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 スペルカードシステムの崩壊、それは妖怪達が真に妖怪らしくあるための楽園を考える一人の男による異変だった……。 「ふぅ、手強かったわね……ビッ○ボス……」 「まさか二足歩行戦車と戦うことになるとは思わなかったわね」  しかし、なんとか今回も異変を解決した霊夢と紫。  知り合いの無事を確認するために、二人で幻想郷中を回っている途中である。  しかし、流石弾幕ごっこで強い奴はガチで戦っても結構強かったようだ。  ルーミアからミスティア、リグル…果ては大妖精や三月精にいたるまで皆健在であった。  最も三月精も大妖精も異変が終わるまで一緒に隠れていたようだが。  だがしかし、三月精の家、幻想郷知り合い巡りの終盤ここに来てまだ確認されていない人物が二人存在した。  チルノと魔理沙である。  妖精達の言うには、チルノはこの異変が起こってもむしろ普段の十倍以上の実力が出せるようになり、一人笑いながら外で遊んでいたようだ。  呼び戻そうにもチルノには力の及ばぬ四人ではあまり外に出ることも出来ず、この異変の間チルノとはまったく会っていないらしい。  大妖精は心配の余り、二人に泣いて土下座してチルノの捜索を依頼した。  三月精も積極的ではなかったが、それなりにチルノは心配なようで、一緒に頭を下げてきた。 「もう一人……魔理沙は心配ないでしょうけど、チルノか……ああ、あの馬鹿!」 「そう心配するほどでもないと思うわよ。あの氷精の力、制限なく使えたなら大妖怪でも手こずるでしょうし」 「でも、あいつは頭がねぇ……あら、そういや魔理沙は今回は異変解決に来なかったわね」 「そういえばそうね、異変といえば食べかけのご飯も放り出して飛んでくるようなあの魔法使いが」 「まあ、来なかった気持ちはわからないでもないわ。今回の異変は……後味が悪かった。まだ血の臭いが取れてない気がする」 「犠牲になったものは多いけど、知己の者たちに被害が及ばなかっただけマシだったと思いましょう」 「まだわからないけどね……」  チルノ捜索は、さほど骨を折らぬ内に有力な証言が見つかった。  情報源はアリスであった。  彼女は捜索の前にも一度無事を確認しにいったが、血を好む方でもないのでほとんど家に引きこもっていたとか。  その時チルノの名前はおくびにも出さなかったが、こうしてあらためて尋ねると、苦い顔をして居所をあっさり教えてくれた。 「あの氷精なら魔理沙の家にいるわよ」  そう苦々しげに言うと、舌打ちして扉を閉めようとした。  が、そこで失礼に思い当ったのか、二人に向かってさらにこう続けた。 「ごめんなさい、カリカリしちゃって……別にあなた達がどうとか、チルノがどうとかではないのよ……ただ、ね」  そこから言葉を濁すと、後は自分の目で確かめてと言って今度こそ家に戻った。  わけもわからず取り残された二人であったが、まあとにかく行って確認してみましょうという運びになった。 「やぁ、よかったよかった、あの馬鹿達が無事で」 「しかし、未確認の二人が同じ場所にいるなんて……別々に探す手間が省けたわ」 「そういえば、魔理沙の家によるの忘れてたわね……」 「何だかんだ言って、あれを信頼してるのでしょう霊夢。だから最後にしようと無意識に思った」 「そうなのかしら」 「そうでしょうとも」  程なくして、魔理沙の家につく。  なにせ同じ森の中、アリスの家からここまで徒歩で来れたほどだ。  ノックの後にドアを開いて現れたのは、意外にもチルノであった。 「誰よ!?妖怪なら容赦しないわ……って、霊夢!……と、ゆ、ゆかりだ!」 「うわー、超元気。これ見たらあの妖精達どう思うかしら」 「泣いて喜ぶんじゃないの、緑の髪のあの子は」  そんな二人に対し、チルノは威嚇気味に叫んだ。 「何しに来たのよ!まさかあんた達もおかしくなっちゃったとか!?」 