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95 :名前が無い程度の能力:2008/07/10(木) 00:19:12 ID:LD4MjIBk0
どうにも体調が悪い腹いせに
かわいいかわいいゴミクズの魔理沙をいぢめることにした。
ひょんな事から手に入れたマジックアイテムをアリスに自慢したら、ぜひ見たいと言い出した。
いつものように「いいぜ明日な」と返し帰宅。
翌日、肝心のマジックアイテムをどこにしまったか思い出せない。
なんとかなるだろうとあっちこっちひっくり返しているうちにお目当てのものを見つける。
しかし、それを引っ張りだそうとしたとたん普段整理していないのがたたって左右の本棚が雪崩を起こした。
一冊何千ページもあろうかという本たちが魔理沙を襲う。
間一髪、手で受け止めることはできたものの、とっさの反応のせいで体勢を整えることも本を振り払うこともできない。
どうしたものかと考えていると響くノックの音。
そうだ、今日はアリスが来るんだった。一安心する魔理沙。
「ちょっと散らかってるが気にせず上がってくれ」
そう言おうとしたが口から出たのはひゅうという息が漏れる音だけ。
本の重圧で声が出ないことに思い至ったとたん、どっと冷や汗が流れ出る。
「もー、いないのー? まったく、魔理沙はいつもこうなんだから……人を呼んでおいて留守にするなんて、今度こそきっちりお灸をすえ
ておかないとね」
嘆息するアリスには中で起きている異常事態に気づきもしない。
やがて遠ざかる足音に、魔理沙はやっと事の重大さに気づいた。
永遠か、一瞬か、それすらもわからなくなるほど時間への感覚がなくなってきた頃。
気がつけば目の前に霊夢が立っていた。
霊夢が呆れ顔でひょいと本の一冊を取り除くと、魔理沙の肺に十分な空気が入り込んでくるのを感じた。
「なにやってるんだか」
どうしようもならない状況から開放された安心感から、つい涙がこぼれそうになる。
霊夢の前でそんな姿を晒したくない魔理沙はうっかりこう言ってしまう。
「知らないのか? 今魔術と体術の両方を鍛えられるってんで流行ってるんだぜ」
「あ、そう、それはお邪魔したわね」
なんの気なしに本を元に戻す霊夢。
筋肉の弛緩していた魔理沙は、今までよりさらに辛い、会話どころか呼吸すらままならない体勢になってしまう。
「じゃあ、これが頼まれてたお茶っ葉ね。あんまり根を詰めると身体に毒よ」
そういうと霊夢は魔理沙に背を向けて、家を出て行ってしまった。
後に残された魔理沙は、きっとこれは夢に違いないと思いながら、意識を失っていった。