かに感じる気配を追い続けているそうだ。 パルスィの想いがいつかヤマメに届く事を願いつつ、輝夜は鈴仙の許へ急ぐ。 暫く走り続け廊下を曲がった所で、ようやく仲良く歩く鈴仙とアリスを見つけた。 「ダメじゃない、勝手に行っちゃ」 「だってひめさま、おそいんだもん」 「鈴仙を怒らないであげて。雪が降ったら一緒に雪だるま作ろうって、約束したのは私なの」 大きな魔導書を持っている少女、アリスは人里から連れて来られた人間だ。 何故人間が今の妖怪だらけの永遠亭にいるのか、それにはまず人里の話をしなければならない。 今の人里は、あの藤原 妹紅に守られている。 何でも上白沢 慧音が亡くなった後、遺言に従い里の守護者になったそうだ。 最初は不老不死という肩書きを不気味に思われていたが、治安の悪化で襲いかかって来る妖怪が増えると一変。 絶対に殺される事なく里を守り続けて戦う、その姿は里の人間にはとても頼もしく見えたそうだ。 今では里の守り神として大人達には祀り上げられ、子供達には大人気のヒーローだという。 そんな妹紅が永遠亭にやって来たのが秋の終わり頃、数人の人間を連れキセルを片手に現れた。 妹紅は一人の人間と一人の妖怪を連れて来てこう言った、二人を預かってほしいと。 何でもこの二人は人里で暮らす事を望んでいたが、片や妖怪で片や異常な程に魔力を持った子供。 里の人間には信用されず追い出されそうになったところを、妹紅が永遠亭に連れて行こうと思い立ったそうだ。 要するに厄介払いだ、腹立たしい。 しかし里の人間のいる手前、露骨に突っぱねれば里との関係にひびが入る。 里への薬販売で生活してる身としては、それだけは何が何でも避けなくてはいけない。 後腐れないように丁重に断ろうと思ったのだが、妹紅が余計な事を言ったせいで何時の間にか引き取る事になってしまった。 彼女には過去の記憶も親兄弟もいないそうだ、そう言われたら断る訳にはいかないだろうに。 さすがは妹紅汚い、里の人間さえいなければ本気で消し飛ばしてやるところだ。 だが何だかんだで鈴仙を看てくれるアリスには助かっている、それがまた妹紅に上手く乗せられた気がして腹立たしいのだが。 そんな訳でアリスは今、永遠亭に住んでいるのだ。 「……ちゃんと仲良く遊ぶのよ」 「はーい! いこー、ありすー!」 「そうね、ミスチーを待たせちゃ可哀相」 二人は仲睦まじく手を繋いで廊下を進む。 知らない人が見たら年の離れた姉妹に思うかもしれない。 輝夜はそんな二人を見送って、次の目的地へ歩いて行った。 やがて辿り着くのは台所、輝夜はそのまま中へと入って行く。 「あ、姫様。いつも御苦労様」 「何言ってるの、私が一番暇してるんだから当然でしょ?」 台所の中にいた彼女は里を追われた妖怪の方、名は宇佐見 蓮子。 元々は外の世界から友人と共にやって来たそうなのだが、今は訳あって離れ離れになっているらしい。 その最中に里に出向いたのだが、妖怪として入れてもらえなかったそうだ。 それからというもの、自分は妖怪なのかもしれないと悩み続けた蓮子。 今までも散々別の妖怪に間違えられて来たそうで、自信がなくなっていたらしい。 そして永遠亭に来て数日後のある朝、目を覚ますと蓮子の両腕は真っ青な鱗で覆い尽くされていたという。 その時、蓮子は『私も妖怪になってしまったのね』と苦笑いしていた。 こんな事があるのかとてゐに聞いてみたところ、迷走する蓮子の精神で妖怪としての存在が危うくなったので 体が身を守るために蓮子の精神が納得出来る形で答えを出したのではとの事。 よく分からないが蓮子の悩みがなくなったようなので、きっと喜ばしい事なのだろう。 それに蓮子の料理は美味しい、外の世界の技術なのかは知らないが兎に角美味しい。 台所に来たのも料理係を任せている蓮子の代わりに、地下にいる残りの仲間のところへ料理を運ぶ為だ。 「そんなに焦らなくても皆まだ起きてないのに」 「いいのよ、暇なんだし。それよりお昼、期待してるわよ」 早速料理を岡持ちに入れて地下室に向かう輝夜。 地下とは言っても、患者を手術室に運ぶ為のエレベーターがあるので移動は一瞬だ。 輝夜はエレベーターに乗り込むとボタンを押し、地下病棟のある階を目指す。 やがて目的のフロアに着くと、幾つも並んだ個室の一つを開き中に入って行った。 「さとり、朝食よ」 「…………あら、輝夜? もう朝なの?」 そう言うと眠たそうに蛸のような触手で、眼帯を避けて左目を擦り椅子に座って寝ていた古明地 さとりは目を覚ます。 椅子の横にあるベッドでは、さとりのペットの霊烏路 空が虚ろな表情で横になっていた。 さとりも合成妖怪で腕からそれぞれ二本、スカートから四本の計八本の触手を伸ばしている。 その触手で器用に料理を受け取ると、一本で空を起こし別の一本でフォークを持って食べさせ始めた。 