澪「や、やめろ!」

唯「みおにゃんやめて!」

ドガシャン!

警察官「パトカーが!?」

メリメリメリ バキバキ

刑事A「ガードレールが引き抜かれてくぞ!?」

刑事B「悪夢だ…」

機動隊員D「畜生!なんなんだ!?」

バシャン バリバリバリバリ

刑事A「く、くっそ」ジャキ

ドガン

刑事A「ぎゃあ!」

澪「やめろ!もうやめてくれ!」

30「…」

警察官A「こちらさくら110!至急応援を!」

機動隊員E「下がれ!やられるぞ!」

警察官C「くそおお!!化け物め!」

ドガッシャ ガシャンガシャン


澪「やめろ!」バチ-ン!

30「にゅ、にゅう…」


主任「これがディクロニウスの本性だぞ…」フラフラ

律「…」

主任「凶暴かつ残虐…それがこいつらの本能なんだよ…」

澪「…」


紬「梓ちゃん大丈夫!?」

梓「だ、大丈夫です」

唯「ムギちゃん!血が出てるよ!?」


30「…私が」

主任「人間とは別種の…完全な化け物なんだよ…」ヨロヨロ


機動隊員E「うう…」

機動隊員F「大丈夫か!?しっかりしろ」


警察官「火を消せ!」


主任「…はぁ…はぁ」モタレ


澪「…みお」ザッ

30「…ね、姉さん?」


班長「動くな!」

機動隊員「…構えっ!」ジャキ


蔵間「…待ってください」スッ

班長「蔵間さん!?」


蔵間「部隊を後退させてください。話がしたいんです」

班長「できません!」

蔵間「そちらの狙撃班をスタンバイさせて構いませんから」

班長「わ、わかりました」

班長「後退!」バラバラバラバタバタバタ


蔵間「18年前だ。神奈川を中心に全国で角の生えた女児がほぼ同時期に生まれ、奇病と騒がれた事件があった」

澪「知らない…」

紬「…」

蔵間「知らなくて当然だ。出生した子供の存在は徹底的に隠蔽された」

蔵間「この子は二?人、ディクロニウス。わかりやすく言えばミュータントといったところか。

人類、私たちホモサピエンスの突然変異体であり、私たちを滅ぼしかねない存在だ」

澪「…」

律「さっきも聞いたよ!何が言いたいんだよ!あんたらはっ!?」

蔵間「30番…あの子はジルペリットと呼ばれ、ベクターウイルス感染者の間に生まれるディクロニウスだ。

生殖機能を持たず成長が早く傷を負ってもその回復は非常に速い。

そしてベクターと呼ばれる特殊能力を持っている」

紬「ベクターウイルスとは?」

蔵間「…人間の男性にのみ感染するウイルスだ。ディクロニウスを作り出す」

梓「!?」

紬「…」

蔵間「安心してくれ。女性に影響はないよ」


蔵間「秋山澪さん。そして30番。君らは最も特異なケースの1つ…双子だった」

澪「…」

30「…」

蔵間「双子の片方が正常な人間だ。まさに奇跡だった」

蔵間「君のご両親は双子だったと事すら知らない…」

蔵間「通常ジルペリットは即座に処分されるが、彼女はその特性ゆえに我々に引き取られた」

唯「処分…」

蔵間「そして君は普通の人間として生きることになった…」


30「姉さん」ギュッ

澪「…」ギュッ


蔵間「双子とは惹かれあうんだろうか。何も知らないはずなのに…30番は君を探し当てた…」


………

機動隊員「…ありゃ一体どうなってんだ」

機動隊員「今更何の話をしてるんだ?」


主任「…殺してやる…殺してやる…」

警察官「…ん?」

主任「」ダッ

警察官B「おい!待て!」


主任「銃が一丁だけだと思うな…殺してやる…俺が殺してやる…」ジャキッ ジャコッ


警察官「止まれ!撃つぞ!」

機動隊員「止めろ!」

機動隊員「取り押さえるんだ!」


律「澪!伏せろ!」

澪「危ない!」

30「!」

パンッ


30「ね、姉さん…大丈夫?」

澪「おい血が出てるぞ!」

30「ちょっと近かったから…もろに当たっちゃった。でも大丈夫」


刑事A「でりゃあああ」ブンッ

主任「がはぁっ」ビターン

刑事B「この野郎!」

主任「て…手錠…離せ…離せよ…俺は…俺は…」ズルズル


SAT班長『突入!』バッ

ドン!