「お馬鹿、そのおかしくなっちゃったのが解決したから来てるのよ」 「知り合いの無事を確認しにね、お友達も心配してるわよ、チルノ?」 「そうだったの、何だ……みんな心配してるのか……悪いことしちゃったな」  うつむいて、少し安心した顔をするチルノ。 「まったくよ、それに家主は客も出迎えずにどうしたっての?ねぇ、魔理沙ー!」  そう言って霊夢が家の中に呼びかける。 「あ、あー!ダメダメ、魔理沙は今はダメなの!」  しかし、いきなりチルノが手を広げて二人を通せんぼしようとする。 「何がダメなのよ、いいからどきなさい、勝手に上がるから」 「ダメだってばー!もー!」 「何をそんなに隠そうとしてるのかしら?まさか、あなたが魔理沙を殺しちゃったとか?」 「そんなことするわけないでしょ!あー、入っちゃダメー!」  チルノが憤慨して紫に喰ってかかった隙に、押しのけて中に入る霊夢。 「あんたの家じゃないでしょうに、私のでもないけど…魔理沙、どこよ!トイレ?」  そう言って、寝室と思しきドアを開けた。 「あ、いたいた、何やってんのよ魔理…沙…?」  果たしてそこにはベッドに座って枕を抱き、警戒した様子でドアを開けた人物を見ている魔理沙がいた。  しかしその格好は、あまりにも普段とかけ離れている。  トレードマークの帽子はかぶっておらず、いつもの白黒服のみ。  その顔は、抱いた枕で口を隠し、表情はあまり読めなかったが、警戒というより怯えを含んでいるように見えた。 「れい……む……?霊夢か……?」  少し間があいて、相手を認識した魔理沙。  そこから出た声は、震えていた。 「あ、あんた……何が……」  霊夢も、その姿を確認した時から、体を走った驚愕が抜けなかった。  あまりに変わり果てた、友人の姿。  何が起こった?何があったのだ?  硬直したまま動けない霊夢の隣に、遅れて入ってきた紫が並ぶ。 「あらあらあら……これは……」  紫も驚いてその魔理沙を見たが、霊夢ほどのショックは受けていないようだった。  それよりも驚くべきはその後の魔理沙であった。 「ひぃっ!ゆ、ゆかり!?」  霊夢の隣に並んだ紫、その姿を見た途端に、小さな、絞り出すような悲鳴を上げ、  視線を紫に向けたまま後ずさるように勢いよくベッドの端に移動し、背中から壁にぶつかった。  体は、まるで氷水を頭からぶっかけられたようにガタガタと震えている。 「あー!?ちょっとどいて二人とも!」  ようやく二人に遅れてそれを見たチルノが、紫と霊夢を押しのけて魔理沙に駆け寄る。 「大丈夫だって魔理沙、あの二人は大丈夫!一番魔理沙がわかってるでしょ?」 「でも……でも……紫は妖怪だ……妖怪はみんなおかしくなってた……」 「それももう解決したんだってば!それにあの二人が襲ってきても、あたいが守ってあげるから!」 「ほ、ほんとう……?ほんとうか……?」 「本当よ、ほら、あたいがいるから……大丈夫……大丈夫……」  駆け寄って、震える魔理沙を抱きしめると、子供をあやすようにゆっくり頭を撫でるチルノ。  二人を知る者なら、どの異変よりも異常だと思う光景が、そこに広がっていた。  チルノはその光景を見て固まっている二人に、魔理沙をあやしながら目くばせで向こうに行っててと呼びかける。  その合図に、ショックから抜け出した紫が、まだ固まっている霊夢を半ば引きずるようにして客間へと消えた。  魔理沙が落ち着いてどうなったのか、しばらくして寝室からはチルノ一人だけが出てきた。  客間には大机の椅子に座って目をつぶっていた紫と、座りながらも未だ呆然としている霊夢。  チルノが戻ってくると、紫は目を開けて小さいあくびを一つ。  チルノはばつが悪そうに二人を見ると、「お、お茶入れるわ」と言ってやかんを火にかけた。  それからカップを持ってきて机に三つ並べ、チルノもあいている椅子に座った。 「ほら、霊夢、いい加減に戻ってきなさいな。