「どう? 美味しい?」 「…………」 空は何も喋らない。さとりが心を覗いてみても、真っ暗で何も聞こえないそうだ。 だがさとりはにっこりと微笑むと、空を寝かせ自分も食事を始める。 その間、空は一度も表情を変える事はなかった。 さとりは元々永遠亭に運び込まれた患者で永琳が治療中だったのだが、行方不明の空を探しに飛び出してしまったそうだ。 そして永琳がいなくなって数日後、さとりは空を連れて戻って来た。 あれから空は何も喋らず何も考えず、ただぼーっと一日中過ごしている。 調べてみると空の体には大量の金属片が組み込まれており、それにより生命活動を続けているらしい。 恐らく何者かによる手術の痕なのだろうが、最早生物より機械に近い状態だ。 それでもさとりは、ずっと空の傍で面倒を看続けている。 きっと返事がなかろうが機械だろうが、さとりにとっては今も可愛いペットなのだろう。 そんな彼女達の住んでいた地底は今、妖怪の売買が盛んらしい。 何でも地上にはもう住めないと逃げ込んで来た妖怪達が、奴隷として売り買いされているとか。 幻想郷には安全に過ごせる場所など、もうないのかもしれない。 「そろそろ行くわ、料理が冷めちゃう」 「そう、また後でね」 さとりと別れ地下病棟の廊下に戻って来た輝夜は、別の扉を開き中に入る。 そこは花の咲き乱れた美しい風景とは裏腹に、輝夜以外が入ってはいけない危険な部屋だ。 「幽香、起きてる?」 「………ウググ…」 此処は巨大な鰐のような腕を持った合成妖怪、風見 幽香の部屋。 その体は早苗以上に同化の影響を受け、背中から頬まで角質化が広がっている。 てゐはそれに対し精神が獣に近い状態にある為、進行が早いのではないかと話していた。 「ご飯持って来たわよ」 輝夜が料理を置くと、幽香は食器に頭を突っ込んで貪り食らう。 さとりのように直接食べさせてもいいのだが、それだと幽香は顔を真っ赤にして食べてくれない。 かと言って自分で食べようとすると手の形が形の為食器が持てず、こうやって食べるしか方法がないのだ。 やがて幽香は出された料理を全て平らげると、輝夜に寄り添い小さな声で呟く。 「…クサリ……コワレタワ……」 「もっと丈夫なの用意しないとね」 幽香は他の妖怪達と仲が悪い、時々襲いかかってしまうからだ。 だが別に幽香がそうしたくてしている訳ではない。 幽香自身、自分を制御出来ず暴れてしまう事を悩んでいるのだ。 その為この部屋に閉じこもり、更に首輪を繋ぎ自分から出られないようにしている。 永琳が何かしたのだろう、輝夜と鈴仙には決して襲いかからないので付き合いは専らその二人ぐらいなのだ。 「髪も伸びて来たわね、後で切ってあげる」 「…………」 幽香は何も言わずに僅かに笑って輝夜を見送った。 残る住人はあと一人、永遠亭最下層の実験室にいる。 輝夜はエレベーターを最下層まで向かわせると、実験室へと進み扉を開いた。 「お待たせ」 「待ってないわ、寝てたもの」 そう言って無数の人間の赤子の中から頭を出したのは永遠亭最後の一人、レティ・ホワイトロック。 何を隠そう彼女も永琳の作った合成妖怪、実はこの赤子は全てレティの体の一部なのである。 問題なのはこの赤子、引き千切った傍からどんどん増殖していくのでいつまで経ってもレティは部屋から出られないのだ。 それに赤子を引き抜くと『レンコー!』と泣き喚いて死んでしまうので、精神衛生的にもよくない。 そういう訳でレティは、結果的に監禁されているような形で落ち着いているのだ。 「出来ればどうにかしてあげたいんだけど…」 「気にしないで。元々冬以外は洞窟に籠りっきりだったから、いつもと変わらないわ」 レティは冬の妖怪で他の季節は山の洞窟にいるというのは、後から知った話だ。 山と言えば今、妖怪の山は紛争状態にあるらしい。 現総大将の鬼が酒に溺れてばかりなので、新しい総大将を何処かか引っ張って来ようとする行動派と 今は耐え凌ぎ、天魔復活を待とうとする穏便派による争いだそうだ。 トラブルの連続で苛立っていた事もあり紛争は激化し、すでに大勢の天狗が犠牲になったという。 その状況に耐えきれず森に降りた天狗が、毒を避け地底に行き奴隷として売られる事もあるらしい。 「それに私達を元に戻せる人がいるなら、それは私達をこんな姿にした本人ぐらいよ」 「大丈夫、永琳は帰って来る。そしたら私から皆を元に戻すよう頼むわ」 永琳の行方を知る者はいない。 だが永琳は蓬莱人だ、必ずいつか帰って来る。 「だって言ってくれたじゃない、『生きて永久に守り続ける』って」 今の幻想郷は決して以前のような理想郷ではない。 だが輝夜は希望を捨ててはいなかった。 きっといつか、また皆が笑って過ごせる幻想郷が戻って来る。 