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※早苗いじめ ※キャラ崩壊です エピローグは蛇足?両ルート読んでからじゃないと一方が萎える? 早苗いじめBルート 諏訪子様の仰るとおりに (Aルート…[[神奈子様の仰るとおりに:27スレ532]]) 守矢神社、明朝 「なんのつもりなんだ!諏訪子!」 「アンタこそなんなのさ!神奈子!」 いつもなら小鳥の囀りと共に始まる筈の早苗の朝。 しかし今朝は守矢の神々の怒鳴り声で目を覚ますハメになった。 あくびもそこそこ、只ならぬ険悪な雰囲気に、早苗は慌てて布団から飛び起きて二人の方に駆け寄る。 「どうしたのですか、諏訪子様!神奈子様!」 その瞬間、二柱の神はクルっと早苗の方に向き直った。 「「早苗、アンタはどっちの味方だい!」」 寝ぼけ眼にいきなりの究極の質問、早苗はぐっと息を飲む。 「あの…私は…お二人とも…そもそも何の…」 早苗はしどろもどろになりながら、曖昧な返事をしようとするが 「どちらか一人だよ、どっちもなんてダメだからね!」 どっちつかずの仲良しこよしは、諏訪子の一喝で封じられてしまった。 早苗はまだ目覚めきっていない頭脳を回転させて考える。 私はこの神社の風祝、だから祭ってるお二人には… あれ?でも私は諏訪子様の子孫だって、最近お二人から聞きました。 いつも 神社の歴史を敬え と仰ってます。 「どちらかと言えば、諏訪子様かな…でも、 早苗はぽつりと小さく漏らし、そこから更に曖昧な言い訳に繋げようとするが 「チクショー、早苗の裏切り者!」 その言葉を聞いた瞬間、神奈子はカンカンになってしまった。 数分後 「すわっ、逃げろっ!」 諏訪子は地面に溶けるように潜り込んで逃げてしまった。 あの後、ケンケになった神奈子と諏訪子。 歴史は繰り返す、諏訪子の鉄輪は神奈子の力によって錆の塊に変えられた。 長い同居生活の結果、諏訪子は自分が神奈子に武力で負けた過去をすっかり忘れていたのだ。 哀れなのはぽつんと残された早苗、神奈子と二人きり、重くて気まずい沈黙が走る。 「おい、早苗。お前は諏訪子の方が大事なんだったな?」 最初に沈黙を破ったのは神奈子だった。 怒りと恨みの篭った暗い声に、早苗はギクリとする。 「いえ、いつもお二人とも目上を立てろと… 「黙れ、お前は守矢の風祝。ここの主は私だ。」 神奈子は冷たい声で言いながら、早苗の頬を平手で張った。そして掌を早苗に向かってかざす。 すると、早苗の後ろに巨大な柱が出現し 同時に出現したが注連縄が早苗の体を柱に縛り付ける。 「私は諏訪子を捕らえに行く、お前はそこで反省していろ…あと、諏訪子が戻ってきたら足止めするように」 「失敗したら…分かったな?」 早苗が柱に縛り付けられて暫く 「ああ…どうしてこんな事になってしまったのでしょうか…」 ぼんやりと中を見つめる事しか出来ない早苗。 ああ、お二人はどこにいっちゃったんだろうな…ん? 耳を澄ませば、茂みの方からガサゴソという音が聞こえる。 「諏訪子様…ですか?」 返事は無い、なんとも言えない不安が過ぎる。 またガサゴソ、ガサゴソと音が聞こえる。 茂みから這い出てきたのは単なる蛇だった。 なんだ…ただの蛇でしたか 早苗はホッと息をつくが、直後安堵するには早過ぎた事に気がつく。 出てきた蛇は一匹、二匹、三匹…十五あたりで早苗は数えるのをやめた。 とにかく大量の蛇、蛇、蛇 平凡な灰色、毒々しい赤と黒の模様、あからさまな警戒色、どこかで見た地味な色合い 蛇達はズルリズルリとゆっくり早苗の方に向かって行く。 ああ、きっと神奈子様の仕業です。 そうやって、私を驚かせる気なんです。 タネが分かればなんてことはない、この蛇達は私の足元をうろつくだけで危害は加えないだろう。 そう思って早苗はふうっと肩を撫で下ろす。 蛇達はなおズルリズルリと這って来る。 そう、蛇達は私の足元まで来て… 柱を這い上がってきた。 ズルズルと早苗の上を、服の下を這ってくる蛇。 