バーン!!!

紬「澪ちゃん!」

澪「ムギ……っ!?」

唯「大丈夫、澪ちゃんっ!?」

澪「こっ、来ないでくれっ」

唯「大丈夫だよ、私達は澪ちゃんの味方だよ!」

澪「ううっ……」

澪「おっ、おい!」

澪「教えてくれっ」

澪「このメールを送ったのは私なのか?」

唯「……」

紬「……」

澪「おい、嘘だろ?」

澪「なんで私が!?」

澪「軽音部のみんなを殺すなんてこと……っ」

澪「考えた事もないっ!」

澪「そんなの当たり前だろっ!!!!」

紬「……」

澪「なあ、そうだろ?」

澪「いくら病気だからって」

澪「私がみんなを殺してやるなんて、言うわけ無いよなっ!?」

唯「……」

澪「このメーアドレスは mio115@ になってるけど」

澪「私はつくった覚えがないんだ」

澪「きっとこれは陰謀だよっ!」

澪「誰か悪い奴が私を陥れてるんだよ!」

澪「そうに決まってる!!!」

澪「なっ、唯!?」ダッ

唯「ひぃっ!!!」バッ

澪「!!?」

澪「なっ、なんで逃げるんだ!?」

唯「わ、わわっ」ブルブル

澪「ゆ、唯?」

澪「私だぞ、仲間なんだろ?なんで怖がるんだ?」

澪「おまえっ、まさか私がみんなを傷つけるような事を、すると思ってるのか?」

唯「でっ、でもっ!」ブルブル

澪「恐がるなよっ!!!」

唯「あっ、ああ……」ブルブル

澪「恐がるなって言ってるだろ!?」

澪「私がそんなあぶない奴な訳がないだろっ!!!!」

紬「澪ちゃんっ!刃物を置いてぇっ!!!」

澪「えっ?」

澪はその声で

自分がカッターナイフを持ったままであることに気付いた

さらに紬の近くにある全身鏡に目をやると

そこには首から流れる血で襟元を真っ赤に染め

目を見開く自分の姿があった

とても正気の人間には見えない

澪「うわぁぁぁあああっ!!!!?」

澪「何だこれぇ!!!!?」

澪「なんなんだよーっ!!!!?」

紬「澪ちゃん、落ち着いてっ」

紬「先ずは首の傷の手当をしましょ!」

澪「血がっ、こんなにっ」

紬「大丈夫よ、皮膚が切れてるだけだから」

紬「止血して消毒しましょ?」

紬「だから、刃物を捨ててっ!」

澪「あっ、ああっ」バッ

紬「もう大丈夫よ、座って、傷を見せて」

紬「さっ、これでいいわ」

澪「……ありがとう」

唯「見た感じより、軽い怪我でよかったよー」

澪「ごめんな唯、恐がらせて」

唯「わたしも、澪ちゃんを恐がったりしちゃって……」

澪「あれは仕方ないよ、自分でも恐かったぐらいだから」

澪「あのメール、私が送ったんだな」

澪「覚えてないだけだ……」

澪「きっと、自分の事は自分で分らないんだ」

澪「さっきも鏡を見るまで、自分があんなになってたなんて」

澪「思っても見なかった」

澪「私がみんなを傷つける訳無いなんて言ってたけど」

澪「本当にバカだよな……」

澪「私の事を思って引き止めてくれた、律と梓を突き飛ばしたばかりだったのに」

紬「澪ちゃん……」

澪「なあムギ、私、自分が怖いんだ」

澪「私は、またみんなを傷つけるかもしれないっ」

澪「もう自分が信用できないよ」

澪「だから……」

澪「病院へ連れて行ってくれ」

紬「澪ちゃん、本当にいいのね?」

澪「うん……」

澪「唯も、そばにいてくれっ」

澪「不安なんだ、離れないでくれっ」

唯「私はココだよっ」

澪「私がまた変なことしたら止めてくれよ」

唯「うん」

澪「私が急に行きたくないって言いだしても、無理やり連れてってくれ!」

唯「だいじょうぶだよ、澪ちゃん」

紬「さあ、もう行きましょ」

紬「安心してね澪ちゃん、私のお家が知ってる」

紬「信用できるお医者さんを紹介してあげるから」

