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横暴の限りを尽くす毎日のレミリア ある日、紅の暴君の姿が忽然と消えたのは 博麗の粛清によるものであろうと、誰しもが思っていた 紅魔館は、もぬけの殻であった 久方ぶりに館を訪れた魔理沙は、空虚な館の空気に戸惑った 門番の居ない門を通り抜け 瀟洒な従者の居ない館内を歩き 主の居ない図書館で 魔理沙は、ようやく、たった一人の見知った顔を見つけた 魔理沙が小悪魔に案内されて来たのは、地下鍾乳洞であった その最奥に、フランは居た 大広間のように開いた地下の空間 陽の光が断たれ、完全な暗闇である筈のその場所に 外界では幻となった種の苔や水晶が、ぼんやりとした光を無償で提供している 「フラン! フランなのか!?」 魔理沙が声を掛けるが、フランは反応しない 仄かな光に照らされるフランの表情と瞳は、虚ろであった 尻を地面にぺたりとつける姿勢で座っている フランは、硝子製の漏斗(ろうと)のような器具を両手で持っていた その漏斗の広い受け口へ、フランの頭上の岩肌から 水滴がひとしずくずつ、規則正しく滴り落ちている 「フラン、何持ってるんだ…こんな所で何してるんだ?」 普通の漏斗は、細長い管が垂直に真下へ伸びている だが、この漏斗は、その管が斜め下45度の方向へ曲がっていた 漏斗が受けとめた水滴が、管を通って斜め下へ逃がされ、フランの前方の岩の地面に落ちる そして、元々水滴が落ちる筈であった真下の地点には、奇妙なものがあった 小さな透明の瓶 その小瓶の半分程を満たす、赤いゼリーのような半透明の液体 いや、それは液体ではなかった 液体であれば常に水平を保つ筈の赤い水面が、時折、生き物のように、ぷるりと脈打っている 液体の中心には、細胞の核のような黒い球体がひとつ、浮いていた この核のようなものも、僅かに蠢いている 「ん、これは…」 それが気になった魔理沙は、小瓶に近づいた 「触らないでください!」 突然、小悪魔が鋭い声を放ち、魔理沙の動きを制した 「あまり近づかないでください。……喰われますよ」 「喰われるって…、この赤いゼリーみたいなのは、一体何なんだ?」 「レミリア様です」 「………は?」 「パチュリー様は持てる技術を駆使して、レミリア様を単純生命体へと作り変えました」 「………」 言葉の意味を理解しかね、固まった表情の魔理沙に、小悪魔は続ける 「フラン様が硝子の漏斗で受け流している水滴は、高濃度の酸です  上層の地質と土壌から凝縮されたものです  フラン様は、レミリア様を、滴り落ちる酸から守っているのです」 「守るって…気が狂いそうな程長い間、自分を地下室に閉じ込めていた姉を、か…?」 「そうです」 「どうして、そんなこと…」 「フラン様自身の御意思です」 「……この小瓶を外せばいいじゃないか。 そうすればフランは自由に…」 「外せません。   小瓶を台座から外したり、瓶の中からレミリア様の反応が消失したりすれば  尋常の威力ではない破壊術式が、発動する仕掛けになっています。  万にひとつ、フラン様は助かったとしても、レミリア様は…」 魔理沙の技術で、パチュリーが施した術式を安全に解除することが、できるだろうか 或いは、瓶の中のレミリアを元の姿に戻す事が、できるだろうか それらの事が実行可能なレベルに達するまで、魔理沙が技術を引き上げるのに、一体どれほどの時間がかかるのだろうか 「ちくしょう…、フラン、どうしてそんな奴の為に…」 魔理沙には理解できなかった 何故、守ろうとするのか 自分を虐げてきた姉を、何故 変わり果てた姿の姉を、何故 それで、フランに何が与えられるというのだろうか そも、人外の心の裡を、人間が理解しようとすること自体が、無理なのかもしれなかった 酷く、ゆっくりと、規則正しく落ちる水滴を フランは漏斗で受け流し続けた 呆けたように曖昧な表情 宙の一点へ向けられたままの焦点がズレた瞳 一瞬だけ、その半開きの唇が、笑いの形になっているかのように、魔理沙には見えた ---- - ロト紋かw -- 名無しさん (2009-05-21 10:48:45) - バキかと思ったらw -- 名無しさん (2009-09-13 14:09:42) - そっちの海王かよ! -- 名無しさん (2009-10-10 06:40:12) - バキネタだと思っていたのが俺だけじゃなくて安心した。 -- 名無しさん (2009-10-10 10:16:08) - どこかで見たことあるなぁと思ってたらロト紋かw &br()懐かしいな -- 名無しさん (2010-01-19 07:21:20) - 海王と聞くとロト紋を真っ先に考える俺には隙はなかった -- 名無しさん (2010-04-06 22:41:44) - なぜ、単純生命体にしたww -- 天内 (2010-04-07 00:35:45) - 復活!! &br()レミリア復活!! -- 名無しさん (2012-04-16 03:42:00) - ネタはなかなか面白い・・・ -- 名無しさん (2016-04-16 14:37:28) - フラン…いい奴 &br() -- 魔理沙 (2016-04-30 13:32:21) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)