そう信じて。 「うるああああああむえええすいいゆあああああああ~!!」 「な、ななな何ぃ!?」 「此処から先は異形の者達の巣、命が惜しけりゃ引き返した方が身の為よ~」 「同業者って訳ね、悪いけど邪魔をするなら倒させてもらうわ」 「ちょっと待った! 私は通りすがりの唐傘、ただ忠告しに来ただけよ」 「……番人じゃないの?」 「そう。此処には薬を求めてやって来る輩が多いけど、誰一人として帰って来ないからね」 「私達は妖怪よ、心配いらないわ」 「誰も帰って来ないのが人間なんて言ってないよ? でもその大鎌と妖力、只者じゃないわね。  それに後ろにいるのは吸血鬼? 力は問題なさそうね………でも精神力はどうかな?」 「……試しているの? 私達の決意は本物よ」 「あそこには私達の大切な人がいるの、だからお願い退いて」 「うんうん、貴方達なら狂気に呑まれずに済みそう。行っていいよ、貴方達の望む物目指してね」 「…………この先に幽香ちゃんが…」 「行こう、何があったとしても行くしかないよ」 「…そうね。待っててね、幽香ちゃん。今、助けに行くから」 -[[Lunatic Princess 1:32スレ868]]へ続く - カオスだ・・・ -- 名無しさん (2010-01-23 12:59:36) - 最後は東方幻想郷のメンツなのか・・・ &br()そして救いがないのが・・・ -- 名無しさん (2010-01-23 13:30:55) - いいエンドだった。永遠亭は今日も平和です &br()おまいら無傷なキャラを列挙してみろ -- 名無しさん (2010-01-23 14:22:23) - とりあえず、かぐや、てゐ、秋姉妹、藍(星、旧作除)あたりか? -- 名無しさん (2010-01-23 16:34:50) - てゐの薬は麻薬? &br() -- 名無しさん (2010-01-23 16:47:34) - えーき様と小町は? -- 名無しさん (2010-01-23 18:54:40) - ↑クビ -- 名無しさん (2010-01-23 19:06:40) - これエンドなのか・・・・? &br()まだ続きありそうな気がするんだが -- 名無しさん (2010-01-23 20:29:08) - 自業自得とはいえ &br()ゆかりんの末路が哀れだ… &br()天子はまだ出られないのかね -- 名無しさん (2010-01-23 23:45:33) - う〜ん…、話がごちゃごちゃして分かりにくいな。 &br()誰かキャラごとにどうなったかをまとめてくれると助かる。 -- 名無しさん (2010-01-24 01:21:43) - そこらへんを作者さんがまとめてくれた解説が上がってるけど、載せておいた方がいいかもね -- 名無しさん (2010-01-24 02:08:47) - なんか姫様がいい人に見えるんだが… -- 名無しさん (2010-01-26 00:25:06) - エリーと、吸血鬼ってのはくるみかな? &br()終わり方からしてこの次の話ありそうなんだけどなあ -- 名無しさん (2010-03-31 23:44:35) - 霊夢が化物魔理沙に言った台詞が好きだ -- 名無しさん (2010-04-01 22:54:39) - アリスうふふ -- 名無しさん (2010-04-26 12:41:43) - 一番の勝ち組は藍橙だろうか… &br()マヨヒガで幸せに(?)暮らしてるっぽいし -- 名無しさん (2010-05-04 14:49:01) - オリジナルのある薬 &br()メルポー! &br()ヤマメはパルスィの中で立派に暮らしているとさ、チャンチャン。 &br()しかし良い話だな、上手い。 &br()続き見てくる &br() -- 名無しさん (2010-12-03 11:13:13) - なんかさ、 &br()皆かわいそうすぎるっていうか &br()こわいっていうか &br()悲惨っつーか。 &br()やっぱり可哀想すぎる -- 名無しさん (2010-12-27 22:30:55) - まあ紫になった霖之助ががんばれば何とか救えそうな奴も少なくはない気はする。 &br()でもえーりんがあーなっちゃった以上改造された連中はどうにもならんか。 &br() -- 名無しさん (2010-12-28 20:34:23) - ゆかりんは幻想郷から消されたのか? -- 名無しさん (2011-06-06 13:31:25) - ↑りんのすけがごうせいじゅうになったから -- 名無しさん (2011-10-15 02:29:00) - 魅魔は早苗と合成されたの? &br()その割にえーりん倒してるけど -- 名無しさん (2012-03-05 04:16:57) - 魅魔はたしかによくわからんな。