澪「ありがとう……」


澪は既にかなり不安定な状態であると判断され

直ぐに入院することとなった

純「最近、澪先輩見ないけど」

梓「あー、澪先輩は入院しちゃったんだ」

純「えっ、それじゃあ!?」

梓「うん、前から話してた頭の病気、ひどかったみたい」

純「そうなんだ……」

純「早く、良くなるといいね」

梓「うーん、そうだねー」

純「梓?」

梓「ああ、そうだ」

梓「純におすそ分けがあるんだ」

純「えっ、何?」

梓「ほらっ、これっ」

コロコロ

純「栗?」

梓「うん、澪先輩の思い出にもらっといてよ」

純「澪先輩の?」

梓「イガイガ取るのけっこう大変だったんだから」

純「???」


唯(実は澪ちゃんは、おかしくなってなんかいなかったんだよ)

唯(あのメールを送ったのも私っ)

唯(澪ちゃんはまんまと騙されて入院させられちゃった)

唯(もしかしたら最後には、本当におかしくなっちゃってたのかも)

唯「まったく、あの時の澪ちゃんの焦りよう」

唯「サイコーだったよねーっ!」

唯「でも、ちょっと悪いことしちゃったかなー?」

律「えっ、いつの話しだ?」

唯「何言ってるの?いつってこの前のー」

律「澪が焦ったり怖がったりってのは毎度の事だからなー」

律「この前って言ってもわかんないよ」

律「なっ、澪?」

澪「おいおい、そんな事ないだろー」

唯「!!?」

唯「!!!!????」

唯(えっ、あれっ?)

唯(澪ちゃんは軽音部皆で騙して)

唯(今は精神病院にいるはずだよね?)

紬「でも、焦ってる澪ちゃんって、とってもかわいいわー」

澪「へっ、変なこというなよー///」

律「ほら見ろ、今も焦ってるだろー」

澪「もうっ、バカ律っ!」

一同「あははははっ」

唯「??????」

唯(あれっ?わからない、何がどうしちゃったんだろ?)

唯(こういう時には落ち着いて)

唯(私はだいじょうぶ)

唯(ちゃんと出来るはずなんだ)

唯(先ずは状況を確認しなきゃ)

唯「澪ちゃん、もう大丈夫なの?」

澪「へっ、大丈夫って?」

唯「前のー、アレの事だよー」

澪「あっ、この前ちょっと熱っぽいって話したやつか?」

澪「気付かないうちに治っちゃったよー」

唯「へー、そうなんだー、よかったぁー」

唯(……まただよ)

唯(また、あいつ等の仕業だ)

唯(またあいつ等の攻撃だ)

唯(あいつ等はとんでもない奴だ)

唯(あいつ等は人の記憶を入れ替える)

唯(あいつ等は巨大な組織)

唯(この世界のありとあらゆる所にスパイを持っている)

唯(その秘密を知っているのはわたしだけ)

唯(きっと軽音部の中にもスパイがいるに違いない)

紬「はい、唯ちゃん、お茶のお代わりは?」

唯「うん、ありがとう」

コポコポ

紬「はい、どうぞ」

唯(ムギちゃんだってあいつ等のスパイかもしれない)

唯(いや、ムギちゃんは違っても)

唯(ムギちゃんのお家はお金持ちだ)

唯(あいつ等の仲間かもしれない)

唯(だとしたら、この紅茶に薬を入れて、持たせたのかも)

紬「飲まないの?」

唯「えっ、飲むよ、ただ良い香りだなって」

紬「えへへ、そう?よかったぁー」

唯(あいつ等はいろんな手段で私達に薬を飲ませる)

唯(その薬の力で、私達の記憶を入れ替え、操作している)

紬「唯ちゃん?」

唯(あっ、ごめん、いただきます)

ズズズッ

唯(きっとこのお茶にも薬が入っている)

唯(だけど私は大丈夫)

唯(こうやって舌を丸めて飲むことによって、薬の効果を抑えることができる)

唯(あの人から教えてもらった秘密の方法)

唯(薬の解毒剤だって私は知っている)

唯(全部あの人が教えてくれたんだ)


唯の家!