ひぁ…ひゃああああ… 蛇の冷たい感触がなんとも言いがたい。 蛇達はウゾウゾと早苗の体に纏わりついて やがて、早苗の足に纏わりついていた蛇が急に締め付けを始めた。 「ううう…ぐううう…くああ…」 ギシギシと締め付けられる痛みより…加えられる筈の無い攻撃が加えられる不安。 一体、どういうこと!? 更にもう一匹、今度は脚、腕と締め付けてゆく 「いぎぁああぁぁあぁあぁ」 苦しい、こんな事をされたら痕になってしまう。 神奈子様、そんなにまで怒っているんですか。 腕と足の締め付けは一旦弱まる。 今度は腹に巻きついていた蛇が締め付け始めた。 「うげえええええええ、うええええええ」 内臓が圧迫される独特の吐き気が早苗を襲う。 吐き気と苦しみで気が遠くなりながら、早苗は思い出す。 かつて神奈子様は言っていた、お前は風祝と同時に大切な跡取りの胎でもあると 女の子だし腹は大切にしておくれと、慈しむように私の臍の下あたりを撫でた事があった。 正直、あれってセクハラ…いや、そんな事よりもっと重大な事がある。 つまり、神奈子様は絶対にこんな事をしないということだ。 いかに怒っていても、少なくと子孫が生まれるまでは。 考えられる仮説は二つ、一つはこれは単なる野生の蛇であるということ。 それは…無いだろう、野生の蛇はこのような組織的な拷問はしないし そもそも無意味に人間の方に来たりはしない。 もう一つは、早苗を脅かそうと蛇をけしかけたのはいいが 直後に蛇の制御を失った可能性だ。 諏訪子様との戦いに集中し過ぎて蛇の制御が疎かになっているか もしくは、諏訪子様に劣勢を強いられて蛇を制御『出来なく』なりつつあるか。 これならば整合性がある、蛇が締め付けたり止めたりを繰り返すのは 制御が離れて蛇が本能のまま動いたり、戻って危害を加えなくなったりを繰り返しているのでは? そう考えると、頭、胸、喉、急所を這う蛇の冷たい感覚がとてもおぞましく感じられる、 頭に浮かんだ不吉な推測を振り払おうとした直後、今度は蛇が首に巻きつき… 嘘でしょう?首はマズイです!本当に死んじゃう…誰か… 早苗の祈りを他所に、蛇は首を締め付け始めた。 「ぐええええええ…」 早苗はカエルの鳴き声のように呻く。 苦しい、死ぬ、死ぬ…助けて誰か… 早苗の顔がみるみるピンクに染まり、意識を失いかけた瞬間、蛇の締め付けは解かれた。 ぜはぜはと荒く呼吸をする早苗。 足、脚、腕、腹、首…どんどん重要な部分まで制御がいい加減になってきている。 神奈子に見限られた絶望、許しを乞うチャンスは無く、いつも庇い護ってくれる親代わりの神様は不在。 早苗の体は小刻みに震え、瞳にはじんわりと涙が溜まってきた。 違うんです、これは注連縄と蛇の締め付けで痺れたんです。神奈子様は私を捨てたりしません。 しかし、先程の絞首には全く手心など無く、そのまま殺しに来ていた。 それを思い出すと早苗の思考はぐちゃぐちゃになる。 ところでそういえば、先程から蛇達がシャー、シャーと音を出しているような。 首元の蛇が、胸元の蛇が、二の腕の蛇が、多分他の部位の蛇もチロチロと舌を動かし牙を剥いている。 首筋の、どこかで見た地味な色合いの蛇。 どこかで見た地味な色合い…ああ、思い出しました…図鑑で見た最悪の毒蛇です。 ようやく引っかかっていた記憶が繋がり、少しスッとしかけた直後、早苗の頭は真っ白になる。 シュー、シュー、と焦らすように何度も牙を剥いては戻してを繰り返す蛇。 バクバクと心拍数が上がり顔は真っ赤に、風祝としての矜持は音を立てて剥げ落ち 恐怖のあまり、ぎゅっとつぶった瞳からぼろぼろと涙が流れる。 蛇達はついにシャッと襲い掛かった 「あ、あ、あ…誰か…助けて…誰か…誰か…お母さん…」 「大丈夫か早苗!今助ける!」 早苗の側に、諏訪子が降り立つ。 「なんだこれは!じっとしてて」 諏訪子が鉄輪から衝撃波を発すると、早苗に纏わりついていた蛇達は一瞬にして消え失せた。 そして、どれだけもがいても外れなかった注連縄の戒めと柱も、フッと溶ける様に無くなる。 