さっきの光景並に飛べる事実があるわ、なんとチルノがお茶を入れてくれるそうよ」  その言葉に霊夢は、機械的にチルノの方を向く。 「あんたお茶入れられたんだ」 「ま、まあね!って、馬鹿にしないでよ!」  チルノは軽く憤慨して言い返すも、すぐにまた少し沈んだ表情になる。  またもや、静まる場。  本来、何があったのか真っ先に問い詰める言葉が来るだろうが、それもない。  それをするはずの霊夢が、何も言わないからだ。  いや、言えないのかもしれない。  何にせよ、やかんが徐々に温まる音しかしない部屋に、会話の口火を切ったのは紫だった。 「まぁ、あれを見たら大体の察しはついたわ……でも、一応ちゃんとした理由を聞かせてもらえると助かるかしら。好奇心の慰みに」 「……あたいが、少し前に妖怪に襲われてた魔理沙を助けたんだ」  チルノがぽつりぽつりと語り始めた 「魔理沙はそん時、ろくに抵抗も出来てなかった…助けた後、話をしたら、魔理沙、泣き出したんだ  『妖怪が怖い、私には殺せない』って、よく覚えてないけど、そんな感じのことを言ってた  あたいはそれが心配で、助けた後も魔理沙を家に送って。それから家にも泊まって、魔理沙を守ってたんだ」 「殺せない……ねぇ」  呆れたように紫がつぶやく。 「あたい必死だった。だって励ましてるのに、魔理沙がどんどんああなっていっちゃって…」  あたいのせいだ  そう言うと、チルノはうつむいて、静かに泣き出した。 「別に、あんたのせいわじゃないわよ…」  終始うわの空のようだった霊夢だが、しっかり会話は聞いていたようだ。  チルノが泣き出す頃には、かなりいつもの調子を取り戻していた。  しゃくりあげるチルノの頭をなでると、静かに語りかける。 「……あんたも、頑張ってたのね…ありがとう、魔理沙を助けてくれて」  その言葉を聞いたチルノは、霊夢のに胸に飛びつくと、こらえることを止めて大声で泣き始めた。 「あのー…お湯わいてるんだけど、勝手にお茶入れちゃっていいかしら?」  紫は目の前の三文芝居に付き合う気も起きなかった。  結局紫が入れたお茶を飲んでしばらく後、二人は帰ることにした。  チルノはまだ魔理沙のそばにいると言って、二人を見送る。 「ていうか、あたいがいないと魔理沙が泣くからなぁ……」  少し目をはらしたチルノは、頭をかきながらそう言った。 「そう…じゃ、魔理沙をお願いね」 「まかせて!元の魔理沙に戻ったら、また弾幕ごっこしに行くわ!」  霊夢は最後にチルノの頭を一回撫でると、少し悲しそうに笑った。 ---- - ビック○スはそのうちサイボーグになって帰ってきますよ -- 名無しさん (2009-06-10 17:21:56) - 魔理沙とチルノ これは新しい組み合わせだなぁあまり想像ができん -- 名無しさん (2009-06-10 20:13:33) - これってメタルギア? -- 名無しさん (2009-06-10 20:14:34) - すまん。一体まりさに何が起きたんだ? &br()それと紫さんの無関心っぷりは凄いな…。 -- 名無しさん (2011-06-04 21:22:00) - ↑妖怪に襲われた。しかし異変のせいでスペカが無意味になり、ガチバトルに。魔理沙、妖怪にフルボッコにされる。通りすがりのチルノに助けられる -- 名無しさん (2011-06-05 09:19:41) - ↑成る程。 &br()というか最初の一行で『スペルカードシステムの崩壊』ってあるんだから、何故自分はそれに気がつかなかった…。 -- 名無しさん (2011-06-05 16:53:00) - これほどチルノに魅力を感じた話は初めてだ -- 名無しさん (2011-08-10 01:43:17) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