唯「ただいまー」

憂「お帰りお姉ちゃん!」

憂「今日はお姉ちゃんの大好きなハンバーグだよ」

唯「やったぁー」

憂「だけどお姉ちゃん、今日はちゃんとお薬飲んだ?」

憂「ちゃんとお薬飲まない悪い子は、ご飯抜きだよ!」

唯「えっ、飲んだよ!?ちゃんと飲んだ!」

憂「えへへ、じゃあ、食べていいよ!」


唯(残念なことに、私の大切な妹の憂は)

唯(あいつ等の手先なんだ!)

唯(しかも一番油断ならない相手)

唯(毎日私に薬を渡して、飲めと言ってくる)

唯(誰が飲んでやるものか!?)

唯(だけど、私は奴らの電波で監視されていて、薬を捨てたりすると)

唯(たちどころに感知されてしまうんだ!)

唯(学校で唯一電波が届かないのは、あのトイレだけ……)

唯(私はそのトイレで毎日薬を捨てている)

唯(そういえば今日、澪ちゃんがトイレの前まで追ってきた)

唯(そうか!澪ちゃんだ!)

唯(澪ちゃんもあいつ等のスパイだったんだ!!!)

憂「さっ、早く着替えてきなよ!」

唯「うん、だけどー」

唯「その前にアイスー」

憂「えーっ、ご飯の後にしなよー」

唯「いーじゃん、今食べたいーっ!」

憂「だーめっ」

唯「ちぇっ、憂のけちーっ」

唯(やはり妨害してくるか)

唯(アイスこそがあの薬の解毒剤)

唯(その事に、やつ等は感づきはじめているのかも!?)

唯(私は毎日アイスを食べることにしている)

唯(だから私だけは、まともな思考で行動できるんだ)


唯の部屋!

唯「」キョロキョロ

唯(憂はまだご飯作ってるよね?)

唯「今は大丈夫みたい」

唯「お話しできるよ」

?「やあ唯ちゃん」

?「今日もあいつ等には感づかれなかったかい?」

唯「うん、うまく行ってるよ」

唯「全部ギー太の言う通りに出来てるよっ」

ギー太「それはよかった」

ギー太「あの薬は出来るだけ飲んじゃダメだ」

ギー太「飲んでも直ぐアイスで解毒すること」

唯「わかってるよ」

ギー太「憂ちゃんと和ちゃんとお医者さんは、あいつ等の仲間だ!」

ギー太「気を付けなくちゃいけないよっ!」

唯「うん!」

唯(ギー太は一見ただのギターだけど)

唯(本当は通信機になっている)

唯(私はギー太を通して正義の宇宙人と連絡を取っているんだ)

唯(楽器屋さんでギー太を見たとき、私にしか聞こえない音で)

唯(本当のことを教えてくれた)

唯(だから私は、ギー太をなんとしてでも手に入れた)

ピンポーン

唯「!!?」

パタパタ

憂「何方ですかー?」

和「憂、私だけど、ちょっと話があるの」

憂「どうしたの和ちゃん」

和「ちょっと唯の事なんだけどね」

和「学校でちょっと気になったことがあって」

憂「気になったこと?」

和「おそらく唯、お薬ちゃんと飲んでないわ」

憂「!!?」

憂「おねーちゃーん」

憂「ちょっと下りてきてぇー」

和「ゆいー、ちょっと話があるのー」


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