柱と注連縄が消え、中に投げ出される早苗の体。 諏訪子は小さな体で器用にそれを受け止める。 「諏訪子さま!諏訪子さま!死んじゃうかと思いました!」 ワッと泣き出す早苗の頭を、諏訪子はよしよしと撫でる。 「諏訪子様、私… グスッ 蛇がいっぱい…ギュッて ヒック いくつか噛まれて…死んじゃう」 「大丈夫だ、さっきの光で蛇の毒も完全に浄化された筈だよ」 「怖かったな、早苗。蛇は寸にして人を呑む…いくら蛇に慣れてても、それは辛かったろう」 諏訪子は苦い顔をしながら、何も無い空の方を見つめつつ言う。 「チッ、神奈子め。早苗の、女の子の体に傷跡が残るような事を…見下げ果てた奴だ」 「諏訪子様がここに残ってくれないと…私、神奈子様に…」 早苗は先程より酷い折檻を思い浮かべて、震えながら言う。 しかし、諏訪子にはそれがまるで だから神奈子と和解しろ 遠巻きにと言っているように聞こえた。 諏訪子は少し声を荒げながら、興奮するように言う。 「怯える必要は無いよ!河童に作らせたこの錆びない合金の輪さえあれば神奈子なんて!」 「あいつ…近くにいる筈だ、早苗を巻き込まないように二人っきりで決着つけて来る!大丈夫だ!」 諏訪子はそういうと空の彼方へ猛スピードで飛び立っていった。 急に境内に一人で取り残された早苗、暫くはポカーンとしていたが 数分後、ようやく自分が神社に一人きりで、入れ違いで神奈子が来たらマズイ事に気がついた。 早苗は遠くの博霊神社に匿って貰うべく おっかなびっくりながらもフワっと鳥居の方に飛び立つ。 その瞬間、早苗の体は注連縄で鳥居に縛り付けられた。 …早苗が諏訪子を足止め出来ず、逃走しようとした場合に発動するように仕組まれた神奈子のトラップだろう。 目の前に、今度はゴソゴソという大きな音と共に一匹の大蛇が這い出る。 その瞬間早苗の視界はぐるぐると回り、恐怖と動揺で頭は真っ白になった。 大蛇は、大きく口を開け 以下、救い オチ エピローグ なるべく両方読んでからの方がいいかも 「グスッ もうやだ…神社出てく…ヒック…」 先程から気まずげに、ひんひんと袖で涙を拭う早苗の側で正座している二柱の神は目を丸くする。 「ちょ!東風谷家断絶じゃん!」 「私達を祭る人間いなくなるし!」 関係無い争いに早苗を巻き込んだ結果がこれだ。 非難するようにお互いを見つめ合った後、真っ青な顔をしながら早苗に話しかける二柱の神。 「いや、すまなかったって!早苗を巻き込む事なかったな?うん」 「ごめん早苗!機嫌直してよ!」 にへらにへらと気まずい笑みを早苗に向ける二柱 「ずわござまのばかっ!かにゃこざまなんてしんじゃえ!」 二柱に背を向けて、早苗はワッと泣き出す。 おおっと、風祝からナチュラルに存在抹消の言葉入りました!と言いながらアチャーと顔を顰める神奈子 そんなアホな神奈子に冷たい視線を送りながら諏訪子は言う 「早苗の体に傷をつけて!どんだけ早苗が辛かったか!」 「だから、アレは本物の蛇じゃなくてまやかしの一種で…消滅すれば痕も消えるって言ったろ!」 真っ青な顔のまま言い争いを始める二柱。 「大体、諏訪子が『いちご煮』が多分イチゴ飴の事だとか変な言い出すから…」 「神奈子だって!…いや、もうこの話はお終いにしたろ?とにかく今は早苗の機嫌を…」 諏訪子は少し思案した後、早苗の向いている方に回り込むと膝を曲げてピョンピョンと跳ね 「…すわすわすわっぴ」 ぽつりと、諏訪子は言った。 神奈子は察したように、大げさに驚いてみせる 「おっと!これは愛くるしいねえ!ホラ早苗見てみなよ!サン○オもビックリだ!」 無駄に高いテンションを装いながら、早苗の顔を覗き込もうとする神奈子。 しかし、早苗はぷいっと横を向いてしまった。 「ちょ…早苗。