弟子にやったことが許せんからえーりん宇宙送りにしたんだと思うけど、 &br()その後何の描写もなくいなくなってるし。てかこの行為のせいで弟子も含めた全改造生物が元に戻る可能性がゼロになっちゃってるよね? &br()残しとけばなんとかなったかっつうとそりゃまず無理だったろうけど、弟子のことを思うんなら &br()少なくとも最善の行動じゃなかったような……作者が魅魔は狂ったってわけじゃないよと言ってたけど、 &br()「ついカッとなってやった、今は反省している」くらいのものはあったのかな? -- 名無しさん (2012-03-05 15:12:14) - 今まで空気の極みだった輝夜がこんなにも立派な主に!! &br()やればできるということなんだろうがもっと早くやっていれば……! -- 名無しさん (2012-03-10 17:14:25) - 妖夢とメディスンとリグルが地味に生き残ってるw &br()こいしと勇儀とすいかとキスメもかな? -- 名無しさん (2012-03-23 01:44:11) - しかしうどんげは幽香に一回お仕置きされそうになっただけで精神崩壊って豆腐メンタルだな -- 名無しさん (2013-12-01 10:13:55) - ↑確かに! それなw -- ロリこん (2018-01-08 19:11:52) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
[[中編から>Reincarnation 中編:31スレ888]] 永琳がいなくなってから数カ月後、幻想郷は冬を迎えていた。 空からは綺麗な雪の結晶が降り注ぎ、地面に積もり白く染める。 そんな外の景色を蓬莱山 輝夜は窓から眺めていた。 「ひめさまー、なにしてるのー?」 「雪が降ってるわよ、イナバもおいで」 「わー、ほんとだー!」 あの日を境に鈴仙・優曇華院・イナバは、突然幼稚な喋り方をするようになった。 喋り方だけじゃない、行動や人格もまるで子供そのもののよう。 何故こうなってしまったのか、あの日鈴仙に何があったのかは輝夜には分からない。 だがいつまでも部屋に閉じ籠っているよりはいいのだろう、多分。 最近は重火器を持ち出して永遠亭の警備をするのが趣味らしい。 それというのも今、幻想郷の治安は非常に悪化している。 なんでも魔法の森で大量の蟲と毒が発生したらしく、他の妖怪達が安息の地を求めて余所を襲いに来る事もあるらしい。 わざわざ迷いの竹林を突破しようとする者は少ないとはいえ、たまに凶暴な妖怪が現れるのも事実。 好きで警備してくれるなら、やらせておいた方がいいのだろう。 それに鈴仙には頼もしい助っ人が付いている。 「みーすちー、ゆきだるまつーくろー!」 「チュインチュイーン!!」 それは永琳が作り出した上半身が鳥で下半身が馬の合成妖怪のミスチー、命名は鈴仙だ。 永琳は失踪の直前、合成妖怪なる者を作り始めた。 もしかしたら永琳の行方に関して何か知ってるかもと思ったが、どの子もそれらしき話は聞いていないらしい。 ミスチーは鈴仙と仲がよく、警備の時も一緒に出掛けて行く。 散歩に行く時も鈴仙を背中に乗せて飛び回っているそうだ。 逆に幽香は嫌いらしく、顔を見ただけで慌てて飛んで行ってしまう。 動物的相性でもあるのだろうか。 「まっててねー、ありすよんでくるからー!」 そう言って鈴仙は部屋を飛び出して行く。 今の鈴仙は、一人にすると何をするか分からない。 輝夜は慌てて後を追いかけて行った。 階段を下り1階の廊下に辿り着く鈴仙と輝夜。 するとその耳に何やら騒がしい叫び声が届いた。 「落ち着いてよ! 天狗なんていないってば!」 「嫌! 嫌ああぁぁ! もう許してええぇ!」 「おぶっ!」 声の主は二人の妖怪。 スカートから伸びた長い蛇の尾を振り回し暴れている東風谷 早苗と、その尾に弾き飛ばされた因幡 てゐだ。 早苗は永琳が作り出した合成妖怪の一人で、下半身が大蛇のそれになっている。 いつも精神が不安定な状態なので、こうして錯乱する事が度々あるのだ。 「大丈夫? 早苗」 「て、天狗が……天狗が見ている…」 「安心して、天狗は此処まで入って来ないわ」 「うぅ……」 刺激しないように慎重に近付き優しく頭を撫でてやると、段々早苗は大人しくなっていく。 よく見ると泣きじゃくる早苗の手の甲には、蛇の鱗が生え始めていた。 どうも同化すると、その影響で人の肌の方まで変化するらしい。 暫くすると早苗は落ち着いたのか、ゆっくり部屋の中に入って行った。 だが早苗の言っていた天狗というのも気になる。 最初は幻覚だと思っていたが、どうやら実際に何かいるようなのだ。 