 スペルカードシステムの崩壊、それは妖怪達が真に妖怪らしくあるための楽園を考える一人の男による異変だった……。 「ふぅ、手強かったわね……ビッ○ボス……」 「まさか二足歩行戦車と戦うことになるとは思わなかったわね」  しかし、なんとか今回も異変を解決した霊夢と紫。  知り合いの無事を確認するために、二人で幻想郷中を回っている途中である。  しかし、流石弾幕ごっこで強い奴はガチで戦っても結構強かったようだ。  ルーミアからミスティア、リグル…果ては大妖精や三月精にいたるまで皆健在であった。  最も三月精も大妖精も異変が終わるまで一緒に隠れていたようだが。  だがしかし、三月精の家、幻想郷知り合い巡りの終盤ここに来てまだ確認されていない人物が二人存在した。  チルノと魔理沙である。  妖精達の言うには、チルノはこの異変が起こってもむしろ普段の十倍以上の実力が出せるようになり、一人笑いながら外で遊んでいたようだ。  呼び戻そうにもチルノには力の及ばぬ四人ではあまり外に出ることも出来ず、この異変の間チルノとはまったく会っていないらしい。  大妖精は心配の余り、二人に泣いて土下座してチルノの捜索を依頼した。  三月精も積極的ではなかったが、それなりにチルノは心配なようで、一緒に頭を下げてきた。 「もう一人……魔理沙は心配ないでしょうけど、チルノか……ああ、あの馬鹿!」 「そう心配するほどでもないと思うわよ。あの氷精の力、制限なく使えたなら大妖怪でも手こずるでしょうし」 「でも、あいつは頭がねぇ……あら、そういや魔理沙は今回は異変解決に来なかったわね」 「そういえばそうね、異変といえば食べかけのご飯も放り出して飛んでくるようなあの魔法使いが」 「まあ、来なかった気持ちはわからないでもないわ。今回の異変は……後味が悪かった。まだ血の臭いが取れてない気がする」 「犠牲になったものは多いけど、知己の者たちに被害が及ばなかっただけマシだったと思いましょう」 「まだわからないけどね……」  チルノ捜索は、さほど骨を折らぬ内に有力な証言が見つかった。  情報源はアリスであった。  彼女は捜索の前にも一度無事を確認しにいったが、血を好む方でもないのでほとんど家に引きこもっていたとか。  その時チルノの名前はおくびにも出さなかったが、こうしてあらためて尋ねると、苦い顔をして居所をあっさり教えてくれた。 「あの氷精なら魔理沙の家にいるわよ」  そう苦々しげに言うと、舌打ちして扉を閉めようとした。  が、そこで失礼に思い当ったのか、二人に向かってさらにこう続けた。 「ごめんなさい、カリカリしちゃって……別にあなた達がどうとか、チルノがどうとかではないのよ……ただ、ね」  そこから言葉を濁すと、後は自分の目で確かめてと言って今度こそ家に戻った。  わけもわからず取り残された二人であったが、まあとにかく行って確認してみましょうという運びになった。 「やぁ、よかったよかった、あの馬鹿達が無事で」 「しかし、未確認の二人が同じ場所にいるなんて……別々に探す手間が省けたわ」 「そういえば、魔理沙の家によるの忘れてたわね……」 「何だかんだ言って、あれを信頼してるのでしょう霊夢。だから最後にしようと無意識に思った」 「そうなのかしら」 「そうでしょうとも」  程なくして、魔理沙の家につく。  なにせ同じ森の中、アリスの家からここまで徒歩で来れたほどだ。  ノックの後にドアを開いて現れたのは、意外にもチルノであった。 「誰よ!?妖怪なら容赦しないわ……って、霊夢!……と、ゆ、ゆかりだ!」 「うわー、超元気。これ見たらあの妖精達どう思うかしら」 「泣いて喜ぶんじゃないの、緑の髪のあの子は」  そんな二人に対し、チルノは威嚇気味に叫んだ。 「何しに来たのよ!まさかあんた達もおかしくなっちゃったとか!?」 「お馬鹿、そのおかしくなっちゃったのが解決したから来てるのよ」 「知り合いの無事を確認しにね、お友達も心配してるわよ、チルノ?」 「そうだったの、何だ……みんな心配してるのか……悪いことしちゃったな」  うつむいて、少し安心した顔をするチルノ。 