スルーしないでおくれ、こっち向いておくれよ、さなえぇええぇえぇ」 - すわすわすわっぴクソワロタwwww -- 名無しさん (2009-08-31 01:49:09) - すわっぴwwwwwwやめろwwwwww -- 名無しさん (2009-08-31 12:04:37) - すわっぴ・・・これは流行る・・・ -- 名無しさん (2009-09-05 02:22:26) - まあたこの二柱はww -- 名無しさん (2009-09-05 15:01:57) - すわすわすわっぴwwww -- 名無しさん (2009-09-07 01:49:04) - これはひどいオチだww -- 名無しさん (2009-11-24 00:08:57) - クソワロタwww -- 名無しさん (2009-11-24 16:01:09) - まやかしっていっても家族的な人の信頼を粉砕したのは最低だけどとても美味しい。 -- 名無しさん (2010-01-05 15:44:48) - オチがwwwwwwすわっぴwwwwww -- XI (2010-01-09 13:47:15) - どうしてこうなった -- 名無しさん (2010-04-02 20:49:32) - まやかしっつっても私も嫌だwwww -- 名無しさん (2010-04-03 14:09:30) - すわすわすわっぴwwwwちょっwww -- 名無しさん (2010-04-04 01:57:47) - 結局 いちご煮は飴なの?ジャムなの? -- 名無しさん (2010-04-17 22:22:58) - いちご煮はジャムでもあり飴でもある -- 砂時計 (2010-04-20 15:38:03) - ↑ということはいちご煮は・・・水飴? -- 名無しさん (2010-04-24 22:47:08) - もうやだこの二柱…… -- 名無しさん (2010-05-07 20:13:32) - 「愛くるしいねえ!」じゃねえよwwwwwwww -- 名無しさん (2010-11-02 04:06:26) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
※早苗いじめ ※キャラ崩壊です エピローグは蛇足?両ルート読んでからじゃないと一方が萎える? 早苗いじめBルート 諏訪子様の仰るとおりに (Aルート…[[神奈子様の仰るとおりに:27スレ532]]) 守矢神社、明朝 「なんのつもりなんだ!諏訪子!」 「アンタこそなんなのさ!神奈子!」 いつもなら小鳥の囀りと共に始まる筈の早苗の朝。 しかし今朝は守矢の神々の怒鳴り声で目を覚ますハメになった。 あくびもそこそこ、只ならぬ険悪な雰囲気に、早苗は慌てて布団から飛び起きて二人の方に駆け寄る。 「どうしたのですか、諏訪子様!神奈子様!」 その瞬間、二柱の神はクルっと早苗の方に向き直った。 「「早苗、アンタはどっちの味方だい!」」 寝ぼけ眼にいきなりの究極の質問、早苗はぐっと息を飲む。 「あの…私は…お二人とも…そもそも何の…」 早苗はしどろもどろになりながら、曖昧な返事をしようとするが 「どちらか一人だよ、どっちもなんてダメだからね!」 どっちつかずの仲良しこよしは、諏訪子の一喝で封じられてしまった。 早苗はまだ目覚めきっていない頭脳を回転させて考える。 私はこの神社の風祝、だから祭ってるお二人には… あれ?でも私は諏訪子様の子孫だって、最近お二人から聞きました。 いつも 神社の歴史を敬え と仰ってます。 「どちらかと言えば、諏訪子様かな…でも、 早苗はぽつりと小さく漏らし、そこから更に曖昧な言い訳に繋げようとするが 「チクショー、早苗の裏切り者!」 その言葉を聞いた瞬間、神奈子はカンカンになってしまった。 数分後 「すわっ、逃げろっ!」 諏訪子は地面に溶けるように潜り込んで逃げてしまった。 あの後、ケンケになった神奈子と諏訪子。 歴史は繰り返す、諏訪子の鉄輪は神奈子の力によって錆の塊に変えられた。 長い同居生活の結果、諏訪子は自分が神奈子に武力で負けた過去をすっかり忘れていたのだ。 哀れなのはぽつんと残された早苗、神奈子と二人きり、重くて気まずい沈黙が走る。 「おい、早苗。お前は諏訪子の方が大事なんだったな?」 最初に沈黙を破ったのは神奈子だった。 