蔵間「煙!?」

SAT隊員1「伏せてください!」バッ

蔵間「!」ザッ

SAT隊員2「伏せろ!」

律「うわっ」

紬「きゃっ」

唯「わわっ」

梓「いやっ!」


SAT隊長『撃て!』


30「姉さん!?」

澪「やめて!」バッ


SAT隊員3「まずい!」

SAT隊員4「撃つな!撃つな!」

タタタタタタ タタタタタ タタタタタ タタタタタ

澪「っ!」


タタタタタタ タタタタタ タタタタタ タタタタタ

SAT隊員4「やめろ!」

隊員達「!?」

タタタタタタ タタタタタン

SAT隊員5「なんてこった…」

SAT隊員6「くそ…」


SAT隊員4「最悪だ…」


30「姉さんは…私が守る!」

澪「…みお…?」

蔵間「30番のベクターが…」




律「…きれいだ…」

梓「…千手観音みたい」

唯「…すごい」

紬「…こんな…こんな美しいものが…」



………

SAT隊長「―狙―イチ、指示―るまで―機」

狙撃手「りょ、了解」

狙撃手(ノイズが…)

………

蔵間「さ、30番を押さえろ!」

機動隊員「全体前進!前へ!」

SAT隊員「構え!」バタバタバタ ジャキ ジャキジャキ

機動隊員「ゆっくり間合いを詰めろ…一気に行くなよ…」ゾロゾロゾロ



30「っ…は…はぁ…ね…姉さん…大丈夫…?」

ツーッ


澪「みお!?血が出てる!」


30「…はぁ…大丈夫…行って…ここから離れて…」

ポタッ ポタタタッ

澪「私は絶対行かないぞ!お前は私の妹だ!」


機動隊員「君!それから離れるんだ!」


………

???『―隊長より狙撃イチ。目標の射殺命令が出た。発砲を許可する』

狙撃手「…りょ、了解!」


………

ター――ン


SAT隊員「何!?」

30「あうっ!?」

澪「…え?」

30「」フラフラ

SAT隊員「バカ野郎!狙撃班の連中何してんだ!?」

SAT隊員「おい!大丈夫か!?」

ター――ン

30「ぐはっ」

SAT隊員「二発目!?」

蔵間「何故撃ったんだ!?」キッ

SAT隊長「おい!狙撃イチ!何やってる!?」

無線『ザザーッ』

澪「…あ…ああ…」

30「澪…姉さん…」フラ…

ドサッ

澪「みお!」

ター―――ン

…カランカラン


蔵間「…弾いたのか!」

SAT隊員「誰だ撃ってる奴は!?」

SAT隊長「狙撃イチ応答しろ!狙撃イチ!」

………

SAT隊長「おい!狙撃イチ!貴様!」

狙撃手『ザザ――発砲許可ではないんですか!?』

SAT隊長「そんなもん出してない!何やってるんだ貴様!」


30「私…楽しかったよ…姉さん…」

澪「な、何言ってるんだよ!?大したことないから!大丈夫だから!」


澪「なぁ!?せっかく…せっかく私に会えたんじゃないのかよ!?」

30「…さよなら…ありがとう…姉さん…」ポタリ


…………
………
……

無線『目標制圧につき現在時刻、20時47分を持って警戒解除。全隊撤収せよ。ガッ』

ウーウー パウウウウウ パウウウウ

ガヤガヤガヤガヤ

白河「では…運んでください」

機動隊員「はい。よし、運び出せ」

機動隊員A,B「「いっせーのせっ」」ザッザッザッ


紬「みおにゃん…」

唯「ううっ…うぇっ…みっ…みおにゃん…」グスッ

律「泣くなよ…泣くなよ…」グスッ

梓「う…うわあああん」




蔵間「…君たちにはいろいろと謝らなければならないな」

澪「…人間はこんな事をしているといずれ罰を受けるんじゃないでしょうか?」

蔵間「そうだな…ツケは回ってくるかもしれない」



……………
…………
………


― すうしゅうかんご!



蔵間「…じゃあ、3発目の時にはベクターを出してないのか?」


『ええ。あちこちかなりの体組織の破壊が見られます。恐らく一斉射撃を受けた時点で

30番は限界だったんだと思いますよ。ですから一斉射撃を受け止めた時点でもう30番は実質死んだも同然で―』


蔵間「…まさか…最後のベクターは」


『あれ?室長。聞いてます?』



― 澪「にゅう…」律「え?」 おしまい