というのもある夜の事、竹林の方を見ると不気味な気配がする。 気になってよくよく見てみると、奇妙な羽を生やし全身黒ずくめで胸元に赤いリボンをつけた妖怪が 大きな剣と盾を持ってこちらの様子を窺っていたのだ。 何か用があるのかと思い近付いてみると、強烈な光を発し消えてしまう。 それからもまるで見張っているかのように度々竹林に現れるのだ。 早苗も怖がって出て行かないので、今のところ何も起こっていない。 だがやはり気味が悪いものは悪いのだ。 「ほんと姫様はよく懐かれるね」 「あら、てゐ。大丈夫?」 そこへボロボロの格好で、てゐが戻って来る。 あの様子では外まで飛ばされたようだ。 てゐにはいつも何から何までやらせてしまって、本当に申し訳ない。 それというのも永琳が行方不明で鈴仙が調合出来ない今、永遠亭の薬は全部てゐが作っているのだ。 てゐの薬は永琳の物ほど効き目はよくない。 だが永琳が作っていないてゐオリジナルのある薬が、幻想郷中でもの凄い勢いで売れているのだ。 それは元々永琳に教わった知識から、てゐが自分用に考え出して作った薬。 てゐ曰く、脳内に作用し一時的に気力を上げる薬だそうだ。 難しくて言ってる意味が分からないと言ったら、要は元気になる薬だと教えてくれた。 この元気になる薬を試しに売りに出したところ大ヒット、今では幻想郷一の人気商品になってるらしい。 その為てゐは一日中薬作りに追われているらしいが、この薬があればどんなに働いても気力が湧いてくるそうだ。 そんな素晴らしい薬なのに、何故か早苗は頑なに使わないように言って来る。 何か理由でもあるのだろうか。 「ところで鈴仙行っちゃったけどいいの?」 「えっ」 気付けば鈴仙の姿がどこにもない、先へ行ってしまったようだ。 探そうにも永遠亭は広い、何かあってからではマズい。 だがこんな時、頼りになる仲間が永遠亭にはいる。 「パルスィ!」 「……呼んだ?」 声と共に天井を歩いて現れたのは下半身が蜘蛛の合成妖怪、水橋 パルスィ。 彼女には両目がなく目の空洞にゴミが入らないように、いつも茶色い目隠しを付けている。 だが目がない代わりに、とても便利な能力があるのだ。 「鈴仙の居場所、教えて」 「………台所の方にいるわ、アリスも一緒よ。庭に向かってるから台所に向かって行けば途中ですれ違うわ」 「丁度いいわ、台所にも用があるの」 それは振動に敏感で、床の軋む振動で誰が何処にいるか分かる能力。 おかげで人探しや侵入者がいた時には、真っ先に探し出して教えてくれるのだ。 「ありがとう、ヤマメ見つかるといいわね」 「ええ」 そんなパルスィには、ずっと探している相手がいる。 それは彼女の親友で目隠しに使っているリボンの持ち主、黒谷 ヤマメだ。 死んだと思っていたヤマメだったが、永遠亭に住むようになってから気配を感じるようになったらしい。 もしかしたら生きているのかもしれない、死んでいたとしてももう一度会いたい。 そして会って謝りたい、そう思って微かに感じる気配を追い続けているそうだ。 パルスィの想いがいつかヤマメに届く事を願いつつ、輝夜は鈴仙の許へ急ぐ。 暫く走り続け廊下を曲がった所で、ようやく仲良く歩く鈴仙とアリスを見つけた。 「ダメじゃない、勝手に行っちゃ」 「だってひめさま、おそいんだもん」 「鈴仙を怒らないであげて。雪が降ったら一緒に雪だるま作ろうって、約束したのは私なの」 大きな魔導書を持っている少女、アリスは人里から連れて来られた人間だ。 何故人間が今の妖怪だらけの永遠亭にいるのか、それにはまず人里の話をしなければならない。 今の人里は、あの藤原 妹紅に守られている。 何でも上白沢 慧音が亡くなった後、遺言に従い里の守護者になったそうだ。 最初は不老不死という肩書きを不気味に思われていたが、治安の悪化で襲いかかって来る妖怪が増えると一変。 絶対に殺される事なく里を守り続けて戦う、その姿は里の人間にはとても頼もしく見えたそうだ。 今では里の守り神として大人達には祀り上げられ、子供達には大人気のヒーローだという。 そんな妹紅が永遠亭にやって来たのが秋の終わり頃、数人の人間を連れキセルを片手に現れた。 妹紅は一人の人間と一人の妖怪を連れて来てこう言った、二人を預かってほしいと。 何でもこの二人は人里で暮らす事を望んでいたが、片や妖怪で片や異常な程に魔力を持った子供。 里の人間には信用されず追い出されそうになったところを、妹紅が永遠亭に連れて行こうと思い立ったそうだ。 要するに厄介払いだ、腹立たしい。 しかし里の人間のいる手前、露骨に突っぱねれば里との関係にひびが入る。 里への薬販売で生活してる身としては、それだけは何が何でも避けなくてはいけない。 後腐れないように丁重に断ろうと思ったのだが、妹紅が余計な事を言ったせいで何時の間にか引き取る事になってしまった。 