怒りと恨みの篭った暗い声に、早苗はギクリとする。 「いえ、いつもお二人とも目上を立てろと… 「黙れ、お前は守矢の風祝。ここの主は私だ。」 神奈子は冷たい声で言いながら、早苗の頬を平手で張った。そして掌を早苗に向かってかざす。 すると、早苗の後ろに巨大な柱が出現し 同時に出現したが注連縄が早苗の体を柱に縛り付ける。 「私は諏訪子を捕らえに行く、お前はそこで反省していろ…あと、諏訪子が戻ってきたら足止めするように」 「失敗したら…分かったな?」 早苗が柱に縛り付けられて暫く 「ああ…どうしてこんな事になってしまったのでしょうか…」 ぼんやりと中を見つめる事しか出来ない早苗。 ああ、お二人はどこにいっちゃったんだろうな…ん? 耳を澄ませば、茂みの方からガサゴソという音が聞こえる。 「諏訪子様…ですか?」 返事は無い、なんとも言えない不安が過ぎる。 またガサゴソ、ガサゴソと音が聞こえる。 茂みから這い出てきたのは単なる蛇だった。 なんだ…ただの蛇でしたか 早苗はホッと息をつくが、直後安堵するには早過ぎた事に気がつく。 出てきた蛇は一匹、二匹、三匹…十五あたりで早苗は数えるのをやめた。 とにかく大量の蛇、蛇、蛇 平凡な灰色、毒々しい赤と黒の模様、あからさまな警戒色、どこかで見た地味な色合い 蛇達はズルリズルリとゆっくり早苗の方に向かって行く。 ああ、きっと神奈子様の仕業です。 そうやって、私を驚かせる気なんです。 タネが分かればなんてことはない、この蛇達は私の足元をうろつくだけで危害は加えないだろう。 そう思って早苗はふうっと肩を撫で下ろす。 蛇達はなおズルリズルリと這って来る。 そう、蛇達は私の足元まで来て… 柱を這い上がってきた。 ズルズルと早苗の上を、服の下を這ってくる蛇。 ひぁ…ひゃああああ… 蛇の冷たい感触がなんとも言いがたい。 蛇達はウゾウゾと早苗の体に纏わりついて やがて、早苗の足に纏わりついていた蛇が急に締め付けを始めた。 「ううう…ぐううう…くああ…」 ギシギシと締め付けられる痛みより…加えられる筈の無い攻撃が加えられる不安。 一体、どういうこと!? 更にもう一匹、今度は脚、腕と締め付けてゆく 「いぎぁああぁぁあぁあぁ」 苦しい、こんな事をされたら痕になってしまう。 神奈子様、そんなにまで怒っているんですか。 腕と足の締め付けは一旦弱まる。 今度は腹に巻きついていた蛇が締め付け始めた。 「うげえええええええ、うええええええ」 内臓が圧迫される独特の吐き気が早苗を襲う。 吐き気と苦しみで気が遠くなりながら、早苗は思い出す。 かつて神奈子様は言っていた、お前は風祝と同時に大切な跡取りの胎でもあると 女の子だし腹は大切にしておくれと、慈しむように私の臍の下あたりを撫でた事があった。 正直、あれってセクハラ…いや、そんな事よりもっと重大な事がある。 つまり、神奈子様は絶対にこんな事をしないということだ。 いかに怒っていても、少なくと子孫が生まれるまでは。 考えられる仮説は二つ、一つはこれは単なる野生の蛇であるということ。 それは…無いだろう、野生の蛇はこのような組織的な拷問はしないし そもそも無意味に人間の方に来たりはしない。 もう一つは、早苗を脅かそうと蛇をけしかけたのはいいが 直後に蛇の制御を失った可能性だ。 諏訪子様との戦いに集中し過ぎて蛇の制御が疎かになっているか もしくは、諏訪子様に劣勢を強いられて蛇を制御『出来なく』なりつつあるか。 これならば整合性がある、蛇が締め付けたり止めたりを繰り返すのは 制御が離れて蛇が本能のまま動いたり、戻って危害を加えなくなったりを繰り返しているのでは? そう考えると、頭、胸、喉、急所を這う蛇の冷たい感覚がとてもおぞましく感じられる、 頭に浮かんだ不吉な推測を振り払おうとした直後、今度は蛇が首に巻きつき… 嘘でしょう?首はマズイです!本当に死んじゃう…誰か… 早苗の祈りを他所に、蛇は首を締め付け始めた。 「ぐええええええ…」 早苗はカエルの鳴き声のように呻く。 