「まったくよ、それに家主は客も出迎えずにどうしたっての?ねぇ、魔理沙ー!」  そう言って霊夢が家の中に呼びかける。 「あ、あー!ダメダメ、魔理沙は今はダメなの!」  しかし、いきなりチルノが手を広げて二人を通せんぼしようとする。 「何がダメなのよ、いいからどきなさい、勝手に上がるから」 「ダメだってばー!もー!」 「何をそんなに隠そうとしてるのかしら?まさか、あなたが魔理沙を殺しちゃったとか?」 「そんなことするわけないでしょ!あー、入っちゃダメー!」  チルノが憤慨して紫に喰ってかかった隙に、押しのけて中に入る霊夢。 「あんたの家じゃないでしょうに、私のでもないけど…魔理沙、どこよ!トイレ?」  そう言って、寝室と思しきドアを開けた。 「あ、いたいた、何やってんのよ魔理…沙…?」  果たしてそこにはベッドに座って枕を抱き、警戒した様子でドアを開けた人物を見ている魔理沙がいた。  しかしその格好は、あまりにも普段とかけ離れている。  トレードマークの帽子はかぶっておらず、いつもの白黒服のみ。  その顔は、抱いた枕で口を隠し、表情はあまり読めなかったが、警戒というより怯えを含んでいるように見えた。 「れい……む……?霊夢か……?」  少し間があいて、相手を認識した魔理沙。  そこから出た声は、震えていた。 「あ、あんた……何が……」  霊夢も、その姿を確認した時から、体を走った驚愕が抜けなかった。  あまりに変わり果てた、友人の姿。  何が起こった?何があったのだ?  硬直したまま動けない霊夢の隣に、遅れて入ってきた紫が並ぶ。 「あらあらあら……これは……」  紫も驚いてその魔理沙を見たが、霊夢ほどのショックは受けていないようだった。  それよりも驚くべきはその後の魔理沙であった。 「ひぃっ!ゆ、ゆかり!?」  霊夢の隣に並んだ紫、その姿を見た途端に、小さな、絞り出すような悲鳴を上げ、  視線を紫に向けたまま後ずさるように勢いよくベッドの端に移動し、背中から壁にぶつかった。  体は、まるで氷水を頭からぶっかけられたようにガタガタと震えている。 「あー!?ちょっとどいて二人とも!」  ようやく二人に遅れてそれを見たチルノが、紫と霊夢を押しのけて魔理沙に駆け寄る。 「大丈夫だって魔理沙、あの二人は大丈夫!一番魔理沙がわかってるでしょ?」 「でも……でも……紫は妖怪だ……妖怪はみんなおかしくなってた……」 「それももう解決したんだってば!それにあの二人が襲ってきても、あたいが守ってあげるから!」 「ほ、ほんとう……?ほんとうか……?」 「本当よ、ほら、あたいがいるから……大丈夫……大丈夫……」  駆け寄って、震える魔理沙を抱きしめると、子供をあやすようにゆっくり頭を撫でるチルノ。  二人を知る者なら、どの異変よりも異常だと思う光景が、そこに広がっていた。  チルノはその光景を見て固まっている二人に、魔理沙をあやしながら目くばせで向こうに行っててと呼びかける。  その合図に、ショックから抜け出した紫が、まだ固まっている霊夢を半ば引きずるようにして客間へと消えた。  魔理沙が落ち着いてどうなったのか、しばらくして寝室からはチルノ一人だけが出てきた。  客間には大机の椅子に座って目をつぶっていた紫と、座りながらも未だ呆然としている霊夢。  チルノが戻ってくると、紫は目を開けて小さいあくびを一つ。  チルノはばつが悪そうに二人を見ると、「お、お茶入れるわ」と言ってやかんを火にかけた。  それからカップを持ってきて机に三つ並べ、チルノもあいている椅子に座った。 「ほら、霊夢、いい加減に戻ってきなさいな。さっきの光景並に飛べる事実があるわ、なんとチルノがお茶を入れてくれるそうよ」  その言葉に霊夢は、機械的にチルノの方を向く。 「あんたお茶入れられたんだ」 「ま、まあね!って、馬鹿にしないでよ!」  