彼女には過去の記憶も親兄弟もいないそうだ、そう言われたら断る訳にはいかないだろうに。 さすがは妹紅汚い、里の人間さえいなければ本気で消し飛ばしてやるところだ。 だが何だかんだで鈴仙を看てくれるアリスには助かっている、それがまた妹紅に上手く乗せられた気がして腹立たしいのだが。 そんな訳でアリスは今、永遠亭に住んでいるのだ。 「……ちゃんと仲良く遊ぶのよ」 「はーい! いこー、ありすー!」 「そうね、ミスチーを待たせちゃ可哀相」 二人は仲睦まじく手を繋いで廊下を進む。 知らない人が見たら年の離れた姉妹に思うかもしれない。 輝夜はそんな二人を見送って、次の目的地へ歩いて行った。 やがて辿り着くのは台所、輝夜はそのまま中へと入って行く。 「あ、姫様。いつも御苦労様」 「何言ってるの、私が一番暇してるんだから当然でしょ?」 台所の中にいた彼女は里を追われた妖怪の方、名は宇佐見 蓮子。 元々は外の世界から友人と共にやって来たそうなのだが、今は訳あって離れ離れになっているらしい。 その最中に里に出向いたのだが、妖怪として入れてもらえなかったそうだ。 それからというもの、自分は妖怪なのかもしれないと悩み続けた蓮子。 今までも散々別の妖怪に間違えられて来たそうで、自信がなくなっていたらしい。 そして永遠亭に来て数日後のある朝、目を覚ますと蓮子の両腕は真っ青な鱗で覆い尽くされていたという。 その時、蓮子は『私も妖怪になってしまったのね』と苦笑いしていた。 こんな事があるのかとてゐに聞いてみたところ、迷走する蓮子の精神で妖怪としての存在が危うくなったので 体が身を守るために蓮子の精神が納得出来る形で答えを出したのではとの事。 よく分からないが蓮子の悩みがなくなったようなので、きっと喜ばしい事なのだろう。 それに蓮子の料理は美味しい、外の世界の技術なのかは知らないが兎に角美味しい。 台所に来たのも料理係を任せている蓮子の代わりに、地下にいる残りの仲間のところへ料理を運ぶ為だ。 「そんなに焦らなくても皆まだ起きてないのに」 「いいのよ、暇なんだし。それよりお昼、期待してるわよ」 早速料理を岡持ちに入れて地下室に向かう輝夜。 地下とは言っても、患者を手術室に運ぶ為のエレベーターがあるので移動は一瞬だ。 輝夜はエレベーターに乗り込むとボタンを押し、地下病棟のある階を目指す。 やがて目的のフロアに着くと、幾つも並んだ個室の一つを開き中に入って行った。 「さとり、朝食よ」 「…………あら、輝夜? もう朝なの?」 そう言うと眠たそうに蛸のような触手で、眼帯を避けて左目を擦り椅子に座って寝ていた古明地 さとりは目を覚ます。 椅子の横にあるベッドでは、さとりのペットの霊烏路 空が虚ろな表情で横になっていた。 さとりも合成妖怪で腕からそれぞれ二本、スカートから四本の計八本の触手を伸ばしている。 その触手で器用に料理を受け取ると、一本で空を起こし別の一本でフォークを持って食べさせ始めた。 「どう? 美味しい?」 「…………」 空は何も喋らない。さとりが心を覗いてみても、真っ暗で何も聞こえないそうだ。 だがさとりはにっこりと微笑むと、空を寝かせ自分も食事を始める。 その間、空は一度も表情を変える事はなかった。 さとりは元々永遠亭に運び込まれた患者で永琳が治療中だったのだが、行方不明の空を探しに飛び出してしまったそうだ。 そして永琳がいなくなって数日後、さとりは空を連れて戻って来た。 あれから空は何も喋らず何も考えず、ただぼーっと一日中過ごしている。 調べてみると空の体には大量の金属片が組み込まれており、それにより生命活動を続けているらしい。 恐らく何者かによる手術の痕なのだろうが、最早生物より機械に近い状態だ。 それでもさとりは、ずっと空の傍で面倒を看続けている。 きっと返事がなかろうが機械だろうが、さとりにとっては今も可愛いペットなのだろう。 そんな彼女達の住んでいた地底は今、妖怪の売買が盛んらしい。 何でも地上にはもう住めないと逃げ込んで来た妖怪達が、奴隷として売り買いされているとか。 幻想郷には安全に過ごせる場所など、もうないのかもしれない。 「そろそろ行くわ、料理が冷めちゃう」 「そう、また後でね」 さとりと別れ地下病棟の廊下に戻って来た輝夜は、別の扉を開き中に入る。 そこは花の咲き乱れた美しい風景とは裏腹に、輝夜以外が入ってはいけない危険な部屋だ。 「幽香、起きてる?」 「………ウググ…」 此処は巨大な鰐のような腕を持った合成妖怪、風見 幽香の部屋。 その体は早苗以上に同化の影響を受け、背中から頬まで角質化が広がっている。 てゐはそれに対し精神が獣に近い状態にある為、進行が早いのではないかと話していた。 