苦しい、死ぬ、死ぬ…助けて誰か… 早苗の顔がみるみるピンクに染まり、意識を失いかけた瞬間、蛇の締め付けは解かれた。 ぜはぜはと荒く呼吸をする早苗。 足、脚、腕、腹、首…どんどん重要な部分まで制御がいい加減になってきている。 神奈子に見限られた絶望、許しを乞うチャンスは無く、いつも庇い護ってくれる親代わりの神様は不在。 早苗の体は小刻みに震え、瞳にはじんわりと涙が溜まってきた。 違うんです、これは注連縄と蛇の締め付けで痺れたんです。神奈子様は私を捨てたりしません。 しかし、先程の絞首には全く手心など無く、そのまま殺しに来ていた。 それを思い出すと早苗の思考はぐちゃぐちゃになる。 ところでそういえば、先程から蛇達がシャー、シャーと音を出しているような。 首元の蛇が、胸元の蛇が、二の腕の蛇が、多分他の部位の蛇もチロチロと舌を動かし牙を剥いている。 首筋の、どこかで見た地味な色合いの蛇。 どこかで見た地味な色合い…ああ、思い出しました…図鑑で見た最悪の毒蛇です。 ようやく引っかかっていた記憶が繋がり、少しスッとしかけた直後、早苗の頭は真っ白になる。 シュー、シュー、と焦らすように何度も牙を剥いては戻してを繰り返す蛇。 バクバクと心拍数が上がり顔は真っ赤に、風祝としての矜持は音を立てて剥げ落ち 恐怖のあまり、ぎゅっとつぶった瞳からぼろぼろと涙が流れる。 蛇達はついにシャッと襲い掛かった 「あ、あ、あ…誰か…助けて…誰か…誰か…お母さん…」 「大丈夫か早苗!今助ける!」 早苗の側に、諏訪子が降り立つ。 「なんだこれは!じっとしてて」 諏訪子が鉄輪から衝撃波を発すると、早苗に纏わりついていた蛇達は一瞬にして消え失せた。 そして、どれだけもがいても外れなかった注連縄の戒めと柱も、フッと溶ける様に無くなる。 柱と注連縄が消え、中に投げ出される早苗の体。 諏訪子は小さな体で器用にそれを受け止める。 「諏訪子さま!諏訪子さま!死んじゃうかと思いました!」 ワッと泣き出す早苗の頭を、諏訪子はよしよしと撫でる。 「諏訪子様、私… グスッ 蛇がいっぱい…ギュッて ヒック いくつか噛まれて…死んじゃう」 「大丈夫だ、さっきの光で蛇の毒も完全に浄化された筈だよ」 「怖かったな、早苗。蛇は寸にして人を呑む…いくら蛇に慣れてても、それは辛かったろう」 諏訪子は苦い顔をしながら、何も無い空の方を見つめつつ言う。 「チッ、神奈子め。早苗の、女の子の体に傷跡が残るような事を…見下げ果てた奴だ」 「諏訪子様がここに残ってくれないと…私、神奈子様に…」 早苗は先程より酷い折檻を思い浮かべて、震えながら言う。 しかし、諏訪子にはそれがまるで だから神奈子と和解しろ 遠巻きにと言っているように聞こえた。 諏訪子は少し声を荒げながら、興奮するように言う。 「怯える必要は無いよ!河童に作らせたこの錆びない合金の輪さえあれば神奈子なんて!」 「あいつ…近くにいる筈だ、早苗を巻き込まないように二人っきりで決着つけて来る!大丈夫だ!」 諏訪子はそういうと空の彼方へ猛スピードで飛び立っていった。 急に境内に一人で取り残された早苗、暫くはポカーンとしていたが 数分後、ようやく自分が神社に一人きりで、入れ違いで神奈子が来たらマズイ事に気がついた。 早苗は遠くの博霊神社に匿って貰うべく おっかなびっくりながらもフワっと鳥居の方に飛び立つ。 その瞬間、早苗の体は注連縄で鳥居に縛り付けられた。 …早苗が諏訪子を足止め出来ず、逃走しようとした場合に発動するように仕組まれた神奈子のトラップだろう。 目の前に、今度はゴソゴソという大きな音と共に一匹の大蛇が這い出る。 その瞬間早苗の視界はぐるぐると回り、恐怖と動揺で頭は真っ白になった。 大蛇は、大きく口を開け 以下、救い オチ エピローグ なるべく両方読んでからの方がいいかも 「グスッ もうやだ…神社出てく…ヒック…」 先程から気まずげに、ひんひんと袖で涙を拭う早苗の側で正座している二柱の神は目を丸くする。 「ちょ!東風谷家断絶じゃん!」 「私達を祭る人間いなくなるし!」 