チルノは軽く憤慨して言い返すも、すぐにまた少し沈んだ表情になる。  またもや、静まる場。  本来、何があったのか真っ先に問い詰める言葉が来るだろうが、それもない。  それをするはずの霊夢が、何も言わないからだ。  いや、言えないのかもしれない。  何にせよ、やかんが徐々に温まる音しかしない部屋に、会話の口火を切ったのは紫だった。 「まぁ、あれを見たら大体の察しはついたわ……でも、一応ちゃんとした理由を聞かせてもらえると助かるかしら。好奇心の慰みに」 「……あたいが、少し前に妖怪に襲われてた魔理沙を助けたんだ」  チルノがぽつりぽつりと語り始めた 「魔理沙はそん時、ろくに抵抗も出来てなかった…助けた後、話をしたら、魔理沙、泣き出したんだ  『妖怪が怖い、私には殺せない』って、よく覚えてないけど、そんな感じのことを言ってた  あたいはそれが心配で、助けた後も魔理沙を家に送って。それから家にも泊まって、魔理沙を守ってたんだ」 「殺せない……ねぇ」  呆れたように紫がつぶやく。 「あたい必死だった。だって励ましてるのに、魔理沙がどんどんああなっていっちゃって…」  あたいのせいだ  そう言うと、チルノはうつむいて、静かに泣き出した。 「別に、あんたのせいわじゃないわよ…」  終始うわの空のようだった霊夢だが、しっかり会話は聞いていたようだ。  チルノが泣き出す頃には、かなりいつもの調子を取り戻していた。  しゃくりあげるチルノの頭をなでると、静かに語りかける。 「……あんたも、頑張ってたのね…ありがとう、魔理沙を助けてくれて」  その言葉を聞いたチルノは、霊夢のに胸に飛びつくと、こらえることを止めて大声で泣き始めた。 「あのー…お湯わいてるんだけど、勝手にお茶入れちゃっていいかしら?」  紫は目の前の三文芝居に付き合う気も起きなかった。  結局紫が入れたお茶を飲んでしばらく後、二人は帰ることにした。  チルノはまだ魔理沙のそばにいると言って、二人を見送る。 「ていうか、あたいがいないと魔理沙が泣くからなぁ……」  少し目をはらしたチルノは、頭をかきながらそう言った。 「そう…じゃ、魔理沙をお願いね」 「まかせて!元の魔理沙に戻ったら、また弾幕ごっこしに行くわ!」  霊夢は最後にチルノの頭を一回撫でると、少し悲しそうに笑った。 ---- - ビック○スはそのうちサイボーグになって帰ってきますよ -- 名無しさん (2009-06-10 17:21:56) - 魔理沙とチルノ これは新しい組み合わせだなぁあまり想像ができん -- 名無しさん (2009-06-10 20:13:33) - これってメタルギア? -- 名無しさん (2009-06-10 20:14:34) - すまん。一体まりさに何が起きたんだ? &br()それと紫さんの無関心っぷりは凄いな…。 -- 名無しさん (2011-06-04 21:22:00) - ↑妖怪に襲われた。しかし異変のせいでスペカが無意味になり、ガチバトルに。魔理沙、妖怪にフルボッコにされる。通りすがりのチルノに助けられる -- 名無しさん (2011-06-05 09:19:41) - ↑成る程。 &br()というか最初の一行で『スペルカードシステムの崩壊』ってあるんだから、何故自分はそれに気がつかなかった…。 -- 名無しさん (2011-06-05 16:53:00) - これほどチルノに魅力を感じた話は初めてだ -- 名無しさん (2011-08-10 01:43:17) - チルノの⑨ &br()が魔理沙の &br()面倒を見る &br()とは、、、 &br()これは、、 &br()異変か~? -- 桜🌸 (2020-02-16 16:01:00) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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