「ご飯持って来たわよ」 輝夜が料理を置くと、幽香は食器に頭を突っ込んで貪り食らう。 さとりのように直接食べさせてもいいのだが、それだと幽香は顔を真っ赤にして食べてくれない。 かと言って自分で食べようとすると手の形が形の為食器が持てず、こうやって食べるしか方法がないのだ。 やがて幽香は出された料理を全て平らげると、輝夜に寄り添い小さな声で呟く。 「…クサリ……コワレタワ……」 「もっと丈夫なの用意しないとね」 幽香は他の妖怪達と仲が悪い、時々襲いかかってしまうからだ。 だが別に幽香がそうしたくてしている訳ではない。 幽香自身、自分を制御出来ず暴れてしまう事を悩んでいるのだ。 その為この部屋に閉じこもり、更に首輪を繋ぎ自分から出られないようにしている。 永琳が何かしたのだろう、輝夜と鈴仙には決して襲いかからないので付き合いは専らその二人ぐらいなのだ。 「髪も伸びて来たわね、後で切ってあげる」 「…………」 幽香は何も言わずに僅かに笑って輝夜を見送った。 残る住人はあと一人、永遠亭最下層の実験室にいる。 輝夜はエレベーターを最下層まで向かわせると、実験室へと進み扉を開いた。 「お待たせ」 「待ってないわ、寝てたもの」 そう言って無数の人間の赤子の中から頭を出したのは永遠亭最後の一人、レティ・ホワイトロック。 何を隠そう彼女も永琳の作った合成妖怪、実はこの赤子は全てレティの体の一部なのである。 問題なのはこの赤子、引き千切った傍からどんどん増殖していくのでいつまで経ってもレティは部屋から出られないのだ。 それに赤子を引き抜くと『レンコー!』と泣き喚いて死んでしまうので、精神衛生的にもよくない。 そういう訳でレティは、結果的に監禁されているような形で落ち着いているのだ。 「出来ればどうにかしてあげたいんだけど…」 「気にしないで。元々冬以外は洞窟に籠りっきりだったから、いつもと変わらないわ」 レティは冬の妖怪で他の季節は山の洞窟にいるというのは、後から知った話だ。 山と言えば今、妖怪の山は紛争状態にあるらしい。 現総大将の鬼が酒に溺れてばかりなので、新しい総大将を何処かか引っ張って来ようとする行動派と 今は耐え凌ぎ、天魔復活を待とうとする穏便派による争いだそうだ。 トラブルの連続で苛立っていた事もあり紛争は激化し、すでに大勢の天狗が犠牲になったという。 その状況に耐えきれず森に降りた天狗が、毒を避け地底に行き奴隷として売られる事もあるらしい。 「それに私達を元に戻せる人がいるなら、それは私達をこんな姿にした本人ぐらいよ」 「大丈夫、永琳は帰って来る。そしたら私から皆を元に戻すよう頼むわ」 永琳の行方を知る者はいない。 だが永琳は蓬莱人だ、必ずいつか帰って来る。 「だって言ってくれたじゃない、『生きて永久に守り続ける』って」 今の幻想郷は決して以前のような理想郷ではない。 だが輝夜は希望を捨ててはいなかった。 きっといつか、また皆が笑って過ごせる幻想郷が戻って来る。 そう信じて。 「うるああああああむえええすいいゆあああああああ~!!」 「な、ななな何ぃ!?」 「此処から先は異形の者達の巣、命が惜しけりゃ引き返した方が身の為よ~」 「同業者って訳ね、悪いけど邪魔をするなら倒させてもらうわ」 「ちょっと待った! 私は通りすがりの唐傘、ただ忠告しに来ただけよ」 「……番人じゃないの?」 「そう。此処には薬を求めてやって来る輩が多いけど、誰一人として帰って来ないからね」 「私達は妖怪よ、心配いらないわ」 「誰も帰って来ないのが人間なんて言ってないよ? でもその大鎌と妖力、只者じゃないわね。  それに後ろにいるのは吸血鬼? 力は問題なさそうね………でも精神力はどうかな?」 「……試しているの? 私達の決意は本物よ」 「あそこには私達の大切な人がいるの、だからお願い退いて」 「うんうん、貴方達なら狂気に呑まれずに済みそう。行っていいよ、貴方達の望む物目指してね」 「…………この先に幽香ちゃんが…」 「行こう、何があったとしても行くしかないよ」 「…そうね。待っててね、幽香ちゃん。今、助けに行くから」 -[[Lunatic Princess 1:32スレ868]]へ続く - カオスだ・・・ -- 名無しさん (2010-01-23 12:59:36) - 最後は東方幻想郷のメンツなのか・・・ &br()そして救いがないのが・・・ -- 名無しさん (2010-01-23 13:30:55) - いいエンドだった。