関係無い争いに早苗を巻き込んだ結果がこれだ。 非難するようにお互いを見つめ合った後、真っ青な顔をしながら早苗に話しかける二柱の神。 「いや、すまなかったって!早苗を巻き込む事なかったな?うん」 「ごめん早苗!機嫌直してよ!」 にへらにへらと気まずい笑みを早苗に向ける二柱 「ずわござまのばかっ!かにゃこざまなんてしんじゃえ!」 二柱に背を向けて、早苗はワッと泣き出す。 おおっと、風祝からナチュラルに存在抹消の言葉入りました!と言いながらアチャーと顔を顰める神奈子 そんなアホな神奈子に冷たい視線を送りながら諏訪子は言う 「早苗の体に傷をつけて!どんだけ早苗が辛かったか!」 「だから、アレは本物の蛇じゃなくてまやかしの一種で…消滅すれば痕も消えるって言ったろ!」 真っ青な顔のまま言い争いを始める二柱。 「大体、諏訪子が『いちご煮』が多分イチゴ飴の事だとか変な言い出すから…」 「神奈子だって!…いや、もうこの話はお終いにしたろ?とにかく今は早苗の機嫌を…」 諏訪子は少し思案した後、早苗の向いている方に回り込むと膝を曲げてピョンピョンと跳ね 「…すわすわすわっぴ」 ぽつりと、諏訪子は言った。 神奈子は察したように、大げさに驚いてみせる 「おっと!これは愛くるしいねえ!ホラ早苗見てみなよ!サン○オもビックリだ!」 無駄に高いテンションを装いながら、早苗の顔を覗き込もうとする神奈子。 しかし、早苗はぷいっと横を向いてしまった。 「ちょ…早苗。スルーしないでおくれ、こっち向いておくれよ、さなえぇええぇえぇ」 - すわすわすわっぴクソワロタwwww -- 名無しさん (2009-08-31 01:49:09) - すわっぴwwwwwwやめろwwwwww -- 名無しさん (2009-08-31 12:04:37) - すわっぴ・・・これは流行る・・・ -- 名無しさん (2009-09-05 02:22:26) - まあたこの二柱はww -- 名無しさん (2009-09-05 15:01:57) - すわすわすわっぴwwww -- 名無しさん (2009-09-07 01:49:04) - これはひどいオチだww -- 名無しさん (2009-11-24 00:08:57) - クソワロタwww -- 名無しさん (2009-11-24 16:01:09) - まやかしっていっても家族的な人の信頼を粉砕したのは最低だけどとても美味しい。 -- 名無しさん (2010-01-05 15:44:48) - オチがwwwwwwすわっぴwwwwww -- XI (2010-01-09 13:47:15) - どうしてこうなった -- 名無しさん (2010-04-02 20:49:32) - まやかしっつっても私も嫌だwwww -- 名無しさん (2010-04-03 14:09:30) - すわすわすわっぴwwwwちょっwww -- 名無しさん (2010-04-04 01:57:47) - 結局 いちご煮は飴なの?ジャムなの? -- 名無しさん (2010-04-17 22:22:58) - いちご煮はジャムでもあり飴でもある -- 砂時計 (2010-04-20 15:38:03) - ↑ということはいちご煮は・・・水飴? -- 名無しさん (2010-04-24 22:47:08) - もうやだこの二柱…… -- 名無しさん (2010-05-07 20:13:32) - 「愛くるしいねえ!」じゃねえよwwwwwwww -- 名無しさん (2010-11-02 04:06:26) - いちご煮は青森の名物で、いわゆる「ウニとアワビのすまし汁」のことだったと思います。違ってたらすいません -- 名無しさん (2014-04-04 21:05:37) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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