横暴の限りを尽くす毎日のレミリア ある日、紅の暴君の姿が忽然と消えたのは 博麗の粛清によるものであろうと、誰しもが思っていた 紅魔館は、もぬけの殻であった 久方ぶりに館を訪れた魔理沙は、空虚な館の空気に戸惑った 門番の居ない門を通り抜け 瀟洒な従者の居ない館内を歩き 主の居ない図書館で 魔理沙は、ようやく、たった一人の見知った顔を見つけた 魔理沙が小悪魔に案内されて来たのは、地下鍾乳洞であった その最奥に、フランは居た 大広間のように開いた地下の空間 陽の光が断たれ、完全な暗闇である筈のその場所に 外界では幻となった種の苔や水晶が、ぼんやりとした光を無償で提供している 「フラン! フランなのか!?」 魔理沙が声を掛けるが、フランは反応しない 仄かな光に照らされるフランの表情と瞳は、虚ろであった 尻を地面にぺたりとつける姿勢で座っている フランは、硝子製の漏斗(ろうと)のような器具を両手で持っていた その漏斗の広い受け口へ、フランの頭上の岩肌から 水滴がひとしずくずつ、規則正しく滴り落ちている 「フラン、何持ってるんだ…こんな所で何してるんだ?」 普通の漏斗は、細長い管が垂直に真下へ伸びている だが、この漏斗は、その管が斜め下45度の方向へ曲がっていた 漏斗が受けとめた水滴が、管を通って斜め下へ逃がされ、フランの前方の岩の地面に落ちる そして、元々水滴が落ちる筈であった真下の地点には、奇妙なものがあった 小さな透明の瓶 その小瓶の半分程を満たす、赤いゼリーのような半透明の液体 いや、それは液体ではなかった 液体であれば常に水平を保つ筈の赤い水面が、時折、生き物のように、ぷるりと脈打っている 液体の中心には、細胞の核のような黒い球体がひとつ、浮いていた この核のようなものも、僅かに蠢いている 「ん、これは…」 それが気になった魔理沙は、小瓶に近づいた 「触らないでください!」 突然、小悪魔が鋭い声を放ち、魔理沙の動きを制した 「あまり近づかないでください。……喰われますよ」 「喰われるって…、この赤いゼリーみたいなのは、一体何なんだ?」 「レミリア様です」 「………は?」 「パチュリー様は持てる技術を駆使して、レミリア様を単純生命体へと作り変えました」 「………」 言葉の意味を理解しかね、固まった表情の魔理沙に、小悪魔は続ける 「フラン様が硝子の漏斗で受け流している水滴は、高濃度の酸です  上層の地質と土壌から凝縮されたものです  フラン様は、レミリア様を、滴り落ちる酸から守っているのです」 「守るって…気が狂いそうな程長い間、自分を地下室に閉じ込めていた姉を、か…?」 「そうです」 「どうして、そんなこと…」 「フラン様自身の御意思です」 「……この小瓶を外せばいいじゃないか。 そうすればフランは自由に…」 「外せません。   小瓶を台座から外したり、瓶の中からレミリア様の反応が消失したりすれば  尋常の威力ではない破壊術式が、発動する仕掛けになっています。  万にひとつ、フラン様は助かったとしても、レミリア様は…」 魔理沙の技術で、パチュリーが施した術式を安全に解除することが、できるだろうか 或いは、瓶の中のレミリアを元の姿に戻す事が、できるだろうか それらの事が実行可能なレベルに達するまで、魔理沙が技術を引き上げるのに、一体どれほどの時間がかかるのだろうか 「ちくしょう…、フラン、どうしてそんな奴の為に…」 魔理沙には理解できなかった 何故、守ろうとするのか 自分を虐げてきた姉を、何故 変わり果てた姿の姉を、何故 それで、フランに何が与えられるというのだろうか そも、人外の心の裡を、人間が理解しようとすること自体が、無理なのかもしれなかった 酷く、ゆっくりと、規則正しく落ちる水滴を フランは漏斗で受け流し続けた 呆けたように曖昧な表情 宙の一点へ向けられたままの焦点がズレた瞳 一瞬だけ、その半開きの唇が、笑いの形になっているかのように、魔理沙には見えた ---- - ロト紋かw -- 名無しさん (2009-05-21 10:48:45) - バキかと思ったらw -- 名無しさん (2009-09-13 14:09:42) - そっちの海王かよ! -- 名無しさん (2009-10-10 06:40:12) - バキネタだと思っていたのが俺だけじゃなくて安心した。 -- 名無しさん (2009-10-10 10:16:08) - どこかで見たことあるなぁと思ってたらロト紋かw &br()懐かしいな -- 名無しさん (2010-01-19 07:21:20) - 海王と聞くとロト紋を真っ先に考える俺には隙はなかった -- 名無しさん (2010-04-06 22:41:44) - なぜ、単純生命体にしたww -- 天内 (2010-04-07 00:35:45) - 復活!! &br()レミリア復活!! -- 名無しさん (2012-04-16 03:42:00) - ネタはなかなか面白い・・・ -- 名無しさん (2016-04-16 14:37:28) - フラン…いい奴 &br() -- 魔理沙 (2016-04-30 13:32:21) - 何があったしw -- ロリこん (2018-01-13 20:23:57) #comment(vsize=2,nsize=20,size=40)

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