永遠亭は今日も平和です &br()おまいら無傷なキャラを列挙してみろ -- 名無しさん (2010-01-23 14:22:23) - とりあえず、かぐや、てゐ、秋姉妹、藍(星、旧作除)あたりか? -- 名無しさん (2010-01-23 16:34:50) - てゐの薬は麻薬? &br() -- 名無しさん (2010-01-23 16:47:34) - えーき様と小町は? -- 名無しさん (2010-01-23 18:54:40) - ↑クビ -- 名無しさん (2010-01-23 19:06:40) - これエンドなのか・・・・? &br()まだ続きありそうな気がするんだが -- 名無しさん (2010-01-23 20:29:08) - 自業自得とはいえ &br()ゆかりんの末路が哀れだ… &br()天子はまだ出られないのかね -- 名無しさん (2010-01-23 23:45:33) - う〜ん…、話がごちゃごちゃして分かりにくいな。 &br()誰かキャラごとにどうなったかをまとめてくれると助かる。 -- 名無しさん (2010-01-24 01:21:43) - そこらへんを作者さんがまとめてくれた解説が上がってるけど、載せておいた方がいいかもね -- 名無しさん (2010-01-24 02:08:47) - なんか姫様がいい人に見えるんだが… -- 名無しさん (2010-01-26 00:25:06) - エリーと、吸血鬼ってのはくるみかな? &br()終わり方からしてこの次の話ありそうなんだけどなあ -- 名無しさん (2010-03-31 23:44:35) - 霊夢が化物魔理沙に言った台詞が好きだ -- 名無しさん (2010-04-01 22:54:39) - アリスうふふ -- 名無しさん (2010-04-26 12:41:43) - 一番の勝ち組は藍橙だろうか… &br()マヨヒガで幸せに(?)暮らしてるっぽいし -- 名無しさん (2010-05-04 14:49:01) - オリジナルのある薬 &br()メルポー! &br()ヤマメはパルスィの中で立派に暮らしているとさ、チャンチャン。 &br()しかし良い話だな、上手い。 &br()続き見てくる &br() -- 名無しさん (2010-12-03 11:13:13) - なんかさ、 &br()皆かわいそうすぎるっていうか &br()こわいっていうか &br()悲惨っつーか。 &br()やっぱり可哀想すぎる -- 名無しさん (2010-12-27 22:30:55) - まあ紫になった霖之助ががんばれば何とか救えそうな奴も少なくはない気はする。 &br()でもえーりんがあーなっちゃった以上改造された連中はどうにもならんか。 &br() -- 名無しさん (2010-12-28 20:34:23) - ゆかりんは幻想郷から消されたのか? -- 名無しさん (2011-06-06 13:31:25) - ↑りんのすけがごうせいじゅうになったから -- 名無しさん (2011-10-15 02:29:00) - 魅魔は早苗と合成されたの? &br()その割にえーりん倒してるけど -- 名無しさん (2012-03-05 04:16:57) - 魅魔はたしかによくわからんな。弟子にやったことが許せんからえーりん宇宙送りにしたんだと思うけど、 &br()その後何の描写もなくいなくなってるし。てかこの行為のせいで弟子も含めた全改造生物が元に戻る可能性がゼロになっちゃってるよね? &br()残しとけばなんとかなったかっつうとそりゃまず無理だったろうけど、弟子のことを思うんなら &br()少なくとも最善の行動じゃなかったような……作者が魅魔は狂ったってわけじゃないよと言ってたけど、 &br()「ついカッとなってやった、今は反省している」くらいのものはあったのかな? -- 名無しさん (2012-03-05 15:12:14) - 今まで空気の極みだった輝夜がこんなにも立派な主に!! &br()やればできるということなんだろうがもっと早くやっていれば……! -- 名無しさん (2012-03-10 17:14:25) - 妖夢とメディスンとリグルが地味に生き残ってるw &br()こいしと勇儀とすいかとキスメもかな? -- 名無しさん (2012-03-23 01:44:11) - しかしうどんげは幽香に一回お仕置きされそうになっただけで精神崩壊って豆腐メンタルだな -- 名無しさん (2013-12-01 10:13:55) - ↑確かに! それなw -- ロリこん (2018-01-08 19:11:52) - 続きが欲しいな -- 名無しさん (2019-01-20 18:48:58) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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